『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
君の匂いが好きだった。優しく包まれるような、やわらかいほっとする香り。香水なんて必要なかった。せっけんの匂いがする君に惚れていた。
ハンカチに1プッシュ。
母がつけていたもの同じもの。
母は誰より強かった。
人一倍働いて、私を叱って、愛してくれた。
そして、死んだ。
それから私は、
母の香水をハンカチにつけるようになった。
無くなっても、新しく買い足した。
空き瓶ですら捨てられず、押し入れに並んでいる。
私は弱いんだ。
母みたいになりたい。憧れていた。
でも、なれないのはわかってる。
私は私で、母は母だから。
だから、ハンカチに吹きかける。願いを込めて。
母が守ってくれるように。
母のように強くなれるように。
あなたを越えてみせるって。
あーだめだめ、あなたとは反りが合わない。
無理です無理、力を合わせてなんて本当に無理。
あなたから香る香水はそんなに嫌いじゃないけど。
小学校に入るか入らないかくらいの頃
可愛がっていた飼い猫が
兄になつくのを許せなかった。
猫は自分の匂いがついたものを好むって聞いたから
母親の香水を拝借して
自分と猫にたっぷりふりかけた。
今思うとほんとに悪いことをした。
いやだったたろうなあ猫。
ごめんよ、トラ。
いつかまた抱っこできるのかな。
ルームフレグランス
6年生の時、部屋にルームフレグランスという部屋がいい匂いになるものを置いていた。
今はもう、中に入っている液がなくなってしまった。
といっても、意識するとまだ感じられる程度だ。
今、匂いでみると6年生の頃を思い出す。
あの液と共にあの日々は消えて行ったんだなと思ってしまった。
<香水>
僕は昔から香水が嫌いだった。
父が再婚を繰り返し、色んな女性が母になった。最初は優しかったはずがいつからか僕に当たりが強くなった。父の再婚相手は、香水を身に纏っていた。
(あぁ、この人もまたみんなと同じ、僕に当たりが強くなるんだろな)
信用したら、心を許したら、いつか痛い目を見るんだ。絶対に、心を許していけない。。。
僕はいつからかそう思うようになって、人間不信になって行った。父にはもちろんこの事は言えない。心配をかけたくない。自分のプライドがそれを許さなかった。
父の再婚相手が僕の名前を呼ぶ。ご飯の時間だ。料理はとても美味しんだ。僕の実の母の味と似ている。懐かしくなる。寂しさが込み上げてくる。悟られてはいけない。そこに付け入られてはダメなんだ。。。。ダメなんだ。ポロ……ポロ……
「大丈夫?不味かった?作り直す?」
違うんだ。ただ。懐かしさと寂しさと不安と色んな感情が混じりあって涙が溢れてきただけなんだ。
信じちゃダメなのに…心を許してはダメなのに…この人なら大丈夫だろうと心のどこかで思っていた自分がいる。この人の匂いは好きだ。なぜか安心出来る。
僕は香水が好きだ。母がつけている香水が好きだ
君の首元から
ふんわりと香るバニラの香り
指先を添わせると
顔を赤くするその様が
とても愛おしい
《香水》
妖華
不条理に咲く華
闇夜の光浴びて
瞳が離せない
妖艶な歪み…
秩序に反してく
華香り漂わせた
魅せられた心
そっと触れ…
五感が麻痺する
虚ろになる瞳…
記憶巡る 閉じた過去…
朱の雫 頬濡らす…
思考狂う 哀しみ過去…
夢の現 傷み震え…
幻狂の性 切なき過去…
儚さ時 目覚めた…
其処には
もう 華は無かった…
「香水」
小学校時代に、百均で友達とお揃いの香水買って以来、香水買った覚えないな。
大学1年の時に好きな人ができて、おしゃれ頑張ってた時期もあったけど、それでも香水には手出さなかったなぁ。
てか、思いつきもしなかった。
今は好きな人もいないし、学校にもほとんど行かないからおしゃれとか全然気にしてないけど、来年から社会人だし、香水つけたりして大人な女性目指しすべきか?
そう考えるけど、やっぱり好きなものにお金は費やしたいわ。
香水
懐かしい香水の香り。
あなたとの大切な思い出の香り。
香水
香水は嫌いです。
頭が痛くなります。
エレベーターで勝ちあってしまったら、全力で息止めます。
香水
香水は
大人の香り?
私が好きなのは
ウッドな感じ。
残り香も
残ってないくらいだけど
想い出の中で
探してる。
香水
佇まいの美しいあなたが
身に纏った やさしい香り
あなたは 私の憧れでした
お元気でしょうか?
君のつけてる香水は
もう、ここにはない
あなたの匂いを感じたくて
あなたと同じ香水をつける
入浴を済ませ、いつもよりも念入りにボディクリームを塗る。ちょっとお高めのコレはこういった類の中では珍しく無香料で、乾くと肌触りがツルツルで気に入っていた。
それから顔に化粧水、乳液、パックをして、彼の毛を乾かしてヘアオイルを塗る。コレも無香料。パックを外して余った液は手に塗りつけて。
次は化粧。いつもより少し華やかに。小ぶりだけど上品なピアスを付けて、それとお揃いのネックレスを付ける。
髪の毛をアイロンで巻いて、この日のために買ったちょっといいワンピースに袖を通す。
髪の毛を後ろ手で括って頸を晒すと後ろから伸びてきた手がワンピースのチャックを背中から上に上げてくれる。最後のホックが首の後ろでプチッと止まった音がした。
「先輩、とても綺麗ですね」
「ありがと」
「ここまでする必要あります?」
「同窓会なんてね、値踏みだよ、値踏み。結婚してるか、子供はいるか、そんな事ばっかりが話題なんだから」
少し落ち着いた色のルージュで唇を彩り終えて、全身鏡で最終チェックする。髪型良し、化粧良し、服良し。
「だから私は、せめていい服着て着飾って今がとっても幸せですってアピールしなきゃいけないの」
「.....成程。ではコレも有効かと」
シュッという音と共に頭上からベールをかぶせる様に嗅ぎ慣れた匂いが降ってくる。高級感のあるムスクの香り。彼がいつも付けている男物の。
「コレは安いものじゃないです。こうする事でアナタにはそこそこのステータスで、そして同窓会に行かせるのでさえこうやってマーキングをするぐらいアナタにゾッコンな恋人が居るのだと分かるでしょう?」
彼は自らの手首にもシュッと一振りしてその手首を私の首や胸元へ擦り付けた。
「...後は、アナタを射止めようと近寄ってくる男共もこのマーキングで近寄れなくなるかと」
「ふふ。ありがと。これで少しは肩身の狭い思いをしなくて済むよ」
抱きつこうとして気づいた。口紅をしていなければ、この可愛い嫉妬と独占欲を見せる恋人に甘い甘いキスをしてやれるのに。私のことが好きだと言葉と行動で表してくれる、本当に彼のそう言うところが私は大好きなのだ。
「じゃあ行ってくるね」
後ろ髪を引かれる思いで玄関の扉に手をかけた。
「待ってください」
振り向くと彼が私の手を取った。
「堂々と同窓会に行ける方法まだ他にもあります」
「ん?どういう事?」
「結婚しましょう」
そう言うとどこからともなく指輪を出して私の薬指にはめた。なんて?ここで?今?いきなりの事に混乱して私の口はぱくぱくと動くだけでまともな言葉が何も出てこない。
「...え?な、なに..?」
「こんな形でプロポーズする事になるとは思いませんでしたが、たった数時間だとしても貴方に肩身の狭い思いだなんて絶対にさせたくありません。返事を聞く前に指にはめてしまってすみません。取り敢えず同窓会の間はこの指輪をつけて行ってくれませんか」
指輪にはまった綺麗なダイヤの指輪。それから目を離し見上げると耳まで赤くなった彼が居た。ああ、もう。
口紅を塗っていた事なんて忘れて彼に飛びついた。
動いた事でふわっと香る彼の匂いが2人を包んだ。
きっと今日は空気が揺れるたびにこの香りが私を幸せな気持ちにしてくれるだろう。
私は返事代わりのキスをした。
「匂いも苗字も君のになっちゃうね」
「ソレ最高ですね」
#香水
「香水」
フワッと香ったその瞬間、すぐにあの人だと分かる。
さわやかな中に、誰も触れてはいけない何かを秘めている、そんな香り。
心の奥深くまでは知ることのできないあの人とよく合っている。
あの人の近くにいると自分が、あの人に酔っているのか、香水に酔っているのか、分からないくらいぼーっとしてしまうんだ。
うちのオカンがなー?
最近海外旅行帰りの友達からお土産もろたんよー
へぇーそうなん?何もろうたん?
それがなー?もろたのはええけど どないして使ぅたらええかわからん言うんよー
え?なんや?大きさはどのくらいなん?
まぁ、手のひらサイズやな
瓶に入っててな?ええ匂いもする
箱に ドルなんとかって書いてあったんよー
そら ドルガバやないかいっ!
いやでもなー?おかんは多分違う言いよるねん
なんかええ匂いするんやけど固まってるー言うねん
そら ドルガバやないなぁーーー
って
頭の中であの人達のコントが始まってしまいました
《 香水 》
A&
「香水」
その香り
セピア色のあの頃を
思い浮かべる
香水…
そんな匂いを嗅いでみたい。
かみさんは格好はもちろんだが、
匂いにも無頓着。
何も感じなくなったな〜。
今、電車に乗ってるが、
隣の人はいい匂いがする。
これが香水か。
懐かしいし、ちょっとドキドキするな〜。