『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
郵便受けを覗くと、届いていた。
とても丁寧な字で私の名前と住所が書かれている。
封筒からは少しのバニラの香りが漂う。
ウキウキで2階の自分の部屋まで駆け上がる。
丁寧に開封すると今まで微かだったバニラの香りが強くなる。彼の匂いだ。
封筒には購入したアクキー10個にお礼の手紙、おまけにサインまで同封してある。これだからオタクは辞められないんだ。
私の推しはいわゆる新人歌い手だ。チャンネル登録者は3桁、フォロワーも最近やっと1000人を超えたところ。配信の同接は良くて10人くらい。正直に言えばそんなに人気はない。
でもだからこそファン一人一人を大切にしてくれる。今までにも何人か推してきたがこんなに素敵な推しと出会ったのは初めてだ。彼が最初で最後だろう。
同じ匂いになりたくて使っている香水をDMで尋ねてみる。
すぐに返信が来た。即購入した。
学校へもおでかけの時も家にいる時もその香水を身につけた。
友達に推しと同じ匂いなのだと言うと「気持ち悪いな」と冗談交じりに笑われた。「推しとか手届かない人間追ってないで彼氏でもつくりなよ」だって。
手が届かないなんてそんなのはわかってる。推しとワンチャン繋がれるんじゃないかとかそんなバカみたいなことも考えてないよ。高校生の私なんて繋がったってきっと遊ばれて終わり。でもほんのちょっとだけ夢見てたい。
香水の何がいいのか分からない。
嗅いだら気持ち悪くなる
女の嗜み?
オシャレ?
身だしなみ?
くだらないことばかりで「女」を押し付けるな。
嫌いなもんは嫌い。
怒らずに聞いてください
いいですか?
ファブリーズは香水ではありません
消臭剤です
リセッシュもです
だからそれを手首に付けるのはやめましょうね
あの時の貴女も、今の貴女と同様、進んで香水をつけるような方ではありませんでした。着るものもあまり頓着せず、化粧のようなことなど以ての外、という様子でした。
けれど、こんなことを言うのは憚られますが、あの時の貴女からは本当に芳しい香りがしたのです。女ならば何でも、という気分でいた俺は、その香りと貴女の肌の柔さにすっかり夢中になってしまいました。花とも果物とも違う、けれどどこか甘いような、そして懐かしくとても落ち着くような、そんな香りでした。
今、貴女にあんな狼藉を働くわけにはいきません。
それでも、時折それを夢想してしまいます。あの時のように、貴女をこの腕の中に閉じ込めて、貴女の柔らかい肩口に顔を埋め、今の貴女の匂いを胸一杯に味わいたいのです。
そんな不埒な妄想にふける俺を、貴女は許してくださるでしょうか。
「香水付けてる……?」
私が聞くと彼は頷いた。
香水を付けることに反対はしていないけど、少しだけ背伸びした彼に驚く。
香水を纏った彼は普段よりも大人な雰囲気でなんだか彼じゃないみたい。
今までの私たちの思い出も飾り付けられているようで
少しだけ寂しくなった。
#香水
高校世界史。普仏戦争。フランス第二帝政が崩壊し、ドイツ帝国が樹立された。ドイツ皇帝の戴冠式が行われたのは、ヴェルサイユ宮殿、鏡の間。ドイツ帝国の樹立と同時期にイタリアの統一がなされる。なぜなら普仏戦争で負けたフランス軍がローマ教皇領から撤退したから。
明日のテストに向けた居残り勉強。高校で世界史を選ぶ生徒は少なく、一学年300人、うち160人が文系のこの高校でも、世界史を選んだのはたったの6人。うち4人が女子であり、世界史の授業で男子は圧倒的なマイノリティである。
色白、細身、銀縁メガネ、図書委員の裕一郎と日に焼けた肌、マッチョな体格、ラグビー部の紘也。普通だったら交わることのない2人だが、親しくなるのに時間はかからなかった。なにせ、希望者のほとんどいない世界史を選ぶ変わり者である。
2人とも興味もそこそこに面白半分で、2年の終わりの社会科科目希望調査で世界史探究に丸をつけた。なにせ毎年希望人数が少なく、開講基準の10人を下回ると聞いていたから、希望したところで実施されないだろうと思っていたのだ。それなのに、たまたま今年度赴任してきた教師が世界史を専門としていたから、例外的に開講されてしまった。
共通テストまで1年もないのに先史時代から21世紀まで学ぶ無茶苦茶なスケジュールも、Xデーまであと4ヶ月。少人数なのを良いことに飛ばしたペース進められる授業により、2学期中間テストの範囲はナショナリズムまでである。期末テストで帝国主義、植民地化、世界大戦、戦後をやるのだろうが、これらは歴史総合とも被っている範囲だから、多少の余裕が生まれているとも言える。
「いつも絵を見て思うんだけどさ」
資料集を見ていた裕一郎がつぶやきに、単語カードを捲っていた紘也は手を止める。
「ヴェルサイユ宮殿、めちゃくちゃ臭かっただろうな」
「……は?」
裕一郎の発言は用語とも歴史の流れとも全く関係のない内容で、紘也は思わず間抜けな声を上げた。
「絶対臭かったと思う」
「いや、待って、いきなり何。俺なんか今日臭う?」
「なんでそっちに思考が飛ぶの?絵を見てって言ったじゃん」
「そうだけど。いや、なんで?どういう思考でヴェルサイユ宮殿が臭いって話になるの」
時々、真面目そうな顔で——否、本人は至って真面目なのだが——周りからすればぶっ飛んだ発言をするのが裕一郎だ。エリート風味の優男な見た目なのに彼女がいないのは絶対こういうところが玉に瑕なんだろう、と爆弾発言が出るたびに紘也は思っている。
「いや、姉ちゃんが最近フランスに行ってたんだけど」
「あぁ、うん。それって大学生の姉ちゃん?」
「そうそう。短期留学で3ヶ月。結婚した方の姉ちゃんは名古屋にいる」
裕一郎は3人姉弟の末っ子ゆえ、家族の話題になるとよく姉2人の話が出てくる。しかし紛らわしいことに裕一郎はどちらも「姉ちゃん」としか呼ばないので、どちらの姉の話をしているのか確認しておかないと、前情報との齟齬が起きて紘也の頭が混乱する。
「OK。で、なに。ヴェルサイユ宮殿行ったの?」
「それはまぁ、行くよね。そこでの詳しい話は帰り道にする。ここじゃスマホ出せないから。でも、今言いたいことは別に宮殿で何かあったってわけじゃなくって、その道中」
「道中。そもそも行き方がわからん」
「パリからだから鉄道で行く。で、その鉄道。真夏に行ったらしいんだけど臭いがやばいんだって。たまたま姉ちゃんが乗ったところが悪かったのかもしれないけど、汗、体臭、腋臭、それから香水の匂いが混じって、車の中で本読んでも酔わない姉ちゃんですら気分悪くなるくらい臭かったらしい」
「へぇ」
「ピンと来ない?」
裕一郎がニヤッと笑って首を傾げる。紘也は眉を顰めた。集中力が切れたからなのか、腹が減ったからなのか、頭が働かない。
「……何にピンと来たらいいの?」
「ヴェルサイユ宮殿が臭いってこと」
「あぁはいはい、ってならないよ。説明」
「フランス人ってあんまり風呂に入らない、というか、姉ちゃんが言うにはシャワー浴びても頭洗わないことがあるらしくってさ。あと、服の洗濯頻度が低い。加えて、一般的にアジア系よりヨーロピアンもアフリカンも体臭とか腋臭とかキツイらしい。まぁ、この絵の時代だとヴェルサイユ宮殿に入れるアフリカンはほとんどいないだろうけどさ……」
「まぁ、植民地化はもうやってるから兵士にはいるけど」
「そうだね。で、そもそも香水って単体で嗅げばいい匂いだけど、混ざると臭いじゃん。香水じゃないけど、体育の後の教室とかさ」
「それはわかるけど……あ、そういう?」
やっと言いたいことがわかったと紘也が軽く首を振れば、裕一郎は満足そうに頷く。
「そもそも香水って体臭消しとして発展してきたもののわけ。とはいえ消せるレベルに限度はある。そりゃ、昔はこの夏みたいには暑くなかっただろうけど、人間、生きていれば何かしら体臭はあるし、汗かくし、うっかり服汚したりもするし。消せない悪臭と香水、しかも数種類混じったのを想像したら……」
「ウゲェ……」
「トイレとかも整備されてないしね。18世紀が舞台だけど、パトリック・ジュースキントの『香水』でもパリは悪臭の街として書かれてるし……まぁ、今も場所によっては悪臭の街らしいけどさ。少し離れているとはいえヴェルサイユも例外じゃないと思う、宮殿が使われている時代なら特に」
「なるほど。今回は割と妥当な話だった」
「ちなみに、姉ちゃん、電車の中での出来事があまりにもトラウマすぎて、香水買って帰るって言ってたのに一瓶も買わずに、むしろデオドラント買ってた。姉ちゃんから臭いしたことないのに」
「そっか」
「香害のヤバさを知った、香水なんて公共の場でつけるもんじゃない、とかなんとか」
「よっぽどだったんだな……」
紘也と裕一郎は顔を見合わせて苦笑いする。従業員の制服の柔軟剤の匂いですら揉める日本だ。香気も臭気もない空気で育った鼻には耐えられない臭さだったのだろう。
「俺たちが香水を使う日、来るのかな」
紘也は言った。ファッショナブルと言われるほど見た目に頓着しているタイプではない、というよりかは洒落た服には身体が入らないのでオシャレのしょうがないのだが、その分アクセサリーだとか、香水だとか、身体のサイズが関係ないものには興味があった。
「いやぁ……どうだろう。女の人だとつけてるかもしれないけど、男で香水つけてるのってホストくらいじゃない?」
「イメージ的にはそう」
「僕は姉ちゃんを泣かせないように、無臭になるよう努める気だけどね」
「下手に匂うよりは無臭が良いか」
「多分」
紘也が自身のリュックサックに視線を向ける。裕一郎も少し体を曲げて紘也の視線を追う。サイドポケットには黄緑色のシーブリーズが刺さっている。
「……無香料、買おう」
「それが良いよ」
香水
「いいにおい。ままのにおい。」
夜寝る前のベッドの中。
最近しゃべり始めた娘が覚えたてのたどたどしい日本語でそう言った。
「ん?シャンプーの匂い?」
さっき一緒に入ったお風呂で付いた匂いかな?
そう聞くと、「ちがーう」とふるふる首を横に振る。
ぷにぷにの腕を私の首に絡ませ、小さな鼻先をうずめてくる。
「ままのにおい。あまーいにおい。」
くんくんくん
ずいぶん前から始まった夜寝る前の二人の儀式。
「ふふふ。わんちゃんみたい。」
私はふわふわの柔らかな娘を壊さないよう、そおっと抱き寄せた。
「わんわんわん。」
子犬になった娘の背中を優しく優しく叩いてやる。
とんとんとん
「わんわんわん。」
とんとんとん
「わんわんわん。」
じゃれつく子犬はなかなか寝ない。
私は母犬。辛抱強く、
とんとんとん。
とんとんとん。
とんとんとん。
「………………。」
ひとしきりふざけて遊んで静かになった。
娘にしか分からない私の匂い。
「それはどんな匂いがするのかな?」
寝息を立てる娘の柔らかな髪を梳(す)いてやりながら私は聞く。
もちろん返事はないけれど。
それはきっと、小さな可愛い怪獣を夢へと誘(いざな)う、魔法の香水なのだろう。
お題
香水
交差点を歩いてすれ違った知らない人からふと香ったあの香り
貴方がつけていた香水
いい香りだねって言ったら照れくさそうな笑顔で喜んでた思い出
もうその香りを貴方から受け取ることは無いのに、今でもふとした時に思い出してしまう
この香りこそが、貴方が私の隣に居た証明
私は夏休みに入ると唯一の外に出る理由、学校が無くなる。
しかし汗は定期的に流せと妹に言われてしまったので
散歩くらいはしようと思う。
だがいかんせん夏。暑い。
こんなじめじめした夏にはあの人を思いうかべる。
私の初恋を奪った人を。
汗で額に張り付いた前髪をはらいのける手からふわりとほのかに香る金木犀の練り香水。
あの人とは高校の先輩で、同じ部で仲良くなった。
気が合って定期的に一緒に遊んでいた。
あの人は私のことを気が合う友達だと思っていたかもしれない。
しかし私はあの人に『好き』という感情を抱いていた。
この気持ちを留めておくのは辛かった。
でもこの気持ちを伝えてこの関係が崩壊する可能性があり、怖かった
あの人と同じ大学には行けなかったので、自然に疎遠になってしまった。
同性だからと怯えず、断られること前提で告白すれば良かった、と今更後悔しても、、、。
額から汗を流しながら思いにふける。
そのせいで前から来た人に気づかなかった。
金木犀の香りだ。
香水
あの人がつけていた
香水のニオイは
あまり、好きじゃなかった
けれども
あの人のニオイだな
と思い出し懐かしい
☺️😵💫☺️😵💫
「香水」
カーディガンを脱いだ
ふわり
海、青、そんな香り
どこからか
あなたがふわり
何もつけない私の香水
【書く練習】
今日で100回書いた!
ようやくここまで来た
飽き性な自分がここまで続けられるとは思わなかった
書き始めたのは、何かの記事で、書くことで癒し効果があると読んだからだった
気持ちの面で不調になることが多く、癒されたかったので
早速始めようと思った
だけど、何をどう書いていいのか見当もつかなかったので
適当に探していたらこのアプリにたどり着いた
気軽にできるのが丁度よいと思って始めることにした
やるからには続けたかったので、毎日書くということだけを決めた
さて、効果はといえば、まだ癒されてはいない
何を書いていいか浮かばない時もあった
気分の落ち込みが激しい時は、マイナスな事ばかり浮かぶ
なるべくその時に思い浮かんだことを書くようにして
無理せず、長く続けられるように頑張った
時々、続ける意味があるのか疑問に思うときもある
けど、回を重ねるごとに、ここまで書いたのに勿体ない気持ちもあり続けてこれた
そうしているうちに、書くことがちょっした習慣になってきた
それだけでも変化と言えるのではないかと思う
今後、癒されるかどうかはまだ解らないが
出きる範囲で続けていきたいと思う
気になっている人がいる。
意中の人とか、片想いとか、
そういうのではないのだけど。
例えるなら…
いつも通る道で見かける人。
家の近くの買い物先の人。
それが、近いかもしれない。
電車やバスで隣になる、とか、
そこまで近い距離になったことはない。
ほんの偶然。
気になる人が、建物から出てきたところ。
互いに歩を進めて、すれ違う瞬間。
ふわり、微かに香る。
爽やかなのに、どこか落ち着く匂い。
香水なのか、柔軟剤なのか。
はたまたルームフレグランスか。
そのどれでもないのかは、わからないが。
あまりに印象的で、忘れられない。
───『香水』(2024.08.30.)
きみは香水を集めるのが趣味だった。
ぼくは香水は苦手だったけど、
きみが変えてくれた。
まだ
ここには
君の残り香がある
その香りが
鼻腔を刺激して
記憶を呼び戻す
今にも
きみが後ろから
飛びついてくるんじゃないか
そんな
淡く脆い記憶に
ぼくは今日もしがみつく。
僕もあなたも、香水は好きじゃなくてお互いにつけない。だってせっかく同じ匂いがするのに。
/香水
香水
あの子が通った。
香水なんてつけていないけれど
あの子はあの子の香りがする。
とても良い香りで
貸したワイシャツがあの子に染まって帰ってきた時
しばらくこそばゆい気持ちになりながら
それを着ていた思い出
『香水』
香りから
思い出したくない
記憶までよみがえる
香りが消える様に
記憶も消えたらいいのに
「嗅ぎたい彼氏」
別々の高校に進学したから、家が隣同士でも偶然に会うのは難しい。
久しぶりのデートを楽しみにしていたのに、台風の影響で今日は一日中雨。
仕方ないのでおうちデートで映画鑑賞に予定を変更。
部屋に入るなり、彼は抱きついたまま私の首筋に鼻を寄せた。
「なんか、つけてる……」
がばりと音がしそうなくらい、勢いよく私から離れ、若干不機嫌そうに眉を顰める彼。
「あ、うん。友達がくれたの、香水」
「……ふーん」
「嫌?」
「うん」
「……そう」
まぁ、香水が苦手な人も少なくないし。仕方ないか。
「デートの時に使って」と言われたけど、苦手な人の前では使えないよね。
「いや、香水自体が苦手なわけじゃ……ないんだ」
「そうなの?」
「んー、なんつーか、そんなもんつけなくてもいい匂いするのに、なんでわざわざ香水つけんのかなーって……」
「な、なにを……」
「久しぶりだし、ちゃんとお前の匂い嗅ぎたいんだってば」
再び抱きついた彼は、首筋に噛み付くように顔を近づけて鼻を鳴らす。
犬?犬なの?
「あー、それもいいな。お前の犬なら喜んでなるよ」
「ばっ……誤解を招くようなこと言わないで!」
────香水
いつからか。
私の母は夜の仕事に行くようになった。
私はひとりぼっちで寝ることになるので寂しかった。
それでも、母に寂しいと言うことは出来なかった。
母がいつも疲れた顔をして帰ってくるから。心配をかけたくなかった。
今日も母は仕事に行った。
私は眠れず、夜の暗さに怯え、ひとり布団の中で震えていた。
結局、暗さに耐えきれず、私は起き上がって電気をつけた。
ふと、母の愛用のドレッサーを見た。
机の上には使いかけの沢山の化粧品と香水。
私は一つの香水を手に取ると布団に潜り込んだ。
仕事に行く時に母はこの香水をつけていく。
私は1回だけ自分の服に香水をつけた。
…ああ、お母さんの香りじゃない。
こんなきつい香りじゃない。母はもっと優しい香りがする。
だけど、どうしようもない。
香りを変えることは私に出来ない。
母の香りを、母を求めて、香水のあの香りを嗅ぎながら目をつぶる。
いつか一緒に寝れますように、そう願いながら。
枕を涙で濡らし、ひとり寂しく香りを嗅いだ。
お母さん、お母さん。
あなたならこの香水をどのように使いますか?
これは、私がある店に寄った時の話だ。
その店は棚に大小異なり、色は透明のボトルが並べられていた。全体を眺めると、一つ、興味を惹かれるボトルがあった。それは、何か周りとは違う魅力があった。すると、「興味を惹かれる物がありますか?」と言う声が聞こえた。振り返ると色とりどりの花を身につけている人が立っていた。また、「ぜひ、手にとってみてください」と言った。私は戸惑いながらも、それを手にとってみた。するとボトルは光をまとい数十秒後には、夏を思わせるような真っ青なボトルに変わっていた。その後の記憶はあまり覚えていない。ただ、「しっかり注意書きを読んでご使用ください」と言われたことは覚えている。
気がつくと、ベッドで寝ていた。夢かと思ったけれど、あの香水は今もある。注意書きは「この香水を使うだけで……」と書いてある。その後は読むことができない。それから日々が経ち、最近、あの香水を使った日は思い通りになる事に気がついた。
彼女はこの香水を二度と使わないと心に誓った。。。