語り部シルヴァ

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7/20/2025, 10:38:01 AM

『今を生きる』

過去に罪を犯した。
大切な人を傷つけた。
だから俺はその日からその人と距離を置いた。
それが正しいからだと当時は思っていた。

結局は君の隣にいるついでに俺が
後ろ指を刺されるのが嫌だったからだ。
結局その人は俺という頼れる存在が居なくなって自殺した。
その知らせを受けたのは既に君の火葬が済んだ後で、
俺に伝えないように釘を刺していたらしい。

俺は人の人生を終わらせるような失敗をした。
本当は君が生きて俺が死ななければならないのに...
君の告白に自信を持って「喜んで」と答えれなかった。
その選択肢が今を作った。

今はもう君はいないけど、俺はこれからも生きる。
君と一緒に過ごす予定だった明日を君の分も生きるために。

語り部シルヴァ

7/19/2025, 12:22:09 PM

『飛べ』

勢いよく走り出し崖スレスレで飛ぶ。
大きな水飛沫を上げて水面が激しく揺れる。
「ぶはっ!あー!気持ちいいー!」
飛び込んでまもなく顔を出して大きな声でいとこは笑う。

「なー!早く来いよー!」
夏休みでおばあちゃん家に来たら偶然いとこも来てたようで
こっちに着くや否やいとこに海に行こうと手を引っ張られた。
海で泳ぐことには慣れているが飛び込みに関しては全くで
恐怖心しか勝たない。

「いやいや、さすがに無理だって」
「なんでー!俺ができたんだからできるってー!」
いとこは随分と自分勝手で昔からよく振り回されてきた。
だが今回ばかりは無理だ。

「お前ならできるよー!大丈夫ー!」
ほんと好き勝手言いやがって...
「死んでも文句言うなよー!」
やけくそになって走り出す。青い海がどんどん広がっていく。
「今だー!飛べー!」
いとこの声を聞いて精一杯地面を蹴って飛ぶ。

鼻に海水が入って少し痛いが、どことなくスッキリした。
「な?大丈夫だっただろ?」
いとこが笑顔で近づいてくる。

またいとこに振り回されたが...まあ悪くないかもしれない。
普段やらないような体験にいとこの笑顔を見れたから
深く考えないようにした。

語り部シルヴァ

7/18/2025, 11:03:26 AM

『special day』

音楽を流しながら衣をつけた鶏肉を油に落とす。
揚げる音が食欲をそそる。
あぁ...お腹がすいてきた...

5つ、10つとどんどん揚げていく。
今食べたら美味しい...絶対に美味しい。
唐揚げに伸ばす手は止めて作業する手を止めずに揚げる。

今日は特別な日。
そんな日は盛大に好きなものを作って好きなだけ食べる。
カロリーだとか栄養バランスだとか明日のこととか気にしない。

明日は休みだからいっぱい食べていっぱい寝るんだ。
そして何より今日は...給料日だ。

全部揚げ終えてご飯とお茶を用意する。
「よし、じゃあいただきます!」

これが私の特別な日の過ごし方。

語り部シルヴァ

7/17/2025, 10:39:06 AM

『揺れる木陰』

大木に背を預けてズルズルと座り込む。
近くの駄菓子屋で買ったアイスを食べる。
既に少し溶け始めて慌てて口に運ぶ。

ひんやりした口あたりにふぅとひと息漏れる。
なんもない田舎の景色。
所々に田んぼがあって、うるさい蝉時雨と太陽。
もう何度も見ては飽きている景色。

そんな景色を一望できるここは近くに駄菓子屋もあって
休憩するにはうってつけ。
駄菓子屋でアイスを買って、この大木で休む。
俺の夏のルーティン。
避暑地の大木はとても高く、
風を受けて綺麗な青い葉っぱを揺らす。

陰は踊り夏を楽しんでいるようだ。
俺も、同じ気持ちだ。

語り部シルヴァ

7/16/2025, 11:11:28 AM

『真昼の夢』

目を覚ますとやけに冷房の効いている教室だった。
移動教室だったのか教室内には誰一人とおらず、
俺は完全にサボり扱いだろう。
だが焦りも後悔も無かった。
別にこのままもう一度寝てやろうとまで思っている。

机が冷房によってひんやりとしている。
机に触れている部分が冷たくて心地よい。
冷たい...外の暑いはずの日差しが教室の冷たさによって
緩和されて暖かく感じる。
うとうとしてきた...このままもう一度...

目を瞑ると意識ごと体が引っ張られるような感覚に
意識は戻される。
目が覚めたのは見慣れたベッド、乾いた喉。
仮眠のはずが思い切り寝てしまったようだ。

エアコンも扇風機も自動運転が切れて外からの熱で
部屋が蒸し暑くなっていた。
「あっづ...」
懐かしいような記憶に無いような夢を見た気がする。
どんな夢かを思い出すよりも今は
重い体を動かして水分補給しなければと冷蔵庫へ向かった。

語り部シルヴァ

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