『風に身をまかせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
風に身をまかせ
蝶のようには舞えないが
蜂のようには飛んでみたい
風に身をまかせ
私は今から飛ぶ
風に身をまかせここから飛んで行けたらどれだけ楽か、君さえいなければ飛べるだろうに君が私の邪魔をする。君が笑うとどうにも自分も笑ってしまうのだ。だが、どれだけ笑っても現実は変わることがない。みにくい奴らが私をあざ気笑い指を指している。風の吹いていない今私は空へ舞う。
風に身をまかせ
気付けば足を止めていた。
目の前で、立入禁止の柵の中に、雀が一羽舞い降りた。
雀はせわしなく地面をつつき、くるくると周囲を見渡したあとに私を見る。
その時に思ったのだ。
――いいね、自由で。
目が合ったと思ったのは私の気の所為なのかもしれない。
それでも私は確かに、たったひとつの柵の向こう側に行けない自分を不自由だと思った。
強い風が吹き抜け、それと同時に雀が飛び立つ。
強いビル風は、細い路地の向こう側に木の葉を運ぶ。
路地の向こうが明るく見える。
私は無意識にそちらの方向へと足を踏み出した。
ある日の昼下り、友人と近場のハンバーガーショップで会っていた。
「ずっと風に身をまかせて生きてきたの」
離婚したばかりの友人はこういった。
言い寄って来る男性と結婚し、言い寄って来る男性と不倫した。まさに風に身を任せすぎている。
「なんでも適当でいいんだ。こだわりないの。
のらりくらりと生きていきたい。でもこういう自分も人生も好き」
こう言うからもうこちらはなすすべがない。
「お腹へったから何か頼んでくる」
コーヒーを一杯飲み終えたあと彼女は席を立ち、カウンターへと注文をしにいった。
しばらくたって戻ってくると、
「ポテト塩抜き、ハンバーガーピクルス抜き、冷たい飲み物は身体が冷えるから氷抜きでコーラ頼んだら待たされちゃったぁ」
悪びれもなく語る彼女。
この後私が言葉を失ったのは言うまでもない、、
「風に身をまかせて」
『風琴』
『まだヘッセなんて読んでるの?』と言われて しゅんとした 突然の雨に降られて少し開き直るのだ
ボブディランを聴く 風になったような心持ち 午後5時5分、雨空に勝ち誇ったように夕日が照らす 廃墟の屋上 何かが鳴った ことこときらきら 小さいけれど確実に
吹く風に身をまかせて生きてきた
緩やかに、時に強く
そんな流れに乗る方法だけを覚えてきた
凪いだ風、ただの空気に包まれ呆然とする
足があることに気がついたのは
その時が初めてだった
(風に身を任せて)
風に身をまかせ
風に身をまかせ、空まで飛んでいきたい
暖かい日差しと穏やかな風に身をまかせたら
空をたゆたう雲になれるかな
風に身をまかせ、毎日を過ごしたい
風のように流れる毎日に身をまかせたら
楽に生きられるかな
風に身をまかせ、世を渡ろう
#2
死にたいと思った。
もう何もかもがいやになった。
少しでも状況を変えたくて
耐えてきたし、前向きに頑張ってきた。
折れそうな心を何度も鼓舞してきた。
でも、もういいかな。
もう疲れたんだ。
無理に笑いたくないし、満員電車で足踏まれても許したくない。
飛び降りたら一瞬かなとか、電車に飛び込もうかと色々考えた。
ある夜に聞いたラジオ番組。
リスナーからの失敗談を笑い話にしている内容だった。
同じような失敗を経験したことあるのに、すごく笑った。
自分の時は泣くほど落ち込んだのに、この人は笑い話に変えた。
たくさん笑って、涙が出るほど泣いて、
途中から泣きたいのか笑いたいのか分からないくらいぐちゃぐちゃになった。
しばらくして、顔を洗って窓を開けて外の空気が
優しく頬を撫でる。
大きく息を吸ってゆっくりはいた。
月に照らされた見慣れた風景はキラキラしていた。
周りに合わせなくていいんだ
君がしたいこと
君がしたくないこと
風に身を任せて
僕たちのペースで進もう
【風に身を任せて】
風に身を任せ...かぁ...
ずっと会いたいって思ってる人がいる所に行きたいな..、。
風に身をまかせ
風に身をまかせ‥
そのフレーズが似合ってるのは、
ムーミンのスナフキンですね。
風に身をまかせて生きるのは、
並の気概では出来ないと思います。
たがら、スナフキンはかっこよく見えるのかな。
風に身をまかせて、どこかに飛んでいってしまいたい。
誰の目にも届かないように、空高く、
地面が見えない所まで。
雲になって。
高い所は怖いけど風を感じて気持ちよく。
蒸発してしまいたい。
昼休みの教室は、人が少なくて心地が良い。そういう場所では、私の思索もよく捗る。
「たとえば、タンポポの綿毛が運ばれていくように。風に身をまかせて飛んでいくことは、理にかなっているのだろうか。どこに落ちるともわからないのに、確率にかけて綿毛を飛ばすのは、非効率的ではないのか」
「あんたって浪漫がないよね」
今日もまたそんな疑問を口にする私に、彼女は呆れたように言った。
「浪漫で子孫繁栄は不可能だ」
いきなり飛び出した浪漫という単語は、私の辞書の中では異端に位置している。浪漫と効率はおそらく対極だ。浪漫には無駄が含まれている。少なくとも私はそう解釈している。
「そう? 人間の場合はそんな感じじゃん?」
と、彼女はケタケタと笑う。なるほど、確かに人間の生殖には効率以外の要素が大きい。そもそも繁殖のために行われるものでなかったりする。そういう意味では、人間とは非効率な生き物だろう。
「なるほど、それは一理ある」
となると、綿毛にも繁殖以外の目的があるのだろうか。風に乗って流されるその様を想像し、私は瞳をすがめてみた。
たとえばその最中に風景を楽しむだとか。そういう余裕があるのなら、風に身をまかせるのも一興かもしれない。
「そこで納得するんだ」
「君の意見はいつも興味深い」
「そうかな? 普通だと思うけど」
それに何よりこのやりとりそのものが酔狂だろう。ただ昼休みという時間を潰すためではない。私は確かに、この時を楽しんでいるのだから。
やはり人間は非効率な生き物だ。それを実感した私は、そっと口角を上げた。
野に咲く花のように
優雅に
たおやかに
揺れていたい
あなたの風に抱かれて
『風に身をまかせ』
海辺のハンモックに揺られて
風の中に身をあずけよう
目を閉じて
耳にさらさらと風を感じる
空の上高く
どこまでも舞い上がって行けそうな
憂いも迷いもない
澄み切ったいい気持ち
いまは私を呼ばないでね
風と一緒に もう少しだけ
「風に身をまかせ」
#105
お題 「風に身をまかせ。」
僕は今日、旅に出る。
ママの元を離れて、他のたくさんの兄弟達といっしょに。
どこに行くかは風しだい。
「どこに着くかな?」
「ご飯がいっぱいあるとこがいいな!」
そんな話をしてたら、きた!
僕たちは一斉に風にのった。
気持ちいい。風が僕達を運んでくれてる!
着いたところはふかふかなところだった。
ふわふわで気持ちよくて、うとうとしてたら、上からお化けが来たんだ。
五本の手があるお化け。
そのお化けは僕を掴んで、潰した。
周りは真っ白で何も見えない。
僕はただ、おうちを作りに来ただけなのに。
解説 主人公は蜘蛛。この蜘蛛の子は人間に潰されて殺された。
【風に身をまかせ】
はるの風はもう吹かないみたいだね。
なんか、春とか秋って一瞬だね。
れいぞうこの中は、旬のものなんて入ってないし。
なつが始まる音が君にも聴こえるかな?
いふくが黒だと、夏は暑いからね。
でも、無難に黒を選んじゃうよね。
そこの君はもうわかったかな。
ヒント:縦読みだよ。
ひとり立ち尽くしていた
あの日
胸の中に大きな嵐が吹き荒れ
私は空っぽになった
どこまで巻き戻したら
君の心は私で満たされるだろう
考えても
後悔しても
風は通り過ぎ
私はひとりきり
軽くなった身体は
ゆらゆら震えるだけ
♯風に身をまかせ
「花になりたい」
宮川翔吾が机に向かって勉強をしていると、不意にそんな声が聞こえてきた。声の方へ目を向けると同じく勉強をしていたはずの高宮早苗が、国語便覧の百人一首のページを開きながら頬杖をついている姿があった。
「花はいいよなあ。咲いているところから散り際まで美しくて」
その言葉に翔吾は首を捻った。正直、花がそこまで美しく散るものだと、翔吾は思っていない。大半の花の散り際は萎む。早苗は月下美人や朝顔の萎む様を見たことがないのだろうか。美しい花がちぢれて皺だらけになる姿は、どこにも美しいと思えるものがない。
翔吾がそんなことをいって早苗に聞かせると、早苗が鼻で笑ったような息を吐いた。
「全く、君はよく花を観察しているが趣がないな。それに、この花というのは梅や桜のことだ。風に身を任せて散っていく美しい花たちだよ。美しいとは思わんかね」
そう言われてそういうことかと呟いた。梅はとび桜は散るとは誰がいった言葉だったか。確かに、梅や桜の花の終わりの姿、雪のように風に流されて降りそそぐその様は大層美しい。
ただそれは、萎む前に散るからであり、風に身を任せられるからではないかと思う。
そして、高宮早苗という人間は、萎む前に散りそうかと言われたら、まあそんなこともあるだろうが、多分風に身を任せられる人ではないように思う。
「台風の日に外に出て風には負けないとか言ってたやつが言う言葉じゃねえなあ」
そうぼやくと早苗から酷いやつだと抗議の言葉が飛んできた。
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久しぶりに地の文つきのものを書いた気がする。