夜空の音

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1つだけ

「お母さんがお腹痛めて産んでくれたんだから自分の身体をもっと大事に扱いなさい。」
そう、大きな声で言う人がたくさんいる。
「この世で1人しかいない、唯一無二の存在なんだから!」

そう、だね。
私の身体は1つしかない。
替えもない。
命も、この1つしかない。

声を大にして言いたい。
「私は産んでくれなんて頼んでない。」
私の傷を見て怪訝そうに顔をしかめる人に言い返したい。
「無数の身体の傷は見て、心の大きな傷は見ないのはどうして?」

替えのないこの身体は、傷を作ればもう元には戻らない。
その上から、何度も、何度も、傷を作る。
ボロボロな身体、ボロボロな心。
1点もののこの身体は傷だらけで、心にもヒビが入っている。
もし、1円で売ったとしても、誰も買ってくれはしないだろう。

4/3/2026, 10:10:53 AM