『静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『早く早く早く消えてしまえ
どうせもうまともじゃいられないんだから』
上記は有機酸という方の「quiet room」という
歌の歌詞の一部であり、僕がおそらく人生で
一番聴いているのはこの曲なのではないか、と思う
酷く落ち込んで、ただ自分の中だけを見つめていた時期
何も見たくなくて部屋を真っ暗にして
天井をただぼうっと見つめて
それでもこの曲をループ再生にして
1時間も2時間もずっと蹲っていた
賑やかなメロディーの中に
確かに寂しさが潜んでいて
それは多分、自分ではどうしようもない類のもので
声に出さなくても苦しいよ
幸せに罪悪感を感じてしまうよ
変わらないものがあるって信じていたいよ
そんな感情が聴こえてくるようで
ああ、なんて脆いんだろう
なんて似ているんだろうって
涙を流したこともあった
今やもうお守りのような曲
【静寂に包まれた部屋】
今日は休日だ。
私は部屋でストローを舐めながら口の中で引き裂かれた刺身の気持ちを考えて虚しい気持に浸っていた。
「友達がいればな」
こんな時友達がいればもう少し充実した時間を過ごせるのだろうか。
すると窓から誰かが入ってきた。
「おーす元気にしてたか?」
知らない人だった。
しかも武装しているし、人の生首を持っている。
そもそも窓は施錠されているしここはタワーマンションの20階だ。
何かがおかしい。
部屋は静寂に包まれた。
が、そこから私の行動は素早かった。
部屋の電気を消すと不審者が困惑している間に緊急脱出装置で外に出てタワマンの爆破装置を起動した。
タワマンは住民とともに消滅した。
「ふーいい汗かいたな。しかし今日からホームレスか」
私は軽く絶望しつつ公園に向かった。
ちなみに部屋に入ってきた不審者の正体は、友達がいない人のところに遊びに来る善意のボランティアだったらしい。
図らずしも人の善意を踏みにじった私は、後に後悔の念から彼の跡を継ぐことになる。
「静寂に包まれた部屋」
目を閉じる
己の心身に耳を澄ます
心臓の鼓動
呼吸の流れ
つま先から頭まで
全ての感覚を研ぎ澄まし
全ての感情を緩和する
己の形を理解したら
目を開けて大きく息を吸う
静かな部屋でなければ出来ない
心身の整理整頓
壁一面の本棚には、ぎっしりとすみずみ迄、本が隙間なく詰められている。
一人しか座れぬほどの大きさの座卓は、窓に面していた。
当時には、珍しく…畳ではなく、板が敷き詰められていた。
障子越しに通る光は、僅かで薄暗かった。
座卓近くに、高く書物が積まれていた。
しかし、決して乱れては居らず、むしろ整頓された印象を受けた。
住人の匂いは無く、僅かにイグサの香りと鉄の香りがした。
極めて清潔で、洗練された部屋だった。
この部屋の住人は、かつて…拷問を生業にしていたと、誰が思うだろう。
彼は、かつて『かがち』と呼ばれていた。
幼少の時より、拷問を仕込まれ、童の頃から才の片鱗を見せていた。
ひどく大人び、冷酷に淡々と仕事をこなす子どもの姿は、なんとも異様で、
恐ろしかったと云う。
だから、人々は口を揃えて…こう呼んだ。
『輝血(かがち)』と。
八岐の大蛇の目のように、赤く染まり輝く…鬼灯の実のようだと。
そして、彼は若君と出会う。
若君は、全くと言っていいほどに、彼を恐れなかった。
彼を気に入り、人間として、友人として、信を置く側近として扱った。
しだいに、彼は無表情だが感情が豊かになり、人間みを取り戻していった。
やがて、彼は多くの部下から持ち、信頼され、尊敬される人間と成った。
若君には、慇懃無礼な態度だったが、そこが気に入られていたと云う。
生涯に通し、若君に忠を尽くした彼。
この部屋は、彼が若君から最初に与えられ部屋だった。
その後、様々な功績から屋敷を与えられた。
しかし、生前の彼は、この部屋を手放すことは無かったと云う。
自分がしたい事をして、ゆっくりして
とても静かだ
今日は結構ゆっくり出来るのかもな、
外からは、遊んでる子達の声が聞こえるけど笑
さてと、
次は何しようかな~
静寂に包まれた部屋
静寂に包まれた部屋
ペラ、ペラとページを捲る音に
時たまにお茶を啜る音、
そんな静寂の中で息をする。
窓の外からは、鳥の声や、行き交う子どもの声、
葉崩れの音に、かわるがわる天気の音。
静寂の中でこそ、音は際立つ。
静寂に包まれた部屋
静寂さによるね
おおよそはないと思う
電化製品て音がするから
この静寂とはそれを示してない
精神的な静寂さか
周囲との比較的な静寂さ
己の静寂さなら瞑想でもしたらいい
己に帰れさえしたらいつでもそうなれる
そうとは静寂に包まれた部屋ね
部屋も判り易いけど
外にも静寂はあるんだよ
ちょっとした意識の問題だと思われる
集中してまうと静寂にならない?
何も聴こえなくなるし
何処だかも判らなくはならないけど
気にはならないことが多い
ちょっとだけ意識的に何処かにずらすと
何処にでもあることに気がつく
静寂がある場所
それはあなたにあるって話でしたっと
静寂に包まれた部屋
''キーーーーーーン''
静寂に包まれているはずの部屋で
私の耳にはうるさいくらいの耳鳴りがする。
音楽を流す。テレビをつける。誰かと話す。
何かしらの音があることで
やっとうるさい耳鳴りから解放される。
本当の静寂が分からない。
私にとって静寂に包まれた部屋は苦痛なものだ。
静寂に包まれた部屋を
心地よく感じる日は来るのかな。
それでもやっぱり寂しさは残りそうな気がする
2023/09/30現在 福岡市東区雁の巣病院に、自衛隊300人が捕まっている模様。
食事もさせてもらえていないとのこと。
どなたか警視庁に通報していただけますか。
〈静寂に包まれた部屋〉
うまい棒に上から均等に力を加えると縦に四等分されるのだと友人は言った。
やったことが無いと私が言ったので、その次の日に、友人がコンソメ味とポタージュ味のうまい棒を用意してきた。
「本当にやるのか、学校で!」
私はけらけら笑いながら言った。
冬のあの日のために、参考書や問題集と睨めっこする学友がいる教室で、程よい騒めきのなか、机の上に置いた二本のうまい棒の前で腕を組む。
ほら、やってみなと友人に催促されて、私はコンソメ味のうまい棒に両の手を縦に並ばせてのせる。
バリ、、
わ、
バリバリバリッ
「え!え!」と私は興奮して声を出す。
「はよ開けえ」
袋をゆっくりと開けると、綺麗に四等分されたオレンジ色の駄菓子が!
「おおおおお!」
すごい、すごい、と私は幼子のようにはしゃいで、少し周囲の視線をよろしくない形で集めたが、意に介さず。
友人とコンソメ味のうまい棒を食べていると、横からぬっとまた別の友人が来て、ポタージュ味のうまい棒に手をのせた。
バリバリバリ。
満足そうな顔を浮かべたその友人は、割ったそれを食べるのかと思いきや、ポタージュ味は苦手だといい、さっさと自席に戻っていった。
バリバリと音を鳴らしうまい棒を食べ終えてマスクを口に戻したが、喋る度にその中がコンソメ味とポタージュ味になることに気がついた。
うわ、と声をあげまた友人とけらけら笑う。
ゴミを捨て終えた頃に鳴った予鈴。
静かな空間が作り出され、私も友人と離れ自席に戻り、それに混じる。
はっ、と息を吐くと、また鮮やかな香りがした。
けらけらと笑う声がまた聞こえた。
題:静寂に包まれた部屋
一人部屋は無いし、
すごく騒がしいけど、
何故かいつも
寂しい。
いくら楽しい事をしても
いくら姉妹と笑いあってても
なんでだろう。
寂しいの。
静寂に包まれた部屋
私は何の音も無い所を知らない。
みんなが静かに感じていても私には音が聞こえてる。
音が無いなんて私には絶対に無い。
と言うか無意識に探しているのかもしれない。
例えば、『シーンとしてる』なら「シーン」と言う音が聞こえてる。
静寂の音
上手く言葉に出来ないけれど。
静寂に包まれた部屋
夜の静かな部屋
その部屋から聞こえて来るのは秋に鳴く虫の鳴き声だけ
だった。
何も考えたくない時
静寂に包まれた部屋は
丁度いいかもしれない
「静寂に包まれた部屋」
ついさっきまでの
LINEのやりとり
「今のどういう意味?」
「それはね…」
「あぁ、そうかわかった。ところで…」
「あるよね、そういうこと。以前にもね…」
他愛ないやり取りに
あなたも笑顔であることがわかるし
私も胸が温かくなっていく。
「じゃあ、そろそろ」
「うん。おやすみ」
「おやすみなさい」
切り難い、終り難い、去り難い。
部屋の明かりを落とし
スマホを暗転させ
そっと頬に当てる
さっきまで側にいた あなたの温もり
そしてここは
「静寂に包まれた部屋」
きみが出ていったあと
僕に残されたのは
静寂につつまれた部屋だけ。
あの頃の僕たちのわらいごえは
どこにいったんだろう、
そうっとまばゆい月あかりのもとで、いまあらためて気づく。きみの顔にはてんてんてんといくつかそばかすがあり、なめらかな肌にまじる星のようなこそばゆいかがやきがこれまでもこれからもだいすきだ、と。ささやかなひかりのちらばるきみの鼻に、すこし時間をおき、つめたいぼくのくちびるを合わせるとき、たしかにふたりはふたりのままであるのに、たがいの体の輪郭を忘れてしまうほどに、ぼくらはひとつになっている。
「静寂に包まれた部屋」
ここも寂しい場所となりました。持ち主を失った家具たちには払われるのことのない埃が積もり積もってその輪郭を滲ませています。それでも彼らは懸命に、主人の帰りを待ち続けるのでしょう。じっと耐えて、耐えて、耐えて。いつの日かもう一度、あの人が戻ってくる日に備え、今のままの形を残してゆくのでしょう。
なんて涙ぐましい懸命さ! ちっとも堪えられなかったわたくしと大違い。わたくしは、自ら望んだ孤独にこれっぽっちも耐えられなくて、すべてを捨てて逃げ出しました。何せここは、煩いくらいに静か過ぎるから。
静寂に包まれた部屋
私の名前は大久保という。今回の話に自分の名前が大久保だということは何の関係もないが、一応自己紹介しておく。私は22歳の頃に中国へラーメンの修行をするために一人暮らしをする決意をし、23歳の頃に渡った。中国はとてもいい所であったが、沢山の捨て猫がいた。そして24歳になる年の春、仕事を終え帰路についていた。すると、いつもの汚い猫がたむろしている河川敷にピンクの首輪がついた美しい三毛猫を発見した。スキマスイッチが全力少年と言う曲で述べている「ガラクタの中に輝いていたものはいっぱいあったろ?」とはよく言ったものだ。私はそいつを捕まえて、家で飼うことにした。しかしその当時シェアハウスに住んでいたのでルームメイトの許可も必要だったが、内緒にして押し入れに隠して育てることにした。次の日私はいきなり上司に2年間のマカオ研修に行けと命じられ、午後には会社が用意したバスに無理やり乗せられてマカオに連れて行かれた。猫のことは気になったが、なんとなく大丈夫な気がしたのでそのまま放置することにした。マカオでの2年間は毎日とても忙しく、めちゃくちゃ雑用をさせられた。そんなこんなで研修を終えて、私は2年ぶりに中国に戻ることができた。その頃には猫の存在すら忘れて久しぶりの自宅に戻れると喜んでいた。しかし、それが間違いだった。家に帰ってみると家中フンだらけで大量の猫が部屋にいた。これはどういうことだと思い、押し入れを開けると青い狸がいた。あとで知ったのだが、ルームメイトは押し入れで青い狸を飼っていたのだ。青い狸はあろうことか、私の三毛猫に恋をして子供を作っていたのだ。純粋に猫と狸がどうやって食料を確保し、子供を作ったのかはとても気になったがそれどころではなかった。なぜなら、毎日地獄のような匂いと四六時中響き渡る猫の声に苦しめられたからだ。そんな生活が半年続き、私はその家を出ることを決意した。なぜここまで耐えていたかって?それはこの部屋から望遠鏡で見える位置に住んでいる向かいのマンションの部屋のお姉さんがめちゃくちゃ美人で裸族だったからだ。そのお姉さんを拝むためにこの騒音と匂いを我慢していたのだ。そんな訳で次の部屋に移ったのだが、私の収入的に職場から車で往復3時間もかかる山の中にしか借りれる物件はなかった。しかし、その物件はとても静かで静寂に包まれた部屋であった。ここにきて私は静寂の素晴らしさを知れた。話が長くなったが、要するに静かな部屋はいいよってことだ。おしまい。
あなたの寝息と
個性的な寝言で
割と賑やかなことが
多い夜
時には手脚をばたつかせ
暴言を吐くこともあれば
爆笑することもある
煩いと感じたことは無いけれど
ピクピクしだすと警戒モード
正直殴られたこともある
忙しない夜ですが
いざあなたが入院すると
静寂がやって来る
部屋はシーンと静まり返り
温もりのない布団が
寂しさと不安を煽る
「6月頃に『狭い部屋』ってお題なら書いたわ」
エモい話を、書けないこともない。某所在住物書きはカキリ小首を鳴らし、ため息を吐いた。
静寂には複数の色が存在する。
痛い、気まずい、穏やかな、あるいは感動的な。
いずれにせよ、夕暮れの部屋を舞台に主人公ひとり、あるいは友人とふたりで、何か酷く悩ませれば良い。
沈黙はスパイスとなるだろう。
「でも不得意なのよ。エモネタ。納得行くハナシ書こうとすると投稿16時17時になっちまうし……」
ぽつり。物書きは弱点を吐露し、物語を組む。
――――――
中秋の名月の東京、都内某所、某アパートの一室。
部屋の主を藤森というが、18時頃は少なくとも月の見えていた窓を背に、
月見の餅を置いたテーブルを挟んで座って、
「げんせーな、シンサの結果、」
向かい側では、不思議な不思議な子狐が、コンコン、言葉を喋っている。
「今年の『狐のお嫁さん』は、おとくいさんに決定となりました」
テーブルの上の餅を、商品として持ってきた子狐は、ご利益豊かな稲荷神社の神使。
善き化け狐、偉大な御狐となるべく、餅を売り、人を学んでいる最中。
藤森はこの不思議な餅売りの、唯一の得意先である。
目の前で狐がものを言う珍事に、藤森はいつの間にか慣れてしまった。
しかしそれでも解せぬのが、今晩の新出単語。
「狐のお嫁さん」とは?
「……」
素っ頓狂な藤森の、開いた口は開きっぱなし。目はパチパチ、まばたきを繰り返す。
藤森の無言が、痛い静寂を部屋に呼び込んだ。
「ユイショ正しい、古くから伝わるギシキなの」
コンコンコン。
子狐の補足は相変わらず、分からない。
「狐のお嫁さんは、ウカノミタマのオオカミサマの化身役なの」
なんなら、下手をすれば本人、本狐もよく理解していないのだ。
小さなメモ帳の、明らかに大人が書いたであろう文字を、目で追いながらのコンコンであったから。
「稲刈りが終わりに近づく、9月最後か10月最初の満月の次の日、十六夜の夜に、キツネのととさんと、ケッコンするフリするの」
藤森の理解と状況把握を置き去りに、子狐はただ、しゃべる、しゃべる。
「稲荷神社で、ケッコンして、誓いのおさけ、イッコン傾けるの。ウカサマの化身役のお嫁さんは、たくさんのお料理と踊りで、オモテナシされるの。
お料理と踊りで満足したお嫁さん、ウカサマ役は、最後に満足して、『来年も、商売繁盛、五穀豊穣』って言うんだよ。
ととさん、ヨシュクゲーノー、『予祝芸能の一種』って言ってた」
理解が迷子。説明が為されているのに脳内が静寂。
藤森はただポカンであった。
「何故私なんだ」
「げんせーな、シンサの結果なの」
「狐の、『お嫁さん』だろう」
「ウカサマ、美人さんなの」
「私のどこが『美人さん』だって?」
「あのね、おとくいさん。
おとくいさんは、3月1日の1作目投稿から今日の最新作まで、たったの1回も『男』と明言されてないし、『女』とも断言されてないし、『彼』とか『彼女』とかも、一切特定されてないんだよ。
だからおとくいさんは、男かもしれないし、女かもしれないんだよ」
「は……?」
駄目だ。理解が追いつかない。
こういう時に振るという◯◯値チェック用のダイスとやらは何処だ。
藤森は完全に頭の中がパンク状態。
満月が雲で隠れている空を背負い、頭を抱えて、大きなため息を吐く。
「……謹んで、辞退させて頂く」
ただ選任拒否を述べ、再度息を吐いて、思考タスクの過負荷で重くなった頭と視線を子狐に向けると、
「じたい……?」
今度は子狐の方が、口をパックリ開け、固まった。
おいしいお料理、いっぱい、食べないの……?
驚愕に見開かれた狐の目が、声無く藤森に訴える。
双方無言が続き、藤森の部屋は再度静寂に包まれた。