『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
香水
いつもバッグにしのばせてるのが1つ。それは使い初めてまだ1ヶ月も経ってないもの。お試しで手に入れた、小さな15mlのガラスボトル。
香水は好きなくせに、つけ過ぎると酔ってしまう。
すれ違った時に、ふわっと香る程度が理想的と言われるが、これが案外難しい。
コロンなら多少つけすぎても短時間で消えるからまだいい。トワレやオードパルファムは持続性があるから、つける時は慎重になる。
ヘアフレグランスも好きだ。
こちらは香水のように気を遣わない。気軽にシュシュッと振りかけて、出掛けられる。
香水はどうしてもないといけないものでは決してない。寧ろつけない人も多いかと。なのにどうしてこうも好きなのかと考えた事がある。
すれ違う誰かに“いい匂いだな”と感じてもらえるのもいいが、出先でふとした時、自分の好きな匂いを感じられると心が和らぐ。
それが1番の理由かもしれない。
あとは、香水をつけると自分がほんの少しだけ、女性としてワンランクアップするような気がするのだ。
“気がする”だけだが。
今現在、どうしても欲しいのが3つ。いつかは手に入れようと企んでいるが、いかんせんお値段が可愛くない。
お試しサイズ、なんて気の利いた販売戦略もしておらず、誠に上から目線の商いをしてくれている。
庶民を舐めるでないぞ、いつかカウンターにて、
「これ、くださいな」
なんて上から目線でお買い上げして差し上げますから。
なんてことを妄想して、楽しむ一庶民の私であった。
end
『香水』
自分を美しく見せる香水。
私はつけてないけど、洋服と同じ、大切なもの。
それを大切に出来る人になりたい。
終
なびく黒い髪。
自慢の黒髪にシュッとひと吹き、花を纏う。
よく手入れされた爪の間にも。
貴方は知らない乙女の努力。
彼女はいつも桃のような香りがした。すれ違う度にふわっと香るので、私はいつも香水を付けているのだと思った。しかし私の周りで彼女の香りに言及する者はいない、まして彼女が香水らしいものを振りかけている姿は見たことがなかった。
「私ね、春になったら拐われるの」
どうにか原因を探ろうとしていた最中、彼女は終業式の帰りにふと思い出したように言った。まるで恋人ができたとでも言うような口ぶりで。それがあんまり嬉しそうだったので、何に、とは聞けなかった。
それから私は彼女の香りについて探るのをやめた。
「また新学期に」と言って彼女と別れる。
その時の彼女は石鹸の香りがした。私の貸した制汗剤の香りだ。涼しい風。頭上の青葉がざわざわと揺れる。
私は心の中で、渡さないよ、と呟いた。
「香水」
昔から香水が好きで、沢山集めていた。
拘りが強いから、いいな、と思っても100%気に入る物はなかなかなくて。
でもやっと出会えて、それからずっと愛用してた。
これ以上のお気に入りに出会えないだろうな、って思って何年も経ったけど、遂に出会っちゃいました。
旅行で行った小樽のオリジナル香水のお店で、自分のイメージに合わせてオリジナル香水を作ってもらった。何種類か作ってもらったけど、ビックリする事に外れが一つもなかった。全部が100%以上のお気に入りになった。
今は昔からのお気に入りも含めて毎日楽しんでます。
何だか生活に潤いが出たようで、朝から気分上がります。
自分の為のちょっとした贅沢って必要だな、って思う今日この頃です。
オリジナル香水のお店のお姉さん、有難う!!
もう走る場所は見失った。
俺は人とは違う趣味をしていて、よく子供の頃は親や祖父母に注意されていた。
それは、誰にも言ったことが無いような森奥をただボーッとしながら1人で歩き続けること。
少しでも人が作ったような物があれば俺は直ぐに其処から引き換えした。
「次は何処に行こうか…少し遠くでも良いな……」
俺は部屋で膝付きの付いている椅子に少し体勢を楽にしながらそんな事を呟いた。
カタッ、と椅子の音がした。
その時に俺は思い付いてしまったのだ。
「……あ、彼処の森奥、言ったこと無いな。」
何気に行ったことのない近所の森を思い出した。
俺はそれが思いつくと、直ぐに向かった。
「熊よけの物は持ったし……よし、行くか。」
俺は歩き出した。
数時間ぐらい、ずっと続いていそうな森奥をただ進み続けていると、とある看板を見つけた。
あぁ、これは誰かが作った物だ。と思った俺は直ぐに引き返そうとした。
だが、何となくの勘が働いてしまったのか、いつもとは違う目で自分自身を誰かが見ている気がした。
「…………仕方ない、見てみるか。」
仕方ない程度で俺はその置いてあった看板を覗いてみた。
その看板を見た瞬間に、俺はもうその場から動くことが出来なくなってしまった。
"もう歩く道は見えない。
そして、帰り道も見えなくなってしまった。
ただ見えるのはお前の姿だ。"
香水
香水の匂いは嫌いだ。
私を作った女の匂いがするから嫌いだ。
ろくに子育てもしないくせに、子供を作る。避妊の仕方も分からないのに快楽だけ求める。子供は親を選べないとか、親ガチャはずれなんて可愛げのあるものではない。
家の中に私は存在しなかった。だれにも「おはよう」も「おやすみ」も言われたことはない。当たり前だ私は存在しないのだから。ご飯は作って貰ったことない。1ヶ月分のお金を渡されるだけだ。仕事から酔って帰って来る女は、いつも機嫌が悪く、良くて怒鳴り散らす、悪くて髪の毛を掴まれて投げ飛ばされる。そんな毎日だ。
そんな女が死んだ。仕事の帰りに増水した川に落ちて溺死した。
私はこれからは自由だ。
でも、私はまだ1人で生きて行ける年齢ではない。誰かの庇護のもと生きて行かなけれはならない。私を必要としてくれる人はこの世界にいるのだろうか。
あれから3年。
私はフランスの片田舎に養父母と暮らしている。フランス語はまだ完全に理解できないことも多いが、私はここで必要とされている。何もない田舎町だが、町一面に小麦畑が広がり優しい風に小麦の穂が揺れ町だ。私はそんな町に住んでいる。この町は小麦の匂いがする。
どんな高級な香水の匂いでも勝てない温かくて優しい匂いだ。
私は私を必要としてくれる人たちと優しい匂いに包まれて生きている。
ありがとう。
私を見つけてくれて。私に幸せの意味を教えてくれて。いま幸せです。
街の雑踏に紛れて、あなたを見失った。
あなただけは特別だったのに。
他の誰かと混ざり合うことなんてないと思ってたのに。
そして、私との繋がりは決して断ち切れないものだったはずなのに。
野良犬のように、あなたの香りを求めて彷徨う。
この街の何処かで、きっとあなたも私を探している。
街行く人の好奇の目に晒されながら、あなたを探して叫び続ける。
あなたと家に帰りたい。
「ツン!」
あなたが私の名前を呼んだ。
人混みをかき分けて、あなたが走ってくる。
ああ、あの重そうな体。見慣れた浴衣姿。
私を探して走り回ったのだろう、汗だくの体から、私にだけ分かるあなたの香りが漂ってくる。
それはあなたの香水。私にとっての。
あなたと再会し、私達はまた繋がれる。
二度と断ち切れることのない、硬い石の縄で。
上野と薩摩を結ぶ、この一本のリードで。
香水
人に匂いは付き物。自然の匂いでも付けたものでも。
どんな匂いも必ず人の鼻に届いてしまう。
その人の洗剤の匂いもその人が使ってる香水も。
その人じゃない誰かの匂いも嫌でも届いてしまう。
チャレンジ41(香水)
妻に言われて、男性用のコロンを買ったのは40代半ばだった。加齢臭という言葉が広まり始めた頃だ。あなたも気をつけたほうが良いわよ、との助言に、正直、腹が立った。それでも、半年か1年は使ったと思う。男の身だしなみと信じて。しかし、いつの間にか使わなくなった。中身が残ったコロンは、まだ洗面所にある。使用期限が過ぎている。もう使えないだろう。
香水
同じ香水をつけても、私はあの子になれなかった。
日々家
人の心が自然と安らぐ香水のような存在になれたら嬉しい😊
香水
凄く頑張らなくてはいけない日、
私は香水をつける
大好きなあの人のお気に入りの香水
それは少し高くって買えなかったから
同じ匂いの小さいやつ
勇気をくれる匂いを纏う
本当は毎日勇気を纏いたい
でも、強い匂いは気持ち悪くなってしまうから
毎日つけれない…
だからどうしても、勇気が欲しい日
あの人の匂いを香水で纏って私は頑張る
香水
私はムスクの香りが好き
麝香とも言うらしい。
甘くて官能的な香り
ムスクの香りが一瞬私の肩を漂っただけで、
だれ?って振り向いてしまう。そして、私の身体にまとってほしい。
ムスクは女性ではなく、男性につけてほしい香り。
〜香水〜
その香水は思い出させる
過去の人となったあの人を
あの人はいい人だった
いつでも優しくて、愛してるって言ってくれて
でもちょっとでもそうじゃなくなった時
私はとっても不安になった
そんなことないってわかってるけど
だから別れを切り出した
離れたくない愛してるって言って欲しかっただけかもしれない
その人は私の願いとは裏腹に分かったと言った
きっとその人なりの愛だろう
私は気づくことが出来なかったどれだけ愛してくれていたか
私は気づくことが出来なかった本物の愛を
ごめんねきっとそう言ってもあなたは悪くないよって言うだろう
ごめんね素直になれなくて
香水
君が使っていた香水の香りと同じ
すれ違った人から香り
振り返ればそれは君だった
ラベンダーのドライフラワー持つ祖母に
会えた気がした 都内地下鉄
春のにおいの香水があったら
雪解けのにおいも感じられる?
懐かしい記憶を揺さぶる何かなのに
どこの誰か ずっと分からない
#香水
ある日、香水を買ってみた。香水の説明書にはこう書いてあった。
「香水は惚れ薬のように誰かを惚れさせる。」つけてみた。そしたらイケメンな男に付き合ってほしいと頼まれたから付き合ってみた。
ある日、香水の香りが切れた途端君に振られてしまった……
悔しくて悔しくて香りの違う同じシリーズの香水を買った。
その後,香水を変えてみたらすべてが変わった!優しくてイケメンでお金持ちな男から結婚してほしいと頼まれたけれど、どうせ香水をつけなかったら振られてしまうと考えたから断ったんだ。その日からそのシリーズの香水を全部買って全部つけて街中を歩いてみた。告白は何度もされたが全て断った。それが楽しくてしょうがないから毎日それを続けたんだ。
香水
あなたが吸ってたiQOSの匂い
バイトに行っても旅行に行っても、何処でもあなたのあの匂いが染み付いてる。
でも、もうそんな匂いも気にならないぐらい、私の中で1番高価な香水手に入れちゃった。
ありがとう、上書きしてくれて。
この場所に来ると、時々あの人の香水の香りがする。大好きだったな。あの頃は。
いつも同じ香りを探してた。
今ではもう追い求めることのないあの香水の香り。