『高く高く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
僕は底辺な人間です。
下から見る景色は、黒い。
鳥のように高く飛んでいる人達を見ると、
「やっぱり僕は底辺な人間なんだ 」
と、思ってしまいます。
僕もみんなのように、
鳥のように高く高く飛んでみたいです。
輝いている人達は、今の人生を
精一杯楽しんでいるように見えます。
僕は飛べない。
翼がついてないから、
飛べない。
「ダメ人間」ずっとそう思っていました。
変わらない僕。
飛べない。
でも、飛べなくてもいいと思います。
みんな違ってみんな違うのです。
顔も性格も何もかも
みんな違うのです。
僕の人生です。
僕が楽しいと思える人生です。
まだ生きたいと思います。
ありがとう。
君はあの日星になった。
僕を1人にした
『君に会いたい』
そんなこと言っても会えないことくらいわかっている
わかってるけど、君に会いたくて仕方がないんだ
この思い届いてるかな
君がいるところに
僕も今から行くよ
そう思って、僕は屋上から飛び降りた。
あ、君の所へは行けないみたい。
向かい風がA男に遠慮なく吹き付ける。
急勾配の坂、一歩一歩進んでいるが正直かなり身体に堪える。
それでもこの歩みを決して止めてはならない。
高みを目指してあの方の元へ、仲間との誓いを今こそ守るのだ。
随分早めに来たというのに既に長蛇の列が出来ていた。
最後尾に並び、A男はリュックサックから宝の地図なるものを取り出す。
入念に書き込まれたそれを再度チェックした。
大丈夫、あの方は普段よりもたくさん刷っているとツイートしていたではないか。
自然と早鐘を打つ心臓を落ち着かせるように深呼吸を一つ。
地方勢にとって都会でのイベントは戦いだ。
飛んでいく交通費、宿泊費。あとは慣れない土地で彷徨いながら人混みに揉まれつつ、着々と削られる体力とか。
そんなものを差し引いてでも今回はどうしても参戦したかった。
同じく地方勢の仲間達の応援と願いとその他もろもろを背負ってA男はあの方に会いにいく。
普段のお礼をお伝えし、必ずや戦利品を持ち帰るからな!
握りしめた拳にぐっと力を込めて開場の拍手がなるのを只管待ち続けた。
……後にコミケの洗礼を受けることになるとは、この時のA男はまだ知る由もない。
ジョバンニはボヘンミアンピルスナーを手に、グーフォに向かって言った。
「そうか、君の人生は旅なんだね。君はいつだって高みを目指している。
気負わず、素直なままで高く高く、その高さに向かって進んでほしいと思うよ。
いつか君が僕の手の届かない場所に行ったときには、一生分の涙とともに君を送り出す覚悟はあるんだ」
グーフォは穏やかに答えた。
「でも、君と僕が今ここにいるというのは、切り離せない事実だよ。
だから、今晩のこの今を乾杯しよう」
「高く高く」
思いよ 願いよ 祈りよ
高く高く空を翔けて
遠い地の
苦しみに 悲しみに
光となり 支えとなって届け
あなたがそこにいることを
健やかに 生き続けることを
強く願うこの波動よ
どうかどうか
空翔けて届け
「高く高く」
#490
“ここまでだ”なんて一言でキミを見送るにはあまりにも寂しいではないか
共に生きて笑い困難に立ち向かい酸いも甘いも語り合った仲ではないか
充分生きたではないか
いや、まだ死ぬ訳ではないが
もしも此処で死ぬのであれば
キミに何かしらの言葉を送りたい
己のやるべき事を即座に行動に移せる判断力
目標も目的も見失わない強い信念
その為に手を差し伸べ朽ちていく仲間に向ける優しさも
何もかもを兼ね備えたキミに何かを送りたい
どうか何処までも
何処までも昇ってくれ
高く高く
神にも届く程に
天高く
そこにあるキミの幸せを願って
〜あとがき〜
見送る側の視点って書くの難しいですよね
あまり長くしたくない
見上げてると首が痛くなりそうだから
お題『高く高く』
推しているアイドルグループの総選挙が始まった。一位になれば、そのメンバーはセンターになれる。
Twitter……いや、Xにはすでに積み上げられた投票券入りのCDの画像があげられている。
私はそれを見て、焦燥感に駆られた。
前まで、某有名アイドルグループがそれをやるたび、正直ばかじゃないのとか思っていた。が、今はそうも言っていられない。
私が推している子は、人気ランキングとしてはグループ内でも下から数えたほうが早い。推しはいっつも自分が目立つよりも、他のメンバーが映えるように立ち回るのが異常にうまいのだ。だが、それゆえに「誰だっけ?」だの、活躍したとしてもコメントされることがあまりない。
私は、それがいつも歯がゆかった。さっそくCDを百枚購入した。高すぎる対価に心臓が痛いほど高鳴る。
もっと、もっと積み上げて推しをセンターにするんだ。残業、頑張らないと。
暗い空を高く高く飛ぶあなたに憧れた。
凛とした顔をしたフクロウさん。
人間の私は貴方にはなれないから
眺めてるだけ。
君にこの思い届くといいのに
─────『高く高く』
高く高く空高く上がった風船は
一体どこまで行くのだろうか
一度離せば二度は戻ってはこない
のかもしれない
あの風船
どこまで旅立ったのだろうか
階段を駆け上がる、高く高く上り詰める。三階の窓から急いで、あの人の姿を捜す。上がった心拍数のことなど忘れて、捜す。やっと、あの人を見つけた時には、あの人は、他の人達と門から出ていく姿だった。ギリギリかは分からないが、諦めずに窓を開け、今は、恥ずかしさなど捨てて、あの人に向けて叫ぶ。
「文化祭の願い事」
文化祭の後夜祭には伝説が付きものだ。
文化祭の準備が始まると、中庭にツリーが設置される。折り紙に願い事を書いて好きな形に折り、ツリーに飾りつけていく。
そして、後夜祭のキャンプファイヤーでツリーを燃やすのだ。
このとき、煙が高く上がれば上がるほど、願いが叶う確率が高まる、と言い伝えられている。
『もうすぐキャンプファイヤーが始まります』
放送委員のアナウンスが響く。
注意事項が伝えられているが、真面目に聞いている生徒はいるのだろうか。騒がしい。
「なぁ、何て書いたの?」
しつこく願い事の内容を訊いてくるのは、片想いの相手である幼馴染。
文化祭前から何度も訊かれていたけど、今日は五度目だ。しつこいなぁ……
でも、言えるわけがない。
『それでは、点火します。十からカウントしますので、みなさんも一緒にカウントお願いします!』
点火のカウントダウンが始まると、それまでの騒がしさが収まっていき、数字が小さくなるごとにカウントする声が増えていく。
『さん、にー、いち……点火ぁー!』
歓声が上がり、打ち上げ花火も一発上がる。
あぁ、終わってしまう。
ここ数ヶ月間、準備してきた文化祭の、後夜祭の、クライマックス。
三年生たちが「上がれ、上がれ!」と火の周りに集まり始めている。来年の私たちの姿だ。
『もうすぐフォークダンスを開始します』
わらわらと火の周りに生徒が集まっていく。
「私たちも、行く?」
「あー、まだいいや」
夜空に向かっていく煙を眺める幼馴染の横顔に、胸がざわついた。
マイムマイムが流れ始め、輪になって踊る生徒たちを眺める。
去年は無邪気に踊っていたんだよなぁ……
今年は、なんだか少し寂しさを感じる。
「なぁ、願い事、何て書いた?」
「……しつこい」
ため息混じりに言い、立ち上がろうとすると手首を掴まれた。
視線が交わる。
「俺はさ、お前とずっと一緒にいられるように、って書いたけど、ダメだった?」
────高く高く
「ご安心ください、命に別状はありません」
分かっている。私の父と妹は交通事故でついさっき怪我をしたらしい。幸いな事に命は無事で、後遺症は残らないかすり傷ばかりらしい。
どんな車に轢かれたのか聞くと、それはどうやらかなり激しい運転をしていた車らしい。
普段は穏やかな人柄で、親友がいるらしく、今は親友の人が傍にいる。偶然、近くにいたから不安で、なんとか警察に頼み込んで着いて来たらしい。
しかし、彼は身内でも無いのにどうして態々着いてきたのか。いるだけで大した意味もないように見える。
「申し訳ありません」
「何故、激しい運転を?」
できるだけ、平静を、冷静を保っているように見えるように振舞った。どうしていいか分からないし、もう大人なんだから。
彼は今、松葉杖があってようやく歩けるような骨折患者に見える。親友に背中を摩られながら、ようやく息をしているような声で息を吸い込んで、喋ろうとしている。
「…父が、倒れたって妹から連絡が来て…気が動転しました」
嗚呼、成程、家族を大切にしている人だ。急いで病院に行きたいんだろう。
どうして彼を責めればいいか分からない。責める必要があるのかも分からない。
ただ、目の前の彼は非常に寂しく、悲しい存在に思える。このまま私が彼に何もしなければ、彼はこれから先どうなるんだろう。
「修理代さえ頂ければ、実際かすり傷だらけで…」
私は彼を責めるつもりにならなかった。
ただ、彼を忘れることはこの先ないだろう。
高く高く
私は天使として生まれた。
天使は自分の翼を真に信じた時に飛べるようになる。
私は自分の翼を信じることができなかった。
天界に生きるものにとってそれは、…「不信」は忌むべき感情であり、故に飛べぬ者は嘲笑の対象であった。
しかし、貴女だけはいつも隣にいてくれた。
「焦らなくていいのよ」と言ってくれた。
私はいつも貴女に救われてばかりだった。
そんな貴女が今、大罪によって翼を失っている。
貴女の優しさが犯した罪だった。
そして堕ちた貴女と共に落ちている。
貴女が行くなら私も、そう思った。
「…違う、違うだろう。今こそ舞い上がるのだ。」
私は翼に力を込め思い切り羽ばたいた。
飛べぬことによって貴女に救われていた私の翼は、貴女のためにあるべきだろう!
「ああ、自分の翼を信じられるようになったのね」
「はい、今度は私が貴女の翼です…!」
あんなに遠くなった天界が今度は段々近づいていた。
もっと、高く、高く。
今ならきっと、天界よりも高く飛んで行ける気がする。
今日もまた言えなかった。
明日もまた言えないのであろう。
会う回数が増えるごとに、
会っている時間が多くなるたびに、
ハードルが高く高くなっていく。
高い空に手が届かせるような気持ちで。
どこまで値段を上げられるか、それを希求する。
人は、なにに、どれだけ、価値を見出せるものか。
かけがえなききもの。それは果たして本当に存在するのか?するが、あらたにはつくりだせないのか
それは、神だと言う人がいるかも知れない。または、それは地球だ、いや、それは生命だ。おもに人の。
あるいはこの問いそのものが、こたえなのか
いずれにせよ、空に限りがないのと同じように、
魂の宇宙に果てはないのだ
高く高く
眩しい青空の下 白い軌跡が青空の上を
通過して行く 小気味良い金属がカンッと
当たる音 そうしてなだらかな放物線を
描いて白球が空を高く高く飛んで行く
気が付けばフェンスを越える特大ホームランが青色の空の中に白く輝いていた。
〜高く高く〜
向上心は高く
目標は高く
そうやって生きてきた
自分をいつも押えて
人に認められたくて
それだけで生きてきた
なのに求めすぎ?
人に尽くしてる分自分まで犠牲にしていたから
人から見たら理解できないと思う
結局自分を愛せるのは自分しかいないし
自分を大切にできるのも自分しかいない
今は自分を大切にしよう
でもひとつ言わせて
あなたは私の事何一つ分かってない
高く高く
僕は昔、町にある塔はどこまでも伸びていると信じていた。作り物の空より高く伸びるそれは、空が作り物であることを忘れないための物だと、大人になってから知った。
そして今、その塔は取り壊しが行われている。仕方の無いことだ。作り物の空を本当の空としてこの生活を受け入れる人達が増えたんだから。
でも、その塔に登って遊ぶのは楽しかった。てっぺんから偽りの空を見ることが出来た時の喜びといったら、一生をかけても伝えられないだろう。
そんな物が失われてしまうのが、僕には許せなかった。だから、いつか作るのだ。あの塔よりも、もっともっと高い塔を。
偽りの空を超え、宇宙を超え、この世界の果てを超えるくらい。高く、高く、作るのだ。
高く高く
お正月の凧上げ
シャボン玉
風船
ブルーインパルス
身長
そして、自分の夢
高く高く
高く高く
それはいつも子供目線の
笑った顔だった
高く高く
高く高く
大人になって、低さに気づく
涙ひとしずく
高く高く
高く高くとんでも
宇宙にはたどり着けない星しかなくて
深く深く潜っても
海の1番深い場所の砂を人は触れない
届かない場所はある
知りながら手を伸ばすも良し
知った上で届く場所を選ぶも良し
何を知り何を選ぶのか
それが
どうやって生きるか、ということなんじゃないかなと思う