『雫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雫
雨が上がった後の葉についている雫は綺麗。
普段は植物に触れようとしない。
けど、気まぐれに雫には手を出してしまう。
本当に、綺麗だ。
やはり雫と言ったら、となりのトトロだ。
知ってる人はわかるだろう。
バス停でサツキが初めてトトロに会うシーン。
あんな大量な雫が落ちてきたらもはや雨。
大粒の雨。
なんか、あんま面白いこと今日は話せないな。
では、本日はここまでということで。
またね。
雫のように流れ出した私達の涙。大好きだったあの人が遠くに行ってしまった。私達はまさかあの人が行ってしまうと思ってなく余計涙が雫のように流れ出した。 【雫(しずく)】
「雫」
それが私に付けられた名前だった。
雨があがったあと花の上で輝く雫のような、明るい
子になりますように。
そう願って付けられた名前。
でも私は、表面こそ明るく繕っているけれど、内面
は真っ暗闇。
この先も生きる勇気がないくせに、死ぬ決心もつか
ない。
ああ。
もういっその事、光り輝く雫の最期のように、綺麗に消えてしまいたい。
2024/4.21 No.25 雫
『ロマンのない天気』
傘の内側で聞く音は、普段よりよく聞こえるらしい。
雨に濡れないこの狭い範囲だけと考えるとなんてロマンチックなことだろうか!
ただ残念なのが、今日は豪雨で傘の意味が無いことだ。朝の天気予報では『ぱらぱらと〜』なんて可愛らしい表現で伝えられていたはずなのだが、お昼頃から雲行きが怪しくなって、夜の今になって土砂降りになってしまった。
靴下はぐしょぐしょだし、パンツの裾は雨に濡れて黒くなっている。
カッパを着ている人を恨めしく目で追ってしまうほどだ。
「ロマンチックになりたかったー!」
傘を畳んで雨で司会の悪い中を走る。
前髪から伝う雫にロマンチックは存在しなかった。
雫
小さな雫が 子うさぎの目に入った
子うさぎ たちまちもがき苦しんだ
大きな雫が 地に落ちた
たちまち 人々もがく間もなく 消えてった
雫を落とした 狐は 何を思ったか 泣き崩れた
誰も幸せにはならない 雫は 二度とこの地に落ちなかった。
雫が落ちる音が
あの子の涙の音と重なって思い出した
雫
その日の夜は雨が降っていた。
「天気は……」
今日も夕方に雨が降るおそれがあるらしい。
「いってきます。」
日に照らされ宝石のように輝いている草についた雫。
まだ、雨の香りが残っている空気。
今日は、何があるのだろう。
かすかに期待しながら歩いた。
その日は散々だった。
階段から落ちる、
お気に入りの物を無くす、
冤罪をかけられる、
陰口を聞く。
あぁ、今日は何をしてもうまくいかない日だ。
たまにはそんな日もあるけど、流石に、つらい。
ポツン
ザーッ
私の心を写したかのように雨が降り出す。
鞄から傘を探す。
「……あれ、ないっ、うそ。
もう、やだ。」
気付けば、涙が出ていた。
雨で、よかった。
泣いているのは見られたくないから。
ザッ、ザッ
雨が当たらなくなる。
振り向けば、
「傘忘れたの?」
と、いつもの調子で聞いてくる友達。
「うん」
「あれ?泣いてる?」
もう何に泣いているのかわからない。
「雨だからっ、雫だからっ。」
そうすぐにバレる嘘を並べながら歩き出す。
悪いことばかりで、失敗ばかりでも
案外、優しさはあった。
「ありがと。」
「急に?
まあ、どういたしまして。」
互いに笑いながら雨の中を歩いた。
家に近づく頃には雨は止んでいた。
「雫」
ぽとり。
雨かな、上から雫が降ってきた。
でも、雨は降っていない。
上を見上げると、少女が泣いている。
綺麗だ。
泣いてる人に向かって言ってはいけないと思う。
でも、綺麗だった。この世のものでは無いもののような、そんなものを見た感覚。
空は青く、澄んでいた。
「嫌い。」
君の目の下には綺麗な悲しみと怒りに満ちた雫が何滴も浮かんでいた。
走って逃げた君の通った道には雫の跡があった。
「…ごめん。好きだったんだ。」
今度君の目に浮かんだのは喜びに満ちた雫だった
[雫]
今だに、断水で家の蛇口から水が、雫もでない。
断水が解消になりますように…
私達の雫のような声は聞こえはないのか
毎日お風呂にはいれる
毎日、当たり前に日常が遅れる
私は幸せは満ち溢れる
被災地は幸せに満ち溢れる
赤い頬
黒い瞳に潤む白
青い吐息と結露の窓辺
/お題「雫」より
君の頬に雫が落ちるから
僕は君を守ってあげたいと思ったんだ
僕自身が助けを求めていたのに
気づかずに
君の前では強がっていた
限界だった
君も守られることに甘えて
変わってしまった
出会わなければ良かったね
雫
この雫に含まれる石灰分が
長い長い時をかけて
鍾乳石になって
柱のようになったりする
異なる時間がそこには存在しているみたい
(鍾乳洞の涼しさは夏のレジャーにピッタリですよ)
雫
しんだふり
ずうっとしてても
くまきづく
もうだめだend
―雫―
閉め切った蛇口から水滴が垂れるのを見る。
今、自分が何をしようとしていたか思案する時いつもそうしている。
水滴はぽとぽとと音を鳴らす。一人暮らしの寂しさを知らせるが如く。
1、2分かけそうしていると不意に思い出す。
ああそうか、歯磨きをしようとしていたのだった。
習慣である歯磨きでさえたまに姿を消すのだ。
私だって仕事から逃げても構わんだろう?
だから私が取るべき行動は…
今、何を考えていたのだっけ。
閉め切った蛇口はただそこにある。
明日は仕事だから歯磨きしたらすぐ寝なくては。
定住民はつらいな。
ふと冷たい何かが頬を伝った。
行方を探ると、頭が濡れていた。
やべぇ!髪拭いてねえ!
藍色の夜の雨が止み夢から目覚める。
やがて太陽は新緑の輝きで大地を染める。
空が映し出すのは
夢の記憶をもたない小さな雫。
エメラルドの水玉が葉の上で煌めいている。
そしてその煌めきを太陽がまた空へと連れ去る。
「雫」
「雫」
ポロポロと流れる涙の雫
そんなに悲しまないで
つらいよね
心が痛いよね
私も一緒に泣いてしまう
思いっきり泣いたら
気持ちも落ち着ける
きっと大丈夫
大丈夫だよ
朝 目を覚ますと
頬を 涙の雫が ツーっと流れた
夢を見た
大好きだった祖母の夢
夢でもいいから また会いたい
ローズクォーツで飾った
手首のブレスレットは
懺悔の傷を隠す。
AM5時の陽が
わたしを見つけ出す
どうか、夜のままであってほしかった
罪人の朝が はじまる
『アイデンティティの根源に他者がいる』
そういうことを聞きたかった。そういうことを読みたかった。
人種主義、植民地主義、ヨーロッパ中心主義、わたしにとっては人間中心主義でもいい。異性愛主義でもいいし、男女二元主義(規範)でも。
『アイデンティティの根源に他者がいる』のだ。それらの主義は根底から考え直さなければならない。純粋さは幻想だ。しかも気分の悪くなる幻想。わたしのアイデンティティの根源に他者がいるなら、わたしのアイデンティティはあらかじめ傷つき欠けて不足しているなら、「わたしの」アイデンティティだと思っていたものの根源に他者がいるなら、「わたしの」根底にそもそも他者がいるなら、それはきらめくような希望の雫だ。