みりん

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6/19/2025, 3:39:10 PM

私は靴を履いて、外に出ようとした
先程まで泣いていたのが嘘かのように前を向く

外はなんだか暗かった
厚い雲が、私の行く末を邪魔するように見えた

もう目は乾いていたから
問題なく歩き出すことができた

私は必死に歩いていたから
君も出てきたことに気づいていなかった

雨の香りがするね、と声をかけてくるものだから
真正面から君を見てしまった

あぁ、雨ね。
傘持ってきたかな。

適当な会話は場を柔らかくする
君はなんだか早歩きで行ってしまった

私の涙の跡は
君には少し早すぎたのか


『雨の香り、涙の跡』

6/5/2025, 10:50:41 PM

昨日の晩は雨が強く降った。
いや、今日の朝だろうか。
友達と電話を繋いで、適当に言葉を落としていくと、
三時間ほどを暗闇に溶かすことになる。
友達の持っている思い出っていうのは大体明るくて、
私の持っている思い出は、少し冷たかった。
隣の芝がなんとか、くらいの違いではなかった。
昨日は雷がうるさかったが、今朝はやけに静かだった。
多分昨日のこの時間も同じようだったのだろうが、
私にはやけに冷たく感じた。
猫背で、いつも下を向いて歩く私。
凛としていて、それでいてよく笑う友達。
今も、きっと友達は前を見て歩いている。
ふと、空を見上げる余裕まであるだろう。
私は今日も駅まで俯いて歩き、
水たまりに映る空をかろうじて見下す。


『水たまりに映る空』




小説チックにしちゃった!!
「書く習慣っていうアプリやってる人おいで!!!!」
っていうオプチャの管理人です!
誰でもおいでね!!!

5/23/2025, 10:27:54 AM

私はいつでもにこにこ話した。
誰の前でも、にこにこ話した。

あなたの前では一層増して、
にこにこ、笑った。

元気を体現するように生きてきた私は、
今更あなたの前で弱みを見せる
なんてことはできなかった。

暇だから、といって駅までついてきてくれるあなたは、
きっとにこにこしてる私じゃなくて、
私の隣のあの子がいいんだ。

多分、私でもあの子でもないのは、分かっている。
知らないうちに、嫉妬が私を埋め尽くす。

明日もきっと、私はにこにこする。
あの人にも、この人にも。

自分を偽って、
あなたを騙している、ひどい罪悪感が、
あかい空をそっと包みこんでいく。



『そっと包みこんで』

5/16/2025, 9:02:28 AM

地下鉄を使ってやっとたどり着けるような、
少し遠い場所にあるテニスコート。

朝から、顔に見合わない短いスコートをはいて、
君はラケットを手に持った。

君を見に来たよって言えたなら、
どれほど後悔から逃げれるのか。

君の試合はこの一つあと。

10番コートのフェンスに近づき、
特に興味のないテニスの試合を見ておくことにした。

そわそわしている君を見ていると、
なんだか僕も落ちつかなくなる。

君が僕を見つけなくたっていい。
君がその真面目な顔で、ラケットを振ってくれれば。

一人でいると欲が深くなってしまう。

僕は僕を暗闇の中に隠して、
泣きながら挨拶をする一方を目で追う。

君の試合はもうすぐだ。
君が僕の暗闇で、瞬く間に輝き出す。


『光輝け、暗闇で』


「書く習慣っていうアプリやってる人おいで!!!!」
っていうオプチャの管理人です!
おいでねみんな!!!

5/12/2025, 8:23:29 AM

真っ暗な部屋の中、
僕は1人船に乗り込む。

画面だけが明るく光って、
さながら、イカでも釣りに行くようだった。

今日はもう店じまいにしようと、
目を閉じようとするも、

未来への道は、
未だひらけてはこない。



『未来への船』

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