真っ白な雪に、黒い雫が一粒垂れた。
そんな一粒垂れただけで、その雪は何も変わりはしない。
けれど、真っ白が似合う雪にとっては自分を汚された気分だろう。
次の年、黒く染まった小雨が降った。
以前よりかは量が多いけれど、雪はまた降る。
どうせすぐ誤魔化せる。
そう思った雪は、雪が小雨に染まるのを許してしまった。
また、次の年も。また、次も。
雪は黒い大雨に汚される。
もう間に合わない。隠せない。
取り繕うことさえできなくなる。
汚されても許し、次は以前よりも多く汚される。
寛大なほど、繊細なほど。汚いものに素早く汚される。
私達人間も同じだ。
1/7/2024, 10:29:15 AM