『雫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雫
愛する者の為に…
自分を守る為に…
真実を隠すことが
正しいのかわからないの…
涙溢れて…
愛する貴方…
雫と共に消える
儚く…
切ない世界
重い気持ち抱いて
…清濁併せ持つ
複雑な人間模様
2024 4/21(日)
花雫を見つめる君を見つめる。
「キレイだね」なんていいながら水やりをする君は、
花なんかより100倍綺麗だ
#12 雫
「雫」
色とりどりの果実のシロップをグラスに落とす。
そこに炭酸水を注げば、虹色が弾けて気分も煌めく。
君の茶色を帯びた瞳から溢れ出る雫を、僕は止めることが出来ない。きっとあの子なら出来るのに。こんな時も何も出来ない自分に腹が立つ。それでも君はまだ雫を零している。
雫
雨の雫。
涙の雫。
とても綺麗ね。
ああ、雨だなあ。
ぽちゃ、ぽちゃ、と音を立て、水滴が雫になって落ちる。
やはり、室内から見る夜中の雨って、好きだ。
小学生の頃は、週はじめの登校中に雨なんかすっごい嫌だったなー、視界が見えづらくて車が怖かったなー、とか思ってたな。私も大人になったもんだ。
でも、大人になったとて、車で雨の中暗闇を走れと言われたら少し怖い。車側からも、いつ事故するか分からないし。
いつだって私には「恐怖」があるんだよな、消えずに。
2024/04/21_雫
窓で弾ける雨粒を、ぼんやりと眺める。
そういえば洗濯物を干しっぱなしだったと思い出したが、今となっては後の祭りだ。
「早川さん、仕事のカタがつきそうだったら早く帰りなさいね。これから本格的に降るらしいわよ」
上司が帰り支度をしながらノートパソコンを閉じた。
「…後、1時間だけ頑張ります」
「そう?私は先に帰るけど、戸締りよろしくね」
彼女の消えた事務所は、静寂に包まれる。
家に、帰らなければいけない。
そう分かっているのに帰る気にはなれなかった。
携帯がバイブして着信を伝える。
画面に表示された名前に、ため息をついて後5コールして切れなかったら出ようと心に決めた。
1…2…3…4…5…
「…もしもし」
「あ、やっと出た。ちょっとアンタいつ帰ってくるのよ…洗濯物も干しっぱなしだし、ご飯だってまだなのよ?」
「…今日は仕事で遅くなるって伝えただろ?洗濯物は取り込んでくれて構わないし、ご飯だって待ってなくていいよ」
「なんで私がアンタの洗濯物を取り込まなくちゃいけないのよ。ご飯だって、疲れて帰ってきた私に作らせるつもり?」
俺は疲れてない、って言いたいのだろうか。
「…分かった。すぐ帰るよ」
「そう?急いでね」
切れた無機質な電話音に深く深くため息をついた。
「…はぁ、」
「早川くん」
帰ったとばかり思っていた上司が、いたたまれなさそうに眉を下げて立っていた。
「あ、すんません。業務中に私用の電話なんか…」
「別に誰もいやしないからいいけど…それより、大丈夫?」
「何が、ですか?」
「だって、辛そうに泣いてるから…」
気づけば俺の頬を流れる雫が、窓の外で降る雨のように零れ落ちた。
「無理しないでいいのよ。辛くなったら話聞くし、逃げたくなったらいつでも頼ってね。早川くんは、頑張りすぎてるわ」
そう言ってカバンから彼女は未開封のチョコレートを取り出した。
「甘いものでも食べて、帰りなさい」と笑う彼女に、思わず抱きついて大人気もなく泣いてしまう。
そんな俺に彼女は困ったように笑いながら「セクハラで訴えられないかしら」と俺の頭を不器用に撫でた。
"雫"
長袖のTシャツの裾を整え着替えを終えると、窓の外を見る。
窓の外側に雫が一つ、また一つとつく。微かに雨粒が窓ガラスを打ちつける音も聞こえる。
「散歩は無しだな」
「みぃーん」
ハナが悲しそうな声を漏らす。
昨日、あの後数時間程ほっといた後心配で居室に戻ると、扉を開けた瞬間「みゃあん」という声と共に立ち上がって足元に来た。
驚きながらご飯皿を見ると、ドライフードが入っていた皿が綺麗に空っぽになっていた。
こいつ猫だったと思い出したのと同時に、心配して損したという気持ちが湧き上がった。
一度部屋を出てインスタントコーヒーを作り、インスタントコーヒーで満たされたたマグカップを持って、部屋に戻り椅子に座ると──ジャンプをしてはいけないと分かっているのだろう──、膝の上に乗りたそうに足元をうろつく。
一旦マグカップをテーブルに置いて両手でハナの身体を持ち上げ膝の上に乗せてあげると身体を丸くする。
術後間もない時の雨の日は、手術痕が多少なりとも痛んだり疼いたりする。
痛みや疼きを少しでも和らげるよう、マグカップに口をつけインスタントコーヒーを啜りながらハナの背を撫でる。
窓の外を眺めながらしばらくハナの背を撫でていると、落ち着いてきたのかゴロゴロと喉を鳴らし始めた。
ふ、と小さく笑いながら、再びインスタントコーヒーを啜った。
心に限界の雫が落ちる
私は生まれてくるべきではなかった
面接から帰って来てすぐ部屋見してもらった?
面接って30分って言ってたら部屋見れたのかと
どんな仕事面接平気30なのに。
もう耐えられない。
さよなら。ごめんさない。
その頬をつたう涙をこの瓶に入れて集めて保存してたい
【雫】
ひとつの雫が落ちた
それを合図かのように 雨が降り始め
私のまわりは徐々に湿っていく
生憎傘は持ってきていなかった
私は雨に打たれながら考えた
蛙の鳴き声が聞こえ
蝉は木陰で、私はここだ、といわんばかりに鳴いている
あぁ、きっとそろそろ夏がくるのだろう
彼女の刻は未だ、夏のままだけれど
随分と小さくなり
そして冷たくなっている彼女にこういった
『誕生日おめでとう、やっと君の年齢に追いついたよ』
[雫]
雫がしたたる音って癒されるよね
何でだろう 理由は分からないけど雫が落ちる音をずっと聞いてるとすごく落ち着く
雨が止んだ後
小さな葉っぱからおちるしずくには何も感じられないのに、どうしてだろう
あの時
君の頬からおちる「雫」には
何か感じられるものがあった
永遠に僕の記憶の中で
忘れられない「雫」となった
雫が生み出す波紋。
延々広がる同心円。
ぼーっと見るのが好き。
零
前が見えません
壱
呼吸の仕方は何処でしょうか
参
攫われて仕舞いましたかね
肆
雫は ありますか 忌もなく、 ります。有ります、 其処に
「雫」
雫がポタポタと君の手に落ちる。
「泣いたらダメ」だと思えば思うほど涙がボロボロでてくる。
そんな僕を君は優しく抱きしめてくれた。
嗚呼、これだ。
僕が求めていたものは、人の暖かさなんだ。
冷え切っていた心にそっと火を灯してくれた。
虐待されて心を閉ざし凍っていた心を君が開けてくれた。温めてくれた。
こんなの初めてだ。人に抱きしめられるという事がどれほど温かく、尊いものなのかが分かった気がした。
そこでまた僕は15年間溜めていた雫で君の肩を濡らした、
幸せが僕にあってもいいと言われ顔をぐちゃぐちゃにし、赤ん坊のように泣きじゃくった。
そんな20年前を思い出しながら家事をしている君をそっと見た。
そしたら昔みたいに雫が頬を伝った
題 雫
教室の授業中、こぼれる雨のしずくを窓から見つめていた私。
ただ、途切れることなくこぼれていく透明なしずくから、なんだか目が離せない。
幾度も溜まっては限界を迎えて流れて行っては、新しい雫が形成されていく。
「瀬田」
横の席に並んでいる虹川が声をかけてきた。
「ん?」
横を見ると、虹川の後ろに怖い顔をしている先生が腕組みをして立っている。
あ、やばい・・・。
「どこ見てるんだ?」
先生の声に、私は首すくめて小声で返事をする。
「すみません・・・」
先生が行ってしまうと、虹川が話しかけてくる。
「どうしたんだよ?何見てたの?」
「え?雨のしずくだよ。見てると面白くない?」
「そうなのか?」
虹川は私が窓へと目を移すのを見て、一緒に目を移動させる。
締め切られた窓の外。
今は梅雨の時期で、ザアザアという音と共に雨の筋が沢山窓に流れていた。
「何か、しずくがいつ落ちるかとか考えて見てると面白いかもな」
虹川の言葉に私も頷く。
「うん、ひたすら作業してるのとか、ありとかをジッと眺めているのとかやめられない時あるじゃない?それに似てるんだよね〜」
「なるほどな〜」
虹川が納得したように頷く。
「ヒマ潰しにはなるのかもな。授業中、暇つぶししてちゃだめだけどな」
笑う虹川に、私もそうだけどね、と笑う。
そこへ・・・
「虹川!瀬田!」
教室に響く大声に、恐る恐る横を見ると、そこには、さっきよりさらに顔をしかめた先生が腕組みして私達を見下ろしている。
「二人とも、放課後反省文書いて持って来い!」
先生に怒られて、私達ははい・・・と返事をする。
「ごめんね」
口パクで虹川に謝る。
手でオッケーマークを作ってくれる虹川。
そんな虹川に罪悪感を感じる私。
横で流れ続ける雫を見たい欲求と戦いながら、その後は一生懸命授業を聞いていたのだった。
それでも、放課後は反省文が待っている・・・。
もう雫を見るのはやめないと。
でも、何となく引き寄せられてしまうんだよね。
私は今年の梅雨はあまり降水量が多くないことを祈っていた。
「雫」
雫のなか二人歩いて登校中。
片思いの私、折りたたみ傘もってきてないふりをした。
しとしと
しとしと
ああ、赤らんでしまって、でもフレッシュを装うの。
声をださなきゃ雫の音にかき消されちゃう。
どきどき
どきどき
「ね、傘いれてよ」ああ、言ってしまった!
みんな噂しちゃって。同じ傘の中二人でいてるよ。
しとしと
しとしと
「雨の日は髪がうねっていやだよねえ?」
「ほんとね、せっかくのばしたのに笑」
どきどき
どきどき
ううん、ほんとは感謝してる。
雨のおかげ。雨のおかげだ。
雫
雫というものは、基本的に落ちるものだ。
空中でとどまったりしないし、空に登っていくこともない。
世界一落ちる速度が遅い雫だって、10年に一滴くらいの頻度で落ちるって聞いたことある。
何故って、重力があるからだよね。超能力者でもない限り、雫が落下するのを防ぐのは難しいだろう。
今だって、髪の毛から落ちていく水が画面に張り付いている。煩わしい、ってこういう時に使う言葉だと思うよ。
でもね、重力があってよかった。
雫が落ちることが当たり前で、他のものもふよふよ浮いてなくて。地に足ついてるって感じ!
今日も、当たり前のことが当たり前のままでいてくれて、安心した。
あの日
突然いなくなった
あなたが
恋しくて
恋しくて
今も
私の頬を
雫がこぼれ落ちる