『風邪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
幼い頃の夢を見た。
誰かが呼びかける声
喉を通る液体
顔に触れる暖かいタオル
おでこに触れる冷たい物
聴こえる加湿器の音
何かを温めようとコンロの火をつけた音
何処かに置いてきた記憶。忘れてた記憶。
もしかしたら、私の記憶ではないかもしれない。
それは苦しい記憶であるはずなのに、幸福に溢れていた。
私とは縁遠い記憶。だから夢なんだ。
自分に言い聞かせるように、また眼を閉じた。
#風邪
「ゆうべ、毛布だけしか掛けないで、布団掛けないでで寝たらしいのよね〜
朝、寒くて目を覚ましたんだけど、鼻がグズグズして、のども痛いのよ」
土曜日の朝、姉が、キッチンでお湯を沸かしながら、俺がリビングに入った途端に話しかけてきた。
「ふーん」
とりあえず、相づちをしたが、これは(何だ?)
一瞬身の危険を感じたぞ、普段から、姉に鍛えられている俺は、起きたばかりの頭をフル回転させはじめる。
(「だけど、風邪薬見つからないのよ~タツキ探して」のパターンか?)
いや?
(「風邪薬が無くて、タツキ買ってきてくれない」のパターンか?)
いや、はたまた、
(「病院行きたいから、車で送ってよ」のパターンか?)
仕方ない
「で?」
「なんか、オジヤの気分なんだけど、美味しいの作ってくれない」
(あっ、そのパターンね)
「朝ごはん、オジヤでいいの?」
(仕方ねぇなぁ、料理人に、リクエストですか、腕によりをかけましょう)
「うん、でも、残りご飯も、チンするご飯もないんだけど」
(マジか!そのパターンは、想定外だった。)
『風邪』
『風邪』
ここ数年、運がいいのか悪いのか、風邪を引くことはなかった。
普段から意識してビタミンを取るようにしていたし、食生活だけでなく睡眠時間も多めに取るように心がけていたからだろう。
それでも時々、風邪もどき的な何かになることはあって、そんな時は素直に風邪薬を飲んで早めにぐっすりと眠るに限る。
翌朝すっきりと目が覚めたら、風邪の症状なんてどこかへ行くのだ。
寝て一晩で治るなど、我ながら子どものように体が若いんだなと思う。
ウイルスによる感染症がまだまだ蔓延する今日この頃、皆々様どうかご自愛くださいませ。
小学生のとき、風邪を引くたび不思議に思うことがあった。
いつも寝ている寝室なのに、どうして風邪を引いたときだけ異様に部屋が広く感じるんだろう?と。
壁も天井もすごく遠く感じて、同時に強い孤独感が襲ってきて『怖い』と思った。
この世に自分ひとりしかいないんじゃないかって感覚。
いつもなら学校に行ってる時間に家にいるから、部屋の中も外もしんとしてる。
それが変な感じで、余計に不安を煽った。
勉強は嫌いだったけど、こんな時だけは「学校に行きたい」って思うんだよね。
それと、もうひとつ不思議に思うこと。
どうして風邪を引いたときに食べるプリンって特別おいしいんだろう?
風邪_ #4
「ごめん風邪ひいちゃった。」
『は?大丈夫なの?』
その一言で電話は切れた。
少し寂しかった。
少しして、ピンポーンと玄関の方から音がした。
『…大丈夫? 色んなの買ってきたんだけど。』
「え?移るよ?だけどありがとね。」
『大丈夫。御前の健康のことだけ考えてるから。』
心がほっこり暖かくなった気がした。
#風邪
風邪引いた?
イヤ分からない
熱測ったほうがいいよ
今日は寝ておく
そうしな病院行きなよ
行きたくないな
# 4
はくしゅんっ…
電話越しにその音が聞こえる。
「今から行く」
そう呟いて電話を切る。
やっぱり妹は病弱なのかも。
冬に入った瞬間に風邪を引いた。
しかも結構重症。
お米とお水とポ○リとゼリーと…あとうどん。
これだけあればいいかな。
ガチャ
「ほい、どーぞ。」
『ごめん…ありがとぉ…ズルッ』
「お大事にね」
「はぁ………なんでだろな?」
姉妹喧嘩中でも体は心配。
何も変わらない時間に目覚ましが音を出す。
その音はいつもとは違って
私の頭を締め付けているようで
倦怠感が襲ってきた。
目覚ましを止めて
すぐに体温計に手を伸ばす。
ピピッそんな音が鳴って画面を見た。
38.0℃そんな数字が示されていた。
熱,風邪か...。
彼に直接は移す可能性があるので
LINEで送ることにした。
「風邪ひいた。」
すぐに既読がついたが返信が来ない。
すると部屋の外から
「大丈夫?」
なんで大きな声で焦ったように言ってくるから
「大丈夫だけど大丈夫じゃない」って声を出した。
声を出したら喉が痛くて
私の声はちょっとかすれた声だった。
「大丈夫じゃないじゃん!」
そう言って彼はどこかに行ったような足音がした。
何も言わずにどこか行くから少し悲しくなった。
しばらくして「ただいまー」彼の声が聞こえた。
彼はマスクをしたまま私の部屋に入ってきて
「冷えピタとかゼリーとか
解熱剤とか色々買ってきたよ。」
なんて言ってくれた。
「ありがとうだけど,
何も言わないでどっか行かないでよ。」
「少し寂しかった!」
そう言うと
「ごめん,どこ行くか言ってなかったっけ?
めちゃくちゃ焦って忘れてた。ほんとごめんね。」
頭に手をポンと乗せて言ってきた。
「薬飲むためになんか食べないといけないから
うどんでいい?」
私が頷いたのを見て彼は作りに言ってくれた。
彼の優しさになんだか涙が出そうだった。
薬を飲んだら寝るんだよって彼は言ったけど
「寝るまで一緒にいてくれる?」
言ったら
「やだ」
なんて意地悪な答えが返ってきたから
服の袖を引っ張って目を合わせて言ったら
「狡いわ」
なんて耳を赤くしてそばにいてくれた。
ありがとう。
看病してくれて,優しくしてくれて
今度お礼しなきゃね。
そのために早く治さなきゃ。
どんなときも優しくしてくれるあなたが大好きだよ!
─────『風邪』
風邪引いたって?
そっか、ごめんね
行ってあげられないや
気が向かないだけ、最低だよね
だって気付いてる?
あなたっていつも自分が悲劇のヒーロー
どうせ今日だって大したことないんでしょ
でもね、流石に体調不良だと
いつも聞き流してる悲劇とは違う
聞き流し道を通過する途中で渋滞に遭ったみたい
この先で事故があったんだって
それがあなたではありませんように
って悔しいけど願ってる
やっぱり私は最低だから
私が最低にならない物語描いてるんだな
そして今は私が悲劇のヒロインか
#風邪
風邪
このご時世、コホンと咳払いも安易にできず
ちょっと熱っぽいとも安易に口走れない
自分の体調に敏感になり、熱がないと
とりあえずホッとする
いつも喉からくる風邪引きで、疲れが出ても
喉が腫れる
『芸能人は歯が命』というが
『ワタシは喉が命』なのだ
ある程度、歳を重ねた方でないと
何言うてんねんという名言
時節柄、ご自愛ください
風邪
たぶん風邪を
ひいている
心が風邪を
ひいている
どちらかと言うと
右に偏り
必死に左から
引っ張り直す
気持ちはいつも
浮わついて
バランスが
とりにくいから
偏りやすいの
でも、上手に
保っていないと
すぐに風邪を
ひいてしまうから
気を配ってね
気持ちが冷えても
熱くなっても
過剰な負荷を
かけ過ぎては
いけないから
心は常に真ん中に
大事に大事に
温めるくらいに
しておきましょう
お大事に
心の風邪を引きました
自分を大切に
休もうと思います
無理しない信号
雪を待つ
うさぎが
はねる
野原に 森に
うぶ毛が
かわる
秋から 冬へ
空から
届く
白い
お手紙
****
風邪
仕事を
休む勇気
風邪は怖いな。一人暮らしだからかかったらと思うとぞっとする
年をとるとどうしても健康が気になってしまう
白湯、腹巻き、あすけん、健康のためにやってるのはこのくらいか
色々と体にいい飲み物があるけど結局水が一番だ。だけど体を冷やすのはあまりよくないから白湯、あるいは常温の水がいい。とはいえ夏は氷を入れてしまう時もあるが基本は白湯だ
同じく体を冷やさないために腹巻きをしている。お腹が少し弱いからたまに腹を下すので着けている。着け始めたのは最近だけど着ていて違和感とかないしいいねこれ
あすけんはダイエットアプリ。無料会員で使っているけど十分な機能があって助かる。使い初めてまだ一ヶ月たってないから痩せれてはいないのだが
健康といえば運動なのだがこちらはさっぱりだ。バイト先に行くのに自転車で往復三十分ほど、運動はこれで十分だと思ってしまうのでやる気がしないのだ
No.15『くしゃみの原因』
散文 / 掌編小説
「ふぇ、くしゅっ」
朝起き抜けにくしゃみをひとつ。隣りに眠る恋人が身じろいで、慌てて口を塞いだ。犯人は分かっている。わたしたちの足元で丸まって眠っている真っ白でフサフサな毛並みの子猫、クロだ。先代の黒猫のクロが亡くなった日に拾ったからこの名前をつけたが、名前に似つかないとても綺麗な美猫だったりする。
隣りで眠る恋人とクロを起こさないように、そっと布団から出る。足元に散らかった下着や部屋着を拾い集め、裸のままで洗濯機へと向かった。
「ふぇっくしゅん!」
そこでまた大きなくしゃみをひとつ。ぶるりと身震いしながら、そう言えば今日は冷え込むなあ、なんて思ったりして。またくしゃみが出そうになり、そろそろ起きて来る恋人に聞かれてもいいように、
「へっくちっ」
極力小さく可愛くおさめた。着衣に付着したクロの毛を取り除くのに夢中になっていたわたしは、くしゃみの原因が彼女の毛並みじゃなく、風邪のせいだと気づかずにいた。
お題:風邪
風邪でいちばん嫌いなのは喉風邪、鼻風邪と同じくらい嫌いなんだけどいつも鼻炎だから慣れてる、けど喉の風邪はご飯も楽しくないし水も痛くて飲めないし、上を向いてするうがいは首が痛くなるから超ニガテ!最悪!痩せるって考えたらいいのかもしれないけどそんな数日じゃ痩せれないよね、、
あと、風邪で寝込んだことがないのは私だけなのでしょうか、そんなに重い風邪ってなったことがなくて、だからなったら怖いなあ、そもそも、風邪で熱が出ることがあんまりない気がする。熱が出た時はだいたいインフルとかだから(;_;)ふつうの時でも高熱を出したみたいにハイになれる自分なのに、全然熱出ないなんて!
みんなは風邪で寝込んだりしてるのかな、よく漫画では看病に行ったりしてるけど友達の家の場所なんてあんまり知らないな、私だけかな、わかんないけど、具合悪い時に友達になんて来て欲しくないなぁって少し思ってしまう、だって、だってそんな間抜けな自分見せたくないじゃない、いや間抜けとかじゃなく、本当はお化粧してない顔を見せたくないだけなんだけどね、、熱でリップとかチークしてるみたいに可愛くなれてるのかな、純粋にうつしちゃったら悪いから、、の理由の方がやさしいひとみたいだね
(風邪)
『風邪』
くしゃみをする、私が出た
まだ鼻がムズムズとする
くしゃみをする、私が出た
まだまだ鼻がムズムズとする
くしゃみをする、くしゃみをする、する、する、するするするする…………私が出た
ついに残ったのはむず痒さだけ
くしゃみをする、何が出た?
昨日の君は酷くしわくちゃだった
僕が別れを告げたからだ
そんなに思ってくれていたと思うと
心苦しいとも思う
でも君のことを考えると
この選択が正しいとも思う
いや、もしかしたら
自分のためかもしれない
でも、自分のためにすることが
意外と他人のためになったりする
どうか元気で
そんな強い心は僕にはまだない
風邪
今年のクリスマスは貴方と一緒に過ごしたかったけど、どうやら無理そうね。だって今は私たち、赤の他人だもの…。
クリスマスは自分の大切な人と過ごす日だから、貴方と過ごしたい。でも貴方にとって私は大切な人じゃ無いのよね。だからクリスマスは一人きり。聖なる夜じゃなくて静なる夜になっちゃうよ、貴方のせいでね。
あー、風邪でも引いたら、優しい貴方は心配して会いにきてくれるかななんて事考えたり。馬鹿だよね…。でも理由は何でも良いからとにかく貴方に会って、2人でクリスマスを過ごしたいの。
お願いサンタさん、私のこの儚い恋を叶えてください。
#風邪
風邪
腕時計の針は容赦なく進む。
済ませていないタスクは次から次へと積み重なっていく。
妙に思考がボヤけるのは眠りすぎたからだと思っていた。
多忙に逃げることしか知らなかった私は、そんなことは気にも止めずにシャキシャキと働いていた。
次はあれをやる、その次はこれ。
これは片付いたから報告をして、まだ済んでいないこれは...手間がかかるから保留、今はまずこれを...
作業計画をまとめたところでふと気づく。
今日はやけに寒い。
...?
寒い?なぜ...?
こんなに暖房が効いたオフィスなのに?
............。
...ッ!何やってんだ自分、ふざけるな、忙しいのに...何ボーッとして...っ...
視界が崩れていく。誰かの声がする。
「これくらいできて当然だろう」
「困るよ、新人のくせに返事ひとつできないのか?」
「...すみません」
...あれは、私...?
「反省してんの?改善点は?自分のせいでしょ?」
「自分が、しっかりしてないから...もっと注意を払って取り組むべきでした...」
ミスは悪。自己責任、体調管理も仕事のうち。できないなんて社会人失格...自分のせい。
......!!!
ハッとして脳内を整理する。まずい、私としたことが。
あの件はどうなった?まずは連絡を...
「まだ寝てていいんですよ」
ギョッとして声のした方を向くと、そこには知らない女性がいた。
警戒心丸出しの私の顔を見たその女性は、そりゃあそうなるよね、といった顔でゆっくりと口を開いた。
「私は隣の部署の霧島といいます。ここは私の家です。あなた、通路で私とすれ違った瞬間に倒れたんですよ。ちょうど私が退勤しよう帰り際でしたし、時間的にも病院がどこも空いていなかったので、とりあえずうちに連れてきました。なんとか歩いていましたが、話しかけても返事があまりに弱々しかったもので...私の他に誰もいなかったんです。勝手なことをしてすみません」
私は記憶を一生懸命辿って、自分のしたことの大きさに絶望した。
「本当に申し訳ありません...ご迷惑をおかけしました...すぐ出て行きます...」
彼女は少し困ったような顔をして言った。
「あの...今、あなた、とてもまずいですよ?」
彼女はおもむろに体温計を見せてきた。39.8度と表示されている。
「誠に勝手ながら、お休み中に失礼を承知で計らせていただきました。道中只事ではない様子でしたので。」
「...は?」
「気にしないでください、今は起き上がるのも辛いと思いますよ?」
私はその言葉につられて起きようとした、が、腕が少し上がっただけで、情けなくベッドに逆戻りした。
「ほら、やっぱり。いいんですよ、こんな状態じゃ危なくて帰せません。とりあえずここで、明日までお休みになってください。話はその後です」
私は蚊の鳴くような声で頷いた。これはもう仕方がない。
「はい...すみません...」
「じゃあ、水とか薬はもう用意してあるので。おやすみなさい」
彼女はそっと私の頭を撫でた。
少し冷たい手が心地いい。
距離感のおかしさには熱に浮かされて気づけなかった。
私はそのまま、するりと意識を手放した。
もう、あの変な声はしなくなっていた。