夜空の音

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4/4/2026, 10:13:51 AM

それでいい

そう言って欲しかった。
誰かに。

そのままでいいんだよ。
そんなあなたでいいんだよ。

仮面を被らない“じぶん”を、受け入れてくれる人はいるのだろうか。
傷だらけのあなたでも、大丈夫だと言ってくれる人はいるのだろうか。

4/3/2026, 10:10:53 AM

1つだけ

「お母さんがお腹痛めて産んでくれたんだから自分の身体をもっと大事に扱いなさい。」
そう、大きな声で言う人がたくさんいる。
「この世で1人しかいない、唯一無二の存在なんだから!」

そう、だね。
私の身体は1つしかない。
替えもない。
命も、この1つしかない。

声を大にして言いたい。
「私は産んでくれなんて頼んでない。」
私の傷を見て怪訝そうに顔をしかめる人に言い返したい。
「無数の身体の傷は見て、心の大きな傷は見ないのはどうして?」

替えのないこの身体は、傷を作ればもう元には戻らない。
その上から、何度も、何度も、傷を作る。
ボロボロな身体、ボロボロな心。
1点もののこの身体は傷だらけで、心にもヒビが入っている。
もし、1円で売ったとしても、誰も買ってくれはしないだろう。

3/29/2026, 11:03:34 AM

ハッピーエンド

「まだ好きなの。復縁してほしい、おねがい。」
「そーなん。俺も、忘れられなかってん。」
2人の視線が重なる。
私は呼吸も忘れて、次の言葉を待つ。
「もう1回、やり直そか。」
その言葉がずっと欲しかった。その言葉が嬉しすぎて、私の視界は歪み出した。
「今度は、間違えないから。大事にする。」
ポロッと溢れる雫が頬を伝う。
こんなに嬉しいのに、なんで涙なんて....。そう思うけれども止まらない。
「....ありがとっ。」
やっと絞り出した声は掠れていて、なんとも情けない。
「お前、あいっかわらず泣き虫。」
その言葉を聞きながら、私は暖かい腕の中にいた。
ポンポンと頭を軽く叩くその手があまりにも優しくて、やっと帰ってきた手の大きさに、私はまた胸がいっぱいになって、涙が出てくる。
大好きだよ。と、その言葉と共に、頭にキスがひとつ落ちてきた。

そんなハッピーエンドを何度も夢見て、覚めない悪夢の中にいる。

3/28/2026, 12:04:36 PM

見つめられると

君が私を見る。
その瞳は少し潤んで見えた。
犬みたいだ。そう思った。
「また、遊んであげるから。」
小さな子どもを宥めるように、そう言い聞かせた。
君は、うん....と言いながら、手を伸ばす。
その手は私の手に重ねられ、スリスリとさすられる。
君は、いつも汚い手だと、荒れた手を嫌う。
だから私は上から手を重ねて、いつものように口にする。
「お仕事頑張ってるお手てだね。」
そんなことない。と言いながら、君は少し口角を上げる。

君は私の手を握り直して、車の肘置きに腕を立てる。
そして、私の頬に指を添えて、猫にするように頬を撫でる。
私はそれに、無意識に目を閉じて身を委ねてしまう。
今までの恋人にも言われてきた。きっと私は猫のような女なのだと思う。
君が満足するまで車に居ようと思う。この手が離れたら、車から降りようと。

しばらく撫でられ続け、その間君は私の顔をずっと見ていた。
「仕事終わり被ったらまたご飯に行こ。仕事じゃなくても、言ってくれたらご飯に行くから、ね?」
君はパッと明るい顔をして、身体を引く。
そして、手は離れた。
「ほんまに?」
「ほんと、約束ね。」
犬のしっぽがパタパタと振られてるのを見てる気分になる。
「....それじゃ、帰るね。手が離れたら帰ろうと思ってたの。」
私はそう切り出した。
また、捨て犬のような目で私を見る。
そんな目で、見ないで欲しい。
私たちは元恋人であって、今は恋人じゃない。
友人に見せる顔をしていて欲しい。
私たちは、“友達”なんだから。

3/27/2026, 10:28:21 AM

My heart

ズン、ズンと、音がする。
規則的な音は胸を圧迫し、喉を揺らす。
ビートは70くらいだろうか。
「んーふん....ん、んんー」
当たり障りのない、頭に浮かぶままにハミングをしてみる。

終わらないビートは、私に歌詞をつけさせる。
「あーなた....の、こえ....。
あーなた....が、よぶ、こえ....。
あーたま....に、ひびく....。
きえなーい。
きえてーよ。
あーなた....の、こえ....。
あーなた....の、えが、おが....。
あーたま....に、うつる....。
きらいーよ。
さいてーだ....。」

ふう、と息をつく。
「きらいーだっ。
きらいーにっ、なったぁよ。
なーれた....よ、たぶん。」

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