語り部シルヴァ

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『真昼の夢』

目を覚ますとやけに冷房の効いている教室だった。
移動教室だったのか教室内には誰一人とおらず、
俺は完全にサボり扱いだろう。
だが焦りも後悔も無かった。
別にこのままもう一度寝てやろうとまで思っている。

机が冷房によってひんやりとしている。
机に触れている部分が冷たくて心地よい。
冷たい...外の暑いはずの日差しが教室の冷たさによって
緩和されて暖かく感じる。
うとうとしてきた...このままもう一度...

目を瞑ると意識ごと体が引っ張られるような感覚に
意識は戻される。
目が覚めたのは見慣れたベッド、乾いた喉。
仮眠のはずが思い切り寝てしまったようだ。

エアコンも扇風機も自動運転が切れて外からの熱で
部屋が蒸し暑くなっていた。
「あっづ...」
懐かしいような記憶に無いような夢を見た気がする。
どんな夢かを思い出すよりも今は
重い体を動かして水分補給しなければと冷蔵庫へ向かった。

語り部シルヴァ

7/16/2025, 11:11:28 AM