一尾(いっぽ)in 仮住まい

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12/7/2025, 2:03:46 PM

→自家製の雲

会社帰りの夜道、急に冷えた夜の空気が頬に痛い。そうだった、冬の寒さは痛いものだったなと思い出す。
普段は目に止めない自動販売機が、誘うように明るくて思わず足を止める。
ホットコーヒーなぞを買ってみる。冷え切った指に缶の温かさが染みた。
一口啜って、ホッとひと息。コーヒーフレーバーの白い吐息がふわり。
まるで雲のようだ。
思い立って、夜空に自家製の雲を放ってみる。
すぐに掻き消えてしまったけれど、私の空想の世界では、ソイツは何処までも夜空を登って行った。


テーマ; 白い吐息

12/6/2025, 10:15:41 AM

→ひとまず、

  
  私の心臓が動いている限り、 
  私の生は消えない、
  はず。


テーマ; 消えない灯

12/5/2025, 3:13:04 PM

→夜景の一部になって、下を向く。


仕事の帰りに電車に揺られて、自分の住む街の夜景を眺めてみて、「あぁ、綺麗だなぁ」なんて思うのだけれど、下車する頃にはそんな感動をすっかり忘れて、日常の瑣末事でいっぱいになった頭に、いろんなことを思い巡らせて、トボトボと街の明かりの中を歩くんだな。


テーマ; きらめく街並み

12/4/2025, 4:26:11 PM

→切手不要、宛先不明

「手紙」を、誰かに読まれるための文章と定義してみる。
そうすると、このアプリを通じて書き綴る私の散文も手紙だ。
何となく初めて1年半、リアルの家族知人に、このアプリの使用を話したことはない。

毎日毎日、手を変え品を変え……られるほどのネタと文章力の引き出しはないけれど、それでも貴方に呼びかける。
ハローハロー、聞こえますか?

テーマ; 秘密の手紙

12/3/2025, 11:21:42 AM

→冬将軍

やってきた、やってきた

氷柱の剣を腰に帯び

吹雪の馬を従えて

歩く後ろに霜柱

氷の息をまき散らす

我は冬季大将軍!

「我が軍は強靭なブリザードのみ!

人の子は無用なり。

四の五の言わずに屋内にて暖を取れ!」



テーマ; 冬の足音

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