『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
香水
あの時の香り
よくあるよね
香りだけで全てが思い出される
苦しくなる
切なくなる
懐かしくなる
涙が出そうになる
でも、「今」もまた
いつかのあの時になるんだろう
「今」にはどんな香りがあるんだろうね
過ぎ去ってから初めて気付く「今」の香り
暖かな懐かしさを感じられたらいいな…
あきかぜ
土曜日の朝
ある土曜日の朝のことだ。
ケイリー・ゴートゥベッドは目を覚ました瞬間からひどい自殺衝動に襲われた。
全身が鉛のように膠着し、なかなかうまく動かせないことに気付き、「もしや金縛りでは」と考えたが意識は確実に覚醒していたし、そもそも心霊的なものを彼女はいっさい信じていなかった。
彼女の身体は、いたって健康的だった。
毎週土曜日と日曜日は朝少し早く起きた後、近所をウォーキングするのが決まりだった。
でも、その日は違った。
なんとか上体を起こし、布団をはね除けると、ベッドの隣の小さな棚の一つから大量の睡眠薬と吐き気止めのシロップを取り出す。
睡眠薬はもともと不眠症を患っていたことでちゃんと医者からもらったものだ。
『ゴートゥベッド』なんて苗字で不眠症だなんて。
と、ケイリーは苦笑したのを覚えている。
医者は彼女のジョークを全く笑わなかった。
彼女は数十にもなる睡眠薬をすべて口に含むと、シロップで一気に流し込んだ。
これですべてが終わる、と彼女は再び布団をかけて眠ろうとした。
最初の数十分間は、あれこれ「私が死んだら家族は悲しむだろうな」とか「大学のレポート、まだ提出してないや」とか考えていたが、やがて意識が朦朧としてくると、彼女は眠ってしまった。
もうどうでもよかったのだ。
彼女はただ、静かに眠っていたかっただけだから。
土曜日の朝は、誰だって遅くまで寝ていたいもの。
あの香水が好きだと私は言ったけど、何がいいの?なんて
言われちゃうもんだから、困る。
そりゃ、私も自分の意見を押し付けたらダメなのは分かっています。でも、嫌いだからって、押し付けていいのかな。
嫌い。その嫌いにはどんな感情があるのかな。
色んな気持ちが混じっているよね。
私も思い出が、あったり、嫌なことがあったりしたら。
嫌いになります。
好き?何が?って思うのは私も思うのでほんと分かります。
でも、好きな人だっているんだってこと忘れないで欲しいな
歌が下手なのはわかる。でも、私はそう思わない。
人それぞれよね。
上手いか、下手か、。
でも、響くか。響かないか。
人それぞれよね。
それでいいのに。なんでみんな一緒じゃなきゃいけないの。
香水って意味も、香水ってことも分かってないやつがいうから、全く意味ないんだけど。
嫌いも、好きも。
みんな違ってていいと思う。
うん。良いと思うな。私は。
【香水】香水の効果を使って、君を誘惑できたらいいなー
とか密かにおもったりもしている。それはできない
けれど、私の印象を残すことができたらなーとは思う
ので、いい匂いを探し中。香水の効果について勉強中。
やはりあの匂いがいいかなー。今度会うときに
つけていこう。匂いをつうじて、私の想いよ届け!
なーんてね(笑)。
3年後のpure
香水
別にいいんじゃない
どうでもいい
悪くはないと思う
前に貰って使ってはみた感じ
買ってまで使いたくはないけど
匂いって割と外で感じる
花粉とか食卓の準備など
煮物、揚げ物、焼き物
なんの料理かなってちょっと考える
歩いているし風は流れてる
だから過ぎてゆく
考えの途中のまま忘れてしまう
なんだったのか結局は判らない
煙草やお酒は臭いってさ
香水も充分に臭いと思ったりもする
そう思うだけで特に害はない
電子タバコは害がありそうだけど
それでさえどうしようとも思わない
これまでの経験と印象で
あとは個人の好き嫌いではないかと
知ってないと何の匂いか判らないからね
香水
私はよく、おばあちゃんとお母さんに「可愛い」と言われた。
そうやって褒められるのが本当に嬉しくて嬉しくて、よくおしゃれをしていた。
その度に「可愛い」と、2人の優しい声で褒められるのが嬉しくて、何よりの自身でもあった。
でもある日、私に転機があった。
それは5年生の夏。
休日に、お菓子を買いに行こうとコンビニへ行った。
その時雑誌コーナーを通った時に、たまたま目に入ったのが、ショートボブにTシャツ、ズボンといういかにもボーイッシュな格好をした女性が表紙を飾っているファッション雑誌だった。
私はその自分らしい格好をした表紙の女性に心を打たれ、気付けばその雑誌を購入していた。
_________________
今日は珍しく母より父の方が早く帰ってきた。
父が帰ってくるなり私は、今日買った雑誌を手に持って
「私もこんな女性になりたい」と言った。
するとさっきまで穏やかだった父の表情がどんどん厳しくなり、そして初めて私に向けて怒鳴った。
突然の事にわけも分からず呆然としていると、父さんに雑誌を奪い取られ、ゴミ箱に雑誌を突っ込まれてしまった。そして父はこう言うのだ。
「お前はせっかく可愛い女の子に生まれたんだから、女の子らしく生きなさい」と。
また気付けば私は自分の部屋の姿見の前に立っていた。
肩甲骨辺りまでの髪をポニーテールにして結んだ髪に、紫色のスカートに服。
お手本のような【女の子みたいな服装】。
父にさっき言われた【女の子らしく】という言葉が脳裏に蘇る。
【女の子らしく】はいいのに、【自分らしく】はダメなの?
【自分らしさ】は殺さなきゃなの?許してくれないの?
分からない、分からないよ。
数分後、
私の右手に握られてるのは、開きかけたハサミに、そのハサミに絡まっているのと辺りに散らばっている髪。
私は姿見の前にしゃがみ込んでいた。
姿見に移るしゃがみ込んだ私の姿は、少しだけ長めでガタガタとしたショートボブの姿。
___
最初に私のこの姿を見つけたのは、祖母だった。私の部屋を開けた途端この惨状だったからさすがにびっくりしたのだろう、すぐ母に連絡をしていた。
それから間もなく、母が家に到着した。
母は私の姿を見てびっくりはしていたが、怒ることも無くただ抱き締めてくれた。
__________
母side
仕事中、おばあちゃんからひとつの連絡が入った。
それは、娘が少しだけ大変なことになっているとの事だった。
私は上司に言って、直ぐに家に帰った。
__________
リビングには誰もいなかった。もしかしたら自分の部屋にいるのだろう。そう思いリビングから出ていこうとした。
そしたらゴミ箱の奥底に何かがあった。
取り出して見ると、それはファッション雑誌だった。
表紙にいるのはボーイッシュな格好をした女の人。
……まさかと思い私は娘の部屋へと急ぐ。
そしたら案の定、姿見の前に座り込んでいる娘の髪は、ショートボブ程の長さになっていた。
………今日はいつもより、お父さんが早く帰ってきたから、これを見せたら捨てられてしまったのだろう。だいたい想像が着いてしまった。
でも私は娘のしたことを否定をしないし、口出しもしない。その思いを込めて私は娘を抱き締めた。
____________
あれから2年後の中一、私の髪は少しは長くなったが、格好はボーイッシュのまま。
それから、おばあちゃんは病気を患ってしまい、寝たきりの状態になっしまった。
私はおばあちゃんのことが、大好きだから毎日のようにおばあちゃんの元へお見舞いに行っていた。
ある日、おばあちゃんの容態か急変したらしい。私とお母さんはすぐに家を飛び出して病院へ向かった。
お母さんたちは話し合うことがあるらしく、おばあちゃんと一緒に待っててと言われた。
2人きりになった病室に、静寂が訪れた。
何か話す話題はないかと必死に考えていると、おばあちゃんが急に私の手を握った。
びっくりして思わずおばあちゃんの顔を見ると、その顔はとても穏やかで、優しいものでした。
そしておばあちゃんは私にこう言いました。
「今の自分らしく生きているあなたはとても素敵で、綺麗で、それでいてとても可愛いし、どんなあなたも好き。
でも忘れないで、あの日より前の可愛かったあの時のあなたもあなたよ。あなたは何になろうと、私にとっては可愛くて可愛くて仕方がない孫だよ。」と。
それを最後におばあちゃんは、静かに息を引き取りました。
_______
おばあちゃんが無くなってから、私は再度可愛い服を身につけるようになった。
短かった髪も前の肩甲骨辺りまで伸ばして、ポニーテールだけだった髪型もハーフツインやツインテール、ハーフアップなど色んな髪型でするようにもなったし、スカートにも足を通すようになった。
更にはあまり好きでない香水も着けるようになった。
【嘘をつく時にはほんの少しの真実を混ぜると、
その嘘はより真実味を増してくる。】
どこかで聞いた、そんな言葉。
きっと、今の私に一番似合う言葉だろう。
嘘の部分は、この身なりをしていて、そして嘘をついている私の姿。
真実の部分は、この香水が好きでないという本心だろう。
でも私は、これが嘘だとは信じない。
何故なら、大好きなおばあちゃんが好きと言ってくれた私だから。
「先輩ってなにかつけてます?」
「んえ、別になんもつけてねえけど」
「でもなんか匂いが……」
「あーつけてるって香水のことね。んー……あ、ほらこれじゃね」
昼休みの廊下、人がまばらに行き交う中、偶然見つけた影をとっ捕まえて面白くもつまらなくもない話を駄弁っていると突然デリカシーが微妙に欠けたことを言い出した。
内ポケットから薄紫の液体が半分ほど入ったガラス小瓶を取り出すと不躾にヒトの体臭を嗅ぐぺちゃんこな鼻に制裁としてそれを噴射させる。
「うわっぺっぺっ!口に入っちゃいましたよ!」
「アホみたいに口開けてんのが悪いんじゃん」
「あ、でもいい匂い…。いいなあ、私もお金貯めて買おうかなあ」
「▓▓▓▓ちゃんにはまだ早いんじゃない?」
「私先輩と一個しか離れてないんですけど」
「一個もだよ」
じっとりと睥睨するがお世辞にも怖いとは呼べない、小生意気でかわゆい表情だ。
「先輩はいつから香水つけてるんですか」
「一年の時から」
「じゃか全然早くないじゃないですか!」
「うるせえなあ……オラ!」
「ぺっぺっぺっぺっ!やめてください!」
「ギャハハッ、▓▓▓▓ちゃんは赤ちゃんみたいな匂いさせときゃジューブンでしょ」
「乳臭いってことですか?」
「ミルクみたいないい匂いってこと」
オレはぴちぴちと暴れる小さな身体をぬいぐるみのように持ち上げ、その首筋に鼻先を埋めるとすぅっと一つ大きく深呼吸した。
#香水
それは、あなた達の印象を動かすモノではなく
あなた達が自ら印象を動かすのです。
"香水"
サッとふりかけ、少し背伸びをした。
伏目がちに髪を片方耳にかける。
ふとした時に手首から香る甘いけど、爽やかな香り。
鏡に映る私は頬が緩んでいる。
まだまだ、子供かもな。
うわ、来るよ
どこ通ったかすぐ分かるもんね
鼻、バカになってんじゃねーの?
教えてあげなよー迷惑だって
(嫌がらせに決まってんじゃん)
『香水』
香水
暖かい腕の中
ポカポカと香る、
まるで太陽のような、温かく、どこか微睡みを誘う匂い
その中にいると、
安心して、眠れたんだ。
君が長いこと帰ってこなくなり、
寂しい時も、布団から香る匂いが慰めてくれた。
日が経つにつれてだんだんと匂いは薄れていき、
胸に開いた穴がどんどん深くなる。
早く、早く… そう思いながら目を瞑る。
ようやっとその腕の中に包まれた朝、
初めて、眠りについた気がしたよ。
君の匂いのするものを持っている訳でもない
君が近くにいる訳でもない
なのに君の匂いがする
でもふとした瞬間の1回の呼吸だけ
君の匂いが濃く香る
君のその匂いに香水に依存してしまっているね
#香水
何年も前に別れたはずなのに
あの匂いだけは鮮明に覚えてる。
まだ幼い私が、初めて香水をふりかけた瞬間、少し大人になれた気がした。
自粛期間中に何故か流行ったあの歌。
リビングのソファに座り、パソコンとにらめっこしている君の目の前で、何とはなしにハミングしてみる。
すぐに君は「懐かしいな」とクスクス笑いながら鼻歌を歌い出す。
アナログ時計の秒針の音をメトロノーム替わりに、ハミングと鼻歌で上手い具合にハモってみたりして。
あの散々な日々を今、こうやって二人で笑いあうことが出来る幸せを噛み締めながら、サビに突入。
キャッチーな最後のあのフレーズはユニゾンして、歌い終わった後で二人してカラカラと笑った。
ホントなんで流行ったんだ、あの曲、と。
テーマ「香水」
香水
「香水つけてる?」
「うん」
「ドルガパ?」
「男ってみんなそれ言うよね」
「主語がデカすぎる」
香水を鼻歌で歌う君。冷蔵庫からウイスキーを取り出すその横顔はキザな男そのままなのに、その実君は香水を知らない。
「何年前だっけ、それ」
「えー、そっか。もう年単位で前なわけだ。そりゃ歳もとるよねー」
「おばさんって?」
「違うから笑」
そのまま彼は私の横に腰を下ろす。広いソファーベッドと無駄に大きいテレビが、部屋の中に鎮座している。
「結局その香水なんなの」
「LANVINの、MY SIN」
「ふーん」
「聞いといて興味なさすぎる」
リモコンを手に取る君に、香水をワンプッシュ吹きかける。
「あげる」
「……ねーさ、人は同じ匂いの人に性欲抱かないんやって」
「へー、試してみる?」
トン、と肩を押されてソファーにもたれかかる。君の吐息を近くに感じて目を瞑った。
「香水かけた意味なかったじゃん」
「きみのせいだよ」
一人の男性とすれ違った時ふわっと甘い香りがして、思わず振り向いたら、初恋の人だった。
私の初恋のひろくんと出会ったのは今から10年前の高校一年の時だ。ひろくんは優しくて正義感が強くて
笑顔が爽やかで甘い香りがした。
私は思わず、「その香水どこの?何の香り?」とひろくんに聞いた。ひろくんは「DIORの、んーと、忘れちゃった」とはにかんだ。
私はひろくんが好きになって、もっと近づきたくて、DIORの香水を買った。
ひろくんに振り向いてもらえるかなと期待したら、別の男子が告白してきた。
なんだかんだ私はその彼と付き合うことになって、10年経った今は家族になってて子供もいる。
でもやっぱり私は、ひろくんが好き。
10年の時を経て、私はひろくんに告白するため走る。結局ひろくんは見失ってしまった。
あれは幻のだったのか、いやあの香水はDIORのあの匂いだった。
ベッドにもぐり込むと、まだきみのにおいがたちこめていて、すべてのことがくるしい。昨日をあいしても意味がないということ、脚の指の一本一本にキスしてくれたくちびるの輪郭だけ思い出す。もうそこにはすでにきみはなかった。
香水
高校生の弟が、ある時香水をつけ始めた。
もともと、柔軟剤やその人の匂いで大体友達を見分けられる犬のような弟なので香水に興味をもつこと自体に違和感はなかった。
私は弟が香水をつけた後に部屋に残る甘ったるい香りが苦手だったので、香水は苦手なのだと思っていた。
けれど、所謂推し活のために初めて買った、柑橘や薔薇の甘すぎない爽やかな香りの香水。
使ってみて、後が残らずしつこくない香りであれば好きなのだと気づいた。
たまには、食わず嫌いしていないかどうか確かめてみるのもいいかもしれないと思った。
桜帆先輩が後ろを通り過ぎると、後からフワッとイイ香りがくすぐる。
見えなくても存在が感じられるって偉大だ。幸せだ。
ある日何気なくフワッとを目で追うと、
えッ、誰?
桜帆先輩どこ行った?
いつから???