『雨に佇む』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あぁ君も一緒に泣いてくれるのね
私を濡らす雨になんだか気持ちが楽になった
今日はこのまま濡れて帰ろう
雨に佇む、その煙草屋の前。
一人の男が、座ってタバコを吸っていた。
僕は、傘をたたみながら、
(何だこの男は……)
と思った。
煙草を買うために立ち寄った店であるが、軒下に喫煙所が併設されていて、雨が降り込まないようになっている。
悠長なことを言うと、正直目も合わせたくなかったし、話しかけられたくもなかった。
「おい」
なんだよ。おい、って。見ず知らずの人に話しかけるような言葉か?
男は、上はネルのシャツを着ており、下は長いパンツ姿で、見るからに世捨て人といったなりをしていた。
「お兄さん、何吸うの?」
「キャスターっス」
「最近の若いのは、弱いの吸うね」
と、男は紫煙をくゆらせている。
何の益体もない会話だ。と思った。
僕は、これから、ショッピングモールで、買い物をしなくてはならないのに。
「そう」
と、何ともなしに呟く男。
「時代も変わった」
そうして男は去っていった。
煙の匂いは、タールとニコチンの重い洋酒かかった臭い味がした。
空から落ちてくる雫を感じたくて
そのままの私は雨に佇む
ずっと一緒だと思ってた
気づいたら心がなくなっていた
また通じ合えますように
なんて、叶わぬ恋情
こんな日は雨に佇む
「雨に佇む」
サァァァ...
「うわっ、雨降ってきちゃった....」
急いで雨屋(雨宿りする場所)に行くと、知らない男の子がいた。
(珍しいな..)
こう思うのも当然だ。
だってここは、私だけが知ってる秘密の場所なのだから。
「こんにちは」
と、声をかけられる。
「ど、どうも...」
「お姉さんもここ、知ってるの?」
「うん」
そんな会話をしていると、ふと、昔のことを思い出した。
「きりえちゃん!」
そう名前を呼ぶ彼────
あれ?誰だっけ
思い出せない
考え込んでいると、男の子がこう言った。
「忘れて」
その瞬間雨がすっかり止み、空は晴れ渡った。
そうだ、あの子は陽くんだ。
そして陽くんはあの日、雨の日に亡くなった。
ポロッ..
空に虹がかかっても、私の心の雨は止まなかった。
あとがき
天気系の小説2つ目!
この前はHAPPYENDだったんですけど、今回は暗めにしてみました!
「雨の季節」
#雨に佇む
雨の中にいる。ぼーっと突っ立っていたら、腕を引っ張られて、おまえの傘に入れられた。
「なにしてんだよ?」
「あー、いや……頭痛くて…………」
これは、本当。雨は嫌いだ。おまえも知ってる。
心配そうな顔をさせた。申し訳ない。
「ごめん。また、煙に巻こうとしたな」
一呼吸置いて。オレは口を開いた。
「あの日も、こんな雨だったなって」
喪失は、ずっと埋まらない。
雨の気配がするねと言った
そう?わからないなあと彼が言った
だって鼻につんとくる あのアスファルトを濡らす匂いが
そうか知らない人もいるのか…
空も妙に白んでいて
どこか不吉な予感がするというのに
「この匂いだよ ほら… わからないかな」
「わかんないなあ」
「そう…」
数秒の沈黙のあと
「きみはやさしいひとだよ」
彼が言った
「理由」
雨は嫌いだ。
湿度でセットした前髪は崩れるし、メイクのノリだってよくない。お気に入りの靴は濡れるし、気分は最悪。
けれど、放課後の下駄箱で降りしきる雨を眺める私に君が無言で差し出した傘で、それを分け合うように並んで歩いて、少しだけ肩が濡れる君がいて、それだけで雨も悪くないって想う私は単純だろうか。
テーマ「雨に佇む」
止まない雨はない。
病まない雨にさせたのは何処の誰よ?
笑わせんなよ。
雨に佇む貴方を見た。傘を差し出そうと思って近づいた瞬間に分かった。今は貴方に見つからないようにしないと行けない。貴方はきっと見られたくないだろう。見られていることに気がつけばきっと貴方は笑うだろう。
あなたの笑顔は大好きだがきっと私はその顔を見てはいけない、見たくないだろう。
雨の中佇むお地蔵さん
濡れながらも道行く人を優しく見守る
文句も言わず優しくほほえみながら
どんな状況でも揺るぎないその姿を見習いたい
寒い 。
こんなこと呟いても
だれにも届かない
わかってる
わかってる
。
嗚、、、、、
─白い息はきれいだね
これ
だいすきなの
、
もうずっとまえから
雨さえも好きになってたんだ
寒いことも
芯まで濡れてしまうことも
いっそ塗りつぶされるような感覚に
心地よさを感じていたんだ
─
雨の鳴るコンクリに耳を当てれば
心音のようだから。
こうすればきっと 、
『 』
暗い夜道をひとり歩けば
ザァーザァーと
前触れもなく降り出す雨の
意地の悪さよ
僕には雨をしのぐ傘もなければ
屋根もないのに
惨めったらしく濡れろという
意固地になって
地面を叩きつける激しい雨を
失望させてやろうと
だらりと両腕をおろし
不敵な笑みをうかべ佇んでやる
バカめ
お前の意地悪になど
僕が屈するわけなかろうと
お題:雨に佇む
嫉妬
人並みに羨ましいと思う感情がまだ残っていた。
月並みにあの娘がいなかったらなんて……ね。
私の方がもっと上手く愛せるのに。お試し、どう?
馬鹿なこと言ってねぇーで続きやれよ。
雨に佇む
ルンルン今日はどこに出かけようか
買い物して、少し外を散歩もしようか
期待に胸を膨らませてドアを開けたそんな時
ザァーザァー
目の前に広がるは青空とは程遠い雨のカーテン
雨に(阻まれ)佇んだそんな経験ありませんか?
物心ついた頃、と言うのだろうか、
もとより、雨の日は嫌いじゃなかった。
降り始めの土の匂いと、
アスファルトから立ちのぼる熱気が、
何故か懐かしい気分をわき上がらせる。
特にお気に入りなのは遠くに見える山並みだ。
薄い雲が山頂からまっ逆さまにくだって、
霧のベールに包まれた山々は、
まるで水墨画みたいに見える。
なんて幻想的。
ずっと見ていたい。
天から注ぐ水のカーテンが少しの間、
現実から私の姿を隠してくれる。
まだ、やまないで欲しい。
そう願ってしまうくらいには、
雨の日は嫌いじゃない。
▼雨に佇む
秋めいてきてるのにまだまだ暑い💦
雨に佇む
雨が上がったあとの独特の匂い
さっきまでは気づかなかった
水たまりにキラキラ反射した空
雨上がりの余韻
結構ワクワクして好きだな
non
涙を、見せたくないから
見上げた空が、泣いてるんだもんな。
雨に佇んで
雨に涙をまぜて
雨は土に還っていく。
いつか
芽が出て
花を咲かせて。
優しい雨に佇む。
あの日もこんな雨だった。
晴れていればその煙は龍の様に登って行けただろうに。
数時間経って対面した彼女はもう姿形は何も残っていなかった。あるのは燃え残った骨ばかり。
顔のあたりの小さい骨をツンと指で突いてみる。良かった...壊れなかった。それを指で摘みポッケに隠した。
親族の居なかった彼女の骨は職場の私たちが集めて骨壷に入れた。それを親代わりの上司が大事に抱えた。
こんな事ならさっさとプロポーズして自衛隊だなんてそんな危険な仕事を辞めさせておけば良かった。
10年、ずっとすきだった。何故言葉にしてこなかったのだろう。触れたかった。愛していた。
外に出て空を見上げる。
『ずーっとだいすき』
雨に髪や肩を濡らしながら振り向きざまに言った、彼女の顔が思い出される。
何故直ぐに返事をしなかったのか。いいレストランで、いいシュチュエーションで、なんて変なプライドは捨てて、その場の感情でただ答えればよかったのに。
ポツポツと顔に降り注ぐ粒に隠れる様にしながら涙を流して、ポッケにある彼女のカケラを飲み込んだ。
#雨に佇む