『静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
静寂に包まれた部屋
私は今部屋の中で本を読んでいる。
だから、喋ることはなくてすごく静かだ。
でも、そこに飼い猫が体を擦り付けてくる。
私が飼っているこの猫は鳴くことができないので、
とても静かにこっちを見る。
私はその優しい目が好きだ。
だから、静かにこっちを見るその子も、この静寂に包まれた部屋もちょっとだけ好きだ。
今も体を擦り付けて寝転がっている。
ほんとに、優しい目をして可愛い。
【雷鳴】
さっきのこと。
お母さんと喧嘩した。
もう、口を聞きたくない。
私は自室に籠もって、ベッドの上で泣きながら音楽を聴いている。
今日の昼過ぎ、私はリビングの棚を漁り、たまたまオトウサンの写真を見つけた。
オトウサンとお母さんのデート写真だろうか。
笑顔が素敵なツーショットだった。
私はビックリして、お母さんが玄関を開ける音に気づかず、ひたすら写真を眺めていた。
「ねぇ、」
私ははっとして振り返った。
お母さんが立っていた。
「何持ってるの?」
「え、えっと、」
「それ、お母さんに渡して」
「えっ…」
お母さんは私の手から写真を奪い取った。
「勝手に見ないでっ」
私はショックだった。
まるで、輪から外されるように。
「あなたには関係ない」と、言われるように。
「なんで、なんでそんなこというの…?」
私は声を震わせ、涙を堪えながら言った。
「どうしてもなの。だから見ないで。」
お母さんからその言葉が放たれた瞬間、私の中で何かが固まった。
「いっつも…」
私は声を震わせつつ、強く言った。
「いっつも、オトウサンの話避けてばっかりじゃん!」
お母さんは目を少しだけ見開き、「図星だ」という顔をした。
「なんでオトウサンのこと、話してくれないの?
なんで避けるの?」
お母さんは何も答えてくれなかった。
「なんで、逃げるの…?」
重い空気の中、お母さんはゆっくりと口を開いた。
「大人の事情ってもんなの。」
「大人の事情って何!?そうやってまた逃げるの!?もう」
「いい加減にしてっ!」
私はビクッとした。
今まで見たことのない、お母さんの恐い目。
私はその光景に、空気に耐えられなくなり、
逃げた。
「お母さんなんか…嫌いっ…」
私は自室に戻り、布団の上に横たわった。
左目から涙が流れるのが分かった。
でも、そんなのはどうでもよかった。
お母さんは、確実にオトウサンの話を避けている。
何となく分かっていたけど、そうなんだ。
私はそれが悲しかった。
辛かった。
スタンドに立てかけてあるオトウサンのギターが、寂しそうにしているのが見えた。
ああ、辛い。
私は静寂の中に響くすすり泣く声を、音楽で掻き消した。
イヤホンをつけて、YouTubeを開き一番最初に出てきた動画をタップした。
応援ソングっぽい。
明るい音楽、晴れ渡る空。
「お前はひとりじゃない」
「みんな違ってみんな良いんだ」
どっかで聴いたことのある歌詞ばっかり。
「希望はすぐそこだ」
何が希望だ。
青空の下で希望を歌わないでよ。
絶望に寄り添ってくれやしない音楽を途中で止め、耳は再び静寂に包まれた。
ああ、辛いなぁ。
静寂に包まれた部屋で私はひたすら泣いた。
視界の傍らに見える窓の外の景色は、どんよりとした灰色だった。
【静寂に包まれた部屋】9/29
カチカチなる壁掛け時計
見上げたら明日になるまで後10秒
深夜0時まわる
一日が終わり新しい一日が始まる
起きたら何があるだろう
学校行って勉強して帰って寝る
何も変わらない
あーあー、いっその事
時が止まったらいいのに
けど時は止まらない、
たとえ私が死んでも
あなたが死んでも
残酷で美しいような止まらない列車のように
音楽ってすごい。
メロディーが聴こえると、「気分」が作られる。
ヒップホップを聴くと行動したくなるし、
バラードを聴くと涙が溢れてくる。
きっと音が思考を誘導してくれるのだろう。
では、考え込みたい時はどうか。
「無音」という音楽。
さあ、静寂を楽しもう。
あ 硬貨
い かえる
あ る、る、る…
い …
あ ……
い …良いな……
あ ?
い こうしてるだけで十分
あ ……だね
『静寂に包まれた部屋』
ピアノから指が離れてしばらくが音楽と知る日暮れの教室
題-静寂に包まれた部屋
自分は愛されていたのかしら。
生まれてから今まで愛されていたのかしら。
なんだか泣けてくる。こんなときにまで愛されていたのかどうかが気になるなんて。
幼い頃は年の近い弟たちに親の目を持っていかれたし
青春と言われる頃は周りのきれいな子達に好きな男の子の視線を持っていかれた。
結婚してからはそんなこと考える暇もなく子育てに自分の目を注いだ。
子どもが巣立ったら旦那さんの目は自分の世界にしか輝かない。
今私は静寂の真っ暗な中にひとり。
こんなときに自分が愛されたかを考える時間ができたなんて。
きっと愛されていたよね。だって
みんな泣いてる。。
静寂に包まれた部屋
君が窓辺に 挿した薔薇を
もう どれくらい眺めていただろう
朝日のなか 静寂に包まれた部屋
薔薇は色褪せ 二度と愛は戻らないと
知ったよ
やり直そうと 言える勇気があれば
良かったのか 伏せられた写真立て
忘れられたマニュキュアボトル
何も変わらない部屋が静寂に包まれて
泣いている
想い出は早く消せばいいのか
それが 最後のつぐないなら
嫌いになるほど そこに居てくれ
嫌いなものにしがみついて
醜い醜態晒している
愛情と憎しみは背中合わせ
何処にも行けずにそこにへばりつく
格好悪さと身勝手さと独り善がり
いちにさんし みんな笑っちまう
ほど 夢中
いちばん 気持ち悪い
根腐れピエロが そこにいる
誰か あのドアを閉じてやれよ
もう 使うことのない二つの鍵を手のひらに
長い日々への終止符を待っている
それは 長かろうが短かろうが
誰かに決められるものではない
ましてや 正解なんて
そんなものない
それが愛というもの
愛情不足になるなら
この静寂に包まれた部屋で
気が済むまで 悲しみと向き合うのも
悪くない
静寂に包まれた部屋で
令和6年9月29日
心幸
―――あなたでよかった、あなたでよかったの
これはたぶんトゥルーエンドなのかもしれない。この前はもっと悲惨だったし、その前はとても平和だった。
この光景もなかなかに悲惨ではあるが最小限の被害で済んだから結果オーライ。この物語にはみんなが幸せになれるルートは存在しない。誰を救うのか、切り捨てるのか、選択を迫られるのだ。
この物語の主人公は母と娘の2人。生まれてすぐ攫われた娘を探し出すのが母の役目で、娘は攫った犯人と実母のどちらかを選ぶのが役目。信頼関係も家族としての情も何もかもがゼロかマイナスからはじまる。
1つの選択で、悪を滅ぼし大団円となるか、母娘で殺し合うか、周りを巻き込んで破滅するか。他にもあるけどどのエンディングも誰かの犠牲の上に成り立っている。
今回は母が娘を殺し、必ず悪を滅ぼすことを決意するエンディングだった。血まみれの母娘と何も言えない周りの人、居心地の悪い静けさだけが部屋を満たしていた。
――そうだね、ヒロインはその娘でよかった
だって、また私が殺されたら嫌だからね
「ごめんね、お姉ちゃん」
代わりに死んでくれてありがとう、なんて言えないよ。
【題:静寂に包まれた部屋】
#静寂に包まれた部屋
いない、いない。
お母さんが、お父さんが、いなくなった。
昨日まで、いつも通り家族三人で過ごしていたはずなのに、目を覚ましたらどこにもいない。
きっと私から隠れているんだ。
いたずら好きなお母さんだから、それになんだかんだ付き合ってあげるお父さんだから。
「……ねぇ、いるんでしょ? 早くでてきてよ。」
なのに。
両親の部屋、リビング、浴室、猫しか入れないような隙間、全部全部探したのに見つからない。
「はるちゃん。」
「お母さんとお父さんは……お星さまになったんだよ。」
私のすすり泣く声だけが響く静かな部屋の中、ばあちゃんの体温だけを感じていた。
言葉を交わさなくなったのはいつからだったか。
同じ家に住んでいる。
テレビはイヤホンで聴いている。
台所は交互に入る。
物音は知られたくない。
同じ時間に生きたくない。
夜、帰宅し、電気も付けず自室に入る。
リビングは君の支配下だ。
ベットに倒れ込む。
何も音がない。
布団を握りしめ、頬を埋める。
君の声はどんなだったか。
思い出そうとして、幸せだった頃の記憶が蘇る。
記憶の中の君は声を上げて笑っている。
それが余計に辛かった。
題:静寂に包まれた部屋
私の部屋はいつも静かだ
物音一つしない静寂に包まれてる。
「静寂に包まれた部屋」
いい天気だから
窓を開けよう...
その部屋の所有者は
今は遠くで暮らしている
でも定期的に
空気替えをする
喧嘩して穴を開けた壁
追い込みで受験勉強した机
練習のし過ぎでボロボロのギター
静寂に包まれたこの部屋には
息子の青春の全てが詰まっている...
【静寂に包まれた部屋】
静寂
随分と貴重なものになった気がする
何処にいても音が溢れてる
自分が静寂を感じきれなくなったのか
なんて考えると
久々にそれに浸ってみたくなったりするから
我ながら単純なもんだ
服の衣擦れ 乾いた咳き込み
どれも耳に届かない
慰めにもならぬ
踊るカーテン
「もう、見れないんだな。あの頃の景色は」
かつては沢山の子供が生活していた孤児院の一室。この孤児院に住んでいた彼らは、歴史に残るようなことを成し得た子らもいる。しかしもう殆どの子供たちが寿命を迎え、次の生を始めているのかもしれない。
⸺いくら自分が長命種とはいえ、150年以上も未練たらたらで孤児院を続けていたのは、友達の一途さを笑えないな…割とガチで。
「おいお前、何そこでぼーっとしてんだ!」
指導役の冒険者に叱られ、仕方なく子供部屋を離れ、他の冒険者たちの元へ向かう。今の俺は新人冒険者。先輩冒険者の足を引っ張らずに一人前だと認めてもらうことが、今の目標だ。
いつまでも過去の声を懐かしんでるだけじゃ、ある友達に指差して笑えないからな。
誰一人いなくなった孤児院の一室は静寂に包まれる。
だがしかし、聴けるものが聞くと……子供たちの楽しげな笑い声に包まれるのだと、近隣の村々で噂されている。
【決して朽ちない、不滅の孤児院】
ぼーっと壁を見つめていた。
気分とは裏腹に明るい、この、静寂に包まれている部屋で、何分も、何時間も、何日も、そうしていた気がする。
そうやって、およそ半日が経っていた。
一点だけを見ていた目が、『あの壁紙のシミ、北海道みたいだな』と錯覚を与えたそのとき、
🎸⚡︎ 〰︎︎ !!🎸⚡︎ 〰︎︎ !!🎸⚡︎ 〰︎︎ !!🎸⚡︎ 〰︎︎ !!
と通常なら、ひとりも漏れず驚くであろう音で設定された通知音が手元で鳴った。ブーブーいうバイブ音が大きく感じられるほど静かな部屋での爆音に海音(みね)は驚くことは無く、ようやっと『あぁ、千賀(ちが)か』と思うまでは海音の体感で三分ほどかかり、実際にはその倍の時間が過ぎていてのは言うまでもなかった。
画面を操作し電話に出た。途端に「おい!大丈夫か?今お前ん家向かってっからな!すぐ着くからな!」となんともうるさ、。静寂に包まれていた十分前とはかけ離れた大音量で早口に喋られる。こちらの話を聞こうとせず、早口に告げられた電話はすぐに切った。しかし、それは彼なりの心遣いであろうと察せられ、それがありがたかった。うるさいのは勘弁だが。
締め切っていた頭は少しばかり回復したが、心はそう簡単には変わらない。またも北海道に似た壁のシミをぼーっと見つめた。
再度海音の頭を使わせたのは、やはり千賀だった。電話から15分ほど経った頃に、ドンドンドンとドアを叩く音とピンポンピンポンとインターホンを鳴らす音が同時に部屋に鳴り響いた。『近所迷惑だろ』と心の中で突っ込むほどには回復しており、重いたいを体をなんとか持ち上げ玄関まで行く。
「聞こえてるって」と、できるだけ感情を込めうざったく言い、
『持つべきものは友だな』と千賀の存在をありがたく思いながら
開けた玄関のドアの前に立っていた親友の、まぶしい笑顔に海音は―
【静寂に包まれた部屋】
あんまり自分の想像を文章化することができなかったです…。
海音は、そして千賀はどうなったのか。
今後の展開はお任せします。
個人的にここにくっついて欲しいですね。
静寂に包まれた部屋と騒音に包まれた部屋
どちらが幸せだろうか
「静寂に包まれた部屋」
静寂な部屋…
時間によって見え方が変わる。
夜明けだと、自分しか起きていないという優越感に浸ることができ夜明けの空を待つ。心にも余裕があり朝を見届けるという素敵な役目ができる。
朝だと…静寂な時間は流れにくい。家では準備で急ぐ声が響き渡り、どの部屋に行っても静寂はない。
昼だと、ものすごく楽しい。たくさんのことができる。スマホ、ゲーム、部屋での1人カラオケ…好きなことができるのはいいが、それゆえに寂しい気持ちにもなる。だから沈黙の時間もやや多い。
夜だと黄昏たくなる。私の今の気持ちを整理したり、今日は何があった、、明日は何しよう、、というのを考えてしまう。
個人的には夜明けと夜の部屋が好きだ。自分の時間をしっかり持てるのが好きなのかもしれない。今夜もしっかりと自分だけの時間を作って心の余裕を作りたい。
静寂に包まれた部屋でドビュッシーの ' 月の光 ' をピアノで弾く。
「静寂に包まれた部屋」