#66 開けないLINE
日常生活に溶け込んだLINE。
中には、電話番号の検索や友だち追加など、プライバシーを気にして設定をいじっている人もいることだろう。
これから話に出てくる男もそうだった。
こんな話がある。
LINEの通知音が鳴り、
男は自分のスマホを手に取った。
「ん?なんだこれ」
表示されていた名前は、見たことのないもの。
本文は、何故か表示されていない。
男の交友関係は、家族、少数の友人など最低限なもので、仕事関係の相手には社用のスマホがあり、そちらを使用している。
つまり、不審な人物からトークが届いたのである。
何も操作しなかったため、やがて画面は暗くなった。
(もしかして、これが…)
友人との酒の席で聞いた、都市伝説のような話。
全くの与太話だろうと本気にしていなかったが。
暗いままの画面をじっと見つめたまま、途方に暮れていると。
「うわ!」
軽快な音と共に、スマホの画面にはLINEからの通知が表示された。送信元は-
同じ相手。今度も本文なし。
とりあえず、このままトーク画面を開くのはマズいと思い、通知からではなく、ホーム画面からLINEを起動させる。
友だち追加したのに忘れていたか、相手が名前を変えたのに気づかなかっただけで知り合いかもしれない。
自分の交友関係の狭さには目を瞑り、そんな一縷の望みをかけて友だちリストを見ていく。
名前は-
なかった。
「ねえ、開けないの?」
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あけないの?ひらけないの?どっちなの?
悩んだ結果のホラー風味。もちろん、フィクション。
夜中に投稿するつもりが寝落ちしました。残念。
9/1/2023, 10:46:48 PM