『静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
《静寂に包まれた部屋》
耳に真綿を詰め込まれたような ヌイグルミの腹の中に縫い籠められたような 喪中のような 針を落とした程度の音ですら落雷のように反響しそうな 水没遺跡のような 廃寺の本堂のような 最終的には狂気を発しそうな
私の人生は、
3分の2辛かったこと、
3分の1悔しかったこと
そういう割合。
辛いから、悔しいから、
その気持ちをバネに生きてきた。
多分これはもう、癖みたいなもので
やめられない。
自分の「生き方」として成立してしまった。
静かな部屋だと、
つい、こういうことを考えてしまう。
過去に行き、登場人物たちに会い、
彼や彼女の現在を知るために
SNSに名前を打ち込む作業。
私より幸せそうに見える。
それでいい。
SNSは、そういうモノだ。
一日が終わって脱力してベットに横たわる。
落ち着く音楽をかけながら天井を見つめて
今日はこんなことがあった、明日の予定嫌だなぁとか色々考える。
この静けさのおかげで整理して、リセットして明日を迎えるの。
【アンラッピング】
部屋を包む静寂を
カッターで切ったら
冷たい綿が漏れてしまった。
立ち入り禁止、となってないのに誰も立ち入らないような所が好きだ。
【静寂に包まれた部屋】
「……静かだな」
「そうだね。──気をつけよう。罠があるかもしれない」
剣を背負った青年が呟き、小枝を握りしめた少年がそれに答える。
彼らが立つのは荘厳な神殿。
そしてその視線の先。長い長い廊下と高い高い階段の先にあるのは──この距離からでも眩む、大きな丸い宝石だった。
「行こう。あれで──あれで最後だ。あれを壊せば、この馬鹿な戦争は終結する。くだらない茶番は幕を下ろす」
「……あァ。そォだな」
先に歩き始めた少年の背を一歩遅れて追う。自分の胸ほどの高さもない後頭部を見ながら、イルは先ほどの言葉を反芻する。
馬鹿な戦争は終結する。
くだらない茶番は幕を下ろす。
……そして。
俺たちの旅も、ここで終わる。
出演:「ライラプス王国記」より イル、ロキ
20240929.NO.66「静寂に包まれた部屋」
静寂に包まれた部屋。
ただ、畳張りだとかフローリングだとかダンボールだとか。気にも止めない床から天井を、ダラダラと眺める一日が好きだ。
窓の外の音と、テレビの音。私が感傷に浸るために必要な素材は、どちらだろうか。常に音を出し、威嚇するようにも見える姿は、何故だかとても滑稽だった。
僕のベットに入り込む子犬は、無邪気で無垢で無頓着だった。包んで閉ざして囲おうとしても、拒絶を示すその声に、そろそろ嫌気が差してきた。
静寂を求めているんだと思う。あまりに煩くて、喧騒の中では決して安心できないから。
戦争だとか、紛争だとか、殺人だとか、発砲だとか。窃盗だとか、放火だとか、地震だとか、氾濫だとか。関わらなければ気にもしない喧騒に、ふと触れてしまった場合、自分はどうしたら良いのだろう。
壊れていたくはない。
守られていたい。
そう思う自分に、幸よあれ。
「静寂に包まれた部屋」
甘く香るヘアオイルに
滴る化粧水
いつでも潤うように
全身に塗るローション
昼にさす紅とは違う
ハッカの効いたリップ
誰のためでもなく
私の為の時間
淡く光り
色目かせるライトの元で
自分の心音を聴き
静かだけど、でもちゃんと音がする。
自分を自分たらしめる
私だけの音
「静寂に包まれた部屋」
眠りから目が覚める。
目を開いているのにそこにあるのは真っ暗な暗黒。
声が出ない。体が動かない。
なにかに縛られたかのように体の自由が奪われる。
また、目を閉じる。
そこにも同様に真っ暗な暗黒があった。
いつまでもどこまでも闇が広がっている。
私はひどく不安に襲われた。
このまま死んでしまうのだろうか。
そのとき、部屋に蛍光灯の光が射し込んだ。
母が部屋に入ってきて、
「カレーできてるよ。」
と私に言った。
部屋にカレーのおいしそうな匂いが漂ってきた。
その瞬間、恐ろしく不安に思えた闇が晴れ、体が軽くなった。
母の陽気で明るいその声は、
静寂に包まれた部屋を一瞬にして光で包んだ。
月明かり照らすきみの忘れ物青いライター煙草のにおい
「静寂に包まれた部屋」
自分の部屋は必要最低限の音しかしない。
低く唸る家電の音、空調の音、衣擦れ、私の呼吸音。
私の部屋に必ずいる音はそれだけ。
静寂に包まれたこの部屋は、私にとって充電器のようなものだ。
私は外に出るのがあまり得意じゃない。
なぜなら刺激がありすぎるから。
無数の音、人の波、分からない道程と暗黙のルール。
ひとたび外に出てしまえば、目の回るようなそれらに揉まれて心は摩耗し身体は疲弊する。
シャットダウンを所望する身体を引きずりながら自室に帰る。これは日々のこと。
摩耗した心を労わるように、疲弊した身体を回復するように、私は静寂に包まれた部屋で浅く息をする。
20だったものが80になる。決して100になることはないそれは、私が明日も何とか外に出るための延命措置だ。
思えば、静寂とは音がしないことだった。
でも意識の外側にいる音なら、私の充電を阻害しない音なら、それは静寂に含まれると感じる。
静寂に包まれた部屋とはつまり私の部屋だ。
そして私の充電と延命を担う一大拠点だ。
【 静寂に包まれた部屋 】
誰も居ない部屋が一番心地良いと
感じるのはいつからだろう
2024 09.30 #03
この部屋に存在しているのは
からっぽの思想と
からっぽのわたしだけ
ただひとりたゆたいながら
からっぽの部屋であるために
わたしさえも排除して
部屋は静寂に包まれる
静寂に包まれた部屋。
私1人。しじまは私をずっと見続ける。
ぐるぐる回る思考の中で何も変わらない部屋。
置いていかないで!!
悲痛の叫びとドアを閉める音がこの部屋に反響してた。
今はただ1つの静かな部屋でしかない。
別れはこんなにも虚しい。
何も残らないものだから。
あぁ、あの人よ。
波にさらわれた想いだけ。
私の気持ちはきっと
重いだけ。
結果だけが残った部屋。
あの人は綺麗な意地悪で憎らしくて、かわいいあの子を選んだ。
私は醜くて、意地っ張り。
勝てるわけないよ。
今からでも、
また元の関係に戻りたい。
あの日々に。
あなたが好き、愛してるの。
私は海が好きだった。あなたが好きだったから。
私は自分が好きだった。あなたが好きだったから。
意思がない人間だって思われてもいい。
あなただけが、あなただけが。
都合のいい関係でも、いいから。
お願い。
私の事を見て。
私に最後にキスだけでもしてほしかった。
何かあなたの証が欲しかった。
あなたとの思い出だけの部屋。
あなたはもういないのに。
穴の底から見上げる月はとても明るく、綺麗だった。
ある日、可愛いらしい女の子が覗き込み、僕に向かって「何でそこにいるの?」と声を掛けてきた。
僕は考えてみたけど分からなかったので「分からない。生まれた時からここに居るから」と答えた。
「おいでよ」
そう言われて初めて、穴の外を意識した。
月を掴むように、女の子のそばかすを数えるように、上を見上げながら、ゆっくりと穴の壁面に足と手をかけ登る。
目だけ覗かせて見た穴の外の世界は、月明かりに照らされながら、緑と花々が風に揺れとても良い匂いがした。
柔らかな風に包まれながら緑の中に立つ。胸がどきどきする。生まれて初めて感じた感覚に身体がついていかない。何をどうしたら良いのだろう。
その時、女の子の後ろから巨大な黒い影が、何かを僕に向かって撃った。
大きな破裂音と共に、僕の左足をかすめ血が吹き出す。
僕は恐怖で穴の底に飛び降りた。
見上げる。ギラギラと光る目が二つ覗き込んだ。
穴の外はなんて恐ろしい世界だろうか。
僕はここが良い。この穴の底から見上げる月ほど美しいものは無い。
始めから穴の底にいる者は「其処に」安堵を覚える。
題:静寂に包まれた部屋
真っ暗な部屋、締め切ったカーテン、漏れ出すパソコンの光、君は今日も遅くまで遊んでる。部屋の外からは何も聞こえない。部屋の中はどうなっているのだろうか。君はそこで何しているのか僕には分からない。そして今日がもうすぐ終わる。この静かな部屋の中明日を迎える。おやすみ
詩(お題)
『静寂に包まれた部屋』
昔は六人家族でした
二十畳の部屋も小さく感じた
今はひとりポツンと座る
静寂に包まれた部屋となる
77型のテレビをつける
大音量にしてバラエティーを見る
僕はひとり声だし笑う
それでも
静寂に包まれた部屋のまま
みんな
お化けでもいいから
寄っといで
みんな
死んじゃったんだけど
遊ぼうよ
僕の
こころのヘッドフォンを
はずしてよ
自分だけの城。誰の色も入れされない。自分がここでは正義。ここから1歩でも踏み出せば、通用しない。何もかも。何に縛られることなく、静かなこの場所で深く眠る。これこそが、最高の幸せなのだ。
恋人はここだ。ずっと一緒にいる。これからも私にとって一番の居場所なのだ。
静寂に包まれた部屋で。
静寂に包まれた部屋で
2人で
泣こう。
お母さんを
見送る時に。
まだ生きたかった?
ふとお母さん向けの
曲を聴くと泣ける。
静寂に包まれた部屋
合鍵で、ドアを開けた…
付き合って直ぐに、渡してくれた鍵…部屋の前で、待っていた私に、何時でも、入れるようにって…
部屋の中は、明かりも無くて、真っ暗な儘で…
明かりを灯すと、テーブルの上には、走り書きのメモが1枚…
部屋の中は、静まり返って時計の音すら聞こえない…自分の吐く息と、心音だけが耳に聞こえる…
メモには…