夜空の音

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5/5/2026, 10:08:27 AM

君と出逢って、

初恋。10年の片思い。そして、失恋。
そんな経験をした私は、こじらせていた。
彼の好きだった部分ばかり思い出して、ため息を吐く。
だから、もう他の誰かを好きになれないと思っていた。一生彼だけを好きなのだと。この呪縛からは死ぬまで逃れられないのだと。

付き合う相手に、好きだよと嘘を囁く。
嘘では無い。人として、好きだよ。その言葉を切り取った好きだよだ。
付き合っては直ぐに別れるのを繰り返して3年。君に出会い、付き合った。
君は、今までの彼氏と違って、彼と似た部分なんて少しもなかった。
それなのに、惹かれた。

君と出逢って、私は他の人を好きになれるのだと知った。
君と別れて、私は諦めの悪い女だと知った。

5/4/2026, 12:07:39 PM

耳を澄ますと

「まって、ほんとにどこ?」
駐車場で車を探して15分。完全に迷子になってしまった私たち。
「5階じゃなくて、6階?」
5階、6階、7階と、行ったり来たり続けて探し回る。だが一向に見つかる気がしない。

「あ、まって!鍵使ったらいいんじゃない?!」
そう言い出して、隣では車の鍵の解錠ボタンを連打しだした。
どこどこ?とキョロキョロする隣と、立ち止まって目を閉じ音を探す私。

7階、6階、5階。
ピピ
「「あったぁ!」」
私たちは目を合わせた。
最初に探していた5階で、車は見つかった。

5/3/2026, 10:04:40 AM

二人だけの秘密

あの子が亡くなったらしい。
盲腸だったらしい。
そんなこと、小学生の私には受け入れられなかった。

母親に伝えないといけない。報連相だ。でも。
『口にしたらホントになりそう。』
私はぬいぐるみに相談した。
『言わなかったら、明日あの子と会えるかもしれないよね。』

そうして、私は言わなかった。
明日も、来週も、来月も。
私はあの子が現れるのを待ち続けた。
母親にバレた、その日まで、私とぬいぐるみの、二人だけの秘密だった。

5/2/2026, 10:12:58 AM

優しさだけで、きっと

優しい言葉は人を笑顔にする。
優しい言葉は人を傷つけない。
そう信じて、優しい言葉を選んできた。そんな生き方をする彼女と出会った。
彼女は優しい言葉を使い、優しく接する。
僕に優しく、喜ぶ言葉を選ぶ。

「大好きだよ。」
綺麗に微笑みながら愛を囁く彼女はいつも完璧な笑顔だった。
その言葉を、本音だと思っていた。
だから、彼女が別の男のことを引きずってることを知った時、世界が壊れる音がした。

「どうして、嘘ついたの?」
僕は耐えきれず、彼女に問いかけた。
「好きって言ったら、喜んでくれるでしょ。好きと言われて嫌な人はいないでしょ。」
彼女はコテンと首を傾げながらそういう。
「それに、嘘はついてないよ。君のこと好きだもん。すごく、尊敬してるよ。」
また、彼女は完璧な笑顔を僕に見せる。
「....優しすぎるよ。」
僕は、そうとしか言えなかった。

彼女の優しいさは僕の心を殺した。

5/1/2026, 10:11:15 AM

カラフル

空は青。
木々は緑。
太陽は赤。
月は黄。
雲は白。

私は写真が好きだった。
空や花の写真を撮るのが好きだった。
鮮やかな景色を切り取ると、華やかな一瞬が永久になる。

「懐かしい....。」
部屋の掃除をしていると、隅の方から懐かしいカバンが姿を表せた。
カバンを開くと、黒い一眼レフがこちらを見る。
手に持つと、ずっしりと心地よい重さを感じる。
カシャ
窓の外に向かって、私はシャッターを切った。
切り取った景色を見て、ため息が出る。
このところ、ずっとそうだ。色褪せて見える。
白黒の世界になって何年経っただろう。鮮やかな世界が懐かしい。

それでも今日は、重たい身体を動かして、ベットに近づく。
お気に入りのぬいぐるみを、お気に入りの仕草で座らせた。
カシャ
最期の1枚は、お前がいい。

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