ハンカチに1プッシュ。
母がつけていたもの同じもの。
母は誰より強かった。
人一倍働いて、私を叱って、愛してくれた。
そして、死んだ。
それから私は、
母の香水をハンカチにつけるようになった。
無くなっても、新しく買い足した。
空き瓶ですら捨てられず、押し入れに並んでいる。
私は弱いんだ。
母みたいになりたい。憧れていた。
でも、なれないのはわかってる。
私は私で、母は母だから。
だから、ハンカチに吹きかける。願いを込めて。
母が守ってくれるように。
母のように強くなれるように。
あなたを越えてみせるって。
8/30/2022, 2:18:58 PM