『飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『飛べない翼』
「あ、綺麗…」
人は皆、翼を持っている。色も形も大きさも人それぞれだけど、みんなには見えていないのが事実。
翼を持ってる人のほとんどは、濁った色で折れていて痛そうなの。まぁ、痛覚も感覚すらもないみたいで痛がる様子は微塵もないけれど。
でも、翼は大切なものだと思う。翼が折れてしまった人は、二度と飛び立つことができない。
つまり、諦め続けて中途半端な希望を抱えて生きるしかないの。……僕が見てきたのは、だいたい頑張っている人ばかり。
人一倍頑張っている人。
「僕の翼は………」
頑張ることも挑戦することもいいことだけど、大きなことほど、失敗してしまった時や挫折してしまった時に、翼が大きく折れてしまう。
頑張るものが大きければ大きいほど、それに比例して翼は飛べなくなる。飛べない翼になってしまう。
だから無理しないでね。あなたのそんな姿見たくないから。
「過去」という鎖に繋がれている私の足
「臆病」という地面にへばりつく私の手
「偽善者」になった私の口
「噂」が怖い私の耳
「真実」を見ようとしない私の目
どこへも行けない私にしたのは
私自身なんだよ
自分がどこかへ飛びたいと思うなら
自分を変えること
「飛べない翼」
ある日、空から少女が降ってきました。
白いワンピースをはためかせ、ズドーンと。
「いてて……」
「大丈夫ですか?」
痛そうに頭を抱えている少女に手を伸ばします。
「あ、ありがとう。でも大丈夫」
ひょいと体を起こして、ぐるぐると体を動かし始めました。時々ゴキゴキ音が鳴るのが不安です。
「ちょっと…落ちちゃってさー。
ぶつからなくてよかったよ、ほんとに」
ははは。
と人懐こそうに笑って、ふと上を見上げました。
「どうしました?」
「もっかい飛んでくる。
また…失敗しちゃったっぽいし」
「失敗?」
「うん。だって、落ちちゃったんだもん」
なるほど、じゃあこれは失敗なんでしょうね。
彼女にとっては。
「じゃあ、いってらっしゃい」
「いってきます!」
そう言って笑顔で駆け出します。
もうしばらく、自分が飛べる天使だと信じている、
地獄行きの哀れな少女をみていることにしましょう。
いまは飛べなくても
いつか きっと飛べる
#飛べない翼
#27
子供の頃はよく親に地獄に落ちるよと脅されたっけ。
少しのイメージもなかったけど、怖かった。
今じゃこの世が地獄だから、何も怖くないよ。
私がこの先何をして地獄行きだろうと、
怖くないから平気だよ。
何をしたって平気だよ。
地獄の景色が変わるだけだから。
飛べる翼があったなら今すぐにでも飛んでどこかへ行ってしまいたい。でも、そんな翼があったら嫌なことや辛いことからすぐに逃げて向き合えないとおもう。だから飛べない翼の方がいいのかなとも思う
彼には才能がなかった
幼少期から10年
ピアノも同じ年齢の人達の音には遠く及ばず
少年時代を費やした10年
野球もプロにはなれずただ草野球で少し強い程度の腕前で
仕事を始めて20年
デザイナーの仕事を始めても産み出すのは平凡なものばかり
仕事を辞めて20年
写真家を目指し旅に出ても、その写真には価値はなく
腰を悪くして30年
今更キャンバスに絵を描き、これは違うと何度も書き直す
そんな彼もこの世を去った
彼の葬式には草野球の仲間が集い哀しみ
皆が彼の自画像に手を合わせる
大好きだったショパンの曲と共に運ばれ
霊柩車は彼のデザインしたビル群を通り
世界中の景色の写真と共に火葬された
#飛べない翼
君は
「宙を舞っている」
と言うけれど
私は
堕ちていく一方だ
それは翼がないからじゃない。
翼があるから
飛べないと思うんだよ。
たとえばもしも、この白い腕が真っ白な翼であったのなら、大きく羽を広げるみたいに羽ばたいて、いつも見上げていた大空を思いっきり翔んでみたい。
そして世界の隅々まで、愛しい君を探しに行こう。
僕が忘れていた感情を、目を逸らしていた愛情を、君が再び教えてくれた。本当の僕を君だけが見つけてくれたんだ。
飛べない翼を持つ僕は、鳥籠に囲われ潰える命をただ待つだけの絡繰人形。精緻に造られた機械仕掛けの純白の翅を持つ、まがい物の小さな鳥。
けれど君は、そんな僕を綺麗だと言った。たった一度の刹那の偶然が、僕に永遠の夢を持たせてくれた。
そして僕は、僕を囚えたその鳥籠を飛び出して、小さな歩幅で窓へと突き進む。歯車の軋む腕を伸ばして翅を広げて。格子越しでもなく、窓越しでもなく、ただ一片の曇りもない大空へと羽ばたいていく。
冷たい風が髪を揺らして、期待と不安を募らせながら、君の指先だけをひたすら目指して。
もう一度、君の笑顔に会うために。
「綺麗な翅ね。太陽に透かしたら、きっともっときらきらするんでしょう。そんな鳥が空を飛んでいたら、私はきっとすぐにあなただとわかるわ」
世界の隅の一画で少女が空を仰ぎ見る。
その視線の先で光る小さな鳥を見つけた。
少女は両手を広げると、その手のひらに落ちていく小さな小鳥を捕まえた。
少女はふわりと微笑むと、力の潰えたその鳥に頬をよせ、優しく触れるキスをした。
「…がんばったね」
【飛べない翼】
飛べない翼
歌詞によくあるイメージ
飛べない翼って
本当は飛べる翼な気がする
不恰好かもしれない
でも、きっと羽ばたいて飛べる
そんな気がする
300字小説
飛べない翼の代わりに
俺がこのパラグライダースクールを始めた頃だ。
一人の青年がバイトとして働きに来てくれていた。
『お金はいりません。ただ一度で良いんで、青い空の下を飛びたいんです』
住所不定、身分証明なし。怪しいこと、この上無かったが、空を見上げる憧れの瞳に絆されて雇っていた。
バイトをしつつ、ライセンスを取り、ようやく彼が空を飛んだ日。
夢を叶えた、あの感極まった顔と笑顔は忘れられないよ。
その夜は終業後、ささやかな酒宴を開いてな、飛べたお祝いをした。
ん? その彼は今どこにって?
青年の彼はその夜以来、見ていない。
ただ、翌日、スクールを開けたとき、床に転がっていた、ニワトリのおもちゃなら、あれ以来、そこの棚に飾ってあるよ。
お題「飛べない翼」
飛べない翼は重かった。重くて重くて、歩けなくなった。1歩歩いたら転んで転んだら誰かに起こしてもらうまで立てなかった。翼は地面に擦れて黒くなっていった。
こんなにも汚い翼は要らない。もし何も叶わなくなっても夢を喋ることさえも出来なくなるとしても、こんな飛べない翼は要らない。
【106,お題:飛べない翼】
飛べない翼を背負って、私は生きています
重いだけの大きな翼
動かして飛ぶどころか、畳むことすら出来ない
飛びたくても飛べない
諦めて畳むことも出来ない
中途半端な憧れが、どれだけ辛いのか
初めて思い知りました
背中に突き刺さった翼
枷のように重いそれを引きずって、這いずるように地べたを歩き
それでもなお尽きることない輝きに、騙されながら
日々を歩む
#飛べない翼
飛べない翼?
それならいらないよ
空を飛べると信じて
蝋で固めた鳥の羽根をつけて
空に飛び立ったイカロス
結果
太陽に近づいたら蝋が溶けて墜落…
だよね〜の結末
だけどイカロスを笑うなよ!
何でも人類初の挑戦者は危険と隣り合わせ
結果が良くても悪くても
人類の手本になる
笑ったあなた
こんな事できる?
人類の手本だよ?
ってか
人類初の何かをすることなんて
平民の私達にはないじゃん
死なない範囲で
新しい事に挑戦する…
このくらいが精一杯
いやいや
このくらいが丁度いいよね~
人生楽しくやろうよ
( ´∀`)フフフ♡
🌈黒猫のつぶやき🌈
とんでもない野望は身を滅ぼす💀
身の丈って大切だ(*‘ω‘ *)
"飛べない翼"
周りのように飛べないのなら、目いっぱい助走をつけて、沢山羽ばたかせればいい。
周りと同じようにして飛べないのなら、飛ぶ準備を増やせばいい。
不格好でもいい。馬鹿にされてもいい。
小さな翼でも、不揃いでぼろぼろの翼でも、絶対《飛べない》訳では無いから。
方法が違くても、飛べる。
《飛べない》と縮こまる自分に《飛べ》と鼓舞して、《飛べ》という鼓舞を《飛べる》と信じる心に変えて、足を、翼を動かす。
《飛べる》と信じて、飛べ。俺。
『飛べない翼』
ぬくぬくと
鳥かごの中で守られて
飛べないんじゃなくて
飛びたくないだけでしょう
自由に大空を
飛びまわる鳥たちを
羨んでいながら
結局
臆病風に吹かれ
飛べるのに
飛ばない 臆病者
自由に飛び立てと
縛られる必要ないと
あなたが教えてくれたのに
今でも 鳥かごの中
誰かに
背中を押して貰うの
待っている
使えぬからともがれたモノは
部屋に飾つてあります。
ソレが視界に入るたび、
とても、とても酷く痛みます。
忘れることは無ゐとしても、
忘れぬために
ソウしておきます。
必ず、
お返しします。
#51 飛べない翼
仕方ないじゃない
私には信念とか根性みたいな
骨がなかったんだから
2023/11/12
今、私がここで飛んだらどうなるのだろう。
殺風景な屋上だった。背の低い私を越える高さの欄干は、しかし椅子を持ってきさえすれば簡単に乗り越えられる。箱庭を守る脆弱な檻は、生徒の倫理感によってその役目を果たしている。この学校では鍵が開けっ放しになっているから誰だって入ることができるのに、奇跡的に事故も事件も起きていない。
私がこの学校に通っていた頃とは何も変わっていない。文化祭の最中だから校内は浮き足だっているが、それでもこの場所は静かだった。だからこそ余計に、あの頃の希死念慮を思い出してしまった。
あの頃の私は何もかも上手くいかなかった。漠然とした希死念慮を抱いていて、何度もこの欄干を飛び越えようと思っていた。
それでも私は飛べなかった。私には空を自由に舞う翼も無いし、どうしても怖くなってしまったのだ。
短い人生の中でも色々なことがあった。今では私は、飛ばなかったことも後悔していない。これからだってきっと楽しいことがある。そう期待できるようになったのは、もしかすると大人になったということなのかもしれない。
きっともう私は大丈夫だ。ゆっくりと息を吸い込んで、また歩き出すべく私は屋上を後にした。
/地に足のついた生活
お題:飛べない翼
飛べない翼
ただ羽ばたかないだけ
飛べないじゃなく飛ばないだけ
羽ばたくのは今じゃない
飛べないじゃなく飛ばないだけ