bye bye ...
“あがります、お疲れさまです。”
いつものように周りに声をかけて、長くも短くも感じる4年間勤めたアルバイトのタイムカードを切った。この作業も最後だ。
あまり見送られたりするのが好きじゃなくて、今日が最後のことはほとんど言わずにこの日を迎えた。
“今日もありがとうなぁ、おつかれ!”
お世話になったフリーターの人達がいつものようににこやかに返事をくれる。
“お疲れさまです!”
後輩たちも、ペコッと頭を下げながら返事をくれる。
いつもと同じ雰囲気に、少しホッとした。
控え室に入り、制服を脱いだ。
いつもより、少し綺麗にたたんだそれを少し見つめたあと、控え室をぐるりと見渡した。
夜中までサビ残して怒られたことや、長めの休憩中に主婦の人達と話したこと、店長に褒められたこと、みんなで掃除をしたこと、色んな思い出が浮かんでくる。
懐かしいなぁという思いと、少しの寂しさが入り交じる中、制服をカバンに詰め込み、油まみれになった靴をゴミ箱に入れた。
お世話になりましたと一言メモを添えた名札をテーブルに置いた。
カバンを肩に、控え室の入口前に立ち、もう一度部屋を見渡した後、深く一礼をした。
“....4年間、お世話になりました。”
3/22/2025, 2:03:49 PM