サァァァ...
「うわっ、雨降ってきちゃった....」
急いで雨屋(雨宿りする場所)に行くと、知らない男の子がいた。
(珍しいな..)
こう思うのも当然だ。
だってここは、私だけが知ってる秘密の場所なのだから。
「こんにちは」
と、声をかけられる。
「ど、どうも...」
「お姉さんもここ、知ってるの?」
「うん」
そんな会話をしていると、ふと、昔のことを思い出した。
「きりえちゃん!」
そう名前を呼ぶ彼────
あれ?誰だっけ
思い出せない
考え込んでいると、男の子がこう言った。
「忘れて」
その瞬間雨がすっかり止み、空は晴れ渡った。
そうだ、あの子は陽くんだ。
そして陽くんはあの日、雨の日に亡くなった。
ポロッ..
空に虹がかかっても、私の心の雨は止まなかった。
あとがき
天気系の小説2つ目!
この前はHAPPYENDだったんですけど、今回は暗めにしてみました!
「雨の季節」
#雨に佇む
8/27/2023, 10:10:37 AM