→しりとりに挑戦
秋🍁
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🍄きのこ
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🌼コスモス
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🌾ススキ
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🍇巨峰(品種)
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📣運動会
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🌾稲穂
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🍏豊水(品種)
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🍠芋
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🍁もみじ
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📖じっくり読書❣️
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🍎陽光(品種)
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🐰うさぎof🎑
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うーん……うさぎの「ぎ」にするか、お月見の「み」にするか……、まぁ、もうイイや!
兎にも角にも、「み」のり(実り)の秋🍁だ!!
🌰栗も🐟️サンマも🎃かぼちゃも美味い! 天高く馬肥ゆる秋🍁
秋の味覚、万歳🎉
テーマ; 秋🍁
→短編・窓の景色で気分上々
話の流れで友人と遊ぶことになった。駅のコンコースで待ち合わせ。
彼女の姿を探すも、まだ到着してはいないようだ。通りに飛沫をあげる雨が降っている。思わずため息。吹き抜けのコンコースに雑踏と雨の音が反響する。
どんより曇天、雨の空。足元は濡れるし、湿度で髪はうねるし、あまり宜しい気分ではない。
街行く人も何処となく沈んで見える。
「ごめんごめん、待った?」
「いま来たところ」
そんなやり取りもそこそこに私たちは通り向こうの商業ビルに行くことになった。雨を避けて遊ぶにはちょうどいい場所だ。消極的な消去法。
雨の下、二人で傘の花を咲かせる。
私は友人の傘が新調されていることに気がついた。「それって……」
彼女は傘の柄をぐるっと回した。「懐かしいっしょ?」彼女のパステルカラーの傘には、一角だけビニールの窓がついていた。
傘の視界不良を防ぐための窓付き傘は、子ども用こそ見たことがあるが、大人用は初めて見た。
「しかもこの窓、見て」
私は友人の傘に顔を突っ込んで窓から向こうを覗く。「世界がピンクだー」
ビニール窓は仄かにピンクで、曇天も相まって、私にくすんだピンク色の世界を見せた。
いつもの景色が古い映画のよう。雨はフィルムのノイズで、通りを行く人も雨に光る歩道も物語の世界みたい。
私もこの物語の一部だと思うと、何か気分が上がってきた。
「何かちょっとキュンってならない?」と、友人に問いかけられて私は大きく首を縦に振った。
「なるなる! この窓を通して動画を撮れないかなぁ?」
「おっ! やる気ですなぁ。そこの公園で踊って、動画をバズらせますぅ?」
目的地変更。積極的に攻めて行こう!
流行ってる曲とかダンスを相談しながら、意気揚々と私たちは公園に向かった。
テーマ; 窓から見える景色
→短編・平屋暮らしの二人?
「ちょいとそこの新聞を取っておくれよ」
テーブルの上、彼の手の届くあたりに新聞が投げ出される。
「近頃はメガネがねぇとなぁんにも見えやしねぇ」と愚痴ると、頭の上から老眼鏡が降ってくる。
こじんまりとした居間に丸テーブルとテレビ、茶箪笥が一つ。部屋の窓や間仕切りの襖障子は開け放たれ、爽やかな少し冷たい空気が方々を抜けてゆく。
経済、地方欄……、新聞をめくっていた彼の手がスポーツ欄で止まった。
「カーッ!」と不満の叫び声と共に、彼はピシャリと片手で額を打った。「不甲斐ねぇなぁ! 見てみろよ、この点差!」
トントンと指で示す記事は、野球の試合結果だ。彼の応援するチームはこのところ連敗している。彼は不機嫌にテーブルから新聞を持ち上げた。
「今シーズンは絶望的だな、こりゃ」
テーブルに熱い湯呑みが置かれる。チラリと横目にそれを見て、彼は相好を崩した。
「ありがとよ、いつもすまねぇなぁ」
彼がこの平屋に移り住んで2年ほどが経つ。築60年を超す木造の平屋は所々にガタがきており、隙間から風やら虫やらがやってくる。
住み始めた当初は何とかしようと苦闘したものだが、防げないと悟るや否や、来るものは拒まずの境地に達して今に至る。
そして、有形でも無形でも受け入れてしまえば、後は気軽なもので、そこそこ仲良くやっていける。風や虫、或いは……。
新聞を読み終えた彼は居間をくるりと見回した。風の気配が消えている。いつの間にやら窓が閉まっていた。窓に小雨が雨だれを作り始めている。
テーブルの上の照明が何度か瞬いて居間を照らす。
彼はそれをぼんやりと目で追った。
「アンタの声、聞いてみてぇなぁ」
一人暮らしの平屋の居間で、彼はポツリと呟いた。
テーマ; 形の無いもの
→短編・もう少し時間ちょうだい。
高層マンションに併設された夜の公園に、一組の親子がやって来た。
ちょこちょこ走る娘の後を父親が歩いて付き従う。風呂上がりの娘は頭にタオルを巻いている。そのアンバランスなシルエットに父親は苦笑を漏らす。幼い身体に乗っかった大きな頭はまるで宇宙人のようだ。
娘は遊具を目指して走るも、父親を気にして時折振り返った。
「お父さん、ちゃんとついて行ってるから、さぁちゃんは前を見て」
父親の姿を確認し前を向く娘の瞳には、涙の跡が残っていた。
近頃、彼女は何かにつけてダダをこねる。2歳と言うのはそういう年齢なのだと育児書やらSNS やら彼の妻は言う。
今日も今日とて、難関の風呂(入れるまでにパジャマやタオルの選定に付き合う。風呂のおもちゃに癇癪を起こす。何もかもがイヤになりグズる)を一段落させるも、彼女の機嫌は一向に回復しなかった。
パジャマを着るのも着ないのも「イヤ!」の一点張り。仕方がなく髪を乾かすのは諦め(タオルは外さないらしい)「公園に行く」と言う主張に付き合うことになった。厄介なことに明日の保育園に着る予定の服を着て。最近の彼女のこだわり具合から行くと、おそらく明日は……。
恐ろしい予測に身震いするも、娘の背中を見守る父親の瞳は頼もしげだ。イヤイヤ言うのは個人形成の発芽で、生えかけの歯をむずがるようなものだ、と近頃の彼は考えるようになっていた。見守るしかないのだろうな、と。
小さな背中が大きな遊具の前で立ち止まり、何か考えている。その横に座って視線を合わせ問いかける。
「さぁちゃん、ジャングルジムに登るの?」
娘はフルフルと首を横に振った。斜め上のイヤイヤ発動かと警戒する父親に、彼女は二人の足元を指さした。
照明灯に照らされたジャングルジムが規則的な穴あき模様を浮かび上がらせている。
「さぁちゃんね、ケンケンパ」
言うが早いか、娘はぴょんぴょんと影の穴を飛んだ。
「上手だね」
父親に娘はコクンと頷いた。
彼のスマートフォンが鳴る。妻からのSNSメッセージだ。
―夕飯できた! 帰宅任務よろしく!
ケンケンパの頷きよ、今再び、姿を現せ!
「さぁちゃん? お腹空かない?」
イエスを待ち望む父親を前に、娘は首を横に振った。
「ない!」
「そっかぁ、ないかぁ」
父親は妻にメッセージを即レスした。
―もう少し時間ちょうだい。
テーマ; ジャングルジム
→短編・やまびこ山の独り言
今日も声が聞こえる。
「ヤッホー!」
はいはい。
―ヤッホー、ヤッホー、ヤッホー……
私のモノマネに皆さんは大満足。
「おーい!」
―おーい、おーい、おーい……
あっ、もしかして皆さん? やまびこって声の反響だと思ってます?
いやいやいやいや! アレ、私たち山のオウム返し技術の賜物なんですよ。
だからね、稀に、ごくごく稀に、こんなイタズラもするんです。
「山登りサイコー!」
―また来てねー
「な、何か違う声が聞こえなかった??」
やまびこポイントと言われる山間の山に登頂した女性は、友人と顔を見合わせた。
二人はどちらともなくスマートフォンを取り出した。阿吽の呼吸で一人が動画撮影を始め、もう一人が山に向かって叫ぶ。
「ヤッホー!?」
―ヤッホー、ヤッホー、ヤッホー……
「山登りサイコー!」
―山登りサイコー、山登りサイコー、山登りサイコー……
しかし何度も試しても、やまびこは彼女らの言葉を山々に反復させるだけだった。
テーマ; 声が聞こえる