『雪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
真っ白な雪に、黒い雫が一粒垂れた。
そんな一粒垂れただけで、その雪は何も変わりはしない。
けれど、真っ白が似合う雪にとっては自分を汚された気分だろう。
次の年、黒く染まった小雨が降った。
以前よりかは量が多いけれど、雪はまた降る。
どうせすぐ誤魔化せる。
そう思った雪は、雪が小雨に染まるのを許してしまった。
また、次の年も。また、次も。
雪は黒い大雨に汚される。
もう間に合わない。隠せない。
取り繕うことさえできなくなる。
汚されても許し、次は以前よりも多く汚される。
寛大なほど、繊細なほど。汚いものに素早く汚される。
私達人間も同じだ。
#雪
シンシンと降る
哀しみも歓びも眠らせるように…
思い出ごと覆いつくして
それでも消えない
それでも眠らない
全てがキミへの記憶に繋がる
愛おしくせつない
六花の舞
キミの涙だろうか
キミの願いだろうか
シンシンと降り積もる
ワタシのキミへの思い
待ち望む、雪。
かまくら、雪うさぎ、雪だるま。
しもやけがストーブに当たると痒い。
#雪
【雪】
新陳代謝しか無い!雪とは、新陳代謝しか無い!
【雪】
雪がふってきた!
すごい!どこを見ても真っ白だ!
はじめて見る雪だ!
お父さんがかまくらを作ってくれてる!
おっきい!すごいなあ!
ぼくはこっちで雪だるまを作ろう!
あれ、知らないおじさんが遠くにいる!
お父さんの後ろに行ったぞ?
あれ、あれ、あれ?
おかしいなあ
真っ白な雪がたくさんなのに
お父さんのまわりだけ
真っ赤だ
まだ真っ白な雪がふってる
真っ赤なのも
お父さんも
かくれていく
そうだよ
全部真っ白だよ
真っ赤なんてなかったんだ
お父さんもいなかったんだ
真っ白だよ
全部、全部
真っ白な雪だよ
朝に電車の中から見た、木が生え並ぶ緑の場所は綺麗だった。
帰ったらおばさんがケーキを持って待ってくれている。
なにがこんなに難しいのか。
ほんとうに少し、1日の中で10分くらい。
景色に感動して、言葉に感動して、音楽に感動する。
その時間が減っていきさらに消えてしまったら、心も消滅してしまうのだろうか。
『雪』
全部覆ってしまえばいい
綺麗なものも 汚いものも
覆って 凍らせて 眠らせて
春になったら
綺麗なものだけ
ゆっくり溶かしておくれ
ちらほらと舞う雪に手を伸ばす。
「ゆみちゃん。雪、雪だよ!」
親友のななえは珍しいものを見たようなリアクションをしてはしゃいでいる。
何がそんなに楽しいんだか。
「雪、積もればいいのに」
彼女は手のひらで溶ける雪を名残惜しそうに見つめるけど、雪国出身の私はこの無責任な言葉を聞く度にうんざりする。
何が積もればいい、だ。積もったら雪かきも大変だし寒いし、家に篭りきりになる。いいことなんてない。
雪遊びができるなんて笑っていられるのも最初だけだ。
こういう能天気な言葉にはイライラが募る。
校門の前に理科の先生がいた。
おはようございます、彼は眼鏡をクイっと上げ、心のこもっていない挨拶をする。この人はいつも仏頂面で冷たい。私があんまり好きじゃないタイプ。
「おはよーございまーす」
ななえもななえで、気の抜けたような返事。
私たちがすーっと通り過ぎようとした時、彼がボソッと囁いた。
「こういう牡丹雪の場合はすぐ溶けて積もらないよ」
ななえが私の手を掴んで下駄箱まで走る。
「何あいつ、きっも」
息切れしながら彼女は言う。
私はその時心底気分が良かった。彼女の歪んだ顔を見られたから。追い討ちをかけるように言う。
「雪なんて積もらないよ」
ばーか、と最後に小さな声で付け足した。
親友の心を弄ぶのは、やっぱり楽しい。
長崎県で30年ぶりの大雪が降った日に私は産まれた
母はめったに見たことのない雪に感激したのだろうか、「雪美ちゃんにしよう!」とその場のノリで名前を提案した
けど期日ギリギリに出された出生届は「夏美」
一体大雪の日から2週間の間に何があったのか私は聞かされていない
今降りしきる『雪』よ、雪よ。
凍える彼らを痛めつけないでほしい。
雪、ねぇ。
辺り一面が純白で包まれるなんて、美しい以外に言葉は無いだろう。
はらはらと舞い落ちる雪の花弁が、僕の頬をくすぐる。
それはまるで、惨めな僕を慰めるかのように。
綺麗だね、と想いを交わせる人が隣に居ればいいのだけれども。
どうやら僕のこの心も、空っぽで真っ白みたいだ。
「純白の雪が降る。
降るなら積もってね、汚くなるだけだから。
そんなことを思った私はどんな顔してた?」
今宵の僕には可笑しいくらいに、この曲がお似合いだよ。
〝雪〟
灰色の空から、ひらひらと。舞い降りてくる姿は、白い綿毛のよう。
舞い降りてくるのを見た人は、全員上を見上げてる。
みんなが笑って、微笑んで。舞い降りる所を見上げてる。
積もると危ない、綿毛たち。なのにみんなは、笑ってる。
なんで、みんなは笑ってる?
それは、心のどこかで、子供の頃の記憶が、残っているから。
雪は楽しい。雪は嬉しい。そんな気持ちを、知ってるから。
なーんだ。みんな、子供なんじゃん。大人、大人って言うけどさ、心はみんな、子供だね。
無理して大人になってても、子供のままの、未熟な僕ら。
僕らは、いつも大人ぶってる、大きな子供。雪が降ったら、ちゃんと子供。
遊びたくて、甘えたい、可愛い可愛い、子供たち。
雪って、魔法みたいだね。
白く積もる結晶の下で眠る。その種は、芽吹かせてはならないとされていた。
咲いたところで、祝福されない花の種子。
けれど、誰かが。いや、おまえが春を連れて来たから。雪解けの後に、芽が出たんだ。
もっと降り積もっていたら、迷惑かけないで済んだのかもな。
九州ではほとんど雪は見られません。
だから、雪が降った日は嬉しそうに弟が小学校に行きます。かわいいです。高校生の私はただただ凍えるばかりです笑
石川で雪が降るというニュースを聞いてとても心配です。どうか安全に過ごされてください。
雪が降る。
一瞬で溶けてなくなる。
雪が降る。
雪の上に積み重なる。
子どもの笑い声。屋根の上での雪かき。
スキー場。北極。南極。
待ちわびてる人。
もううんざりな人。
様々に意味づけられる、意味のない雪が降る。
雪がきれいとわらーうのーは
きーみがーいいー♪
でも寒いねってうれしーそうなのもぉ〜。
#7 雪
つい先日まで彼岸花が咲き誇っていたというのに、いつの間にか朝布団から出るのが嫌な季節になってきた。
季節の移り変わりは早いものだな、なんて、詩人みたいなことを考える。
季節は冬。
まだ雪が降るまではいっていないが、そうなるのも時間の問題だろう。
街中の人が皆似たような格好をするこの時期に、彼も例に漏れず長めのコートを着て電車に乗っていた。
窓を右から左へと流れる景色を見ながら、彼は物思いにふけっていた。
昔から、冬という季節が嫌いだった。
苦手なのでは無い、嫌いなのである。
寒いからだとか、乾燥するからだとか、そんなこと彼にはどうでもよかった。
ただ、植物が死んでしまうことが彼にとって残念でならなかった。
春を彩る桜も、夏を賑やかにする向日葵も、秋の風物詩紅葉も、皆冬になれば消えてしまう。
冬の冷たい風に飛ばされ、雪の中に埋まってしま
う。
本当は雪の中に隠れているだけなのに、誰にも気づかれず、見つけられず、ただただ朽ちていく。
それが彼にはとても残酷で、とても残念に思えた。
しかし、そのことに誰か1人が気づいたところで変わるのか。
そんなことは無い。
その1人が桜の花弁を全部掘り返してくれるのか。
その1人が向日葵の花弁を綺麗に元通りにしてくれるのか。
その1人が1度雪に埋まった紅葉を再度綺麗と感じてくれるのか。
否、有り得るはずがない。
そんなことをする人がいるはずない。
そんな、死体に優しくしてくれる人なんて、いるわけないんだ。
まだかな
空を見上げる
今年は逢えないのかな
本当に待ってるのかな
今年の冬は心がぽかぽか温まって
貴方が降ってきたら
すぐに溶けちゃいそうよ
それでも やっぱり
1回は逢いたいな
私の心を
真っ白に染めて欲しいな
雪
雪道を歩く
足跡4つ
ありがとう
来年の雪道は
真ん中に小さな足跡が
増えるといいね
ほらお腹で動いたよ
雪
母は
大雪の日に
わたしを
産んだらしい
いつも
大げさに話すから
ほんとかどうか
分からないけど
雪はきらいではない
なな🐶
2024年1月7日