『開けないLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
貴方が好きで、好きで。
でも苦しくて。
【 開けないLINE 】
貴方を好きになって
付き合って、愛し合って。
今まで知らなかった貴方を知って、
今まで知らなかった私を知って。
感情に振り回されて、冷静になれなくて
好きなのに、付き合えたのに。
なんでこんなにも苦しいんだろう。
終わらせたくなって、LINEを送った。
案外返事はすぐにきたが、開けそうにもない。
終わりたいけど、終わりたくない。
貴方が好きで、好きで。
でも苦しくて。
でも、
好きだから。
スマホ新しいのに代えたらLINE開けないんじゃ。怒
他のアプリは開けるん?
他にもいくつか届かん。
届かんって何?
親指が攣りそうな位がんばっても無理。
知らんがなー!
ちな、ホームをダブルタップか、左右へスワイプしてみ。
ほーん、これ大技林か?
ピコン
LINEが鳴った。
「誰からだろう」
そう思って差出人を見た。
「…」
元カレだった。
彼とは酷い別れ方をしてから会う事も話す事もなかった。
だから悪いとは思いつつも開かないでいようと思った。
(これで良い。今の私には守りたいものがもうあるんだから…)
開けないLINE
全てをシャットアウトしているときは
私のLINEもいつまでも既読にならない。
『ママのLINEはピン留めしていて、通知が
来たらすぐ見るよ』って言っていたのに。
同じ屋根の下、届かないはずもないのに。
トーク画面には右側に寄った文字が並ぶ。
あの子からのLINE
開けない
開きたくない
だって、ケンカしちゃったんたもん
なんて書いてあるのか見るの怖いし
絶交!とか書かれていたら
マジで落ち込む·····
でもスルーもよくないよね
もちろん既読スルーも
思い切って開いてみた
·····あっ、·····
そこには一言ごめんねって書いてあった
こんなにグチグチ悩んでた私より
やっぱりあの子は潔くてカッコイイ!
あぁ、やっぱりあの子と親友でよかった!
私の方こそ、謝らないといけないのに
すぐに私の方こそごめんなさいってLINEしたよ
明日からはまたいつも通りの仲良くできるかな
心の中がモヤモヤしてたけど、今は顔がニヤニヤしちゃう
やっぱり友達っていいよね
····················そんな友達欲しかったなぁという妄想
『開けないLINE』
あなたから送られてきた最後のメッセージ。
私はどうしてもそれを開くことが出来ない。
書いてある文章は知っている。LINEのメッセージ一覧に、たった一言表示されているから。
だけど、未だに既読をつけることが出来ないでいる。
もし開いてしまったら、未読1の表示はもう二度とつくことがないのが分かっているから。
もし。
このメッセージをあなたの訃報を聞く前に開いていたら、私はこの開けないLINEで悩むことはなかったかもしれない。
多くの人からメッセージが来るたびに、あなたのトークは下へ下へといく。
沢山の公式LINEのメッセージにうんざりして、一斉に既読をつけたかったけどもしそれをしたらあなたのLINEに既読をつけてしまう。
だから膨大な公式LINEのメッセージも、一つ一つトーク画面を開いていき既読をつけていくのだ。
いつか既読をつける日が来るとしたら、それはあなたのことをいい思い出に出来たときです。
せめてそれまでは、まだ未読のままでいさせてください。
創作 2023/09/02
開けないLINE
LINEのパスワードを忘れてしまった。
高校時代の思い出が淡い六つの数字によってつなぎ止められていた。
パスワードを入力しようとして、辞める。
開けなくなったLINEの中、あの日の僕らはそこにあった。何ひとつが失われずにそこにあったのだ。
『漂流する言葉』
離島の海岸 尊い生命が海月になった 海獣たちは不可思議に離島の周りを連なり泳ぐ これは弔いなのだろうか? 言葉では無い何かによって 生命が浮遊するのを目の当たりにした
朝起きて、目をすこし擦って、ベッドのなかに入ったまま君におはようのLINEを入れる。
これが僕のモーニングルーティーン。
‥‥‥5年前まではね、、
いまの僕の朝はもうきっと動きはしないきみとのLINEをぼーっと時間の限り眺めているだけ。
何度おはようって送っても返ってこない。
何度なにしてるの?って送っても返ってこない。
そりゃそーだよな、
君は僕より先に遠くのほしに行ってしまったんだから、、
何度も夢だって信じたかった。
でも、LINEを見てしまうと現実に引き戻されて、
君が居なくなってから僕のこの世界は色が無くなった。。
ただ毎日返信がこない開かれてないLINEを見ているだけ。
きみに会いたい。。。
LINEだけでも開いてくれたらな~、、
開けないLINE
もう逢わない。
もう連絡しない。
もうおしまい。
そう思って、彼を友だちから削除した。
いやもう、いっそLINEアプリごと削除してやった。
元々スマホとか疎いし
友達だってそんなにいない。
最悪SMSと電話さえあれば大丈夫。
大丈夫。
大丈夫。
大丈夫。
大丈夫じゃなかった。
なんで友だち消したんだ。
なんでLINEアプリごと消すなんてしたんだ。
なんで
なんで・・・
結局後悔しながら、しぶしぶLINEアプリを入れ直した。
画面はログインから始まる。
アプリを消しただけではアカウントは消えないみたいだから
再度ログインする。
「バックアップを復元しますか?」
とりあえず言われるがまま「復元する」を押したら
彼の名前が現れた。
最終バックアップ日:20××年〇月×日
あの日、だった。
そのまま彼とのトーク画面を開いたのは言うまでもない。
今なお鳴り続ける通知音が恐ろしくて、
思わず枕の下に埋めた。
とっさにマナーモードにしたのは我ながら
偉かったが、くぐもった音を響かせながら
震える枕はどことなく生き物じみてしまって、
なんだか余計に怖い感じに仕上がっている。
どうしよう。
どうしよう。
鼻の奥がまたツンと痛くなり、
目元が熱くなるのがわかった。
焦る気持ちを震える枕が余計に煽ってくる。
きっと彼はここにやって来てしまう。
なんて言い訳する?
邪魔をするつもりはなかったのだ。
まさか幼馴染と先輩があんな所に
2人でいるとは思わなかったのだ。
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彼の想いに気づいたのはいつだっただろうか。
直接聞いたわけではない。
ただ、ふと気づけば無意識に彼を見つめて
しまっていた私は、ある時、彼が見つめる
視線の先に、先輩がいる事に気づいてしまった。
彼を見つめる私と、先輩を見つめる彼。
隣にいても私達の目線は交わらないんだな、
とストンと納得してしまえて、当時ちょっと
寂しかったことを覚えている。
小さな頃から少しずつ温めていた想いは、
告げる前に行き場を無くしてしまった。
ならばせめて彼の良き友人でありたいと、
その時から本当にそう思ってきたのだ。
なので言い訳させてもらうと、
彼らにとっても不意打ちだっただろうが、
私にとってもとんだ不意打ちだったのだ。
そうでなければいつもの様に、
ちょっと抜けてるが明るい愉快な幼馴染として、
挨拶したり、見守ったり、その場を迂回したり
できたはずなのだ。
わざとではない。
その証拠に、なんの心の準備もないまま
笑い合う2人を見つけてしまった私は、
『いつもの幼馴染』を取り出すのが
遅くなってしまったのだから。
自分と自分の想い人の目の前に
中庭の木々の間から唐突に現れた幼馴染が、
動揺を隠せない様子で後退り、
手で掻き分けていた梢の間に
無言で戻っていこうとする様は
確かにあまりにも不審だっただろう。
自分が逆の立場であっても心配するし、
なんならちょっと怖い。
驚いたのだろう、呆けていた彼はハッと
正気に戻ると、私を見て一瞬軽く目を
見張った様な気がした。
気がした、というのは私が勢いよく
背を向けたのとほぼ同時だったから。
そして私は何のフォローもする事なく、
彼が呼び止める声を必死で振り切って
逃げ帰ってきたのだ。
背を向けて走り出す前の、下がった眉を、
滲む目元を、誤魔化す様に笑おうとして
失敗してしまった歪み震える口元を、
見られていません様にと強く願いながら。
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どうしよう。
どうしよう。
母さんはきっといつもの様に彼を
通してしまうだろう。
震える手でおそるおそる枕を宥めてみる。
まだ枕は鳴き止まない。
分かっているのだ。
彼はただただ心配してくれているのだと。
怒っているわけじゃない。
なんの含みもなく、大分様子のおかしい友人を
気にかけ、連絡を取ろうとしてくれているのだ。
いつだって善良な人だから。
そしておそらく、彼はこのままここへ
乗り込んでくるだろう。
「……にっ、逃げなきゃ」
心配をかけっぱなしの上、何の解決にも
なっていないが、とにかく一度落ち着いて
対策を考える時間が欲しかった。
目元をグシグシと擦り、振り切る様に
ガバリと勢いよく立ち上がり、枕の下に
手を差し入れたのと同時だったと思う。
『ピンポーン』
いつのまにか枕は鳴きやんでいた。
『開けないLINE』
君からのことば
君の指先で飛ばされたメッセージ
冗談みたいにまっすぐな言葉だったんだろうな
受け取りたくて
何度も試してみるけど
液晶にはメッセージの内容が表示されない
圏外に来てはじめて大切さに気づく
もう遅いよなあ
君はきっと今も
あのときみたいな色彩を帯びた笑顔で
誰かの心に花を咲かせているんだろう
ありがとう大好きだったよ
「開けないLINE」
お題/開けないLINE
通知がひとつ。ずっと、ずっと残っている通知。何度も、何度も、何度も。見ようとして。
受け止めようとして。
そのたび、
失敗した。
これに既読をつけてしまえば、あなたはもう帰ってこない。
わたしはまだ、その線がひけないの。
〖開けないLINE〗
あなたからのLINE
〔好きだよ 本当に 〕
既読つくのが嬉しくて 返信待つ間も楽しくて
時間が経つのは早く感じた
誰にでも優しいあなたを想うのは楽しいのに
辛かった
ずっと開きっぱなしになってたあなたとのLINEは
もう開かない 開けない 開いてしまうと
あなたへの想いが溢れてしまう
これ以上泣きたくない
だから 関係を断ちます
あなたは本当に《嘘つき》だね
そんなあなたが大好きでした。
友達とのLINEが開けない。
メッセージが来てないから開かないのは当たり前かもしれないけど自分からLINEを送ることもない。
不登校だと友達とも会わないしLINEもしなくなるしみんなの輪の中に入れないし自分がどうすればいいのか分からなくなる。
でもLINEを開いてメッセージを送ると変わるのかもしれない。
勇気をだしてLINEを開こう
また画面をギュッと押した
心もギュッとして
小さな存在を消すように
そう、私は卑怯者
#開けないLINE
画面の上から通知が降ってくる。
誰からかと思えば、この頃心配していた彼からの連絡だった。
『じゃあね』
その一言になんとも言えない喉の苦しさと、ぬるい汗、じわりと起こる鳥肌。
いつからかよく一緒にいるようになって、沈黙も気まずくなかった。
居なくなったのか。
自分と同じ人間のような気がして居たから分かる。
最後に会った彼は気丈に振る舞いながらも、目に生気を感じられなかったことがとてもひっかかっていた。
一粒の乾いた涙に自らの感情は溶けていった。
追うか、止まるか、今は決めきれない。
開けないLINE
君におくったLINE
返事が怖くて
見たくない
一方通行で、嫌われてるだろうなぁ
それとも、面白がって思ってないことが
返ってくるんだろうか
何も考えたくない
そんな悶々とした状態に
ピリオドを打つ通知音
……
頭ではわかってるのに
手が、目が、拒否してる
謎の自問自答で
未だに、開けないLINE
「開けないLINE」
約束事のある前日の
あなたからのLINEは
こわくて開けない。
だから最悪の状況を想像して
これ以上傷つかない準備をととのえてから
部屋で独りになってから開く。
『あした、映画のあと
何か予定はありますか?』
こんなふうに文字のひとつひとつを
ゆっくりとなぞるようにみて
貰ったことばをだいじにだいじにしてるなんて
あなたには想像もつかないかもしれないけど。
電話みたいに
文字を頬にあてるなんて
決して見せられない姿だけど。
………………
映画に誘ってみたけれど
彼女は義理で来てくれるんだろうか。
『映画?いいですね!』の短いLINEを
何度ながめたか。
あの笑顔で打ってくれたのだろうか。
できればその後も食事をしながら
感想を語り合いたい。
だけど予定があるのかもしれない。
僕とは映画だけのつもりかもしれない。
なんと書けば
なんといえば
なんと書き始めたら
なんと……ああどうしよう。
『あした、映画のあと
何か予定はありますか?』
ようやく送信したLINEなのに
彼女からはなかなか返信が来ない。
映画だけのつもりだったか。
僕とは隣りにいるのは三時間が限度か。
映画館では話さなくてもいいから
OKしたのだろうか。
押し付けがましい文章だったか。
下心があるようにとらえられたか。
返信が届いた。
こわくて開けないLINE
ようやく意を決して開いてみると
『1日中、予定はあけてあります。
まずは食事をしながら
感想を語り合うのは
どうですか?』
ああ 神様!
この世に神様はたしかに存在する!!
まずは と書かれてある。
このことばがこんなに重いとは。
僕は画面を胸に当ててから
返信を書き始めた。
「開けないLINE」
開けないLINE
明日の夜、どうかな?
この前言ってた店、予約取れたんだけど。
あの人からだ。LINEの通知に心臓が跳ねる。
落ち着いて。でもどうしよう。
通知で読んだから、既読になってない。
既読になったら、スルーなんてできない。
……迷ってるなんて、嘘。だって気になってる。
ぐらぐらしてるわたし。
甘くて、苦い予感。