『飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ー飛べない翼ー
飛ぼうと思えば、いつだって飛べた。
私にはいろんな 羽『可能性』が見えてて、そこから 翼『未来』に重なっていった。
もう羽が生え揃っているから、いつだって飛べた。
でも飛ばない。
怖いから、恐ろしいから。
本当は、その羽は皆はずっと前から揃っていることに気づきたくないから。
皆はずっと先にいることに気づきたくないから。
偽物の優越感に浸っていたいから。
自分の羽はおかしい形と色であることに気付かれたくないから。
自分が悪目立ちしたくないから。
でもその後に気付いた。
私は皆と同じ羽も翼も持っていないことに。
皆はもっと色とりどりな翼を揃えていたことに。
自分は同じ枝にすら停めれていなかったことに。
皆自分のことなど眼中に無いことに。
だから分かった。
飛べない翼だったって、誰も気に止めないことに。
その事実に救われた自分がいたことに。
飛べない翼
天使の様な、白い翼が欲しい…真っ白で、何処迄も、飛んで行ける、自由に時間をも超えてみたい…
純白な翼が欲しい…神様、私の背中に、授けて下さい…そう、心の中で、呟いてみるけれど…
ずっと、希っているのに、叶わない、儚い妄想巡り…翼があれば…
今日も、一人ぼっちの小さなベンチで、青空を見上げ乍ら…
飛べない翼
まだ癒えていない傷が
残ったまま
見上げる青い空
焦らないでいいの
地面を感じて少しずつ進むの
作品No.225【2024/11/11 テーマ:飛べない翼】
空を見上げた。
煌々と月が輝く空を切るように、仲間達が翼を広げて飛んでいる。美しい色が、月光を反射して、視界を彩っていた。
自分だけが、地べたに座り込んでいる。仲間達を見上げることしかできない。
仲間達と同じように、自分にも翼はあるのに。
飛べない自分がひとりきり、ただ夜空を見上げ続ける。
【飛べない翼】
小学校の中学年くらいから、ハルトは父親の仕事の関係で関西地方に引っ越すことになった。
当時、ハルトには好きな子がいて、彼女と離れ離れになるのが嫌で嫌で仕方なくて、それはもう連日ゴネにゴネた。普段あまり感情を表に出さない、ぼんやりとした性質だったため両親は非常に驚いていた。驚いただけで粛々と転勤の準備は進められていたけれど。ハルトの抵抗虚しく、関西人ひしめく小学校に転校させられしまった。
言葉遣いでいじられることはあったものの、ハルトはそこそこうまくやっていくことができた。ハルトは自覚したことがないけれど、どうやら綺麗な顔に産んでくれた親のおかげらしい。
(それが何を意味しているのか、今でもわかっていない)
それでも、話は別なのだ。ハルトにとって価値があるのは地元に置いてきてしまったあの子の存在だけだ。
義務教育とは、子供とは、なんと無力なのだろう。500km以上離れた場所へ戻るのは、当時のハルトには到底無理な話だった。
キッズケータイも手紙も、何も役に立たない。悔しくて悲しくて、連絡先を何一つ聞き出せなかったからだ。アホか。
せめて高校くらいは地元に戻ってやる。寮でも一人暮らしでもいいから、あっちの学校を受けよう。勝手にそう決めて、勉学にスポーツにと励みまくった。成績は割と良い方で、周囲の大人によく褒められた。友人たちとは割と疎遠になってしまったが、特に気にならなかった。
……ただ、中学の真ん中で、あっさりと地元に戻ってきてしまった。ハルトの努力とは。意気込みとは。大人は本当に勝手だと、もはや怒りすら湧かない。
「誰だっけ」
「……、さあ、誰やろな」
ありがたいことに、同じクラスにナガヒサがいた。ナガヒサはトワの弟で、当時よくわからないなりに一緒に遊んでいた相手だ。
数年ぶりに再会したナガヒサはこれでもかとデカくなっていて、同年代に比べてかなりの長身のハルトより目線が上だった。顔つきはトワによく似ているから、勝手な想像が膨らんでいく。きっときれいになっているはずだ。
空き地だった場所は住宅地になって、よく行っていたコンビニは歯医者になっていた。駅前はやけに賑やかになっていたし、街の様相はかなり変わったようだ。
そんな中、ハルトは黙ってナガヒサの後をついていく。
「さっきから何だよ、ついてくんなよ」
「ええやん、お前に用ないし。はよ姉ちゃんに会わせろや」
「は、ふざけんな。てかテメェ誰だよ」
「誰でもええやん。お前には関係ないわ」
今にも噛み付いてきそうなナガヒサに適当に相槌を打っているうちに、目的地に到着する。何度か訪れたことのある家は、ぼんやりと記憶に残っていた。庭に転がっている犬のおもちゃを見て、ああたまに3人で散歩に出かけたなとふと思い出した。
「うわ、今日帰ってくんの早くない?」
背後からかかった声に、真っ先に身体が反応する。ゾワッと鳥肌が立った。震える膝を悟られないように、くるりと向きを変える。
「うっせえバーカ!」
「はっ倒すぞバカ弟!」
ジャージに身を包んだトワがぎゃあぎゃあとナガヒサと言い合っている。
ショートカットだった髪は伸びていて、後ろでひとつ結びになっていた。身長はハルトの胸より少し下くらいだろうか?記憶の中のあどけない子供だった姿は鳴りを顰めて、随分と大人っぽくなっている。なにより、目を引いてしまったのが、ジャージの上からでもわかる胸の膨らみだ。
どうしよう、めっちゃきれいになっとる。
想像の5億倍、トワはかわいくてきれいになっていた。何度も何度も夢に見て、勝手に想像して、少しだけ慰めてもらったりとあったけれど、そんなものの比ではない。
「……本物のお姫さまやん」
「ああ!?んだテメェさっきから、帰れ!」
思わず口から溢れた言葉に、すかさずナガヒサが突っかかってくる。今も昔も血の気が多いやつだ。
「あれ、……あれでしょ、ほら、ハルトくん。久しぶり。めっちゃ大きくなってんね、全然わかんなかった」
「お、お姫さん、俺のことわかるん?」
「お母さんから帰ってきたって聞いたよ。てかおひーさんって何?」
白い頬を上気させて、トワはハルトに笑いかける。それだけでいろんなものが込み上げてきて、ハルトは息を詰まらせる。涙の膜のせいで視界がぼやけた。
思わず両手で彼女の肩を掴んでしまった。抱きしめたら折れてしまいそうな薄さに、ハルトはさらに感極まってしまう。
「ウッ……お姫さん、ずっと会いたかってんで……」
「離せや変態!」
ナガヒサに突き飛ばされる形でハルトはトワから離れてしまう。ただそんなことは微塵も気にならなかった。追い打ちをかけるように、ナガヒサにどつかれ続ける。けれどそんなことは全く気にならなかった。
だって目の前に、大好きなトワがいてくれるのだから。多少肩やら背中やらが痛くても、そんなのは蚊に刺されたようなものだ。
「なんかよくわからないけど、これからもバカ弟と仲良くしてね。こいつ性格悪すぎて友達いないし」
「は!?」
「……お姫さんが言うならしゃーないわ、仲良くしたる」
「ありがとー、また今度改めて遊びに行こうね」
「行く」
「おい、俺の話聞けよ、こいつ誰なんだよ!」
無事再会を果たし、ついでに連絡先の交換と遊ぶ約束も取り付けたハルトはほくほく顔で帰路についた。不思議と足取りも軽い。
もはやハルトの頭の中は「結婚」の二文字しかなかった。
※※※
登場人物
ハルト:美男子。中途半端な時期を関西圏で過ごしたため、中途半端な関西弁を話すようになった。万物に対しての興味関心が薄く、感情表現も乏しい。トワが大好き。
ナガヒサ:ハルトの同級生。どうしようもないレベルのシスコン。中学に上がり素行はマシになった。
トワ:ナガヒサのお姉ちゃん。日々弟に振り回されている。ハルトに対して淡い想いを抱いている……かもしれない。
【書く練習】
今日は仕事も何もかもやる気が起きない
最近そんなことが続いてる気がする
書くのお休みするとちょっと罪悪感を感じてしまう
そういうわけで、今日は書くのおやすみです
ごめんなさい
【飛べない翼】
誰にも見えない透明でも
確かに僕はあると信じてる
綺麗事が嫌いだからこそ
響く言葉の粒がその形を教えてくれるから
それが飛べない翼だとしても
きみの歌さえあれば何処にだって行ける
2024-11-11
飛べない翼
背負ったもののせいで飛べてない
捨てて 捨てて
何でまた拾うの?
飛ばないのと焼かれた羽根とでは大分話が変わってくるのだけれど
少なくともその未練は翼で隠すのはもったいないよ
『飛べない翼』
私にもしも、翼があったとしたら…
それが正しく
『飛べない翼』であろう
何故か?
過保護を超えた過干渉の毒親に
人生の半分以上もレールをしかれ
結婚相手すらも
そのレールのまま選択をしなければならず
今度はモラハラ、性奴隷
子どもへの虐待夫にレールを握られ
パニック障害、うつ病からの双極性障害を発症
何度も飛ぼうとしたのに…
飛べずに…ここまできてしまい
双極性障害からの一般就労不可との医師の判断
2人分の子どもの塾代、教育費により
債務整理をしている私は
生活保護という選択肢はない
子どもが巣立つ今
本来ならば私も巣立つはずだった
沢山の呪縛から解き放たれるはずだった
けれど…
安定していた13年目のうつ病が急激に悪化
仕事も失い、双極性障害と診断変更
結局…
私の「翼」は一度も飛べぬまま
人生を終えなければならないのだろうか?
子どもが巣立てば、ひとり分の生活費でも
なんとか稼ぐことさえ出来れば飛べるのか?
でも双極性障害は一生の付き合いになるはずだ
また仕事をしても、安定した生活の保証はない
家を借りるにしても
身内を捨てた私には保証人もいない
なにも…
なにもない
それが私だ…
就労支援施設からのスタートが無難だそうだ
障がい者雇用にまでも届いていないという現実
昨年までは働けていたのに…
昨年まではこの夢を叶えて飛べるはずだったのに…
一気に崩れ落ちた現実と、どう向き合えばいい?
毎日この恐怖が一度は襲いかかる
今はゆっくり…
と医師は言うけれど
今もうつ病にすら理解のない毒夫がいるこの家で
ゆっくりなど出来ることなどはないのだ
寧ろ…ゆっくりすればするほど
「養ってやってるんだ!」と言う名の強迫に
怯え続けるのだ
だ、か、ら…
ゆっくり休まなければならない
この身体と心を無理にでも動かし
働くという選択肢をするしかない
それが現状だ
それでは双極性障害がよくならない?
そんなことは…承知だ
でもこの『飛べない翼』を
「飛べる翼」にしなければ…
私の生きる意味を、希望を失うのだ
だから恐らく、今後も再発と寛解を
繰り返すに違いない
でもね…
私にも「翼」があるなら…
途中で折れても
一度くらいは飛ばせてよ!
私が選んだレールを歩みたい…
それが私の切なる願いだ
『飛べない翼』は飛べないのではない
飛ばないのだ
飛ぶ勇気がないだけだ
せっかく「翼」があるなら
チャレンジして失敗した方がずっといい
だからね
私は「飛ぶ」よ!
私は私になんか負けない!
私は「飛べる!」
そう信じてる
転生するなら、鳥になりたい。何故鳥なのかって?だって鳥はどこにでも自由に行けるじゃない。空を飛んで、海を越えて、世界中どこへだって行けるの。人間もそうだろうって?確かに人間も飛行機や船を使えばどこへでも行ける。でも、自分の力じゃないでしょう?私は私だけの力で世界を巡りたいの。素敵でしょう?私には想像力という翼があるわ。想像すればどこへでも行ける。でも、それは所詮想像でしかなくて、本物の世界を見ることはできない。これを一言で表すのなら、そうね、「飛べない翼」じゃないかしら?あなたにあるのは、本物の世界を体験出来る「飛べる翼」?それとも、私と同じで本物の世界を体験することは出来ない「飛べない翼」?どちらも素敵なものよね。でも、ここまで考えてみてもやっぱり、私は転生するなら人間より鳥になりたい。
#飛べない翼
ペンギンも、鶏も、ダチョウも、みんな翼を持っているけど飛べない。
それでも必死に生きているんだ。
だから、飛べない翼を授かったことに悲んでないで、行こう。
その翼が、もしかしたらどこかで誰かを救えるかも。
飛べない翼があってもきっと大丈夫
コツコツ努力して、
諦めなければきっと飛べる翼になる
前に進みたくても前に進めない
いつまでも箱の中に閉じこもり。
飛び立ちたくても飛べない。
本当は怖いんだ。新しく飛立つ事が。
☆飛べない翼☆
青く冴え冴えとした水面の上で、白鳥が眩く白い翼を、羽ばたいていた。
飛沫が上がって、水面は歪む。
しかし、いくらその立派な翼が羽ばたいたとしても、白鳥の体が、その青い水面から浮き上がることはなかった。
私は伸びをして、中庭に歩み出した。
中庭に大きく作られた、青い池に、白鳥や水鳥がのどかに浮いていた。
池に浮いている鳥たちは、どれも、とても美しく大きな翼を持っていた。
しかし、奴らはこの屋敷で飼われている鳥だ。
風切り羽が切り取られている鳥たちで、その美しい翼が彼らの体を空へ浮かすことは二度とない。
飛べない翼を煌めかせた美しい鳥たちだ。
空を見上げる。
人面を顔に貼り付けた鳥が、小さな翼を目一杯広げて飛び交っていた。
呪術師が使役する呪獣たちだ。
おそらく主人から言伝を賜って、届ける最中なのだろう。
彼らはしゃがれた羽をはためかせて、それでも空を舞っていた。
目の前を、ずんぐりとした蜂が飛び過ぎていった。
不恰好な体に見合わなぬ、ちぢれた小さな翅をうるさく動かしながら、飛び去っていく。
うん、いい暮らしだ。
王家お抱えの呪術師一族が治める、呪術師の地に、二ノ妃として嫁いで、そろそろ二週間が経とうとしている。
呪術師の家に嫁ぎたがる娘は、なかなか居ないらしい。
しかも、その家の第二の嫁としてなど。
よっぽどの変わり者しか行きたがらないというので、この家に嫁ぐ娘を出す家は、持ち回りで決まっていた。
私の家は、ちょうどこの世代にあたっていた。
一ノ妃は、ぽってりとした唇とスッキリとした目鼻立ちが美しく、夫にも大切にされて、煌びやかで、私よりもずっと美しかった。
だから、私にはちょうど良かった。
私は変わり者だった。
お洒落にはあまり興味がなく、自由を愛していた。
人に幸せにしてもらうなど、真っ平ごめんで、夫に普通の人を当てがわれるのも、真っ平だった。
だからこの縁談を父から頼まれた時、一も二もなく受けた。
私は、あの池に浮いている鳥たちのような、綺麗な大きな翼は欲しくなかった。
ちょうど目の前を飛んで行ったマルバチや、空をしきりに飛び交う呪鳥のような、醜く小さな羽が欲しかった。
飛べない翼なんていらなかった。
だからワクワクしながらこの地へ来た。
実際、この地での暮らしは楽しい。
当たり前の教養として語られる呪術の話は、どれも目新しくて、好奇心を満たしてくれる。
二ノ妃ということもあり、身分はそこまで上に扱われないため、自由はよく効く。
呪獣の世話や書籍の読破や散歩や…構う人のいない時間は、そうやって有意義に充てられる。
私用の館の一角、二ノ館は私が管理するよう承っていた。
一ノ妃には補佐がつけられたらしいが、妾にあたる私にはそれがない。
が、それも楽しい。
なんやかんやとやりくりをし、使用人たちの人間関係を鑑み、時には一緒に雑用をするのも、暇ごなしになって、達成感もいっぱいだった。
豪奢で美しい一ノ妃とのお話は、初めは気を悪くされるのではないかと不安だったものの、杞憂だった。
一ノ妃は美しく、優しく、しなやかな、良い方だった。
真綿に包まれるように育ち、呪獣に触れないように守られた方ではあったが、その分、文化的な機転が素晴らしい人で、話していて飽きがこなかった。
私がうるさく飛び回るマルバチだとすれば、この館では最上の身分と傅かれ、非常に大事にされる、一ノ妃は、あの青い池とこの広い中庭で主として、翼を広げて暮らす、白鳥だった。
飛べない翼。しかし、眩く美しい翼を大きく広げていた。
その姿は素晴らしく気高くて、美しかったし、尊敬の対象だ。
しかし、私には真似できないと、素直に思うし、私はそこまで大きな翼を欲しいとは思わなかった。
そんな私たちだったので、待遇の差で絶妙に噛み合わない会話も、さして不満を持たない私たちの間では、ただ面白い話のタネである。
中庭を歩いて、まっすぐ一ノ館へ向かう。
今日は、その一ノ妃と、一緒に朝の散策に出る約束をしているのだ。
今日はどんな話をしようか、そんなことを考えながら、中庭を突っ切る。
日がゆっくりと照り始めている。
国中で一番恐れられている、呪術の地の領主館の朝は、平和に過ぎていく。
朝日が、穏やかに輝き始めていた。
飛べない翼
空を飛んだとして。
後ろ指さされるなら、飛ばなくていいと思った。誰よりもいちばん高く飛べないなら、飛んでも意味ないと思った。飛ぼうとすることを、やめた。
折角生えている翼も、普段から飛んでいないと衰えていくばかりで、存在すらなかったことになっていた。良い羽を持っているからよく飛べるなんていう方程式は、心の奥で腐っている。
宙を舞ったとして。
いつ落ちるか分からない世界なんだ。安定して舞踊り続けられるものはひと握りしか居ない。自分は、たっぷり人間が入れられた箱の、底の底にいる人間で、神様のひと握りに選ばれるわけがなかった。
神がいた。
私の目の前に、降臨してくださった。
神は仰られた。
「ワタシのことを信じる者は、幸せになれる」
神は全員に、平等な愛を注いでくださった。それは私も例外でなく、初めての愛に深く感動した。
向き合ってくださって、私は初めて、羽を手入れすることにした。
また、神がいた。
私の目の前に、降臨してくださった。
神は舞っていた。
それは、空を舞っているのではなく、地に足つけて、舞踊っていた。
誰も神を見ていなかった。でも、神は楽しそうだった。私は神の後ろを追った。
背中を見せてくださって、私は初めて、自分の足で歩くことを知った。
飛べたとして。
神を信じていれば、いつか報われるという自信があった。神の教によると、自信が大切らしい。私はきっと、大丈夫になった。
舞ったとして。
浮く必要はない。選ばれる必要もない。楽しければ、それでいい。私はそうありたい。
翼が全てではなかった。
道を自分で切り拓くのも、一興であった。
鳥籠は、自分で自分を閉じ込めていた。
そこから出たとき、翼を広げた。
飛べない翼で思い出すのは夢野久作の「瓶詰地獄」
ああ神様…………私たち二人は、こんな苛責くるしみに会いながら、病気一つせずに、日に増まし丸々と肥って、康強すこやかに、美しく長そだって行くのです、この島の清らかな風と、水と、豊穣ゆたかな食物かてと、美しい、楽しい、花と鳥とに護られて…………。
ああ。何という恐ろしい責め苦でしょう。この美しい、楽しい島はもうスッカリ地獄です。
神様、神様。あなたはなぜ私たち二人を、一思いに屠殺ころして下さらないのですか…………。
のこの文
アレは飛べない翼というよりかは「飛べなくさせられた翼」ノヤウナ気ガスル
足したり引いたり、そこには明確な答えがある
物事の仕組み、制度は確かにあって知ることは大切
今ここで私が感じていること
言葉にしたいこと
私から出てくるもの
私の目にはそう映ったもの
それは私の答え
貴方には同じものが見えている?
見えていないなら、口を出さないでいて
貴方の答えとは決して同じにはならないから
飛べない翼
人は空を飛ぶことに憧れた。
鳥が飛べるのに
人も飛べるはずだ。
確信を持った挑戦者たちは
危険を省みず飛んでみる。
いくつもの羽を
腕に巻き付けて
飛ぶ。 落ちる。
大きな翼を背中にしょって
飛ぶ。 落ちる。
モノクロフィルムで見る
挑戦者たちはある意味、
滑稽で、執念深い。
飛べない翼から
飛べる翼を持った現代は
空への執着はいかがなものか
次は宇宙へと想いを馳せるのかな。
図書館が好きだった。
いろいろな本が置いてあって、何時間でもそこにいられた。
図鑑も、専門書もさまざまな種類の本が綺麗に並べられ、そこにいるひとはみな、自分の時間を持っているように感じられた。
「何を読んでいるの?」
「…今日は、鳥の本。」
「あなた、昨日も一昨日も来てたわよね。
昨日は動物の図鑑で、一昨日は短編集を読んでいた、違う?」
急に大きな体のお姉さんが話しかけてきて、びっくりした。
大事な本の時間を邪魔されたのが嫌だったけど、それより読んでいた本を全て当てられたことに驚いた。
「なんで知ってるの?」
「おばさんね、あそこで受付してるの。あなたがいろんな本を読んでいるの、ずっと見ていたわ。」
「……」
「本が好きなの?」
「図書館が好きなんだ。ここならゆっくり過ごせる。」
「違う場所だとゆっくり過ごせない?」
核心をつくような質問をされて、唾を飲んだ。
「…ぼくは、足も早くないし、成績も良くないから」
「そうなの?おばさんには分からないわ。」
「ぼくが学校にいると、みんな嫌なんだって。
家にいると、みんな悲しい顔をするから…ここが…」
口淀むのを遮られるようにおばさんはまっすぐな目で見つめてくる。
「そうなのね…。あなたにとってのみんなは、あなたの良いところをなーんにも知らないのね。」
「いいところ?」
「例えば、この鳥はね、飛べないけど海を泳げるの。後、この鳥はダンスができるのよ?派手だからすぐ天敵に見つかっちゃうけど。」
「そうなんだ。」
「私にはね、君はとっても綺麗な羽根があるように見えるの。まだ小さいから、君にも、他の人にも見えないんだけれどね。」
ニコニコと笑みを浮かべながら背中を軽くトン、と叩いて、「ここにあるのよ」と続ける。
「本を読む時とても姿勢が良いところ、図書館に入る時ゆっくり歩いて音が鳴らないようにしているところ、本のページを折らずに丁寧にめくって読むところ。ほら、私が知ってるだけでこんなに綺麗な羽根がたっくさん。」
「……そんなことでいいの?」
「そんなこと?粗末に扱う人も多いのよ。その点、あなたは優れているし、私はあなたのその羽根は”まだ”飛べない翼に見えるの。」
「まだ?」
「そう。まだ飛べないだけで、あなたはいつかどの鳥よりも大空を飛べる立派な鳥になれる…例えだけれどね。」
実際、飛ぶわけじゃないわ。人間だもの。とお姉さんは続けて笑っていった。そして僕の手を取って、カウンターのそばの椅子に寄せてくれた。
覚えていますか?
今でも私は飛べませんが、あなたのおかげでこの翼で大事な人を守れるくらいには大きくて立派な鳥になりましたよ。
【飛べない翼】
さて、本日のテーマは「飛べない翼」。
私は人なので、空を飛ぶ翼は持っていないが──
想像の羽は持っている。
その羽は無尽蔵で、「遠い」も「近い」も関係ない、自由な創造の羽だ。
想像の羽を使って想像するなら、やっぱり楽しいものが良い。
ちょっと子供っぽいけれど、個人的に「こういうのがあったら嬉しいなぁ」というのを今回は書いていこうと思う。
以前にも書いたが、私の体の中には宝箱がある。
その宝箱に入っている人達は、皆素敵で、かけがえのない大切な人達だ。
けれど、それぞれソロで活躍されている事が多く、
全員を一堂に会することはとても難しい。
宝箱を想像することで、皆に会いに行ってはいるけれど、本当は現実的に顔が見たいし、声も聴きたい…。
ゲームのようなバーチャルの世界に皆が居て、好きな時に好きなだけ会いに行けたら良いのに…といつも
思っている。
現実世界で会えるのが一番だけれど、予定が合わなければ会えない等がある。
個人的にバーチャルの良いところは、そういうものを取っ払って、現実では難しい事が可能になる事だと思う。制限を設けない限り、基本何でも出来てしまうという所も魅力的だ。視覚や聴覚をフルに使い、体験出来るのも強みだ。
もし、私の宝箱にいる人たちがバーチャル化して、
ゲームとかになったなら──私は、とても嬉しいし、楽しい。さらに、自分の好きな音楽が流れたりしたら、テンションも上がる。現実で会うことが難しい時等は、心の慰めや拠り所にもなるかもしれない。
そこに行けばいつでも好きなだけ皆に会える──
なんて素敵だろうか。
そして、もし──
私以外にもそれを素敵だと思い、愛してくれる人が
いたなら…私が素敵と思った人たちは、ずっと誰かに愛され続けていくのかもしれない。
そうなったら私は、もっと嬉しい。
ずっと、ずっと、愛され続けてほしいから──。
飛べない翼ではない──想像の羽の想像が
いつか素敵な未来を導きますように。
────────────────────────飛べない翼
時間を飛び越えて、君に会いに行きたい…。
仲間に囲まれて幸せそうな君に。