『開けないLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
画面に表示されているLINEの通知
─何時くらいに帰ってくる?
何気ない日常の会話。いつもの確認。
あなたの携帯に届いた、私からの連絡。
私の愛しい人は昨日仕事からの帰り道に事故にあって今は病院のICUにいる。
これがあなたにとって私からの最後の言葉になんてしないでよ。
「開けないLINE」
私をのぞいてみんな開けているようだ
どうしよう…バレてしまう
授業が始まる前にこれからクラスメイトとなる皆と少しだけ話したが誰も私より知識があるとは思えなかった
一人は「何もしてないのに動かなくなる」と
もう一人は「寂しかったから」と
最後の一人は「腰痛で毎日つらい」と愚痴をこぼしていた
そんな人達だったからつい自分は充実したスマホライフを送っていると吹聴してしまった
それなのに…
様子のおかしい私に気付き頬に大きな傷がある教官が近付いてくる
私は頭が真っ白になりスマホ教室を飛び出した
開けないLINE
開けないLINE…だって、それは、君からの別れ話だと察してるから…だから、わざと開かないで、君が別れたくなくなれば良いと思った。君は、何時だって、我儘で、自分勝手で…正直良い所なんて一つも無いのに、だけどそれでも、そんな君が大好きだった…ぶっきらぼうで、不器用で、想いを伝えるのも下手な人だったなぁ…ヤバい…そんな事ばかり考えてたから思わず涙が…開けないLINE…ううん、違う、もう開かなきゃ…そう、私も、君とお別れしなきゃ…サヨナラ、ホントは、きっと、ずっと大好きだった…もし、もっと、君と長く付き合えてたから、君の好きな所とか、沢山探せたのかな…
君からのLINEはすぐに開けない
君が好きだから
君の反応が気になる
私の反応でどんな反応してくれているのか
気になってしまう
君からのLINEはすぐ見たいけど
すぐ見たらキモいって思われるかななんて考えて
開けないLINE
キモいかななんて考え無しに
いつかLINEをすぐ返せたらいいな
─────『開けないLINE』
「開けないLINE」
お風呂掃除と
洗濯やっといて
あと卵と牛乳も買ってきて
よし、一旦気付かなかったことにしよう
LINEを開けたらいつも通知が1だけ残ってる。
その1は彼からのLINE。
きっと別れ話なんだろうなぁ…
そう思って何かと見れてない。
もうすぐで付き合って5ヶ月。
私たちは記念日にお祝いなんてする派じゃないんだけど、4ヶ月の時は彼がサプライズケーキを作ってくれた。不器用な彼の初めての手作りプレゼント。あの時は嬉しかったなぁ…最後に会ったのいつだっけ?もう…私たちも終わりなのかなぁ…
勇気をだしてLINEを開けてみる。そこには
『僕と結婚してください』
そんなこと、LINEで伝えんなよバカ…
彼からの不器用なプロポーズだった。
#66 開けないLINE
日常生活に溶け込んだLINE。
中には、電話番号の検索や友だち追加など、プライバシーを気にして設定をいじっている人もいることだろう。
これから話に出てくる男もそうだった。
こんな話がある。
LINEの通知音が鳴り、
男は自分のスマホを手に取った。
「ん?なんだこれ」
表示されていた名前は、見たことのないもの。
本文は、何故か表示されていない。
男の交友関係は、家族、少数の友人など最低限なもので、仕事関係の相手には社用のスマホがあり、そちらを使用している。
つまり、不審な人物からトークが届いたのである。
何も操作しなかったため、やがて画面は暗くなった。
(もしかして、これが…)
友人との酒の席で聞いた、都市伝説のような話。
全くの与太話だろうと本気にしていなかったが。
暗いままの画面をじっと見つめたまま、途方に暮れていると。
「うわ!」
軽快な音と共に、スマホの画面にはLINEからの通知が表示された。送信元は-
同じ相手。今度も本文なし。
とりあえず、このままトーク画面を開くのはマズいと思い、通知からではなく、ホーム画面からLINEを起動させる。
友だち追加したのに忘れていたか、相手が名前を変えたのに気づかなかっただけで知り合いかもしれない。
自分の交友関係の狭さには目を瞑り、そんな一縷の望みをかけて友だちリストを見ていく。
名前は-
なかった。
「ねえ、開けないの?」
---
あけないの?ひらけないの?どっちなの?
悩んだ結果のホラー風味。もちろん、フィクション。
夜中に投稿するつもりが寝落ちしました。残念。
#開けないLINE
怖くて開けない友達とのLINE。
開いたらなんて書いてあるか。
今日で49件目。
そろそろ見ないと、
私はゆっくりとLINEを開いた。
━━━━━━━『友達やめよ』
手放すものが
どれほどかけがえがないものかは
充分に解っていたから
喪失感は
予測もし
覚悟もしていたけれど
どれだけ時を経ても
燦然と煌めき続ける
あなたとの想い出の前では
いつまでも
立ち尽くしてしまう
時に流されない
想いの強さが
また
新たな哀しみとなる
☆ 新たな哀しみ (264)
何故だろうかわからない。
昔から終わるのは突然だと言われているが突然すぎる。
通知では長文かつ不穏な文面。
確かにうだつの上がらない自分が悪いのだろう。
楽しい思い出や
にやける思い出や
もういいかなって自暴自棄になる思いとの葛藤。
いろんな考えを逡巡させながらやっとLINEを開いた。
【開けないLINE】
LINEの一番上にピン留めした、兄とのトークルーム。疲れた身体を引きずって狭い自室に戻るたびにうっかり開きそうになるのを、必死に自制する。
日本を出る前、最後に交わした会話は、売り言葉に買い言葉みたいな激しい喧嘩だった。唯一の生きた肉親である兄は、私のことを自分の娘みたいに思ってる。たいして年齢も変わらないのに歳上ぶって、ちゃんと大学を出なさいなんて真っ当なお説教をしてくる兄のことが気に入らなくて、大嫌いと怒鳴りつけて家を飛び出してしまった。
そのまま仲良くなったパティシエに電話して、兄の許可も得ずに海外へと渡ってしまったのだから、「疲れた」なんて愚痴をLINEで吐くわけには絶対にいかなかった。師匠が兄に連絡はこまめに入れているから、兄だって私が連絡をしなくても余計な心配はしていないはずだ。
兄に連絡するのは、私が一人前のパティシエになれたとき。いつか、私が作ったケーキを兄に食べてもらう。そうして「美味しい」って笑わせてみせるんだ。
師匠からお墨付きをもらうまでは、このLINEは開かない。その決意を固め直して、私はレシピノートを確認し始めた。
未読なら、まだ助かる。
既読と知られては、不利だ。
トークを長押しして、プレビューだけ覗いて、
あとは何が起こっても知らないふりをする。
そうやって逃げてきた。
もう、開けない。
明日ひま?
それだけじゃ
あなたのLINEは開けない
空のカレンダーは
あなたと会うために空いてるわけじゃない
//開けないLINE
今日の感情。曇り時々雨。
理不尽が嫌だった。ないがしろにされた自分がかなしい。
一日だけで、たくさんのもやもやが溜まる。
じゃあもういっそ、吐き出してしまおう。
誰かに愚痴るのもいいけれど。
いっぱいになる前に、くしゃくしゃでいいから。
こころの、お掃除をしよう。
そしていつか振り返って、こんな日もあったと笑えるように。
飛行機にして飛ばして。
振り返らず、その時まで前へ。
「開けないLINE」
(僕視点)
僕は今、猛烈に焦っていた。
とにかく、誰かに連絡しなきゃ。
さっき電話してみたけど、電波が悪いせいか繋がらなかった。
連絡手段……。
「…!LINEは!?」
開こうとしても開けない。
開けないというよりか、送れない、の方が正しいかもしれないが。
友達、家族など、送ろうとしても圏外で送れない。
僕は遂に、街で1人ぼっちになってしまった。
(親視点)
ああ。
まだ死にたくない。
なのに、迫り来る波から逃げられそうにない。
つい先程、この街を大地震が襲ったのだ。
あの子はまだ学校にいるはずだ。
ちゃんと避難できたかしら。
私は、あの子の1人の親だ。
もう何年か前に旦那とは離婚した。
だから、あの子は私の一人息子。
大切な、たった1人の私の子。
そんな子が、末永く幸せに生きられる事を祈ります。
私は、多分逃げられない。
せめて、どうか幸せで。
(僕視点)
友達とも連絡つかない。
僕はつい先程まで、友達と一緒に避難していた。
だが、はぐれてしまった。
連絡手段を探しているうちに、僕は恐らく、街で一番高いところに着いた。
だが、津波というのはとても高いもので。
僕はあっという間に波に飲まれた。
母さん、ごめんなさい。
僕は、生きれそうにありません。
貴女から紡いだ命をこんな形で無駄にしてしまった。
貴女が許してくれるのならば、また来世も、貴女の子供でありたい。
そう切に願った。
開けないLINEを、今日も君は見ている。
その開けないLINEは、最近別れてしまった彼女とのLINE。
開けようか、開けまいかスマホを持つたびに考えているけれど、私は、開いた方が良いと思うよ。
だって、毎日ほとんど気にしているから。
お風呂のときも、寝る前も、ゆっくりグダグダしてるいるときもずっときにしているから。
そんな君を見ていると、何だが私が悲しくなってなってくる。小さい頃からずっと見てきたから。だから悲しくなるのだろうか。
彼女のLINEは、決して悪い事を綴ってあるわけじゃなくて、どちらかといえば、君に感謝している。
だから早く、彼女の気持ちを受け取ってあげて…。
……こんなことを私が思っているなんて、君は気づいていない。
小さい頃に出逢って、それ以来大切にしてくれている君。
私は言葉は喋れないし、伝えることは出来ないけれど、こうして君と別れが来るまでは見守り続けているよ。
私、私こと、「新幹線のおもちゃ」がね。
よぉ、長谷川どうしたの?
スマホ、調子悪かったから機種変。
へぇ、何がダメだったの?
LINEが開けない。
そっかぁ、LINE無いと今や何にも出来ないもんなぁ。
どれくらいダメだったの?
三日? あちゃー、大事な連絡とか来てんじゃないのか?
あ、でも週末挟んでの三日・・・
遊びの誘いとかあったかもよ。
ちょっと、見せて見せて。
いいよ? ありがとう。
ああ、起動に時間かかるもんなぁ。
しかし、あれだ。週末といやぁ、山岡が作ったグループLINEで結構みんな書いてたなぁ。
え? 知らない。
・・・
ああ、あれはまだ入ってないかぁ。
今度、招待しとくよ。
でも、ほらサトミが作ったグループLINEで来月皆でキャンプ行こうって・・・・
それも入ってないのかぁ。サトミから直接連絡あるかもだよ、うん。
ま、ほら開けてみ、三日もあれば沢山連絡来てるはずだからさ
・・・
・・・
・・・
よかったぁ。ミホコ? 女の子から連絡きてんじゃん。
え? 彼女? なんだ長谷川やるじゃん。
うん?
さようなら
ああ、うん、連絡してみ、そしたら、うん大丈夫だと思うから。
うん、それじゃあ、俺いくよ。
なんかゴメン。
・・・・
・・・・
俺、アイツのLINE送ったことあったっけ?
あれ?
そもそも、アイツのLINE知ってたっけ?
・・・
・・・
縁は切れる
自分でそう選択しても、相手がそう選択しても
SNSは繋がりを簡単に、広く、大きくするけど
同時に崩れるスピードもより早く、簡単になった
今画面にしがみついて必死に返信している相手は、私にとってどんな存在なのだろう?
表情も声も伝わらないこの一言で、はたしてその人の心の中までもを図れるのか?
"怖い"
それは本当の意味で繋がれない場所で繋がろうとするからだ
簡単だよ
開かなくてもいい
縁を切るか、会いに行く、ただそれだけ
-開けないLINE-
毎日欠かさず
送り合ったLINE
いつしか気持ちがすれ違って
しまったけど
それでもLINEだけは
欠かさなかったね
結局もう何もかも
終わりにしたその日
あなたとの思い出のやり取りは
全て消去してしまったな
だってね未練がありすぎて
また連絡してしまいそうだったから
これ以上嫌われたくなかったんだ
開かなくした私の最大の
強がり
誰かから一通のLINEが届いた。
"仲川すみれ『久しぶり 今週会える?』"
見覚えのない名前だった。
が、下の名前には見覚えがあった。
結婚したのか?あいつ
あいつとは"伊藤すみれ"のことだ。
伊藤すみれとは高校生活をほぼ一緒に過ごした。
だが、高校3年の秋、些細なことから始まった喧嘩がどんどん大きくなっていた。それからあいつとは疎遠になっていた。
高校卒業から6年経った今、何を話すのだろう。
今週は空いている日が多いが、なんて返そうか。
そんなことを考えている間に2時間が経ってしまった。