夜宵

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7/15/2023, 2:14:09 PM

終わりにしよう


迫り来る脅威、ボロボロの体。
あるのは奴を討たんとする志と、手の中にある相棒だけ。
奴が飛びかかる。目で追うのも厳しいが、それでも抗う。
飛びかかる奴を避け、地面を踏みしめ、奴に向き直った。

「終わりにしよう」

スパーンという音と共に、奴はその命を散らした。
長い戦いが今、終わったのだ。
相棒の新聞紙を広げる。無惨にも潰れた奴をそのまま包み、ゴミ袋に入れ口を縛る。死骸は玄関あたりに置いておこう。全く、人が疲れて寝る前にカサカサ出てこないで頂きたい。おかげでメンタルはボロボロだ。
黒光りする人類の敵を排除した今、私に怖いものなどない。ゆっくり寝るとしよう。頼むからもう出ないでください…。

7/13/2023, 5:18:05 PM

賞賛、喝采、歓喜、涙、感情の昂り、注目、人気…
浴びるように感じる達成感と高揚。相手が私に注目するこの優越感。溢れ返るほどの感情が私を飲み込む。そして一拍の後、名を呼び、呼ばれ、求められる事で満たされる承認欲求。今目の前にいるのは私だけ、注目されるのも私だけ。比較もされず、貶されることもない。

あぁ、この事実のなんと幸福なことだろう。素晴らしい事だろう。

笑顔を振り撒き、いい子を演じ、適度に嘘を交えて相手の機嫌を取り生きて行く。そんな私でも幸福の2文字を実感することになろうとは。こんな1人のための演奏に、今までで一番の音色を奏で、今までで一番の笑顔を見せることになろうとは…。

演奏が終わる。手が止まる。音が止む。相手の口が開く。

比較されないというのはこれ程までに清々しいものだったか。
相手に謙遜し、自分を下にしながら相手の美点を探すことはそれ程苦痛だったのだろうか。よもや自分は、毎回誰とも分からぬ相手に劣等感でも抱いていたのだろうか。それとも、ただ1人だけ、誰と比べるでもなく、己の感想をつらつらと述べ続ける者に希望を見たのだろうか。

ただひとつわかることは、今日の演奏は何時もより幾分も気分が良かったということだけである。

7/12/2023, 10:48:54 AM

自分を見失わない事
自分に正直に生きる事
他人の言葉に惑わされないこと
それが大切

私が私らしく生きる為に、世の中で生きて行くために
そう考えていた。
だがふと思う。自分らしさとは何なのだろうか
自分らしさというのは、他人が居なくても確立でき、気付けるものなのだろうか。ひとりで答えを出せるものなのだろうか。

自分に正直になる事はともかくとして、見失うのも、惑わされるのも、他人が居てこそだ。いい事を知った、教えて貰った、経験した、目撃した。全てが人の行動を見て、客観的に判断した結果のサンプルだろう。どっち道、他人とは関わらなければならない時がある。重要なのはどう対処し、捉えるかだ。

人はいい事は取り入れ、悪い事は聞き流せと言う。だが、悪い事…例えば悪口だったりというものでも、その原因となる行動を自分なりに振り返ってみる機会になるし、身近な人が許してくれているだけで本当は良くないことだったのかもしれない。適度に、こういったことにも向き合うべきではないだろうか?

これまでずっと悪口や嫌なことから目を背け続けた私は、自分らしくという言葉の意味を探っている。人を慈しみ、自分自身も慈しむような人間になるための自分らしさなのか、私が私であるための、いわば自分の為のらしさなのか、考え続けたいと思う。






途中何書いてるか分からなくなりましたBy作者

7/11/2023, 2:46:37 AM

爽やかな風の音、流れる川の音、暖かな感覚…。
夢と現実の狭間を彷徨い、閉じられた瞼の中で微睡む私。
視界は暗いようで明るい。日が昇っているのだろうか。

そよ風が頬をなでる。
このままここで眠り続けたいとすら思う程にその場所は心地よかった。
さては昨日の私、窓を開けっ放しで寝たな。
このまま微睡み続けるのも良くは無いだろう。
何時もより幾分か軽くなった体を動かす。

だんだんと、ゆっくりと意識が浮上してきた。
太陽の眩しさに目を細めつつ、その明るさに目を慣らす。
ようやく目が慣れ初め、辺りの景色を視界に入れた。

しかし、私の視界に映ったのは、見慣れた天井などではなく、
見知った光景などでも無かった。

目が覚めたその場所は-

7/9/2023, 11:40:44 AM


息を吸う

息を吐く

息を吸う

息を吐く


私は今日も生きている。

私は今日も息をする。

それは当たり前であり、当然の事。

それは、指命であり、義務。


そう、生きるという事は、当然の、当たり前の事なのだ。

出来て当たり前、それが出来た上で何かを為せと世界は言う。

生きて、社会というグループになにか貢献せよ、と。

それが私の、世に生きる人の勤めでありそれが善だと世界は言う。


果たして、これは善なのだろうか。

果たして、死ぬことは悪なのだろうか。

果たして、息をするだけの人間は無能なのだろうか。


私が息をすること、生命活動を続けている事。

これは当然の事なのだろうか。

出来て当たり前の事なのだろうか。


生きるという事は、当たり前ではない。

生きる事は、とても凄いことを成しているという事では無いだろうか

辛い事、悲しい事、嬉しい事、楽しい事、

全ての感情を受け止め、それでもなお生き続けるという行為は、

当たり前にできる事などでは無い。


生きながら何かを成せと世界は言うが、

生きていることが、大きな事を成し遂げている事に皆は気付かない。

何かを成し遂げようと奮闘し、

何も出来ないと己を呪う。

だからこそ私は言ってやりたいのだ。


生きるという行為こそが、重要なのだと。

生きているだけでも偉いのだと。

死という行為を選ばない貴方はそれだけで立派な人間なのだと。

その認識こそが私達にとっての当たり前なのだと。


自分らしく生き、自分らしく死のうと奮闘する私は、貴方は、

この世で1番美しい人間なのだ。

世の中このくらい図々しく生きても罰は当たらない。

この世は千差万別の人がいて、

それぞれが1番であり、唯我独尊なのだ。

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