→ここ2日ほどの猛暑について。
歌うようなサヨナラが
季節外れの熱波となって
風に乗って町から街へ
夏のお別れの挨拶だと
誰にも気付かれずに
人々のあいだを縫っていった
テーマ; LaLaLa GoodBye
→ネタ探し
どこまでも、高熱。
私と世界の輪郭が、曖昧だ。
でろんでろんの身体、
ぶわんぶわんの頭、
どろんどろんの思考。
このまま入眠したら、
トンテモナイことになりそうだ。
どうせなら、小説のネタになりそうな
荒唐無稽な夢を見るくらいのご褒美がほしい。
あと、早く熱が下がってほしい。
健康のなんたるありがたいこと!
テーマ; どこまでも
→短編・齟齬
居酒屋で、二人の女性が飲み交わしている。
「あ~、マジで仕事辞めたい〜」
「今日だけで3回は聞いてるわ」
「辞められんもん〜。言論の自由くらい許してよ」
「もし宝くじの1等が当たったとしたら、仕事辞める? 何したい?」
「もちろん仕事は即ヤメ。で、海外に行ってぇ、キャンピングカー買ってぇ、目的地無しのその日暮らし。アメリカとか大っきい土地の分かれ道でさ、右行くも左行くも、その日の気分」
「あ~、それって未知だね。未知の交差点」
「どうした? どうしてそんなにクーってなってんの? 普通に交差点って道にあるよね?」
「深いなぁ〜。交差点に未知がある! 哲学極まってんじゃん」
「て、哲学?? そんな話、してたっけ? じゃあ自動車教習所はアテナイの学堂ってこと??」
「未知(↘)?」
「道(→)??」
「「ん?」」
テーマ; 未知の交差点
→処世術
道路脇の電信柱の陰に、
ひょろりと茎を伸ばしたコスモス。
仲間はおらず、一輪だけ。
そよ風にそよぎ、
自転車の車輪が巻き上げる風塵に揺られ、
自動車の排ガスになびく。
ピンクの花がフラフラと右へ左へ。
まるで八方美人のように。
テーマ; 一輪のコスモス
→うら寂しい
降り積もった落ち葉の中に
無くした恋を探す
もちろん知ってる
そんなところに落ちてはいない
でも、探すフリだけでもしていないと
どうしようもなく心が疼くのだ
テーマ; 秋恋