→ひらがなの声
彼は、嗚咽の中に声を震わせた。
「やさしさなんて……」
項垂れて、目を真っ赤にした彼から零れたその言葉は、まるで初めて話す幼児のように辿々しかった。
私は、彼の途切れた言葉の先を尋ねなかった。ただ、力の抜けた身体を抱きしめた。
彼の鋼のような筋肉質の身体に一瞬の緊張が走ったが、彼は無抵抗のまま私を受け入れた。
彼は、強がりを、猜疑心を、不信を捨てた。
今、私の腕の中にいるのは、人の優しさに初めて触れた獣だ。
テーマ; やさしさなんて
→夏のある一日の夕方のこと。
暑苦しい気温の中に、冷ややかな一陣の風を感じた。
空を見上げると、暗い雲と目が会った。
きっともうすぐ雨が降るな、そう思った矢先にポツリと一筋。ポツポツと二筋、三筋。そして、ポツポツは、ザーザーになった。
こりゃ、たまらん。お盆休みで閉まっていた店前で雨宿り。
明日は小学校で夏祭りがあると、ご近所の子どもから聞いたことを思い出した。
どうか明日は降りませんように。
テーマ; 風を感じて
→夢じゃない、でも、現実でもない。
フィクション小説を読み耽る、
その贅沢な時間のこと。
テーマ; 夢じゃない
→毎日が楽しそうなヤツ
とうとうゲットしましたよ!
新発売の「心の羅針盤」!
さっそく試してみますね。
まずは、コイツを心に仕込んで……、次に夢とか目標とか設定して、羅針盤の指す方向を決める、っと。
なんすか? 変な顔して。
え? 目標? 夢?? そんなの無いっすよ。
じゃあ、羅針盤は要らないだろって?
自分、格好から入るタイプの人なもんで。
それに、心に羅針盤持ち属性ってSNSのネタになりそうだし。
テーマ; 心の羅針盤
→※個人の感想です。
「またね」は、「また会いましょう」もしくは「また会う日まで」の省略だと解っていても、改まって「またね」と別れ際に言われると、その挨拶がもつ意味とは裏腹に、もう会えないんじゃないかと思うことがある。
テーマ; またね