希雲とわ

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2/28/2024, 12:21:29 PM

2024/02/28(水)No6.『遠くの街へ』
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ある日、旅をしている女はある街に来た。
何日か滞在したがいつも太陽に照らされて街は明るく祭典をしているようであった。誰もが笑顔で歌を歌い、踊っているかのように足取りが軽い。
ある時、女は違和感を覚えた…。笑顔が溢れているのに笑っているわけではないし、話しかけても対応は冷たい。
しかし、他の街へ行くのだと宿の人に伝えると本当に心の底から笑ったように見えた。
不思議に思いながら行った次の街は、誰もが貧しい暮らしをしており、いつも雨が降っていてジメジメしていた。しかし、誰もが協力して過ごし、優しく接してくれた。
ところが、そこでは次の街へ行くと言った途端に対応が冷たくなった。そして、出発する時に舌打ちが聞こえたような気がした…。
次の街へ行くと、とある噂を聞いた。そこで女は、前の街で何故そのような振る舞いをされたのかを理解して鳥肌が立った。
《昔、ある街で内戦が起こった。始めは小さなものであったが段々と過激化して、小さな子供の命が奪われた…そのことに怒った雷様が、ある街を雨の街と晴れの街、虹の街の3つの街に分けてしまった。雨の街には、過激であった人を…、晴れの街には、内戦に無関心であった人を…、虹の街には、関係のない子どもや内戦を止めようとした人を…。そして、20日間そこに滞在した人を生贄にすると雨の街には数日間の太陽が、晴れの街には数日間の雨が与えられるという言い伝えができたのだそうである…》

2/27/2024, 1:30:13 PM

2024/02/27(月)No5.『現実逃避』
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今の時代、毎日少しの決断をたくさん迫られる。
そして、その決断して行動したことだけで人格を判断される。
テストで良い点を取れるのか、、
仕事ができるのか、、
周りに気に入られるいい子でいられるのか、、
友達にどんな言葉をかけるのか、、
自分の性別らしさ・自分らしさを見せるのか、、
―そんな中で、現実逃避は必要な休養だ。
何だっていい‥
学校や仕事を休んでも、
ゲームでも推し活でも、
自分を傷つけてしまうことでさえも。
―そうでもしないと生きることができなくなってしまうのなら現実から逃げてまたゆっくり帰ってくればいい…
―…それでも辛いときはこの世から逃げてしまえばいい。何も後悔することがないのであれば…

2/10/2024, 9:54:38 AM

2024/02/10(土)No4.『花束』
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生まれたとき病室には桜蘭が飾られていたらしい

5歳、幼稚園で作った折り紙のカーネーションを母に送った。

10歳、花係になって沢山の花を育てた。
―…いろいろな花を育てたはずなのに、花壇の下でひっそりと輝いていた、たんぽぽが一番印象に残っている

18歳、高校の卒業式に泣きながらクラス皆で桜の木の前で写真を撮った。

20歳、成人式で親から初めての花束を貰った。
―…花束にはカスミ草の間に「いくつもの小さな幸せをありがとう」と書かれた小さなメッセージカードが添えられていた

28歳、恋人にプロポーズされ、大きなひまわりの入った花束を貰った。

29歳、1年目の結婚記念日に偶然、お互いひまわりの花束を渡し、笑い合った。

34歳、夫の連れ子であった子から初めてカーネーションを渡された。

46歳、子どもに自分とは血が繋がっていないことを伝えて大喧嘩。1週間後に手紙と一緒にカーネーションを渡されて仲直りをした。

56歳、癌が見つかり、治療をするも体は弱くなっていった…

57歳、命がなくなる前に見たのは、子どもと夫から貰ったカスミ草などが入れられた花瓶だった。
―…いくつもの小さな幸せをありがとう。
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作者は、華道部に入っているただの高校生なので人生これからです…!花束は、幸せなときもそうでないときも誰かの気持ちが込められたものだと思います。
華道部で花を生けている時、とても落ち着きます。生けた花が飾られているのを見るととても嬉しく感じます!
こういうちょっとした幸せを感じて生きたい…

1/21/2024, 9:33:52 AM

2024/01/21(日)No3.『海の底』
※かなり暗い内容です
 ⚠苦手な人は読まないようにしてください
※フィクション
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僕は時々、パニックを起こすことがある。
人混みや人前での発表など場面はそれぞれ違うが、その時必ず思うことがある。

―…海の底のようである、と。

不安…、暗くて何も見えなくなって、体が重い…
必死に抵抗しても喋ろうとしても呼吸ができなくてどんどん苦しくなっていく…溺れていく……

僕はいつも周りに助けられていた、、
ある友達はパニックを起こす僕を嫌うことも引くこともしなかった。不安になるといつも隣にいて「大丈夫」と言いながら笑いかけてくれた。
そして、海の底から救い出してくれた…

僕はそんな友達に甘えすぎていたのだろう、
中学校で出会ったその友達とは大学に入って社会人になって忙しくなるにつれて話すことが減っていった、、一人でパニックを起こしたとき、いつも隣にいてくれた友達のありがたさを理解した。

しかし後に、その友達は自らの命絶ったと聞いた
きっと優しすぎて生きることに疲れたのだろう。
「君も海の底で溺れていたのだろうか……?
 今更君に感謝してももう遅いのだろうか…?」
その問いに返事が返ってくることはなかった…

1/20/2024, 9:51:32 AM

2024/01/20(土)No2.『君に会いたくて』
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君は計算もできないし時計をよむことも難しい。
でも優しい、笑顔が太陽のように明るい。
君は音楽に夢中で、ギターでも歌声でも誰もの心を強く惹きつけた。

私はそんな君が小さい頃から好きだった。

君に少しでも近付きたくて、私は歌を歌うようになった。合唱やピアノ、洋楽や流行歌、他にもいろいろな音楽に興味を持つようになった。
音楽は、私が辛い時も悲しい時も生きる理由に
なってくれた…

―…私は大人になっても合唱を続けた…―
歌は私が生きるための世界を見させてくれた。
君に会いたくて始めた音楽が私を支えてくれた。

今の君は私にとって、恩人であり、憧れであり、特別な人で最高の推しである

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