『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
気になっている人がいる。
意中の人とか、片想いとか、
そういうのではないのだけど。
例えるなら…
いつも通る道で見かける人。
家の近くの買い物先の人。
それが、近いかもしれない。
電車やバスで隣になる、とか、
そこまで近い距離になったことはない。
ほんの偶然。
気になる人が、建物から出てきたところ。
互いに歩を進めて、すれ違う瞬間。
ふわり、微かに香る。
爽やかなのに、どこか落ち着く匂い。
香水なのか、柔軟剤なのか。
はたまたルームフレグランスか。
そのどれでもないのかは、わからないが。
あまりに印象的で、忘れられない。
───『香水』(2024.08.30.)
きみは香水を集めるのが趣味だった。
ぼくは香水は苦手だったけど、
きみが変えてくれた。
まだ
ここには
君の残り香がある
その香りが
鼻腔を刺激して
記憶を呼び戻す
今にも
きみが後ろから
飛びついてくるんじゃないか
そんな
淡く脆い記憶に
ぼくは今日もしがみつく。
僕もあなたも、香水は好きじゃなくてお互いにつけない。だってせっかく同じ匂いがするのに。
/香水
香水
あの子が通った。
香水なんてつけていないけれど
あの子はあの子の香りがする。
とても良い香りで
貸したワイシャツがあの子に染まって帰ってきた時
しばらくこそばゆい気持ちになりながら
それを着ていた思い出
『香水』
香りから
思い出したくない
記憶までよみがえる
香りが消える様に
記憶も消えたらいいのに
「嗅ぎたい彼氏」
別々の高校に進学したから、家が隣同士でも偶然に会うのは難しい。
久しぶりのデートを楽しみにしていたのに、台風の影響で今日は一日中雨。
仕方ないのでおうちデートで映画鑑賞に予定を変更。
部屋に入るなり、彼は抱きついたまま私の首筋に鼻を寄せた。
「なんか、つけてる……」
がばりと音がしそうなくらい、勢いよく私から離れ、若干不機嫌そうに眉を顰める彼。
「あ、うん。友達がくれたの、香水」
「……ふーん」
「嫌?」
「うん」
「……そう」
まぁ、香水が苦手な人も少なくないし。仕方ないか。
「デートの時に使って」と言われたけど、苦手な人の前では使えないよね。
「いや、香水自体が苦手なわけじゃ……ないんだ」
「そうなの?」
「んー、なんつーか、そんなもんつけなくてもいい匂いするのに、なんでわざわざ香水つけんのかなーって……」
「な、なにを……」
「久しぶりだし、ちゃんとお前の匂い嗅ぎたいんだってば」
再び抱きついた彼は、首筋に噛み付くように顔を近づけて鼻を鳴らす。
犬?犬なの?
「あー、それもいいな。お前の犬なら喜んでなるよ」
「ばっ……誤解を招くようなこと言わないで!」
────香水
いつからか。
私の母は夜の仕事に行くようになった。
私はひとりぼっちで寝ることになるので寂しかった。
それでも、母に寂しいと言うことは出来なかった。
母がいつも疲れた顔をして帰ってくるから。心配をかけたくなかった。
今日も母は仕事に行った。
私は眠れず、夜の暗さに怯え、ひとり布団の中で震えていた。
結局、暗さに耐えきれず、私は起き上がって電気をつけた。
ふと、母の愛用のドレッサーを見た。
机の上には使いかけの沢山の化粧品と香水。
私は一つの香水を手に取ると布団に潜り込んだ。
仕事に行く時に母はこの香水をつけていく。
私は1回だけ自分の服に香水をつけた。
…ああ、お母さんの香りじゃない。
こんなきつい香りじゃない。母はもっと優しい香りがする。
だけど、どうしようもない。
香りを変えることは私に出来ない。
母の香りを、母を求めて、香水のあの香りを嗅ぎながら目をつぶる。
いつか一緒に寝れますように、そう願いながら。
枕を涙で濡らし、ひとり寂しく香りを嗅いだ。
お母さん、お母さん。
あなたならこの香水をどのように使いますか?
これは、私がある店に寄った時の話だ。
その店は棚に大小異なり、色は透明のボトルが並べられていた。全体を眺めると、一つ、興味を惹かれるボトルがあった。それは、何か周りとは違う魅力があった。すると、「興味を惹かれる物がありますか?」と言う声が聞こえた。振り返ると色とりどりの花を身につけている人が立っていた。また、「ぜひ、手にとってみてください」と言った。私は戸惑いながらも、それを手にとってみた。するとボトルは光をまとい数十秒後には、夏を思わせるような真っ青なボトルに変わっていた。その後の記憶はあまり覚えていない。ただ、「しっかり注意書きを読んでご使用ください」と言われたことは覚えている。
気がつくと、ベッドで寝ていた。夢かと思ったけれど、あの香水は今もある。注意書きは「この香水を使うだけで……」と書いてある。その後は読むことができない。それから日々が経ち、最近、あの香水を使った日は思い通りになる事に気がついた。
彼女はこの香水を二度と使わないと心に誓った。。。
香水
君の香水の匂いが変わった
誰かに貰いやしてないかなんて嫉妬したり
使い切る物持ちの良い人なんて惚れ直したり
どっちにしたってドキドキしてる
香水
においって、いちばん記憶に残るんだよなぁ、
大好きなあの人の香り、ふと同じ香りがするとパッと振り返っているはずもないのに探してみたり、懐かしい気持ちになったり、あぁ好きだったなぁって。
逆に私の匂いも大好きなあの人の記憶に残したいから私のお気に入りの香水をつけて出かけたり。
あ!香水、新しいものでも、今使ってる同じものでもまた買い足さなきゃ!!
→名作探訪 第101回
水精植物庭園の洋墨『香水(かおりみず)』
『香水(かおりみず)』は、水精植物庭園で採取される花々から色素を取り出したインクである。
そのインクは、まさに香水のような花の香を持つ薄黄蘗色をしており、硝子ペンととても相性が良い。インクの適度な粘度は、硝子ペンの溝にうまい具合に留まり、かなりの文字数を書くことができる。
しかしこのインクの真骨頂は、記された文字の経年にある。直後は枯葉のような黄蘗色をしているが、日毎年毎に色を変えてゆく。あまりの変わり様に100年後には虹色になっていると噂されることもある。
こういった浮評も、庭園管理者が水の精霊であるという神秘性に由来するのだろう。
併設のスーベニアショップにて数量限定販売
テーマ; 香水
すれ違いざま、
見知らぬ誰かの余薫が鼻をかすめる。
君と同じ匂いだ。
思わず振り返ってしまった。
もうあいつはいないのに。
_____
「ねえねえ、これ知ってる??」
"プルースト効果
特定の香りをかいだとき、その香りに紐づいた過去の記憶や感情が無意識的に呼び起こされる現象。"
どうも匂いと記憶の関係は強いということらしい。
「今日の授業で習ったんだあ!人間っておもしろいよね!!!僕も毎日同じ香りつけてたら思い出してもらえるのかな!」
「そんなことしなくても忘れないよ。」
「どうだかねえ〜」
卒業が迫る高校生の他愛もない会話のはずだった。
この時彼はもう覚悟を決めていたんだろうな。
もう何年も前の話だ。
彼は卒業して間もなく帰らぬ人となってしまった。
1日だって君を忘れたことなんてないのに。
この香りはあの頃の笑った君を思い起こさせる。
僕の気持ちも知らないで、
本当にずるいやつだよ、お前は。
ー香水
香水
君の香水の香りが、どこにいても私の心を包み込む。
ふとした瞬間に感じるその甘い香りが
君との幸せな想い出を呼び起こして、
私の胸を暖かくする、
君がそばにいなくても、
その香りがいつも私を君のもとへと導いてくれる
ふわり、と香るサンダルウッドの香りにぴく、とまつ毛が動くのはごく自然なことだった。
人の名前も顔も覚えるのは苦手だ。
でも、その人が持つ香りなら何となく覚えることができる。
香水は人の体を表す、そんな気がした。
似合っていようが似合わなかろうが、その人の個性が香りとなって記憶に刻まれるからであった。
爽やかな森の木々の中に、時折見せる彼の好戦的でスパイシーなほろ苦さが感じられる。
感じるままに漂う香りをすんすんと嗅いでいると、匂いの主の顔がみるみる赤くなっていくのに全く気が付かない。
同僚とはいえ、異性に至近距離ですんすんと嗅がれ続けるのは流石の『軍師』も心中穏やかじゃないのかもしれない。
「…あの」
黒いTシャツのインナーが覗くワイシャツの襟元を片手で手繰り寄せる困惑の表情に、不覚にも『萌え』てしまっただなんてmirinは言えなかった。
─────『香水』
(香水。)🦜
僕は・・・ね。
・男の子だから
・女の子みたいに
香水は、付けない。🦜
(でもね。)
「僕の、誕生日に
娘雀しゃん、
から
・プレゼント、に
貰った。
《外国製の名刺入れ。》
に
入れる【香水香。】が、
日本の和。の
香りがするんだね。」🦜
《だから。》
✣初対面の、
雀しゃんに、
名刺を、渡すと、
❝僕に、一目置くんだよ。❞
【香水】
きみが香水を纏ってなければいい
きっと実物で会えたとしたら
無機質な鉄の香りがふんわりと辺りに溶け込ませながら
その鉄が血を連想させて
まるで何も守るものも持たずに
僕の前に現れてくれたように
2024-08-30
作品No.152【2024/08/30 テーマ:香水】
※半角丸括弧内はルビです。
今までに買った香水で思い出深いのは、TOBALI (トバリ) の「White Storage(ホワイト ストレージ)」だろうか。
香水の量り売りをしているサイトで購入したものだったのだが、これがとても品のあるすてきな香りだったのだ。私の貧相な語彙力では、それ以上伝えられないのがなんとも残念であるほどに、その香りは私を虜(とりこ)にしたのだった。
TOBALIはブランドが終了し、この香水がもう手に入らないのも、また残念なことであり、より惹きつけられる魅力だと思う。
貴方の香水の匂いが好きだと言ったのはほんの3年前の話。
流行に敏感な貴方がこの香水ばかりをつける様になったのもその頃だった。
貴方のつけていた品名が何かも知っている。でもただ貴方の匂いを探している。
(香水)
朕にその香水を売ってくれぬか
この声は、
この香りは、
わずかな記憶を結びつけ、物語を紡ぐ
(現パロ)
ふと彼女が隣の席に座った時甘い香りがした。
香水なんてつけるタイプだっただろうか? いや、そんなはずはなかった。昨日までの香りだってこんなシトラスのような香りではなかったし、もっともっとフローラルなまるで柔軟剤のような香りをしていたのだ。
そんなことを思ってから我ながら気持ち悪いなと、そう思ってしまった。いくら好意を寄せている人間とはいえ、クラスメイトになったばかりの隣席の少女の香りを覚えているだなんて、まるで、不審者のようじゃないか。
そんなことを自虐的に考えてしまったとしても、とにかく気になることは気になるもので、まるで、彼女に誰か彼氏でもできたんじゃないかなんて、思考がぐるぐると回った。
それでも尋ねることはできない。それはさっき、自虐的に考えてしまったということも片棒を担いでおり、そこまですごく仲良くない異性から『今日は、香水つけてるんだ。珍しいね』などと、急に言われるのも甚だ、不審者のようにしか見えないだろう。そんなわけで、結局真実も知れないままモヤモヤすることしかできなかった。
「…………あれ、今日香水つけてない?」
友人にそう問いかけられた。
「……ああ、うん。なんとなく」
そんな下手な誤魔化しで友人は納得してなるほどねー、なんて言葉を呟いた。
意味のない行動はしないとは言えないけれど、少なくとも、香水はつけてきたのには、理由があって。
姉から押し付けられたこの香水はどうやら恋を叶えてくれる作用があるらしい。それで、まぁ恋をしている隣席の彼にジンクスが作用すればいいなんて淡い期待と共につけてきた。彼がどう思ってるかボクには分からないし、それを問いかける勇気もないけれど何も言ってこないってことは嫌じゃないのかもしれない、なんて、ポジティブな思考回路を無理やり回した。