『1件のLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
LINEを送ると2階からバタバタと足音
お菓子のおさそい
「1件のLINE」
一件のLINE
簡潔に、されどイツクしみヲこめて、感謝と謝罪と懺悔を含んだ文字を、おくります。
1件のLINE
不意に部屋に響き渡る通知音にびくっとなる
自分のスマホに通知がくることなんて
ほとんどないから
アプリも必要最低限しか入れていないし
LINEだって必要最低限
周りにあんまりにも言われるから入れただけ
そして連絡先を交換したところで
結局誰からも連絡がくることなんてなかった
だから少し緊張しながらスマホを手に取った
こんな自分に連絡してくるなんて
悪い連絡に決まっているのだ
先のことなど誰にもわからないけれど
この1件のLINEが自分の運命を変える
そんな気がしていた
何を思ったか、この無粋な男からまさかの申し出だった。朴訥フェイスで正直、何を考えているかさえわからない。
で、何処の…?と聞いても、なんだか釈然としない答えが数日続いた。その間LINEも殆どなかったし、痺れをきらした俺が「なぁ、行きたいってそっちが言ったんだろ?」と突っ返したら、今度逢おうとしてる機会さえも消えてしまいそうな雰囲気だった。
結局、期待するような返答もないまま、明確な場所も与えられなかった。そしてそのまま、約束の週末を迎える羽目となった。
それでも一応はその誘いを信じて、予め予約しておいたレンタカーに乗り込む。
どこまでも長いラインのような一本の道を、東、東へと向かっていた。
遠く、肉眼からでもわかる。運が良ければイルカが跳ねる姿が見えると有名な海が広がっている。数日続いた天候の悪さが嘘のようだった。
久しぶりの映えた蒼との相性は、こちらの気持ちも同じ色に染まっていく。
けれどふと我に返り、真横にいる存在を意識すると、いつもの無粋な男がちゃっかりと、視界に映り込む。
…安定の、朴訥フェイスで。
俺は虚な目を向ける。
口下手なナビほど、頼りないものはなかった。
結局ここまで来れたのは、ぐーぐる大先生のおかげである。
砂に足をとられながら歩き、ようやく辿り着く。
吐く息の白さ。少し肌寒く感じた。遠くからみる蒼とはだいぶ違った印象を抱いた。
(こんな季節に、此処に来る事があるだなんて。)
陽の光が海面をてろてろと走り、吹き付ける風によって時にうねりを伴う。時に、荒々しい表情に、暫く魅せられていた。
その荒々しさは、夏に魅せるものとまるで真逆の光景だった。
隣の使えないナビがこんな光景を知っていたことが、信じられなかった。
普段何も興味がないような、死んだ魚の目をしているこの男から、久しぶりに届いた、たった1件のLINE。
ーー『春の海を見に行こう』と。
社会人になって世間の荒波を例えるならば、夏なんかより断然、春の海に近い気がする。
大人になってからわかる、本音と建前との狭間、社交辞令とかそういう余計なものが多すぎる現代社会。
素直でありたい反面、嫌でも曲げさせられる現代を生きる。
そうしてまた季節が過ぎ、…迎える頃に、海を探しに行くようになった。自分たちだけの海を。
何度も目にする度、荒くれた海原は、自分達の葛藤でもあるかのように思えた。
人の行き交う雑踏から抜け出して、空っぽの状態で過ごす貴重な時間。
今日も久しぶりに足を運んだ海岸は、幸いにもあまり人の姿はない。足が疲れたので少し海から離れて、道沿いのコンクリートに腰を下ろす。
今日の『ナビ』は珍しくおしゃべりで、普段のアイツらしさはなかった。
***
最近、LINEすらまともに返す時間がない。
電話も殆どだ。それはここ最近、特に…。
ただ会話するのが嫌いなわけでも、気持ちを言葉にする事が苦手だと言うわけでもない。
それは自分の会社で起こっていることで、あいつにはなんの関係もないことだ。会社の内部は殆どがクロだと知った。しかしこの事情を聞かせるのは…本当に、あいつにとって必要なことなのだろうか。
もう少しだけ、、この静寂を。
…隣の男の澄んだ目が、まだ、覚めぬうちは。
お題:1件のLINE
このお題に背中を押されて、エイっとLINEを送る。
送り先は高校時代の友人たちのグループと、最近久々に連絡取った会社の同期。
それぞれ返事が来た。
「会いたいね〜」
相手は違うけどどっちのLINEもそんな内容が返ってきた。
なんだかすごく嬉しい。
送る勇気をくれてありがとう。
1件のLINE
<もう疲れちゃった)
突然来た親友からの1件のLINE。この頃忙しくしていたのを知っていた。LINEを返す時間も惜しいだろうとあまり連絡しないでいたが、受信してすぐに返事をする。親友は強い人だと勝手に思っていた。その実繊細で周りをよく見る賢い人だった。
既読してから数分。なんて返すべきか考えてみたもののわからない。
「電話しないと」
こうゆう時どうして欲しいかは僕がよく知ってることだろう?何もかもがどうでも良くなって、生きてることが無意味に感じる時。誰かにこの痛みを共有出来れば苦しいことが紛れる気がする。第三者を通してでしか発散できないストレスがあることを僕はよく知っている。
「もしもし」
「電話嫌いなのにいいの?」
「ちがうよ、それより大丈夫じゃないよね?」
「うん」
「今から会いに行く。夜ご飯たべいこ、」
「ありがと、」
オワリ
つらい時に頼れる親友がいて私は幸せです。
まぁこうゆう話苦手なんでほぼせんけど。
ピコン!なんて陽気な音を立てながらスマホが震える。
「ねえ!元気〜?」
そんな煩いあいつからの1件のLINEが来た気がした。
けれど、片手で数えても埋まらないほど
友達の少ない俺に来るLINEなんて、
公式のどうでもいいLINEか、
とりあえず入った、くだらない身内話と宿題の話で
たまに動く学校のグループLINEだけだ。
開いてみても…あぁ、やっぱり。
くだらない内容の通知だった。
けれど俺はLINEの通知を切れないでいる。
トーク欄を遡り、あいつのトーク画面を開いてみる。
全く自分からLINEを送らないタイプな俺を知ってか、
向こうからズカズカと週3ぐらい
たわいもない内容のLINEを送ってきた。
そんな初めの一言は大抵「ねえ!元気〜?」だった。
「元気だよ」「冷たっ😭」なんてとこから入るのが定番だった。
そんないつも煩いあいつからの最後のLINEは一年前。
「ねえ、ずっと元気でいてくれる?」
「? なにそれ?」
そんなやり取りが最後だった。
あれからあいつは俺にLINEを送ってこなくなった。
「なあ、お前からの通知が来ないと、元気になれないよ。」
墓の前で俺は一人呟いた。
【1件のLINE】
たいした内容じゃなくとも
日々それに救われる事もある
既読無視のまま下りていくどこまでも引き上げるための言葉を知らない
1件のLINE
インターネットを通じて届いたたったひとひらの言の葉が、貴女と貴女の大好きだったあの女性との関係を変えてしまいましたね。
あれから、ずいぶん長い時間が経ちましたね。
貴女がどれだけ後悔したか、貴女はまだ覚えていますか。
その後悔を、貴女は今も活かしています。
お互いにあんな悲しい、つらい思いをせずに済むように、インターネットを通じたやり取りも、人と実際に相対する時と同じように注意深く行うようになりました。
痛みも悲しみも、ちゃんと今の貴女を助けるのですよ。
それらを得ることを恐れすぎず、勇敢に、楽しむように、ご自分の人生を生きていってください。
彼女の麻衣とはずっと付き合っていけると思っていた。
誰から見てもラブラブで、結婚まで行くと確実に悟っていた。最近同棲も始めて、最初は喧嘩も多かったけれど、お互いがちゃんと気持ちを伝え合い、受け止めることを約束してからは、順風満帆と言えるほどの楽しい毎日だった。同棲を始めて、彼女の嫌な部分を見つけたこともあったけど、それより隙がありすぎる彼女の姿を見ていると、そんな嫌なところは忘れて、好きが溢れていた。だからこそ、デートは毎月欠かさなかった。可愛いと伝える日が無かったことは無いし、自分磨きも怠らなかった。
誰から見ても美男美女のラブラブカップルに見えるように、努力してきた。そのつもりだった。
急に彼女が別れを口にした時、僕は腰が抜けた。なんで、という疑問と驚き。僕の何がダメだったんだろう、と理由を頭の中で模索した。
デートの時の服装のセンスがなかったのだろうか。愛情表現が足りなかったのだろうか。何か彼女が嫌がることを無意識にしてしまっていたのだろうか。どんな理由を探したって、彼女の答えは変わらないようで。頭が忙しなく動いている僕を置いて、彼女はもう一度、分かりやすくはっきりと別れを告げた。
「慎二のこと、大好きだったよ。」
最後の一件のLINEで、僕のさっきの疑問や驚きや悲しみは一瞬にして消え、腹立たしさを感じた__
彼氏の慎二のことはずっと好きでいられると思っていた。誰からどう見たってお互いを愛し合っていたし、同棲を始めた今は、お互い気持ちを伝え合うこと、受け止め合うことを約束したからか、前よりももっと彼のことが好きになっていた。部屋着のセンスがダサいところも、足が少し臭いところも、キスをする時に鼻息が荒くなるところも、どんなところも彼なら愛おしく感じた。それくらい私は彼のことが好きだったし、彼に飽きられないように自分磨きにも力を入れた。サプリメントを飲み始めたり、ブランドのものの化粧品を使ってみたり、エステに通ってみたり、脱毛を始めたり。彼と釣り合うためには何だってしてきた。なのに。
実家に帰っていた彼が、家に戻ってくる時に来た一通のLINEに、私の目は見開かれた。
「これから帰るね。麻衣が恋しかったよ。」
あぁ。彼は私のことを愛してくれていなかったのか。そう実感した途端に、彼への熱は冷めきってしまって、もう彼への想いが元に戻ることは無かった。
彼は私のどんなところも褒めてくれて、可愛いって言ってくれて。例えそれがお世辞だったとしても、私には凄く嬉しかった。だから私も、彼のどんなところも好きで、どんなところを見ても愛おしかった。
でも彼は、私の事、本当はどう思っていたんだろう__
__慎二って
__麻衣って 「誰」
「一件のLINE」
【1件のLINE】
霊能者LINEアカウント、仙教さん!入りました!リリィが入れって言うんで!なんでだろ?
「1件のLINE」
、、、ごめんね、、
僕は頑張った
頑張って彼女を助けようとした
虐められている彼女を助けたかった
先生に相談、
イジメっ子を叱る、
色々なことをした
でも助けられなかった
いじめっ子は所詮いじめっ子
いじめることが唯一の楽しみだから
その楽しみを自分から手放すわけが無い
暇になってしまうから
その日も彼女のために頑張る決めていた
1件の通知が届いていた
彼女からのものだった
「ごめんね」
一言だけポツリと呟かれていた
僕はすぐ電話した
でも出なかった
心配になり彼女の家に行った
母親が出た
「あの子ならもう出かけたよ」
詳しい時間を聞くと
僕にLINEを送った30分前に
家を出ていることがわかった
探したひたすら探した
町中を走り
聞き込みもした
頼れる人なんていない
僕が見つけてあげなければ、
「本日○○駅に女性が飛び込み亡くなりました。」
電気屋のテレビから聞こえてきたその音声に
僕は背筋が凍る思いと今までにない吐き気が襲った
駅に駆けつけると遺体が救急車で運ばれる所だった
かすかに見えたその手には
僕が上げたブレスレットが着いていた
遠分の記憶は無い
葬式に出た記憶はある
誰かと話した記憶も泣いた記憶もなかった
ただただ何も無い記憶だけがあった
少しだった学校でのこと
いじめっ子が話しかけてきた
「あの子死んじゃったんだね。私たち仲良かったからとても辛いわ。だから、あなたの気持ちよく分かる。仲良くしてたものね。」
何を言っているのか分からなかった。
彼女が死んだのはこいつらのせいなのに、、
続けて笑いながら言った
「あの子は面白い子だったから楽しかったのに」
それを聞いた僕の腕はそいつの首に伸びていた
目の前のそいつは泡をはいている
何も感じなかった
みんなが止めに来ているのは感じた
「彼女が虐められていて誰も止めないのに
僕のことは止めるんだね
なら僕は辞めない」
心の中でそう強く思った
そいつは動かなくなった
「ボサッ」
「私たちのペース」
『よろしくお願いします』
『こちらこそよろしくお願いします』
そんなやりとりして、それっきり。
『ともだち』とアプリでは分類されているけど、違和感しかない。
だったら連絡先交換しないほうがいいのでは。
そう思うが、状況によっては交換せざるを得ないこともある。
「あー、LINEもうやめようかと思ってるんだ。なんかあんまり好きじゃなくて」
プライベートな場面でLINE交換しようと言われたときは、そう言うようにしている。
大抵「それでもいいから」と交換することになるのだけど。
そして『よろしくお願いします』でやり取りが終了。
「意味あるのかなぁ、これ……」
「そう思うなら、こっちからLINEすればいいじゃん」
「とくに用事ないもの」
「あー……うん……姉ちゃんそういう人だったわ」
妹は呆れたような顔をして、ソファに寝転んだ。
「彼氏とはLINEしてるんだよね?」
「してないけど」
「えええっ……じゃあ何で連絡取ってるの」
飛び起きる妹。
そんなに驚くこと?
「SMSメッセージだけど」
「い、いまどき?!」
「いいじゃんべつに」
「SMSだとスタンプないし、不便じゃない?」
「スタンプ選ぶ時間勿体ないじゃないの」
『よろしくお願いします』だけで止まってしまっている彼氏とのトーク画面を眺める。
これは単に、私たちの生活スタイルや会話のペースとLINEが合わなかっただけだ。
「えっと……あーうん、まぁ……二人がそれでいいなら外野がとやかく言うことじゃないか……」
妹は自分に言い聞かせるように呟き、再びソファに寝転んだ。
──── 一件のLINE
1件のラインにあれだけ執着したことはない
それは好きな人からのラインだ
さりげなく俺からラインを送る
そして相手からのパスが来るのをまだかまだかと待ち望む
スマホのバイブレーションに敏感になりチェックするもラインの公式スタンプの通知ばかり
ついに愛おしい人からの返信が!!
大事なのはこっちが既読マークをつけるタイミング
こんな小さなところからも運命の歯車は止まることを知らず動き続けているのだから
このステップが終わったらいよいよ文面づくり!
以下に自然体の文章か、キモくならないかの試行錯誤の連続
ついに完成
相手の既読時間に合わせたてメッセージ送信するのは人が呼吸するがごとく当然だ
人差し指に魂こめてゆけ!俺のメッセージ!!
あかいマル1のままあるサイテーな未練と打算主張してある
音がした。
昔の僕から一言メッセージ。
(2064年7月11日)
「いつまでも空と心を大切に。」
ねえねえ
と1件のLINE。
仲のいい子からだ。
土曜日にあるお祭りに一緒に行かない?
と。
勿論行くいく!
と返事を返した。
嗚呼、この何気ない会話が好きだな。
とポツリと呟く。
この生活が続きますように。
沢山の妄想で
届かない言葉の理由を作る
ネガティブキャンペーンは
死ぬまで続けられる
時間なんて経っても治らない
治したくないほどに重く
不気味な自分が存在する
1件のLINE
ごめんね、送信
大丈夫、送信
ありがとう、送信
助けて
…削除
たった1つ
それを送る勇気のないこと
【テーマ:1件のLINE】