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12/7/2024, 2:48:29 PM

ストレスが爆発して
宇宙塵の吹き溜まりに咲いた花
おかしな顛末だ
昔は何でもおかしな話に聞こえた

からだは小さな箱庭だ
からだは神様のおもちゃだ
神様の頭蓋骨には虫の脳みそが詰まってる

宇宙があるということときみが存在するということ
おかしな話だ
宇宙が存在することさえ
きみのひとりぼっちに太刀打ちできない

いまだけしかできないことなのに
きみは虫どものいいなりだ
生きるということはきみのことなのに
きみは虫の集る路傍の壁の絵しか見てない

知っているような気がしているだけだすべて
学んだのは死んだ顔に焼きついた文化だけだすべて
天使でも美を司る神でもない土偶
炎のなかから顕れた肉屑
玉手箱みたいなものなんだ
開いた瞬間老いる憎しみが刻まれた呪いだ

精神みたいな汚点をなすりつけられた純潔も
いまや糞で膨満した体だ
何になるつもりだったんだ
体よ
あまりにお前はかわいそうだ
おれなんぞを容れてしまって穢れた祭壇よ
もはや糞を産む体だ
アンチナタリズムですらない
おれの消えた轍だ

欲望が消える
歴史と共に
おれもいま手放した
深化した無の視野のかなたに

護られなかった戦災孤児なんだみんな
唾を吐きかけたいような他人を一日に一度はみかける
もう正しくなんかない
お前は善人なんかじゃない

光はいつも見るものだ
やっとわかった
光は内に無い
人は闇の子だ
神は動因だ
生は目的だ
心は神の尾の端だ
神は尾を喰らう蛇だ
世界は光と闇の狭間だ
言葉は糞色の虹だ

いまこれを読んでるお前の枝を折った
聞こえたか?
おれの仕業だ
お前の中に入ってべきりとやってやった
もうもとには戻らない
これが糞色の虹の所業だ
鳥よりも狡く、風よりも酷薄な爪だ
お前の樹皮を剥がした
お前が読む限り酸の雨は降る
傷口からやがてすべて腐り落ちるだろう
おれがやってやった
目の前の糞色が見えるか?
おれの口から出ている悪臭だ
こんなにも穢いんだよ
子どもの死体が川に浮かんでんだよ
死体だからかまやしねえと群衆が撃つだろうがよ
てめえもその中によく入ってんだろうがよ
弄ぶのが楽しいだろうがよ

もはや
崇めてなるものか人を
誦じてなるものか美を
骨に灰を塗りたくって化粧してるつもりの愚鈍を
あらしめてなるものか
すべて悪意の骸骨だ
くさい虫の液を撒き散らしやがる
ここが花畑だ

精々腐れよ


#部屋の片隅で

12/6/2024, 9:40:52 PM

ねえ、いくら振っても

なにも出てこない

ほんとにからっぽなんだよ

となりのへやでがなりたてるよっぱらいの唄声さえ入りこんでしまう部屋からは

ものがすこしずつ消えている

ぼくはいまでは無性に理由をさがしていて

写真なんかを、始めてみようとおもっている

いらない、いらないと言い続けてきて

しまいに風景を切り取れたら

それは要らなさの極致なんだというような

あるいは記憶だけが残るような

予感がしてるんだ

ぼくはもうほんとに

からっぽなんだ

カメラをかおうかな

外に出たい


#逆さま

12/4/2024, 12:43:13 PM

ここにいる。なにもぼくの内にはないのに、話すことさえできる殻のように、価値を守るそれを尊びながら。あなたの大切なものも同じ空の下に置いておいてくれたら。あるいは、たましいの味方をしてくれたなら。すべての行いの熱量、そのほんのひとかけらでも届けよと、あなたを暖め得る夢を見ていたい。景色からなにも奪わないで、街の灯のしたにはだれも埋まっていないから。美しい顔も斜陽のかいなに抱かれてみえなくなる、そのあとに残された声の、言ったこと。


#夢と現実

8/31/2024, 7:14:00 PM

夜の瀬戸内は星の揺りかごのごとく、あまやかな晦冥のブルーを敷き詰めて、星のおもてからわたしのまなこまでは、糸がひとつ濡れたように張られる。その深い詞海から、古い情緒へと言葉が落ちるようにと、とうめいな永い指のことを感じたり、天からばらまかれた光が巨大な花茎の無限に裂けた形になって、わたしの吐いた気息をまた呑ませたりする。そして手持ち無沙汰に、あなたもこの星空を知っているのだろうと思う。そうすると眼窩の奥にじっと滲むものがあり、天国のためにためておいた涙も暗い波際からこちらに歩いてきて、あなたに手紙を返せなかったわたしのこともやはり繋ぎ止めている。手を取り合っては離れる夜の雲たちが、伝えられることのなかった人の愛のすべてを知っているなら、彼らにだけは、あなたを心で抱きたいとはじめて吐きだしてもよかった。こんなに綺麗な世界の、わたしのために置かれた少しの場所で、わたしは今、わたしだけの初夜を、一人迎えている。


#不完全な僕

8/20/2024, 12:41:00 PM

与えられたものの傍で

おにぎりを食べながら

夏の空は木立の隙間にかがやいて

ここに求めたものは

ひとつも無いけれど

ぼくのいのちにとっての

自然はあるのだと悟った

ぼくはぼくの祈る脚を

夜の悲鳴の先へ伴っていく

だれとも結ばれることはないだろう

子どもが生まれてくることなんてないだろう

しかしその分

仕えることをやめてはならないのだと

さみしい心底から掬い上げた

つたない意思を形にして

少しだけ自分のこと

信じられるようになれたらいいんだ

そう思ったよ


#さよならを言う前に

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