『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鐘の音
人生最後の夏休み。新幹線と電車を乗り継ぎ、非現実をやや感じながら、君と並んで歩いている。最高気温を更新した今日、私は恥ずかしさと暑さで手を繋ごうと誘わない事にした。少し寂しいけど仕方がない。それでも、自販機で買ったペットボトルを君が居るのとは逆の手で持っている。癖というか日々の習慣は状況が変わってもそのままだったりする。
「貴方は何のためにこんな事を?」
何のためか?それはねーーー。
『ねぇ、死にたくない?』
俺が尋ねると、誰もが頷いた。だから俺は、そんな彼らを終わりへと導いてあげる。俺は今日も、0時の鐘が鳴ると共に、眠れない人達を眠らせに行く。
マンションの十二階。そこの一室のベランダに、一人の男の子が居た。俺は彼に話しかけた。
『ねぇ、死にたいの?』
彼は驚いたようだ。なんせ俺は浮いているのだから。
「もしかして、噂の悪魔さんですか?」
『そうだよ。俺って有名人?』
「ええ。病んでる子を次々と死へと送っているとか。」
彼は嫌味ったらしく言った。何でだろう。俺は彼が苦手かもしれない。
「それで、俺に何のようですか?」
『分かってるでしょ。君を死へと誘いに来たって。』
「その行為に何のメリットが?貴方は何のためにこんな事を?」
この言葉で確信した。俺は彼が嫌いだ。全てを見透かされる気がして、気持ち悪くなる。
「貴方は何を欲しているんですか?」
『友達。俺は友達が欲しい。』
俺がまだ生きていた頃。俺は生まれつきの病で、外に出る事がなかった。窓から見える、走り回る子達に憧れた。そして、俺は神様を憎んだ。俺は何も悪くないのに、何で俺がこんな目に合うんだ。俺は自分が死ぬ時まで、ずっと恨み言を言い続けた。きっとだからだ。死んだ後に悪魔になったのは。死のうとしている子を死へと誘うのは、只一緒に走りたかっただけなんだ。
「その子達は、友達になってくれましたか?」
『皆、成仏してしまうから。友達にはなれない。』
「では、俺が友達になります。」
『嘘だ。君もどうせ、俺を置いていく。』
「大丈夫です。神への恨み言には自信があるので。」
『どういう事?』
「俺、もうすぐ死ぬんです。不治の病で。」
『じゃあ、俺を置いてかない?ずっと友達で居てくれる?』
「はい。俺はずっと貴方の友達です。」
彼は約束してくれた。ずっと友達で居ると。俺は泣いてしまった。そんな俺を彼は、優しく笑ってくれた。
彼が死ぬまで暇なので、俺は今まで通り死にたい人に会いに行く。でも、今度はちゃんと話を聞く事にした。少しでも、幸せになって欲しいから。0時を告げる鐘が鳴る。
『寝てない悪い子、だ~れだ。』
鐘の音
いつも聞いていた。あの時間になっても鳴らない。
おかしいぞ?神父様に聞いてみよう。
なぜ今日は鳴らないのですか?
“今日はもう、鳴りましたよ。”
なぜ、、、あぁ!!
聞こえないということを隠していたのに。
自分からバラしてしまったじゃないか!!
鐘のなる音がする。気になるなぁ。音だけを頼りに耳を澄ましながらその音が鳴る方へ歩いて近づいて行く。
段々と音が近くなってきた、そうしてやっとたどり着いたその先には鐘の音に合わせてシャンシャンと鈴を鳴らしながら踊る女の子が居たのだ。
ただ、不思議と怖く感じることもなく何故だろう懐かしい。ずっと聴いて観ていたいようなそんな感覚そうしているうちに音は止み女の子がこちらに気づいたようで礼をしてこちらに向かってきた。
「毎年夏にこうやって鐘の音に合わせて踊るのです」
そう言って女の子は家の中へと戻っていった。
あの鐘の音が鳴ったら
目が覚めて
夢から醒めて
木が変わったから気が変わったのだと
そう言って
笑って終わりにしましょう
独り言です
教会の鐘の音が、うるさいくらいに鳴り響く。
私を追い立てるように、街のどこへ逃げても鳴り止まない鐘が恐ろしかった。
罪から逃れるように、走って、走って、走っても、行き着くところは行き止まりで、恐怖で叫びだしそうだった。
けれど、どこか冷静に、いっそ罪を受け入れ罰を受けたら楽になれるのだろうか、とも考えていた。
いつの間にか鐘の音は止み、自分の荒い息遣いだけが聞こえていた。
除夜の鐘が鳴り響く。
その様子を家のテレビで見ている私は、ふと元恋人のことを思い出していた。
相手とはかなり良好の関係だったが、私たちそれぞれが属している家系の仲がそれはまあ悪かった。
お互いに諦めず両親達を説得したが、より上の家系までもが突っ込んで来る事態となってしまったのだ。まあ過ぎたことのためその辺はどうでもいい。私はゆっくりと目を閉じて過去に思いを馳せる。
ふと目が合えば微笑んでくれる姿。
ボーン。
美味しいものを口いっぱいに頬張る姿。
ボーン。
映画でボロ泣きしている姿。
ボーン。
……別れる日の後ろ姿。
除夜の鐘というのは煩悩≒欲を捨てて新しい年を迎えよう、という行事である。
だが、私はこれをいつか忘れて、捨ててしまうのだろうか。
ボーン。
最後の鐘が鳴る。
如月 夜央(キサラギ ヨオ)
19歳。大学生。
カフェの店員。
咲人と仲が良い。
深澤 辰哉
28歳。会社員。
これでも課長。
夜央に思いを寄せている。
佐久間 大介
28歳。会社員。
珍しい一夫多妻制。(笑)
渡辺 翔太
28歳。会社員。
涼太と幼馴染み。
亮平に密かに想いを寄せている。
宮舘 涼太
28歳。カフェの店長。
翔太と幼馴染み。
密かに照に想いを寄せている。
岩本 照
27歳。会社員。
チームのリーダー的存在?
涼太に想いを寄せている。
阿部 亮平
27歳。会社員。
高学歴。完璧。
翔太に想いを寄せている。
向井 康二
26歳。カフェの店員。
唯一の関西人。
蓮大好き。(笑)
目黒 蓮
24歳。会社員。
割とバカ。
意外に康二大好き。(笑)
ラウール
17歳。高校生。
絶賛バイト中。
咲人大好き。(笑)
伊澄 咲人(イズミ サキト)
19歳。大学生。
カフェの店員。
夜央と仲が良い。
如月朝央(キサラギ ソオ)
28歳。社長。
夜央の兄。
薫と一緒にいる。
佐伯 薫(サエキ カオル)
28歳。秘書。
夜央と家族ぐるみの付き合い。
朝央と一緒にいる。
中谷 伶伊(ナカタニ レイ)
18歳。大学生。
夜央と咲人の後輩。製菓科
パティシエの姉がいる。
・あべなべ
・ふかよお
・いわだて
・めめこじ
・ラウさき
あべside
あべ「翔太、いつも昼どこで食べてんの?」
なべ「最近は、幼馴染みのカフェで食べてる。」
幼馴染み…
なべ「阿部ちゃんも行く?」
あべ「え、いいの!?」
なべ「うん。」
ふか「どっか行くの!?」
なべ「あ?うん。」
さく「俺も行く!」
あべ「え?」
ふか「じゃ俺も!」
えー……
翔太と2人きりになるかと思ったけど…(苦笑)
さく「照もめめも行こ!」
もうこの際いいや。
あべ「うん、みんなで行こ。」
いわ「いや、俺はいいよ。」
めめ「俺も大丈夫っす。」
ふか「いや、強制。行くぞ。」
いわめめ「えー…」
あべ「じゃあ、ふっか、佐久間。仕事頑張ってね〜(笑)」
ふかさく「えぇー!!」
いわなべ「うるせぇな(笑)」
昼。
なべ「行くよー。」
さく「あー、ちょちょ待って!」
ふか「部長!これお願いします!」
部長「はーい、行ってこーい。」
ふか「はい!あざす!」
めめ「どこ行くんすか?」
なべ「カフェ。」
いわ「近いの?」
なべ「割と近いよ。」
あべ「どんな感じなの?」
なべ「なんかね、静かっぽいんだけど外観はね。」
ふか「外観?」
なべ「うん、でも割と人気あんだよ。」
さく「どこにあんの?」
なべ「隠れ家みたいな感じなんだよ。」
さく「そうなの?」
なべ「うん。まぁ行ってみたらわかるよ。ハマるから。」
ふか「そんなに?」
なべ「ここ。」
え、
「「すご…!」」
なべ「ははっ(笑)入ろ(笑)」
カラン
夜央「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
ふか「うわ…!」
隣のふっかからなんか聞こえたんだけど(笑)
いわ「六人です。」
夜央「かしこまりました。こちらへどうぞ。」
席に案内される。
意外に広いな。
夜央「こちら、全席禁煙となっております。」
あべ「はい。」
夜央「ご注文お決まりましたら、そちらをお願いします。」
あべ「はい。」
夜央「失礼します。」
なべ「割といい所だろ?」
さく「めっちゃいいじゃん!なんで教えてくれなかったんだよ!」
なべ「別に特に理由はないけど。」
あべ「ふっかどうしたの?(笑)」
いわ「お前もしかして惚れた?(笑)」
ふか「かも(笑)」
?「あ、しょっぴー!」
あべなべ「え?」
なべ「康二、どしたの?」
康二(?)「珍いやん!一人やないなんて。」
なべ「うるさいわ、いいじゃん。」
仲良いな。
めめ「阿部ちゃん、顔。」
あべ「あ、ごめん。」
いわ「決まった?」
ふかさく「うん!」
康二(?)「あれ、決まりました?」
さく「はい!」
康二(?)「ほな、お伺いしますね。」
「あ、咲人。向井さん行った。」
「え?あ、ほんとだ。」
なべ「阿部ちゃん、?」
あべ「あっ、俺?」
なべ「うん。」
あべ「あ、翔太と一緒ので。」
康二(?)「かしこまりました。少々お待ち下さい。」
「咲人、お前だけ季節感おかしいよ。」
「なんでよ。なにがよ。」
「なんでまだこの季節になって半袖なんだよ。」
「えー、そんな寒くもなくねぇ?」
「知らんわ。」
「ヨルだってパーカー着てんじゃん。」
「オレは年中パーカーだよ。」
若者の会話が聞こえる(笑)
康二(?)「あ、咲人くん!」
「はい!」
康二(?)「今日ラウ来るん?」
「え?さぁ、俺に聞かなくても宮舘くんに聞けばわかるのに(笑)」
康二(?)「やって大好きやん。」
咲人「ラウールくんがでしょ(笑)」
夜央「あ、向井さん。オーダーは?」
康二(?)「せやった!舘さーん!オーダーええ?」
だて「うん。咲人手伝って。」
咲人「あ、はい!」
めっちゃフラットに話すじゃん(笑)
めめ「ねぇしょっぴー、あの子めっちゃ可愛くない?」
なべ「え?だれ?」
めめ「関西弁の人。」
なべ「康二?」
めめ「康二くんっていうの?」
なべ「うん、お前惚れた?(笑)」
めめ「多分。」
2人出来たわ(笑)
こじ「夜央くん、向井さんやのうてもええねんで?」
夜央「あ、そっちの方が慣れてて、」
こじ「そうなん?」
夜央「はい…。向井さんはオレの事、苗字で呼んだことないですよね。」
こじ「せやね。夜央くんって感じがしてん。」
夜央「そうなんですか。」
だて「珍しいね、二人が喋ってるなんて。はい、これお願いね。」
夜央「あ、はい。」
これ聞いてよかったのかな(笑)
こじ「お待たせしました、パスタの方〜!」
なべ「あ、おれ。と阿部ちゃん。」
あべ「あ、すいません。」
こじ「いえいえ。」
夜央「咲人、これお前のだろ。(笑)」
咲人「え?あ、ほんとだ。(笑)」
夜央「ふざけんなよ。(笑)」
なべ「あ、こーじ。」
こじ「どないした?」
なべ「涼太呼べる…?」
こじ「おん、ええで!」
涼太…?
幼馴染みってことだよな?
さく「もー、阿部ちゃん顔。(笑)」
あべ「あぁ、ごめん。」
こじ「だて〜!」
夜央「あ、咲人!」
咲人「あぁ、康二くん!危ない!」
こじ「へ?わぁ!」
ガタッ
「「えっ?」」
割と音でかかったよ?
だて「え、大丈夫?」
こじ「大丈夫…夜央くんごめんな?」
夜央「い、いえ…」
だて「康二、どいてあげなよ。」
こじ「あ、ほんまごめん!大丈夫やった?」
夜央「はい…。咲人!」
咲人「ごめんて、ヨル!(笑)」
夜央「オレじゃなくて、向井さんに謝れよ!」
咲人「康二くんごめん!大丈夫でした?」
こじ「大丈夫やで。ラウおらんで良かったな。(笑)」
咲人「ほんとですね。(笑)」
夜央「咲人、何これ?(笑)」
咲人「これあれだよ。水。(笑)」
夜央「何で水置いてんの。(笑)」
咲人「知らんよ。(笑)」
だて「で、康二なに?」
こじ「あ、せやせや!しょっぴーが呼んでてん!」
だて「わかった。」
夜央「水倒れてる。(笑)」
だて「これ俺持っていくね。」
夜央「あ、オレも行きます!」
こじ「咲人くん、片付けよっか。(笑)」
咲人「はい。(笑)」
だて「こちらオムライスです。」
さく「あ、俺の〜!」
ふか「照頼んだよね?」
いわ「うん。」
だて「どうぞ、お召し上がりください。」
夜央「涼太くん…、」
だて「あ、ごめん。」
夜央「グラタンです…、あつ…っ」
ふか「よっしゃ〜!」
夜央「どうぞごゆっくり。」
ふかさく「ありがとうございまーす!」
なべ「ねね、涼太。」
だて「ん?」
なべ「この間話してたじゃん。」
こじ「あー!しょっぴーの会社の人?」
なべ「うん。」
こじ「イケメン揃いやね。」
なべ「この人がおれの幼馴染みの宮舘涼太。」
だて「宮舘涼太です。」
さく「幼馴染みっていつから?」
なべ「まず、生まれた病院が一緒で、」
あべ「えっ!?」
ふか「すご!」
だて「でもね、小中は違ったんだよ。」
あべさく「えっ?」
だて「小中は違って、高校で再会して、」
なべ「で、そっから一緒。」
だて「周りからゆり組って呼ばれてる。」
いわ「なんでゆり組?」
なべ「幼稚園の組の名前。」
さく「えー!!すげー!!」
わかる、わかるよ佐久間。
その気持ち、すっっっごいわかる!!!
なにそれ、まじエモいんだけど!!
ゆり組ジャスティス!!
めめ「阿部ちゃん壊れた。」
めめの声も入らない(笑)
夜央「向井さん、あっち行ってきていいですよ。」
こじ「え?なんで?」
咲人「康二くん、行きたいんでしょ?(笑)」
こじ「ええよええよ!」
夜央「ここは、咲人に任せて、ね?」
咲人「そうそう!…っておい!」
こじ「ほんまにええん?」
「「はい。」」
こじ「行ってくんな!」
こじ「舘さーん!」
だて「わっ、康二どしたの?」
こじ「2人が行ってきって。」
なべ「二人のせいにすんなよ(笑)」
だて「えっと…、」
なべ「あ、阿部ちゃん。阿部 亮平。俺らの一個下。」
あべ「、よろしくお願いします。」
だて「こちらこそ。」
なべ「で、こっちが。岩本 照。阿部ちゃんと一緒。」
はしょったね(笑)
なべ「で、佐久間。」
さく「なんで苗字だけなんだよ(笑)」
なべ「あぁ(笑)佐久間 大介。俺らと一緒。」
絶対めんどくさくなったでしょ(笑)
なべ「で、めめ。えーっと、目黒 蓮。」
めめ「その間なんすか?(笑)」
多分、今わすれかけてたよね?(笑)
なべ「…ぐらいかな。」
ふか「ぉぉおおい!」
なべさく「え?(笑)」
ふか「俺を忘れていないかっ?」
なべさく「全然。」
ふか「おい!やめろ!」
なべ「こいつ、ふっか。」
ふか「そんだけ!?(笑)」
なべ「うん。」
ふか「深澤辰哉です!(笑)」
結局自分で言うんだ(笑)
こじ「向井康二です!よろしゅう!」
なべ「こーじはね、明るい関西人(笑)」
さく「明るい関西人?(笑)」
なべ「うん(笑)」
ふか「向こうの二人は?」
あ、ふっかが知りたいだけだ(笑)
だて「康二呼んできて。」
こじ「あ、はい!」
ふっか、ソワソワしすぎだよ(笑)
こじ「夜央くーん!咲人くーん!」
「「え?」」
こじ「皆さんが呼んでるから〜!」
夜央「…咲人だけじゃなくて?」
こじ「おん!こっちこっち!」
夜央「あ、咲人先行ってて。」
咲人「あ、おう。」
こじ「あれ、夜央くんは?」
咲人「後で行くって。」
だて「咲人、自己紹介…。」
咲人「あ、はい!えっと、伊澄 咲人です!一応、大学生です。」
さく「未成年?」
咲人「はい!19です!」
こじ「咲人くんはな、俺と同期やねんで!」
さく「同期?」
こじ「おんなじ時期にここの店員になってん!」
さく「そうなの?!」
いわ「そんな偶然ってあるんだね。」
夜央「あ、すいません、お待たせしました…。」
こじ「夜央くん、自己紹介!」
夜央「へ…?あ、如月 夜央です…。」
ふか「うわ、名前かっこよ…(小声)」
ふっか…(笑)
さく「夜央くんも、咲人くんと一緒?」
夜央「え…、何がですか?」
だて「あ、歳。」
夜央「あ…、はい。19歳です。」
さく「じゃあ、大学生?」
夜央「はい。」
なべ「でも2人、毎日いんじゃん。」
咲人「今、教授が休みなんですよ。だから、講義がないんです。」
あべ「そうなの?」
咲人「はい。」
さく「阿部ちゃんに教えて貰ったら?」
咲人「え、何をですか?」
さく「阿部ちゃん、有名大学出てるからね。何でも教えれるよ!」
あべ「なんで佐久間が言うの?(笑)」
咲人「んー、でも大丈夫です!俺ら取ってるの、犯罪心理学とかなんで。」
さくこじ「犯罪心理学??」
あ、絶対分かってない。(笑)
咲人「はい。だから、大丈夫です!ありがとうございます!」
ふか「どこの大学行ってんの?」
咲人「向坂大学です。」
ふかさく「向坂大学!??」
咲人「え、はい。」
ふかさく「めっちゃ頭良いじゃん!!」
咲人「そう、なの?」
夜央「…え、オレに聞かれても。」
そうだよね(笑)
2人、同じ大学なんだからね(笑)
だて「そろそろ時間大丈夫?」
さく「ん?あぁっ!!」
あべ「うるさいなぁ。」
いわ「そろそろ戻るか。」
ふか「そーだな。」
なべ「じゃあな、涼太。」
だて「うん、またね。」
さく「美味しかったでーす!」
めめ「また来ます。」
こじ・咲人「お待ちしてまーす!」
あべ「あ、そうだ。俺に教えれることあったらいつでも言ってね。」
咲人「そん時はお願いしまーす!」
夜央「ありがとうございます。」
「「ありがとうございました!」」
あべ「美味しかったね。」
なべ「だろ?ほぼ毎日おれここなんだよ。」
ふか「夜もやってんの?」
なべ「うん。来る?夜も。」
さく「いいの!?」
なべ「うん、それは自分次第だからな。」
めめ「俺、今度ケーキ食いたいです。」
いわ「何があった?」
照、甘いの好きだもんね(笑)
めめ「えーっとね、チョコケーキとショートケーキとモンブランとか、プリンとか。あ、あとシュークリームもありました。種類いっぱいありましたよ。」
さく「え、すげー!!」
なべ「それ全部夜央が作ってんだよ。」
ふか「え、まじで!?」
あべ「夜央くんすご。」
なべ「おれ、夜も行くけど、行く?一緒に。」
ふかさく「行く!!」
いわ「俺、ケーキ食べに行くわ。」
めめ「俺もそうします。」
なべ「阿部ちゃんどうする?」
あべ「うん、俺も行く。」
いわ「じゃあお前ら、仕事頑張れよ。」
ふかさく「うし!やるか!」
だてside
ふぅ。
だて「休憩しようか。」
咲人「そーっすね!」
こじ「舘さん、今日なに?」
だて「今日、パスタにしようと思ってんだけど、何がいい?」
こじ「俺ミート!」
咲人「あ、じゃあ俺も!」
だて「ん。夜央は?」
夜央「あ、オレカルボナーラがいい。」
だて「じゃあ俺もそうしよ。」
こじ「だて、俺手伝うで。」
だて「ありがと。」
咲人「あ、俺運びまーす!」
夜央「涼太くん、ラウールくんが来たらオレちょっと抜けるね。」
だて「うん、わかった。何時からとかある?」
夜央「んー、特には。ラウールくんが来たら、オレ抜けれる?」
だて「うん、人は足りる。」
夜央「ありがと、じゃおねがいしまーす。」
咲人「今日は何か持っていくの?」
夜央「うん、今日の朝作ったやつ。みんな分もあるよ。冷蔵庫入ってる。」
咲人「まじで?勝手に取っていいの?」
夜央「いいよ。正直味は保証しないけど。」
咲人「ヨルのは何でもうまいから。」
こじ「それ、俺らも食べていいの?」
夜央「いいですよ、むしろ食べてください。」
だて「感想はまた伝えるね。」
夜央「うん、ありがとう。」
咲人「おじさん、何気にヨルの楽しみにしてんじゃない?」
夜央「えー、どーだろ。そうでもないんじゃない?」
咲人「でも俺も、直接おじさんの口から聞いてみたいかも。」
夜央「それはオレもわかる。」
だて「じゃあ、ラウール来たら、抜けていいよ。」
夜央「うん。」
ふかside
あの子、かわいかったなぁ。
これじゃあ仕事捗らねぇよ。
なべ「ふっか、仕事はちゃんとやれよ。」
ふか「わぁってるよ、でもなぁ。」
なべ「そんなに夜央が気になんなら、毎日行けば?」
ふか「それ、なべも付き合ってくれんの?」
なべ「おれは毎日行ってるから。」
ふか「あーそっか。じゃあ俺も毎日行こうかな。」
なべ「照とか誘えばいいじゃん。夜央のケーキ食いたいって言ってたし。」
ふか「目黒も言ってたよな。」
なべ「うん。」
あべ「夜央くんのケーキってそんなにうまいの?」
なべ「うん、すっげーうまいよ。」
あべ「でも専門行ってないんだよね?」
なべ「うん、そーだけど。」
あべ「一回食べてみようかな。」
なべ「おれ今日ケーキ食うわ。」
いわ「俺も食う。」
めめ「俺も食います。」
さく「え、俺も!」
なべ「うん、だからみんないくんだろ?」
ふか「俺もケーキ食べようかな。」
なべ「よかったじゃん、ふっか。また夜央にあえるよ。仕事はかどるんじゃね?」
ふか「かも。」
夜央くんに会うためにがんばろ。
こじside
ラウ「お疲れ様でーす!」
こじ「あ、ラウー!おつかれ!」
咲人「お疲れ様、ラウールくん。」
ラウ「咲人くん!お疲れ様です!」
夜央「ラウールくん、おつかれ。」
ラウ「お疲れさまです。」
夜央「涼太くん、今大丈夫?」
だて「うん、大丈夫。」
夜央「じゃあオレ抜けます。ラウールくん、咲人から聞いてね。」
ラウ「はい!」
こじ「いってらっしゃい!」
咲人「頑張れ!」
夜央「ありがとーございます。」
ラウ「咲人くん、夜央くんいつもどこ行くんですか?」
咲人「ん?」
ラウ「いつも俺が来るタイミングで変わるし。」
咲人「ラウールくんが来るタイミングで変わるようにしてんだよ。人手に支障が出ないように。」
ラウ「あーそうなんですか。」
咲人「別にヨルはサボってるわけじゃないんだよ。」
ラウ「え?じゃあ何を?」
咲人「ヨルはさ、ちゃんとっていうかずっと店のこと考えてんの。」
ラウ「なんで夜央くんがお店のこと考えるんですか?」
咲人「え?何でって?」
ラウ「だってこのお店舘さんのだよね?」
咲人「違うよ、この店はヨルの店だよ。」
ラウ「え?そうなんですか?」
「注文おねがいしまーす。」
だて「ほら、呼ばれてるよ。」
咲人「はーい。」
「すみませーん、ケーキ買いたいんですけど。」
ラウ「あ、はーい!」
こじ「ラウ、俺手伝うよ。」
ラウ「ありがとう、康二くん。」
咲人「宮舘くん、オーダーいいですか?」
だて「うん、いいよ。」
咲人「オムライス一つお願いします。」
だて「わかった。」
「すみません、ケーキの予約をしたいんですけど。」
ラウ「あ、少々お待ちください。」
こじ「咲人くん!」
咲人「はい。いつにされますか?」
だて「ラウール、できたよ。」
ラウ「はい!」
こじ「えー、お会計800円になります。」
「美味しかったです!」
こじ「ありがとうございましたー‼」
「ありがとうございます!」
咲人「ありがとうございました!」
カランカラン🔔
咲人「あ、いらっしゃいませ。」
なべ「うん。」
こじ「あ、しょーたくん!」
だて「いらっしゃいませ。」
さく「また来ちゃいましたー!」
こじ「いらっしゃいませ!」
だて「6人?」
いわ「はい。」
咲人「お好きな席どうぞ。」
あべ「ありがとうございます。」
ふか「良かったな、目黒。お出迎えだぞ。」
めめ「はい。あの子はいないっすね。」
ふか「そうね、」
咲人「ヨルは今いないっすよ。」
なべ「あぁ、今行ってんの?」
咲人「はい。ヨルも毎日飽きねぇっすよね。」
なべ「すげぇよな。」
咲人「はい。それほど本気ってことですよ。」
なべ「おれも見習うわ。」
ふか「あの子いないの?」
咲人「もうすぐ帰ってくると思いますよ。」
ふか「ほんと?」
咲人「はい、たぶん。」
ふか「ねぇ、今たぶんって言った?」
咲人「はい。俺はヨルじゃないから、わかんないですけど。」
なべ「そんな急かすなよ。夜央にも事情ってもんがあんの。」
ふか「わかってるけどさ、気になんじゃん。」
なべ「帰ってきたら、聞いてみりゃいいじゃん。教えてくれるかはわからんけど。」
ふか「うん、そーする。」
ラウ「康二くん、夜央くんのってなんですか?」
こじ「俺も詳しくは知らへんのよね。」
ラウ「舘さんは?」
だて「知ってるよ。」
ラウ「教えてくれないんですか?」
だて「俺から言うことじゃないしね。」
咲人「気になるなら直接ヨルに聞いてみなよ。教えてくれるかはわかんないけど。」
さく「オーダーおねがいしまーす!」
いわ「お前がオーダーって言うなよ。」
こじ「はい!何にされます?」
あべ「あの、ケーキってどれがあるんですか?」
こじ「そぉですねぇ、ラウール、メニュー表ある?」
咲人「ラウールくん、これ。」
ラウ「あ、はい!」
こじ「お、おおきに。」
うわぁ、いっぱいある。
俺も食いたぁ
あべ「照、チョコあるよ。」
いわ「うん、目黒は?」
めめ「どうしよ、フランボワーズってなんですか?」
咲人「ラズベリーです。」
めめ「ラズベリー?」
咲人「いちごみたいなやつです。」
なべ「よく知ってんね。」
咲人「って、ヨルが言ってました。」
こじ「夜央くんは何でも知ってんねんな。」
咲人「はは、そーっすね。」
めめ「あー、じゃあそれで。ふっかさんは?」
ふか「じゃあ、俺は抹茶ください。」
こじ「はい、しょーたくんは?」
なべ「おれ、フルーツポートっていうやつ。」
さく「俺ぇ、エンペラーっていうやつ?」
あべ「エンペラーって?」
さく「わかんない。」
咲人「あ、それ。ヨルが名前つけたんすよ。」
こじ「あ、そうなんや。」
咲人「はい。それ、梨が入ってんすよ。上に、いちごジャムが塗ってあります。」
さく「あ、じゃあそれで!」
あべ「俺、シフォンケーキください。」
咲人「はい!」
こじ「えー、確認しますね。」
みんなケーキでええんかな。
こじ「チョコレートケーキ、フランボワーズ、抹茶、フルーツポート、エンペラー、シフォンケーキですね。飲み物どうされます?」
さく「飲み物もついてくんの?」
咲人「こちらからお選びください。」
ふか「俺今めっちゃ炭酸飲みたい。」
さく「あーなんか俺も。」
あべ「みんな炭酸にする?」
めめ「俺コーラで。」
ふか「俺も!」
さく「おれも!」
なべ「おれオレンジジュースで。」
あべ「俺も。」
いわ「俺、メロンソーダで。」
こじ「確認しますね。チョコレートケーキとメロンソーダ、フランボワーズとコーラ、抹茶とコーラ、フルーツポートとオレンジジュース、エンペラーとコーラ、シフォンケーキとオレンジジュースですね。」
さく「おねがいしまーす!」
こじ「舘さん、コーラ3つ、オレンジジュース2つ、メロンソーダお願いします!」
咲人「康二くん、ケーキは?」
こじ「えっとねぇ、チョコレートケーキ、フランボワーズ、抹茶、フルーツポート、エンペラー、シフォンケーキ。」
ラウ「咲人くん、俺3つ持ってます!」
咲人「ありがと、俺残りの3つ持ってきます。」
だて「康二、できたよ。」
こじ「はい。ラウール何持ってる?」
ラウ「えっと、チョコレートケーキとフランボワーズと抹茶です。」
こじ「ほな、メロンソーダおいたとこにチョコね。残りはコーラのとこね。」
ラウ「はい!」
こじ「お待たせしましたぁ!」
さく「お、来たぁ!」
こじ「こちら、メロンソーダです。」
ラウ「チョコレートケーキです。」
こじ「コーラです。」
ラウ「フランボワーズです。」
こじ「で、こちらもコーラですね。」
ラウ「抹茶です。」
さく「やったぁ!」
ふか「すげー!」
あべ「照、無言で写真撮ってる。」
めめ「すげーっすもんね。」
咲人「こちら、フルーツポートです。」
だて「はい、オレンジジュースね。」
なべ「ありあと。」
咲人「シフォンケーキです。」
だて「オレンジジュースです。」
こじ「ごゆっくりどーぞ!」
あ、夜央くんの試作品食べよ。
こじ「ラウ、夜央くんのやつ食べる?」
咲人「あ、俺も食べます!」
ラウ「食べます。」
こじ「舘さんは?」
だて「食べようかな。」
なべ「夜央、今日は何持っていったの?」
咲人「わかんないです。」
ふか「何か持っていったの?」
咲人「はい。」
なんやろ、なんやろ。
夜央「ただいま戻りましたー。」
咲人「おかえり。」
だて「おかえり。」
こじ「おかえんなさい!」
なべ「おかえり。」
夜央「あ、翔太くん来てたんですね。」
なべ「おれだけじゃないよ。」
夜央「ん?ほんとだ。」
あべ「ふっか、夜央くんだよ。」
ふか「わかってるよ!」
夜央「お疲れ様です。」
なべ「ありがとねぇ、いつも。」
さく「ありがとう!」
咲人「どーだった?」
夜央「あとひと押しかな。」
咲人「お、良かったじゃん!」
夜央「うん。」
ふか「あ、あの!」
夜央「はい、オレですか?」
ふか「うん。」
夜央「なんですか?」
ふか「あー...っと、お、オススメのケーキありますかっ。」
夜央「オレのオススメで良いんですか?」
ふか「うん!」
夜央「そーぉっすね、オレはタルトっすね。」
さく「タルト?」
夜央「はい、種類は結構あるんすけど。季節限定のやつとかあるんでオレは作ってても好きですね。楽しいですし。」
めめ「何のタルトがあるんすか?」
夜央「いちごとレモンのタルトはずっとあって、フルーツタルトもありますね。」
いわ「季節限定は?」
夜央「季節のフルーツです。」
あべ「フルーツだけじゃないタルトもあるの?」
夜央「ありますよ。チョコタルトとか、チーズタルトとか。他にも色々。」
めめ「すごっ。」
咲人「でしょ?ヨルすげぇんすよ!」
夜央「なんで咲人がそんな誇らしげなの。(笑)」
咲人「ヨルは俺の自慢だから!」
なべ「ケーキの予約とかもあるんだろ?」
夜央「はい。誕生日もクリスマスも。」
めめ「俺も今度お願いしていいっすか?」
咲人「ぜひ!あざまーす!」
さく「俺も俺も!」
咲人「よかったな、ヨル!」
夜央「うん、良かったけど。痛い痛い。(笑)」
咲人「ごめん。(笑)」
咲人くんがこんなにテンション上がってるとこ、あんま見たことあらへんかも。
そないに、夜央くんのケーキ褒められんの嬉しいんや。(笑)
こじ「舘さん、スプーンちょうだい。」
だて「はい。」
こじ「おおきに。」
だて「ラウールも食べな?」
ラウ「はい。」
咲人「あ、俺も食べようかな。」
夜央「食べろ食べろ。」
あ、夜央くん逃げた。
だて「夜央、お店閉めちゃおうか。」
夜央「はい、オレ札ひっくり返してきます。」
だて「よろしくね。」
夜央「はい。」
夜央くんがCloseの札ひっくり返してくれたぁ、
俺、あれひっくり返すん好きなんよなぁ。
こじ「これ、プリン?」
咲人「みたいですよね。」
こじ「マンゴー?」
夜央「違いますよ。」
ラウ「康二くん、色だけで言ったでしょ。(笑)」
咲人「ヨル、マンゴー嫌いだもんね。」
夜央「うん。」
こじ「そうなん?」
夜央「はい。」
ラウ「だから、マンゴー使ったケーキ出てないんですね。」
夜央「うん。オレがちゃんと食べれるやつじゃないと出せないからね。」
咲人「味見係なら俺なるのに。」
夜央「オレはただ新しいものを作りたいだけじゃないから。」
咲人「わかってるけどさ。」
なべ「夜央、今日は何持っていったの?」
夜央「プリンです。」
なべ「何プリン?」
夜央「内緒です。(笑)」
なべ「なんでだよ(笑)」
咲人「食べます?一口。」
なべ「まじ?」
咲人「はい。」
なべ「いただきまーす。」
咲人「どぉーっすか?」
なべ「んまい!」
咲人「でしょぉ?」
なべ「でも、何が入ってんのかわかんねぇな。」
咲人「ですよね。俺もわかんないんですよ。」
なべ「教えてよ、夜央。」
夜央「これ、オレンジ入ってるんです。」
こじ「オレンジ?」
夜央「はい。フルーツのプリンって種類あんまりないですけど、オレンジなら誰でも食べやすいかと思って、入れてみました。」
ラウ「全然わかんないです。」
夜央「やっぱり?目立ちすぎも良くないからさ。これくらいがちょうどいいんだよ。」
目立ち過ぎず、目立たな過ぎず。
夜央くんて、ほんまにいろいろ考えてんねや。
ってか、マンゴーの果肉全然入ってなかった。(笑)
なべ「これ、売らないの?」
夜央「まだ考えてないです。」
咲人「プリンも種類が増えちゃうか。」
夜央「うん、それもありかなって思ってるけど。」
なべ「おれ、毎日買うよ。」
夜央「いや、いーっすよ。そんな気ぃ遣わなくて。」
なべ「気は遣ってないよ。おれが食べたくて買うんだから。」
夜央「でも、まだ考え中です。他のやつも、出すかはわかんないし。」
咲人「あー、ヨルの中では納得いってない感じ?」
夜央「うーん、反応的にもさ、」
咲人「でも、あとちょっとなんでしょ?」
夜央「うん。」
咲人「もしあれなら、出す?」
夜央「うん。新作も作りたいし。」
なべ「まだ新作つくんの?」
夜央「はい。種類は多いほうが良いでしょ。」
なべ「そーね。」
咲人「俺、味見係になるから。いつでも言ってよ。」
夜央「うん、ありがと。」
「あのー、すみません。」
夜央「はい、どうされました?」
「まだやってますか?」
夜央「大丈夫ですよ。」
「あの、ケーキ買いたいんですけど。」
夜央「はい、どれにされます?」
「ほら、選んで。」
「…ぼくがたべれるやつは?」
夜央「嫌いなものや、アレルギーなどは?」
「アレルギーは無いですけど、苦いものがあまり…。」
夜央「分かりました。好きな物はある?」
「…いちご」
夜央「じゃあ、これとかどう?」
「…これは?」
夜央「これはね、ケーキの中にいちごが入ってて、上にイチゴジャム塗ってるの。」
「いちご?」
夜央「うん。中にも外にもいちごだよ。」
「これにする!おかあさん、ぼくこれ!」
「うん、いいよ。じゃあお願いします。」
夜央「はい。えー、300円になります。」
「はい。お願いします。」
夜央「ぼく、これ持てる?」
「うん!」
夜央「気をつけてね。」
「ありがとう、おにいちゃん!」
夜央「どういたしまして。」
「ありがとうございました!」
夜央「いえ。またのお越しをお待ちしております。」
「「ありがとうございましたー!」」
こじ「夜央くんって子供の扱いもイケメンやねぇ。」
咲人「でもこう見えてヨル、子供嫌いっすよ。」
こじ「え?(笑)」
夜央「ちょっとごめん咲人。」
咲人「ん?どったの?」
夜央「オレ、ちょっと作るわ。」
咲人「今から?」
夜央「うん、なんか今じゃないとダメな気がする。」
咲人「おぉ、あんま遅くなるなよ。」
夜央「うん、ありがと。」
こじ「これから作るん?」
咲人「みたいっすね。」
こじ「どーしたんやろ。」
咲人「子供だからじゃないっすか?」
こじ「え?」
咲人「子供でも食べやすいものとか喜びやすいものとかを作るんだと思います。」
こじ「へぇ、よぉ考えてんね。」
咲人「ヨルはずっとこうっすよ。誰かが喜ぶものをずっと考えてる。そーゆー奴っす。」
こじ「そやね。」
ふか「俺、夜央くんが作ったやつ味見したい。」
なべ「なに、急に。」
ふか「だって作るんでしょ?新しいの。」
咲人「はい。」
ふか「だったら俺が味見する。」
咲人「すみませーん、味見係は俺なんで。ヨルが商品として出す時に試食してください。」
あべ「そこは譲らないんだ?」
咲人「そーっすね。もう決めてるんで。」
さく「どんまい、ふっか。」
ふか「んー、しょうがないなぁ。」
なべ「めんどくさ。」
ふか「ん?なに?」
なべ「なんでも?」
夜央「え、なんかムリかも。」
咲人「ん、おかえり。早いな(笑)」
夜央「子供が喜びそうなのって何?」
咲人「えぇ、わかんなぁ。」
さく「こどもぉ?」
めめ「キャラクターとかはどーっすか?」
夜央「キャラクター?」
めめ「はい。キャラがムリなら動物とかもありだと思うんすけど。」
咲人「あぁ、動物ねぇ。」
夜央「オレに動物やれって言われても無理だと思うけど。」
いわ「なんで?」
ふか「動物難しい?」
夜央「一般的には難しくないとは思いますよ。」
ふか「雰囲気だけでも分かればいいもんじゃない?」
夜央「雰囲気だけでも分かればいいですけどね。」
咲人「ヨルだもんなぁ。」
夜央「うん。」
こじ「何がダメなん?」
咲人「康二くん、ヨルの絵見たことあります?」
こじ「ないけど。」
咲人「ラウールくんと宮舘くんも。」
ラウ「ないです。」
だて「ないけど、何となくわかるよ。」
咲人「試しに今、なんか描いてよ。」
夜央「何書けばいい?」
なべ「とりあえずねこ。」
夜央「わかりました。」
あべ「ねことかは、シルエットとかでなんとなく形作れるくない?」
咲人「そうだといいんですけどね。(笑)」
夜央「はい、書けました。」
なべ「見して。」
夜央「はい。」
咲人「ふっ(笑)」
さく「え?(笑)」
いわ「なんで?(笑)」
こじ「ちょ、俺にも。」
夜央「はい。」
こじ「え、(笑)へへっ。」
めめ「んふふ(笑)」
あべ「下手ではないね。(笑)」
だて「うん、下手ではないけど上手くもないね。(笑)」
夜央「でしょ?」
咲人「こりゃダメだ(笑)」
ふか「これだと、むずかしい?」
夜央「そうですね、逆に子供泣くかもしれないです。」
なべ「それはだめだ。」
夜央「そうなんですよ。」
咲人「書くからダメなんじゃない?」
夜央「え?」
咲人「書かずにさ、形だけ作ってればさ雰囲気的にそれっぽくなんない?」
夜央「なるかな?」
咲人「たぶん。」
夜央「明日やろうかな。」
だて「今日はもうやらないの?」
夜央「うん、なんにも出てこない。」
こじ「明日んなったら、出てくるかもしれへんしな。」
夜央「はい。いろいろありがとうございます。」
さく「いえいえー!俺たちで良かったらいつでも言ってくださーい!」
咲人「ありがとうございます!」
ふか「ねぇ、如月、くん?」
夜央「はい?」
ふか「お近づきの印に、連絡先交換しようよ。」
夜央「お近づきの印?」
ふか「あー、いや、今後も君と仲良くなりたいというか、君と話したいというか、?」
なべ「下心丸出しか。」
ふか「だめ、かな?」
夜央「いいですよ。」
ふか「え、ほんと?」
夜央「はい。LOINでいいですか?」
ふか「うん、ありがとう!」
あべ「よかったね、ふっか。」
ふか「うん!」
さく「え、じゃあ俺も!」
夜央「え?」
いわ「俺も知りたい。」
こじ「ほな、俺も!」
だて「康二、知らないんだ。」
こじ「おん、まだやねん。」
咲人「ラウールくん知ってる?」
ラウ「知ってます。」
こじ「なんでぇ?」
だて「きかれてるよ、夜央。」
夜央「え、ただタイミング逃しただけで。」
こじ「ほな、今ええやろ?」
夜央「あ、はい。」
さく「ついでに俺も!」
めめ「じゃあ俺も。」
夜央「え、ちょっといやです。」
さく「なんでぇ!?」
夜央「いっぱい増えちゃうとわかんなくなっちゃうんで。」
あべ「今は少ないの?」
夜央「はい。」
いわ「今何人くらい?」
夜央「そうですね、咲人、涼太くん、ラウールくん、兄ちゃん、親、薫くん、翔太くん、で、向井さんと深澤さんだから。9?」
あべ「9?」
夜央「じゃねぇな、もっとまだいますけど。でも大体それくらいです。」
いわ「2桁いってないの?」
夜央「2桁はいってます。」
いわ「ああ、そうなの。」
夜央「はい。さすがに3桁はいってないですけど。」
咲人「俺もだわ。」
夜央「でも咲人よりは少ないよ。」
咲人「まあな。」
夜央「なんかムカつくな。」
めめ「なんで翔太くんのは知ってるんですか?」
夜央「よくお店に来てくれてて、涼太くんと幼なじみだって。まぁ、成り行きで?」
ふか「成り行きで交換するんだ。」
夜央「まぁ、はい。」
なべ「よく、話すよな。」
夜央「そうですね。お店のこととか、涼太くんのこととか。」
だて「俺のこと?」
夜央「うん。翔太くんって、ツンデレじゃないですか。」
なべ「は?」
さく「うん。」
なべ「おい?」
夜央「だから、口では涼太くんのこと心配してない感じ出してますけど、オレには聞いてきますよ。最近の涼太くんはどうだ〜とか。」
なべ「ちょ、夜央。」
夜央「はい?」
なべ「なんで今言うんだよ!」
夜央「ダメでした?」
なべ「だめだわバカ!」
夜央「でも涼太くんのこと心配してるのは事実ですよね?」
なべ「え?うん、まぁ。」
夜央「ほら〜。」
なべ「いや、おれのことはどーだっていいんだよ。」
咲人「あ、そだ。今度差し入れ持っていきますよ。ヨルが。」
夜央「オレかよ。」
咲人「うん、だってあそこ、ヨルしか入れないじゃん。」
夜央「オレもホントは入れないけどね。」
咲人「社長権限ね。」
夜央「社長権限使えば咲人も入れるけど。」
咲人「俺はいいや。あーゆーとこちょっと苦手。」
夜央「オレもだけど。」
さく「何の差し入れ持ってきてくれるの?」
夜央「何がいいですか?スイーツしか持っていきませんけど。」
さく「え?何でもいいの?」
夜央「はい。希望があればオレ作りますよ。」
いわ「ブラウニーとかも作れるの?」
夜央「はい。」
ふか「チョコかよ。」
いわ「ダメなの?」
ふか「全然。」
夜央「じゃあ今度作って持っていくんで何か要望あれば仰ってください。」
あべ「ふっか、話す口実できたじゃん。」
ふか「それな。嬉しいわ。」
めめ「え、じゃあ俺とも交換しましょうよ。」
さく「おれも!」
夜央「え、なんで?」
あべ「なんでそこは頑なに嫌なの?(笑)」
夜央「嫌ってわけじゃないですけど、オレと交換して何か連絡します?」
さく「何かはするかも!」
夜央「えぇ?」
こじ「ほな俺と交換しよ!」
めめさく「え?」
こじ「俺は増えれば増えるだけありがたい!」
夜央「オレが悪いやつみたいに…。」
こじ「あ、いや。ごめん!そんなつもりは。」
夜央「冗談ですよ。オレ、知り合い多いの慣れてないんで。」
咲人「ヨルはこう見えて、LOIN結構見るんすよ。」
だて「そう見えてるよ。」
咲人「ほんとっすか?だから、誤送信が一時期結構あって。」
夜央「すみません、それを避けるためにもあんまり増やすのはやめようって思ったんです。」
咲人「まぁ、単に友達少ないだけなんですけどね。」
夜央「おい、咲人。さらっと酷いこと言うな。」
咲人「事実だけどな。」
夜央「やめろ。傷つく。」
いわ「よかったじゃん、目黒。」
めめ「はい。」
なべ「ラウールは?交換しなくていいの?」
ラウ「んー、俺は夜央くんみたいに差し入れとかしないし。」
咲人「交換しといたら?今後使うかもよ。」
ラウ「そうですか?なら、交換しましょ。」
なべ「わかりやすいな。」
だて「そろそろ、お開きにする?」
ふか「そうだな、いい時間だし。」
なべ「ありがと、涼太。美味しかった。」
だて「いーえ。またおいで。」
さく「また来まーす!」
咲人「ありがとうございます!」
あべ「じゃぁまた。」
こじ「ありがとうございましたー!」
だて「康二もラウールも帰っていいよ。」
こじ「ほんま?はな、帰ろうかな。」
ラウ「お疲れ様です!」
こじ「お疲れ様ー!」
咲人「お疲れ様でーす!」
夜央「お疲れ様です。」
だて「お疲れ様。また明日ね。」
こじラウ「はい!」
だてside
夜央「咲人、それ貸して。」
咲人「うん。」
だて「夜央も咲人も上がっていいよ。」
夜央「大丈夫。どーせオレここだし。」
咲人「うん、俺も。」
夜央「今日泊まってくの?」
咲人「うん、だめ?」
夜央「いいけど。めんどいんだろ?」
咲人「そーなんだよ。明日から講義始まるし、こっちからの方が何かと便利だしさ。」
夜央「そういえば、教科書もこっち置いてんだっけ?」
咲人「多分。置いて帰ったと思う。」
夜央「最初から泊まる気満々じゃん。(笑)」
咲人「ばれた?(笑)」
夜央「涼太くんも、疲れてるなら無理しなくていいよ。」
だて「大丈夫。いつもの事だし。」
夜央「でも、翔太くんが1人で来なかったのは久しぶりでしょ?その分疲れてるでしょ。」
だて「まぁね。でも、あとちょっとだし。」
咲人「俺ら出来ることやっとくんで、宮舘くんは早く休んでください。」
だて「ほんと?ありがと。」
咲人「いーえ。お互い様です。」
だて「明日何時から?」
咲人「えっとですね、二限からなんでちょっとは余裕あります。」
だて「2人とも?」
夜央「はい。明日は二限と三限だけだから、終わったあとすぐ入るよ。」
だて「助かる。」
咲人「人、増やさないんですか?」
だて「んー、一応人は足りてるけどね。」
夜央「そうだね。でもお客さんが増えたりすると、そこも考えなきゃなのかな。」
だて「どうだろうね。とりあえずは回ってるからいいけど。」
咲人「もしあれなら俺呼びますよ。人員。」
だて「それはありがたいよ。その時はお願いするね。」
咲人「はい!」
夜央「咲人、椅子直した?」
咲人「うん、机も。」
夜央「おっけ、涼太くんレジ終わった?」
だて「うん、終わったよ。」
夜央「じゃあ、オレらも帰ろうか。」
咲人「そうだな。」
だて「じゃあまた明日。」
咲人「お疲れ様でーす!」
夜央「お疲れ様でーす。また明日!」
咲人「ヨル、戸締りよろしくな。」
夜央「うん、じゃあ先お風呂沸かしといて。」
咲人「おう。」
咲人side
咲人「ヨル〜?お風呂空いたよ。」
夜央「うん、ありがと。」
咲人「何見てんの?」
夜央「んー?これ。」
咲人「なにこれ?」
夜央「父さんに見せてきたもの全部。」
咲人「これら?」
夜央「うん。何がダメかってハッキリ言われてないけど、何かがダメなんだろうね。」
咲人「何かって?」
夜央「わかんない。から、困ってる。」
咲人「おじさん、そういうの厳しいんだね。」
夜央「まぁ、オレが専門行ってないからってのもあるんだろうけど。」
咲人「専門行ってない分、不利になんの?」
夜央「んー?まぁ、そういうのは関係ないんだけどさ。」
咲人「おじさんのやつ、全部美味しかったもんね。」
夜央「うん、オレがあーゆーのを作れるのはまだまだなのかね。」
咲人「どーだろね。おじさんの基準、正直よくわかんねぇし。」
夜央「オレも。(笑)」
咲人「とりあえず、風呂入ってこいよ。」
夜央「うん。」
ヨルが新しいもの作る度、おじさんに見せに行って、感想もらって。
それでも、売りに出すかはヨルが決めて。
おじさんに認められたものじゃなきゃ出せないっていうのはわかるけど、おじさんもヨルも素直じゃないからなぁ。
おじさんに認めてもらわなくても、俺らがいいって言ったらそれでいいのにな。
だれも、困んないのに。
だてside
咲人「おはよーございます!」
だて「おはよう。今日も元気だね。」
咲人「俺の取り柄なんで!」
だて「夜央は?」
咲人「今、準備してますよ。」
だて「そっか。朝ごはん食べた?」
咲人「まだです。」
だて「食べる?何がいい?」
咲人「え、いーんすか!やった!」
夜央「めんどくさいやつでもいいの?」
だて「おはよう。面倒なのはいやかな。」
夜央「だよね。おはよう。」
咲人「ヨル今絶対、フレンチトーストって言おうとしただろ。」
夜央「せーかい。」
だて「よくわかったね。で、何にする?」
夜央「オレ、トースト食べたい。」
咲人「俺も。イチゴジャムで!」
だて「夜央もそれでいい?」
夜央「うん、大丈夫。ありがと。」
だて「飲み物は?」
咲人「俺淹れますよ。」
だて「ほんと?助かる。」
咲人「ヨル、何がいい?」
夜央「ココア。」
咲人「じゃあ俺もそれで。宮舘くんコーヒー飲みます?」
だて「淹れてくれるの?ありがと。」
咲人「いつものお礼っす。」
だて「俺もいつも助かってるよ。」
咲人「いえいえー。」
夜央「涼太くん、ちょっと相談したいことあるんだけどさ。」
だて「うん?」
咲人「どしたの、ヨル。」
夜央「いや、悪い話じゃなくてね。」
だて「うん。」
咲人「なんかあった?」
夜央「父さんに認められたら、そのままお店で売り出すのはちょっと待とうと思ってて。」
咲人「なんで?」
夜央「別に特に理由はないんだけど。」
だて「うん。」
夜央「あくまで、父さんに認められただけで。それを商品として出せるかどうかは別なわけで。」
だて「うん。」
咲人「じゃあどうすんの?出さないの?」
夜央「出すは出すんだけど。試食をね、して欲しくて。」
だて「全然いいけど。」
咲人「俺らだけ?」
夜央「いや、多い方がいいと思ってんだけど、向井さんと、ラウールくんには今日頼もうと思っててさ。」
だて「うん、他は?」
夜央「もし良かったらなんだけど、翔太くんたちにも頼んでみようかなって思ってて。ダメかな?」
だて「それは全然いいと思うけど。」
咲人「でもなんで急に?」
夜央「ほんとに、この店に出せるだけの価値があるのか、わかんないもん。」
咲人「おじさんが認めれば、それだけで価値があるってことにはなんないの?」
夜央「わかんない。」
だて「うん、分かった。俺の方からも聞いてみるね。」
夜央「ありがと。」
こじ「おはよーございます!」
だて「おはよう、康二。」
咲人「おはよーございます、康二くん!」
夜央「おはようございます。」
だて「今日も元気だね。」
こじ「みんなも、元気でいこや?」
咲人「でっすね!」
だて「そろそろ準備しよっか。」
咲人「はい!」
夜央「オレ、札ひっくり返してきます。」
だて「ありがと。」
こじ「今日授業あるん?」
咲人「はい。」
こじ「何時から?」
咲人「昼前っすね。朝の出勤前とかの時間は俺らいますんで。」
こじ「ほんま?助かるわぁ。」
咲人「ねぇ、やっぱ宮舘くん。人員増やした方がいいんすかぁ?」
だて「どうしよっか。」
咲人「俺から話せばそういうのわかってくれるヤツらだとは思ってますけど。」
夜央「咲人の友達を疑ってるわけじゃないけどね。」
咲人「でもまぁ、万が一のこともあるしぃ?」
こじ「それ考えたら、難しいなぁ。」
咲人「そーなんですよ。どうします?」
だて「んー、どう思う?夜央。」
夜央「でもオレはあんまり増やしたくは無いですね。咲人の友達を疑ってるとかじゃないですけど、人増えてごちゃごちゃすんのも嫌だし。」
咲人「そーだよなぁ。」
悩みどころだよね。
カランカラン🔔
咲人「いらっしゃいませー!」
こじ「あ、おはよーございます!」
だて「いつもので大丈夫ですか?」
「はい。お願いします。」
だて「かしこまりました。」
こじ「今日暖かいですね〜。」
「そうですね、過ごしやすくなると思います。」
咲人「ですね〜。天気良いと外で昼寝とかしちゃいたいですよね。」
「わかります。仕事も何もかも一旦全部放って、何もない状態で当たりたいですね。」
咲人「それいいっすね、絶対気持ちいいですよ!」
「できないんですけどね。(笑)」
こじ「でもほんま、天気良いですよね〜。」
夜央「おまたせしました。ホットコーヒーです。」
「ありがとうございます。」
だて「おまたせしました、Aセットです。」
「あ、ありがとうございます。」
だて「ごゆっくりどうぞ。」
夜央「オレ、向こう行ってます。」
だて「うん。」
咲人「人増やすにしても、結局どうすればいいかわかんないっすよね。」
だて「そうだね。」
こじ「何があるかわからへんしな。」
咲人「そうなんですよね。」
「従業員増やすんですか?」
咲人「あー、まだ決めてないんですよ。」
「人気ですもんね。」
こじ「今のままでも足りてるとは思ってますけど。」
「人が多いと自由にはなりますけど、その分ね。(笑)」
咲人「はい。どうしましょう。」
だて「本格的に考えようか。」
咲人「そうですね。」
カランカラン🔔
「「いらっしゃいませー!」」
「おはようございます。」
だて「いつものでよろしいですか?」
「はい、お願いします。」
だて「かしこまりました。」
カランカラン🔔
咲人「いらっしゃいませー。」
なべ「あ、おはよう。」
咲人「おはよーございます。どうされました?」
なべ「夜央いる?」
夜央「いますよ、呼んできますね。」
なべ「ありがと。」
咲人「ヨルー。」
だて「おはよう、翔太。」
なべ「おはよ。」
だて「珍しいね、どしたの。」
なべ「ちょっと夜央に用があって。」
夜央「翔太くん?どうしました?」
なべ「あ、夜央。ちょっといい?」
夜央「はい。涼太くん、ちょっと。」
だて「うん、行ってらっしゃい。」
夜央「ありがと。」
カランカラン🔔
「「いらっしゃいませー!」」
「あ、えっと、コーヒーください。」
こじ「かしこまりました。」
だて「咲人、これ。」
咲人「はい。」
こじ「おまたせしました。」
「ありがとうございます。」
咲人「ごゆっくりどうぞ〜。」
なべ「じゃ、そういうことで。」
夜央「わかりました。仕事頑張ってください。」
なべ「おう、ありがと。」
夜央「じゃあまた後で。」
なべ「おう、ありがとな。」
夜央「いえ。」
こじ「あ、帰るん?」
なべ「あぁ、また後で来る。」
咲人「待ってまーす。」
だて「仕事、頑張ってね。」
なべ「おう、いってきます!」
「「行ってらっしゃいー!」」
「ありがとうございました。」
こじ「あ、お会計しますね。」
「お願いします。」
こじ「えー、500円になります。」
「お願いします。今日も美味しかったです。」
こじ「ほんまですか?ありがとうございます。」
「また明日来ます。」
こじ「ありがとうございましたー!」
「「ありがとうございましたー!」」
カランカラン🔔
「「いらっしゃいませー!」」
今日も忙しいぞ。
咲人side
咲人「ヨルー、そろそろ出るぞー。」
夜央「んー。わかった。」
咲人「宮舘くん、康二くん。俺ら行きます。」
だて「うん、行ってらっしゃい。」
こじ「お、もうそないな時間か。行ってらっしゃい。」
咲人「ありがとうございます!」
夜央「あれ、咲人。」
咲人「ん?どした?」
夜央「咲人、パソコン持ってる?」
咲人「え?あ、持ってない。」
なぁんか軽いと思ったら!
夜央「ゆっくりでいーよ。」
咲人「ありがと!」
だて「お昼、向こうで食べる?」
夜央「うん。そうする。」
だて「わかった。頑張ってね。」
夜央「ありがと。」
咲人「ヨル、お待たせ!」
夜央「行こっか。」
咲人「うん、行ってきまーす!」
夜央「行ってきます。」
「「行ってらっしゃい。」」
裏口から出て、いざ、大学へ!
夜央「ねぇ、咲人。」
咲人「ん?」
夜央「もういっそのことさ、これ出してみる?」
咲人「なにこれ?」
夜央「中谷から貰ったんだけど。」
ヨルから1枚のチラシを受け取る。
なにこれ、
咲人「スイーツフェス?」
夜央「うん。」
咲人「これに、何を出すの?」
夜央「オレが作ったケーキ。」
咲人「え、なんで?」
夜央「色んなパティシエが作ってるケーキが出るんだって。」
咲人「うん、で?」
夜央「中谷のお姉さんが出る予定だったらしいんだけど、急遽出られなくなったらしいんだよ。」
咲人「おん。」
夜央「で、中谷に良かったら出ないかって言われて。」
咲人「え、なんて言ったの?」
夜央「ちょっと考えるって。」
咲人「まだ返事はしてない?」
夜央「してない。」
咲人「これ、名前とか顔とか載るの?」
夜央「載んない。し、映んない。」
咲人「あ、じゃあケーキだけ?」
夜央「うん。中谷が出て欲しそうなんだよね。」
咲人「出んの?」
夜央「わかんない。まだ決めてない。」
咲人「これいつ?」
夜央「来週。」
咲人「そんな近々なの!?」
夜央「うん、明日までに返事が欲しいって言われた。」
咲人「もっとはよ言え!」
夜央「いや、オレも思ったけど。元々出ないつもりだったし。」
咲人「じゃあなんで?」
夜央「なんかなぁ。最近、詰まってんだよ。」
咲人「まぁ、そんな気はしてるけど。」
夜央「とりあえず、今日は考える。」
咲人「おう、考えてくれ。」
夜央「ん。でもオレさ、「せんぱーい!」あ?」
咲人「あ、中谷。」
伶伊「おはよーございます!先輩!」
夜央「おはよ、中谷。」
咲人「お前、今日も朝から元気だな。」
伶伊「久しぶりに会ったんすもん!当たり前でしょ!」
咲人「うるせぇ(笑)」
伶伊「あ、先輩。考えてきてくれました?」
夜央「まだ。今考えてる。」
伶伊「ほんとっすか?よかったー!先輩忘れてんのかと思ってました!」
夜央「忘れてねぇよ。(笑)」
伶伊「ほんとですかぁ?」
咲人「ヨル、俺にさっきその話題出してきたんだよ。」
伶伊「え、おそっ!」
夜央「うるさいな。」
伶伊「え、もしかして、断るつもりでした?」
夜央「まぁ。」
伶伊「え!せんぱーい、何とか出てくれません?」
夜央「なんでオレなの。お前が出ればいいじゃん。」
伶伊「それはちょっと。」
咲人「なんで?」
伶伊「力が及びません。」
夜央「中谷の?」
伶伊「はい。」
夜央「そんなことないけど。な?」
咲人「あぁ。中谷の作るやつちゃんと美味いぞ。」
伶伊「ほんとですか?そう言ってくれるの、先輩たちしかいないですよ。」
夜央「オレらにしかその話出してないからじゃねぇの?」
伶伊「まぁ、そうですけど。」
咲人「なんでだよ(笑)」
夜央「オレが断ったら、中谷出なよ。」
伶伊「わかりました、考えます。」
咲人「お前も考えんのかよ。」
夜央「じゃあオレら行くから。」
伶伊「はい。また遊びに来てくださいね!」
夜央「遊びじゃねぇだろ(笑)」
咲人「頑張れよー!」
伶伊「はい!ありがとうございます!」
咲人「中谷もいい線行ってると思うけどなぁ。」
夜央「行ってるよ。」
咲人「だよなぁ?」
夜央「オレが断ったらさ、中谷にいい機会になると思わねぇ?」
咲人「ヨル今悪い顔してるよ。」
夜央「優しさだよ。先輩なりの。」
咲人「ヨルは先輩面似合わんよ。」
夜央「なんつー酷いことを。」
咲人「事実だからな。」
夜央「咲人はいい意味で先輩面似合うよ。」
咲人「だろ?いい意味では余計だけど。」
夜央「あ、オレ予習やってない。」
咲人「俺も。そんな余裕なかったし。」
夜央「本来あるはずの余裕がな。」
咲人「なぁ、まじどーする?」
夜央「なにが?」
咲人「人。増やす?」
夜央「今そこが1番の問題だよな。」
咲人「今みたいにさオレら講義入ったら宮舘くんと康二くんだけになるだろ?」
夜央「うん。ラウールくんは学校だしな。」
咲人「そうなった時に、客いっぱい来たら2人だけで回んのかって話なんだよ。」
夜央「オレも思ってはいるんだけどさ。」
咲人「もしあれなら中谷呼ぶとか?」
夜央「中谷?」
咲人「うん。アイツ、SNSやってないし。時間空いたらヨルに見てもらえるじゃん。」
夜央「中谷が教えてもらいたいのはオレじゃないでしょ。」
咲人「でも、ヨルを参考にはしてんだろ?」
夜央「まぁ、みたいなことは言ってたけど。」
咲人「返事ついでにさ聞いてみてよ。」
夜央「でも中谷はお姉さんのお店もあるしな。」
咲人「あー、そっか。そっちに行くかもなぁ。」
夜央「聞くだけ聞く。」
咲人「頼むわ。」
バイト募集すんのも、結局SNS使うしな。
張り紙はなぁ、どんな奴が来るかわかんねぇし
悩みどころだわ。つら
咲人「ヨル、昼飯どーする?」
夜央「咲人何にすんの?」
咲人「どーしよっかな。次の講義寝そうなんだよな。」
夜央「しょーがねぇな。炭酸買ってきてやるよ。」
咲人「まじ?じゃあヨルのもついでに頼んどくよ。何がいい?」
夜央「じゃあオレ、とり天。」
咲人「おっけー、早めに買えたら席取っといて。」
夜央「わかった。」
咲人「おう。」
優しいんだよなぁ、ヨルは。
咲人「えーっと、とり天と、チキン南蛮ください。」
「今日は、チーズケーキもあるよ。」
咲人「あ、じゃあそれ2つ。」
「あいよー。いつもありがとうね。」
咲人「いえいえ。こちらこそありがとうございます。」
おばちゃん、いつもデザート何か教えてくれる。
ヨルがこういうの好きだからなぁ。(笑)
「2個持てる?」
咲人「大丈夫ですよ、ありがとうございます!」
「またよろしくね〜。」
咲人「はーい!」
ヨルはどこだ〜?
夜央「咲人ー!」
お、いたいた。
咲人「ほい、ヨルの。」
夜央「ありがと、はい、炭酸。」
咲人「お、サンキュー。」
夜央「それ何?」
咲人「チキン南蛮。チーズケーキ付いてるって。」
夜央「おぉ、まじか。ありがてぇなぁ。」
咲人「おばちゃんが教えてくれた。」
夜央「おばちゃんナイスだわ。」
伶伊「あ、せんぱーい!」
夜央「なかはひ。」
伶伊「一緒いいですか?」
咲人「いいよ。席取れなかったんだ?(笑)」
伶伊「はい。今日はちょっと遅かったっすね。」
夜央「いつも空いてんのにね。」
伶伊「先輩、今日帰りちょっと時間あります?」
夜央「あー、ちょっとなら。」
伶伊「アドバイス欲しいんですけど。」
咲人「てかさぁ、前から思ってたんだけどなんでお前全部ヨルに聞くの?」
伶伊「え?何がですか?」
咲人「お前の先生に聞けばいいんじゃねぇ?」
伶伊「だって先生大事なこと教えてくんないんすもん。自分で見つけろ的なことを。」
咲人「ヨルに聞いたら自分で見つけたことにはなんないじゃん(笑)」
伶伊「そうですけど、あくまでアドバイスですから。(笑)」
夜央「オレは全然なんでもいいけど。」
伶伊「ほんとですか?やった!」
咲人「ヨルも優しいねぇ。」
伶伊「ついでに、前作ったやつ感想貰えません?」
夜央「あれまた作ったの?」
伶伊「はい。なんか、納得いくやつ出来なくて。」
夜央「いいよ。咲人も?」
伶伊「はい。色んな感想聞きたいんで。」
夜央「なぁ、中谷。」
伶伊「はい?」
夜央「ついでっちゃあついでなんだけどさ。」
伶伊「はい。」
夜央「今、バイトとかやってないんだよな?」
伶伊「はい。それが?」
夜央「オレらの店さぁ、今ちょっと人足んなくて。」
咲人「中谷さえ良ければ、ヘルプ入ってくんねぇかなって。」
伶伊「え、いいんすか!?」
咲人「もしそれで、中谷にもヨルにも時間があれば終わったあとヨルに見てもらったりすりゃいいじゃんって俺思ってんだよね。」
伶伊「そんな贅沢なっ!」
夜央「全然贅沢じゃねぇけどさ。」
咲人「中谷が勉強するとこ増やしてもらって全然良いんだよ。」
夜央「でも、お姉さんのお店とかあるし充分環境は整ってるとは思ってんだけどね。」
伶伊「いやいや、ありがたいですよ!」
咲人「どうかな?」
伶伊「むしろいいんですか?」
夜央「うん、オレらがお願いしてんだし。」
伶伊「ぜひ!やりたいです!」
咲人「ほんと?まじ助かる!」
伶伊「今までどうしてたんですか?」
夜央「今まではなぁ、オレら忙しい時間帯講義入れてなかったし。」
咲人「何とかできてたって感じはするけど。」
夜央「今年からはそうはいかないし。」
伶伊「わかりました、ちなみにどの時間に?」
夜央「まぁ、朝と昼だな。飯食べる時間。」
咲人「ちなみに、賄い付き。」
伶伊「まじですか?うわ、ちょー嬉しい。」
夜央「ありがとね、中谷。」
伶伊「いえいえ、いつも助けて貰ってるので。」
咲人「あ、詳しいことはまた後で連絡するわ。」
夜央「ごめん、中谷。もう行かないと。」
伶伊「わかりましたー、また後で!」
「「ありがと!」」
思わぬ所で、人員が決まっちったわぁ。
すげー収穫じゃね?
天才。俺ら。
咲人「宮舘くんに連絡入れとく?」
夜央「そだね。オレ連絡しとくよ。」
咲人「お、サンキュー。」
夜央「咲人寝んなよ。」
咲人「がんばる。」
だてside
こじ「だてさん、こんなにええ天気やと昼寝したなるな。」
だて「そうだね。暖かいしね。」
こじ「そやねん。気持ちええやろなぁ。」
お昼時もすぎて、やっと落ち着いた。
ピコン
ん、夜央からLOINきてる。
だて「康二。」
こじ「んー?」
だて「人員決まったって。」
こじ「え?なんやて?」
だて「夜央から連絡来てて。1人バイト決まったって。」
こじ「ほんまに?え、どんな子?」
だて「それはわかんないけど。でも、夜央が言ってんならいい子なんじゃない?」
こじ「そやね。わぁなんや楽しみやわ。」
だて「楽しくなりそうだね。」
こじ「そやな!どんな子なんやろぉ。」
咲人side
咲人「終わったぁー!」
夜央「結局寝なかったね。」
咲人「そー!炭酸だよなぁ、やっぱ。」
夜央「じゃあオレのおかげだな。」
咲人「ドヤんな。そうだけど。」
夜央「中谷のとこ行く?」
咲人「そーだな。どこいんの?」
夜央「いつものとこじゃね?」
あれ、いない。
どこいんの?
伶伊「あ、せんぱーい!」
咲人「中谷!」
伶伊「すみませーん、書類提出してて。」
夜央「いや、オレらも今終わったとこだから。」
伶伊「そうですか?あ、これ食べて欲しいんですけど。」
咲人「なにこれ?」
伶伊「カラマンシータルトです。」
咲人「は?なにそれ。」
伶伊「カラマンシーは柑橘系のフルーツなんです。レモンとか。」
咲人「へぇ。」
伶伊「ちょっと酸味強いんですけど。」
咲人「あ、そうだね。ちょっと酸っぱい。」
伶伊「そうですか?やっぱり。」
夜央「どういう系にしたいの?」
伶伊「そーですね。」
夜央「わざわざこれを使うってことはさ、この酸味が欲しいわけでしょ?」
伶伊「はい。」
夜央「この酸味を全面的に出してなんつーのその、所謂大人向けみたいなのにするか、ちょっと抑えるか。」
伶伊「出しすぎもちょっと食べられる人限られるんで、あんまり出しすぎないようにはしたいんですけど。」
夜央「じゃあカラマンシーの量をちょっと減らせばいいんじゃない?」
伶伊「量ですか?」
夜央「うん。それかクリームとかの量を増やして、酸味を抑えるとか。」
伶伊「あーなるほど。」
夜央「まぁたしかに、これじゃあ食べられる人は限られるかもな。すっぱいし。」
伶伊「やっぱりそうですよね。ちょっとクリーム増やしてみます。」
夜央「うん。ある程度どんくらいの酸味を出すかを決めときゃ作りやすいんじゃない?」
伶伊「そうですね。ありがとうございます!」
咲人「これはさ、中谷が自分で考えたやつなの?」
伶伊「はい。姉の店で良かったら出すよって言ってくれて。」
夜央「じゃあちゃんと決めなきゃだ。」
伶伊「そうなんですよ。もちろんすっぱいのが好きな人だけじゃないんで、色んな人に手に取って食べて貰えるような商品にしたくて。」
咲人「えらいね。」
伶伊「え?」
夜央「うん、えらいえらい。」
伶伊「なんか照れますね。(笑)」
夜央「オレ、それが売られたら絶対食べる。」
伶伊「え、ほんとですか?うわ、嬉しい。」
咲人「俺も。どんだけ成長してんのか確かめに行くわ。」
伶伊「ありがとうございます!で、あのバイトの件いつからですか?」
夜央「あー、いつなら都合空いてる?」
伶伊「いつでも空いてますよ!」
夜央「今日はこれやりたいでしょ?」
伶伊「まぁ、そうですね。」
咲人「明日は?」
伶伊「明日は大丈夫です!」
夜央「じゃあ、今日もしそれが終わったら連絡ちょうだい。」
伶伊「はい!わかりました!ありがとうございます!」
咲人「いーえ。じゃ、また明日な。」
伶伊「はい!」
夜央「ばいばーい。」
ブンブン手振ってくれる(笑)
咲人「決まったな。」
夜央「うん、意外とあっさり。」
咲人「それな。なんか軽かったし。」
夜央「でも正直あれくらいがいいよな。」
咲人「そうだな、軽すぎても重すぎても困るし。」
よし、決まり!
夜央「あ、オレ差し入れするんだった!」
咲人「あら。昼?」
夜央「うん、なんかテキトーに持っていくよって言ったわ。」
咲人「あららぁ、行ってきな。」
夜央「うん、先やってて。」
咲人「おう!」
だてside
ガチャ
あ、誰か来た。
夜央「ごめん、涼太くん。オレ今からちょっと出なきゃで。」
だて「うん、気をつけてね?」
夜央「ありがと。」
こじ「なに、持っていくん?」
夜央「なんかテキトーに、好きそうなのを。」
こじ「準備してあるん?」
夜央「はい、あとは詰めるだけです。」
こじ「気ぃつけてな。」
夜央「ありがとうございます!あ、後ろに咲人います!」
こじ「おっけー。」
咲人「ただいま帰りました〜。」
こじ「おぉ、おかえり!」
だて「おかえり。」
咲人「ただいまでーす。ヨル差し入れ持っていくらしいですよ。」
だて「みたいだね。さっき言ってた。」
咲人「俺また、お金もらっちゃいますわ。」
だて「それどうすんの?」
咲人「どうしましょう、ヨルに言っても断られるだけだし。」
だて「今までの全部まとめてあるの?」
咲人「はい、ありますよ。」
だて「それ用の帳簿も作っとこうか。」
咲人「そうですね。」
夜央「行ってきます!」
「「行ってらっしゃーい!」」
こじ「咲人くん、夜央くんどこ行ったん?」
咲人「朝央くんのとこです。」
こじ「そおくん?」
咲人「えーっと、ヨルのお兄さんで、社長さんです。」
こじ「なんていうとこの?」
咲人「翔太さんたちがいる会社です。」
こじ「え、そうなん!?」
咲人「はい。」
こじ「やって、だて!」
だて「知ってるよ。」
こじ「ほんまに?」
だて「うん。」
こじ「俺だけ知らんかったんや。」
咲人「ヨル、自分のこと話さないっすもんね。」
こじ「それで差し入れ持っていったんや。」
咲人「はい。」
こじ「よくあるん?」
咲人「あー、そーっすね。気分なんですけどね。」
こじ「気分?」
咲人「はい。朝央くんがヨルのケーキ楽しみにしてるんですよ。」
こじ「へぇ、すごいな。」
咲人「でしょ?ヨルはすごいんですよ。」
だて「あ、なんかバイトの子決まったみたいなこと言ってなかった?」
咲人「あ、はい。」
こじ「どんな子?」
咲人「大学の後輩で、」
こじ「うん。」
咲人「製菓科の子なんですけど。」
こじ「製菓?ガチやん。」
咲人「はい。ヨルにアドバイスとかいろいろもらってるようで。」
こじ「え、そうなん?夜央くん実はすごい子なんや。」
咲人「みたいっすね。俺は全然わかんないんですけど。」
だて「なんて声かけたの?」
咲人「俺らの店のこと知ってる子で、ちょっと人たんないんだよねって言ったら手伝うって言ってくれて。」
こじ「ええ子やな。」
咲人「はい。で、時間があればヨルに見てもらえるねって。」
だて「それじゃない?」
咲人「まぁ、それもあるとは思うんですけど。」
だて「まぁ、何にせよありがたいことだね。」
咲人「そうですね。」
こじ「いつから?」
咲人「まだ正式にってわけじゃないんで、宮舘くんたちにも一応ってことで、明日来てもらうことにしてます。」
こじ「明日は学校ないん?」
咲人「はい。土曜なんで。」
こじ「あ、せや。」
だて「明日の朝?」
咲人「はい。履歴書とか入ります?」
だて「一応持ってきてもらおうか。」
咲人「わかりました。連絡しときます。」
だて「ありがとう。」
夜央side
夜央「すみません。」
「はい。どなたかに御用ですか?」
夜央「あ、えっと社長に…。」
「アポは取られてますか?」
夜央「一応。」
「かしこまりました。連絡してみます。」
夜央「ありがとうございます。」
「社長。ロビーにお客様がいらしてます。」
「えっと、大学生?くらいに見えますが。」
「わかりました、ご案内します。」
「連絡取れました。ただいま係員がご案内致します。」
夜央「あ、大丈夫です。」
「ですが、」
夜央「僕、わかるので。」
「すみません、お名前伺っても?」
夜央「如月です。」
「社長とはどのようなご関係で?」
夜央「弟です。」
「そうでしたか、失礼しました。」
夜央「あ、いえ…、すみません。」
「大丈夫です、お通りください。」
夜央「ありがとうございます…。」
毎回だよ、このやり取り。
兄ちゃんの方から通してくれればいいのに
わざわざこんな手間までかけて。
オレがどんなに苦労してるかわかってんのかな
チーン
ふか「あれ、如月くん?」
夜央「あ、お疲れ様です。」
ふか「どうしたの、こんなとこで。」
夜央「あ、差し入れを。」
ふか「差し入れ?どこに?」
夜央「社長室です。」
ふか「あ、そうなの。」
夜央「はい。今日はお店来られますか?」
ふか「うん、行くよ。」
夜央「ありがとうございます。」
ふか「あ、じゃあ。」
夜央「あ、はい。お仕事頑張ってください。」
ふか「あ、ありがとう。」
夜央「失礼します。」
そりゃそうだ。
だれかには会うと思ってた
コンコン
夜央「失礼します。」
「はーい、どーぞ。」
夜央「失礼します…。」
朝央「あ、夜央。」
薫「よく来たな。」
夜央「お疲れ。兄ちゃん、薫くん。」
朝央「大丈夫だった?」
夜央「止められはしなかったけど、めっちゃ確認された。」
朝央「だろうな。」
夜央「なんでオレ毎回止められんの。」
薫「そうだよな。朝央がひと言言ってればいいんだよな。」
夜央「そうだよ。社長とのご関係は?って何っ回も聞かれるオレの身にもなってよ。」
朝央「ごめんごめん(笑)」
夜央「弟ですって言ったらほんとですか?とかなにか証明出来るものは?とかさぁ。」
詐欺とかじゃないんだから
別に偽ってないし
薫「大変だなぁ。」
夜央「ほんとね。あ、はい。これ。」
朝央「おお、悪いね。」
夜央「思ってないでしょ(笑)」
朝央「思ってるよ(笑)」
薫「学校始まったの?」
夜央「そうなの。まぁ正直オレがちょっと忘れてたんだけどね。」
朝央「あらぁ、書いてなかったの?」
夜央「書いてた。書いてたけど、スマホに入れてなかった。」
薫「あるあるだわ、俺もよくやる。」
朝央「そう?」
薫「お前はスマホしか使わねぇからな。」
朝央「まぁいいや。夜央、何持ってきてくれたの?」
夜央「薫くんがこの間気に入ってくれたやつと、新商品。」
朝央「お、まじで?」
薫「覚えててくれたんだ。」
夜央「うん、オレはそういう顔を見るために作ってるからね。」
薫「ありがとなぁ、夜央。」
夜央「んふふ、どーぞ。」
「「ありがと!」」
朝央「店は?」
夜央「咲人たちいるから。」
薫「この時間だと落ち着いてるもんな。」
夜央「うん。来る時は来るけどね。」
朝央「そだ、昨日翔太たちが店行ったんだろ?」
夜央「うん。なんで?」
朝央「朝、話してたから。」
薫「最近忙しくて行けてないからね。」
夜央「ぜーんぜん。オレはこーやって食べてくれるだけで嬉しいよ。」
朝央「かわいいなぁ、お前は。」
夜央「あ、お金は要らないからね。」
朝央「えー!なんでぇ?」
夜央「身内から金取るとかさ。」
朝央「タダでこんな良いもん食えねぇよ。」
夜央「咲人に渡すのもダメ。オレ知ってんだからね、オレに黙って咲人に渡してんの。」
朝央「なんでバレてんの。」
夜央「咲人が店の売上金とは別に整理してんの見た。涼太くんと話しながら。」
朝央「おっと〜。」
夜央「もうバレてるから、だめ。」
朝央「じゃあこのお金で夜央の好きな物でも買いな。」
夜央「え、なんで?」
朝央「いらない?」
夜央「うん。」
朝央「遠慮しなくていいよ?」
夜央「遠慮とかじゃないけど、いらない。オレじゃなくて兄ちゃん使いなよ。」
朝央「俺は別になぁ。結構買ってもらってたし、欲しいものはもう持ってるからな。」
夜央「ほんとに?」
薫「朝央は遠慮を知らなかったからな。」
朝央「そうだな(笑)」
夜央「オレはいいよ。あそこで作りたいだけだから。」
朝央「じゃあわかった。今度ちゃんと店行くから、薫と。」
夜央「うん、待ってる。」
薫「ちゃんと時間とってゆっくりしたいよね。」
朝央「そうねぇ、いろいろ聞きたいし。」
夜央「なにをだよ(笑)」
薫「夜央、美味しかった。」
夜央「良かった。ちゃんと感想聞けるの良いよね。」
薫「嬉しいよな。」
夜央「うん。作って良かったって思うよ。」
朝央「かわいいなぁ、お前は。」
夜央「兄ちゃん今度それ言ったら、兄ちゃんの分の差し入れないよ。」
朝央「え、ごめん!やだ!」
薫「こどもかよ。」
朝央「こどもでいい!から、俺の分もちゃんとちょーだい!」
夜央「うん、だから言わないでね?」
朝央「わかった、いわない!」
薫「逆転してんじゃん。おもしろ(笑)」
ピコン
ん?咲人からLOINきてる。
咲人:ヨルー、戻れる?宮舘くんたちが中谷のこと聞きたいってー
夜央:わかったー、戻る
夜央「ごめん、オレそろそろ。」
朝央「おぉ、長々とありがとな!」
薫「わざわざありがと。落ち着いたらちゃんと行くから。」
夜央「うん、待ってる。無理しなくていいよ!」
朝央「多少無理してでも行きたい!」
夜央「わかった(笑)体壊さないでねー?」
朝央「おー、またなー!」
薫「頑張れー!」
夜央「ありがとー!じゃあね。」
「「ありがとなー!」」
ちょっと差し入れ持って行っただけで、あんなに喜んでくれる
嬉しい限りだよ。
咲人side
咲人「そろそろヨル帰ってきますよ。」
だて「あ、そうなの。」
咲人「はい。」
こじ「ほなこれからあんま来んかもなぁ。」
咲人「そうですね。」
カランカラン🔔
「「いらっしゃいませー!」」
「ケーキセットをお願いします。」
こじ「はい。ケーキとお飲み物はどうなさいますか?」
「シフォンケーキと、紅茶で。」
こじ「紅茶には、レモンはお付けしますか?」
「あ、お願いします。」
こじ「かしこまりました。」
咲人「康二くん、何て?」
こじ「シフォンケーキと紅茶。レモン付きで。」
咲人「了解。」
だて「わかった。」
咲人「康二くん、俺持っていきますね。」
こじ「うん、よろしく。」
咲人「おまたせしました、シフォンケーキです。」
「ありがとうございます。」
だて「康二、できた。」
こじ「はい。」
こじ「お待たせしました、紅茶になります。ごゆっくりどうぞ。」
「ありがとうございます!」
ガチャ
夜央「ただいま帰りました〜。」
咲人「おかえり、ヨル。」
夜央「ただいま。今日はお金もらってないよ。」
咲人「今日もでしょ(笑)」
ヨルからはね(笑)
咲人「後でこっそり朝央くんに貰うんだよ。(笑)」
夜央「オレに言ったらこっそりじゃないよ。(笑)」
咲人「そだな(笑)」
だて「ねぇ、夜央。バイトの子ってどんな子?」
夜央「咲人から何聞きました?」
だて「大学の後輩で、製菓科の子だって。」
夜央「でもそれくらいですよ。」
咲人「まぁね。」
夜央「パティシエのお姉さんがいて、そのお姉さんはお店出してて。」
こじ「え、すごっ!」
だて「なんで夜央はさ、その子にアドバイスとかしてるの?」
夜央「え?なんでって、」
だて「悪い意味じゃなくてね、学科も違うし、何でなのかなって。」
夜央「たまたまですよ。たまたま、中谷がここに来て、で、このケーキ作ったの誰ですかって言われたからオレって言ったら。」
咲人「中谷が自分に教えてください!ってヨルに言ったんすよ。」
夜央「とりあえずなんで?って思ったけど、話聞いてたら同じ大学だったから、じゃあ時間空いてる時ならいいよって。」
こじ「へぇ、夜央くんすごいやん!」
夜央「でも中谷だってすごいですよ。正直オレに聞かなくても全然良いくらいです。」
だて「名前、『中谷』っていうんだ。」
夜央「はい。あれ?咲人から聞いてないんですか?」
咲人「あれ、俺言いませんでしたっけ?」
こじ「言ってへんな。」
だて「うん。」
咲人「え、ごめんなさい。言った気になってた。」
だて「わかった。じゃあ明日来た時にいろいろ聞くわ。」
咲人「はい。良い奴ですよ。」
だて「わかったよ(笑)」
カランカラン🔔
「「いらっしゃいませー」」
さく「お疲れ様でーす!」
咲人「あ、お疲れ様でーす!」
こじ「あれ、足りひん。」
いわ「残りは残業。」
こじ「大変やなぁ。」
佐久間さんと、岩本さんと、阿部さん
翔太さんと、目黒さんと、深澤さんが残業
会社員ってそーゆーのやっぱあんだね
俺無理かも。
そんな心配いらないんだけどな(笑)
あべ「先いっていいよって言われたから。」
夜央「お疲れ様です。」
さく「ありがとー!」
咲人「ご注文お聞きしまーす!」
さく「えっとー、俺オムライスで!」
いわ「俺ピラフで。」
あべ「じゃあ俺はドリアで。」
咲人「かしこまりました。少々お待ちください。」
あべ「今日はあの子いないんだね。」
こじ「ラウールですか?」
あべ「うん、あの背の高い子。」
こじ「今日はシフト入ってないです。バイトやから。」
あべ「あ、バイトなんだ。」
こじ「はい。」
いわ「3人は?」
こじ「俺は正。」
咲人「俺もですよ。お待たせしました、ピラフです。」
いわ「あ、ありがとう。」
さく「如月くんは?」
咲人「んー、ヨルもそうですけど、ヨルの場合は経営者ですからね。」
さく「えっ、そうなの!?」
咲人「まぁ、一応?」
こじ「オーナーは舘さんやろ?」
咲人「表向きは?」
表向きっていうと、ちょっと表現悪いな
咲人「ここは元々ヨルのお店ではあるんですけど、なんて言うんでしょう、未成年だし後継者的な?あれは、宮舘くんになってるんです。」
さく「へぇ、複雑なんだ。」
咲人「んー、どうなんでしょう。」
夜央「お待たせしました、オムライスです。」
さく「ありがとう!」
カランカラン🔔
「「いらっしゃいませー」」
ふか「疲れたぁあ!」
なべ「早く入って。」
めめ「ふっかさん、詰まってる。」
夜央「あ、お疲れ様です。」
ふか「ありがとぉー!」
咲人「お疲れ様でーす!」
こじ「残業ってそんな大変なん?」
なべ「流石に1週間分の疲れはね(笑)」
めめ「堪えますね(笑)」
ふか「明日休みなのが救いだわ。」
咲人「ご注文何にされます?」
なべ「おれ、ホットサンド。」
さく「そんなメニューもあんだ!」
なべ「うん、通しか知らねぇんだよ。」
夜央「メニュー表に書いてありますよ(笑)」
めめ「俺は、ナポリタンで。」
ふか「じゃあ俺は、ビーフカレーで。」
咲人「かしこまりました、少々お待ちください。」
ふか「ねぇ、如月くん?」
夜央「はい?呼びました?」
ふか「うん、呼んだ。」
夜央「どうされました?」
ふか「なんで今日会社いたの?」
夜央「差し入れです。」
ふか「社長室に?」
夜央「はい。」
なべ「今日夜央来たんだ。」
夜央「はい。」
ふか「社長と如月くんって、」
咲人「兄弟ですよ。」
ふかさく「えっ!?」
夜央「はい。」
ふか「あ、そうなんだ。」
なべ「今日何持っていったの?」
夜央「あ、そうだ!オレ皆さんに食べて貰いたいのあるんです!」
咲人「今日持ってたったやつ?」
夜央「うん!」
新商品って言ってたなぁ、
この間見せてくれたやつかな
だて「咲人ー、夜央ー。」
「「あ、はーい!」」
夜央「食べてからで大丈夫なんですけど!」
咲人「ヨル、俺こっち持つから、そっち。」
夜央「おっけ。え、2個は危ないよ。」
だて「俺1個持っていくよ。」
咲人「ありがとうございます。」
だて「お待たせしました、ナポリタンです。」
めめ「ありがとうございます。」
咲人「ちゃんとメニュー表にあるホットサンドです。」
なべ「ごめんて(笑)」
夜央「ビーフカレーです。」
ふか「ありがとう!」
こじ「空いてるお皿下げますよ。」
さく「ありがとーございます!」
夜央「オレももらいます。」
咲人「俺ももらいまーす。」
いわあべ「ありがとうございます。」
夜央「涼太くん、オレ片付けやっとくよ。」
だて「あ、ほんと?ありがと。」
なべ「やっぱ厳しいの?」
だて「んー、まだ大丈夫なんだけどね。」
なべ「これから人増えんの?」
だて「一応1人は決まったみたいなもん。」
なべ「だれ?」
だて「夜央と咲人の大学の後輩だって。」
なべ「あ、そうなんだ。」
いわ「バイト増やすの?」
だて「うん。」
いわ「やっぱ忙しいもんね。」
こじ「咲人くんと夜央くんおらんなったら、2人やと回らへんことも出てくるかもしれんし。」
あべ「でも、大学の後輩なら、2人と講義被ることはあるんじゃない?」
こじ「それはしゃーないやん。被らへんところを入れるしかないんやと思う。」
だて「元々、こんなつもりじゃなかったしね。」
なべ「続ける気無かったの?」
だて「無いわけじゃないけど、思いが強かったのは夜央と咲人だけだったし。」
なべ「まぁ、そうだよな。」
めっちゃ会話聞こえる(笑)
え、こんな聞こえていいもんだっけ(笑)
客のプライバシーが(笑)
夜央「最初からこんなんだったよ。」
咲人「そうだっけ?てか、俺今声出てた?」
夜央「うん(笑)オレに話しかけてんのかと思ってた(笑)」
咲人「あ、ごめん(笑)」
でも、中谷が入ってくれるのは結構でかいと思う
俺もヨルもありがたい
夜央「あの、皆さんにちょっと、試食をお願いしたいんですけど。」
なべ「うん。」
夜央「皆さん、お腹大丈夫ですか?」
いわ「そんなガッツリ?」
夜央「じゃないですけど、ご飯食べられたあとだから大丈夫かなと。」
さく「全然大丈夫!」
夜央「ありがとうございます。」
だて「新商品?」
夜央「うん、今日持って行ったやつなんだけど。」
ショーケースの中から見たことの無いケーキが出てきた
しかも全部切らてるし
夜央「はい、お願いします。」
こじ「味は?」
夜央「何の前情報もなく、食べてみてください。」
こじ「うん。」
めずらしい、何も教えてくれないの。
まぁ、いいや。食べてみよ
咲人「ん!うまい。」
だて「なにこれ、ブルーベリー?」
夜央「そうなんです!」
さく「なんか紫みたいな青みたいな色してるね。」
夜央「はい、生地にブルーベリー入れてるんです。どうですか?」
めめ「これいいっすね、俺好きです。」
ふか「俺も!思ったよりすっぱくないし、なんならちょっと甘い?」
夜央「わかります?甘くなるようにしたんです。これなら年齢関係なく食べられるでしょ?」
こじ「目にも良いし。」
夜央「これ、兄ちゃんに食べてもらったんですけど、結構いい評価貰ったんですよ!」
ほんっと、嬉しそうに話すなぁ
そーゆーとこがかわいいんだよ
あべ「でも、なんでブルーベリーなの?」
夜央「ん?」
あべ「季節的にもさ、なんで今にしたの?」
夜央「こどもも大人も年齢関係なく食べられるものってなんだろうって考えた時に、そりゃフルーツだって好き嫌いとかアレルギーとかありますけど、ブルーベリーは目に良いって言うじゃないですか。」
あべ「うん。」
夜央「そう言われると、苦手意識が少しなくなるっていうか。それでも嫌いな人はいると思いますけど、色んな人に手に取って貰えるかなって。季節面はこれから考慮して行けばいいんですよ。」
なべ「ほんと、よく考えてんね。」
夜央「オレにできることってそれくらいですから。」
咲人「いいよ、これ。俺も好きだよ。おじさんに認めて貰ったやつ?」
夜央「うん!これなら食べやすいなって、これ食べれば目良くなるかもなって。」
おじさん、なんだかんだヨルのこと認めてんじゃん
いわ「じゃあこれ商品として出すんだ?」
夜央「はい。お試し期間的な?」
ふか「お試し期間?」
夜央「とりあえず出してみて、売れ行き次第で様子見ようと思って。」
だて「どうなるかわかんないもんね。」
夜央「うん、意外と不評かもしれないし。売ってみなきゃわかんないから。」
だて「いいと思うよ。じゃあ明日から出してみようか。」
夜央「はい!」
嬉しそうだなぁ(笑)
朝央くんと、おじさんに良いって言って貰えたらそりゃ自信は付くわな
こんなに認めてくれる人がいるんだもん
それだけで嬉しいよ
いわ「そろそろ帰るか。」
さく「そだな。」
あべ「如月くん、ありがとう。美味しかった。」
夜央「いえいえ、オレの方こそありがとうございます。」
なべ「明日からだよな?」
夜央「はい。とりあえず、1週間出します。」
さく「1週間かぁ。」
夜央「オレ持っていきましょうか?」
めめ「え、いいんすか?」
夜央「はい。なんか他に欲しいのとかあったらそれも持っていきますよ。」
めめ「ありがたいです。」
夜央「いえいえ、連絡ください。」
めめ「あ、じゃあほらやっぱり、連絡先交換しましょうよ。」
夜央「そうですね。(笑)」
さく「俺も!」
夜央「はい。」
あべ「よかったね、めめ。ついにじゃん。」
めめ「昨日ずっと断られましたからね。(笑)」
夜央「すみません(笑)」
ふか「ねぇ、明日もまた来ていい?」
夜央「ぜひ!」
ほんっと、うれしそうだよなぁ
俺はヨルのその顔が見れて嬉しいよ
咲人「ありがとうございまーす!」
さく「じゃあねー!」
こじ「ありがとうございましたー!」
なべ「ばいばい。」
夜央「はい。ありがとうございました!」
だて「今日も賑やかだったね。」
こじ「そやなぁ、嬉しいことやな。」
咲人「そうですね。」
だて「よし、片付けよっか。」
夜央「はい!」
こじ「お疲れさんっしたー!」
咲人「お疲れ様でーす!」
だて「お疲れ、また明日ね。」
こじ「はーい!」
夜央「お疲れ様でーす!」
だて「あ、咲人。」
咲人「はい。」
だて「今まで貰ったやつ全部ある?」
咲人「ありますよ。」
だて「それ一つにまとめとこうか。」
咲人「そうですね。」
夜央「それいつ貰ってんの?」
咲人「朝央くんがわざわざ持ってきてくれんの。」
夜央「家まで?」
咲人「うん。帰り道だからついでにって。」
夜央「ここには1回も来ないよ。」
咲人「ヨルに渡すと断っちゃうでしょ。」
夜央「当たり前じゃん。」
咲人「だからわざわざ俺のとこに来るんだよ。」
夜央「薫くんの分も入ってんの?」
咲人「うん。2人分もらうよ。」
夜央「オレ別にいらないって言ってんだけどね。」
咲人「朝央くんたちは客として払ってくれてるだけじゃない?そう考えればこれは妥当でしょ。」
夜央「そうなのかねぇ。」
だて「これで夜央に好きな物買って欲しいんじゃない?」
夜央「それ直接言われました。」
だて「やっぱり。でも嬉しいんでしょ。」
夜央「まぁ、はい。」
咲人「だろうなぁ。滲み出てるもん。」
だて「誰かに認めてもらうのって嬉しいよね。」
夜央「はい。」
咲人「俺ちょっと掃除してきますね。」
「「うん。」」
だてside
夜央「涼太くん。」
だて「どした?」
夜央「ちょっと、相談があるんだけど。」
だて「うん、なに?」
夜央「オレ、これ出てみたいんだよね。」
だて「ん?どれ?」
洋菓子コンテスト?
夜央「うん、うちの大学で出すみたいなんだけど、先生からこれよかったら出てみないかって誘われて。」
だて「製菓科の子と一緒に?」
夜央「うん。どんな結果になっても、ここで何かしらの評価をされれば、オレもちょっとは自信つくかなって。」
だて「いいけど、大変じゃない?」
夜央「まぁ、そうなんだけどさ。オレ最近ちょっと詰まってんだよね。」
だて「そうみたいだね。」
夜央「うん、ここで何らかの刺激を貰って、今後の参考にしたくてさ。他の人から見て、オレは今どんな風に写ってんのかなって。」
だて「いいんじゃない。いい機会だよ。」
夜央「ほんと?良かったぁ。」
だて「じゃあ忙しくなるね。」
夜央「うーん、最近はさ、あんまり良いアイデアが浮かんでこなかったんだけど、これはテーマも決まってるし。ちょうどいいかなって。」
だて「作りたいものは決まってる感じ?」
夜央「だいたい?こんな感じかなってふわっとは。」
だて「わかった。良い結果になるといいね。」
夜央「うん!ありがと、涼太くん。」
咲人「終わりましたー。」
夜央「あ、咲人。おつかれ。」
咲人「お疲れ。どした?」
夜央「オレこれ出てみようかと思ってさ。」
咲人「洋菓子コンテスト?」
夜央「うん。」
咲人「来週のスイーツフェスはやめんの?結局。」
夜央「うん。それは元々オレ関係なかったしね。」
咲人「これ誰に勧められたの?」
夜央「先生と、父さん。」
咲人「なるほどね。おじさんに見せたいんだ。」
夜央「いやまぁ確かに、それもあるけど。せっかくのチャンスだからね。できることなら、挑戦したくてさ。」
咲人「じゃあ来週のは中谷に譲るんだ。」
夜央「うん。オレに来てた話じゃないし。」
咲人「だな。いいと思うよ。応援してる。」
だて「うん、がんばれ。」
夜央「ありがとうございます!」
咲人「それ、テーマ決まってんだろ?」
夜央「うん。」
咲人「大体の構図はできてんの?」
夜央「うん。こーゆーのを作りたいってイメージは大体できてる。」
だて「あとは何が必要なの?」
夜央「そのイメージに合わせる材料とオレの腕と気力。」
咲人「ほぼ精神じゃん。」
夜央「そうだよ。そういうもんでしょ。」
だて「お疲れ様、また明日ね。」
「「お疲れ様です!」」
咲人side
夜央「明日中谷何時に来るの?」
咲人「とりあえず、朝とは言った。一応履歴書持ってきてもらう。」
夜央「朝かぁ、開店前?」
咲人「かな。」
夜央「何聞くんだろうね。」
咲人「そうだなぁ、ひとまずは社交性とかじゃね?」
夜央「そうだな。それが大事だわ。」
咲人「あとは、注意事項的な。」
夜央「細かいこととかね。」
咲人「そうそう。」
夜央「てかごめん(笑)」
咲人「ん?」
夜央「咲人は今日も泊まんの?(笑)」
咲人「うん、もちろん。」
夜央「咲人がここにいるんじゃ、兄ちゃんもお金渡せないんじゃないの?」
咲人「今日朝央くん来ないって。」
夜央「そうなの?」
咲人「うん。だから俺が今日ここに泊まっても全然問題なし。」
夜央「オレの許可は取らないんだ(笑)」
咲人「いいじゃん、いいじゃん。もう帰んのめんどいんだよ。」
夜央「全然良いけどさ。それ言ってたらもう毎日ここ泊まることになるんじゃん?」
咲人「かも。それでもいい?」
夜央「いいけど、また冷蔵庫の中腐らすんじゃない?」
咲人「そうなんだよね、それが心配なの。」
夜央「生活面では困るだろ。」
咲人「うん、困る。洗濯はヨルのと一緒にやればいいけど、俺の冷蔵庫の中の食材たちはどうにもなんないからね。」
夜央「早くどうにかしてあげなきゃ。」
咲人「うーん、明日は帰ろうと思ってる。」
夜央「先にそういう気にしとかないと全部面倒になるだろ。」
咲人「そうなんだよ。なんなら一緒に帰る?」
夜央「あ、オレが?」
咲人「うん、そーすれば面倒さも少しはなくなるだろ?」
夜央「んーまぁ、咲人がそれでいいならオレはいいけど。」
咲人「よし!そうしよう。」
夜央「1人では帰んないんだ(笑)」
咲人「だるい。」
夜央「しょーがないなぁ。オレ優しいから。」
咲人「はいはい、ありがと。」
夜央「はよ風呂入れ(笑)」
咲人「はーい。」
ピコン
中谷かな
中谷:先輩のアドバイス通り作ってみました
中谷:姉にも食べてもらったんですけど、いいと思うって言ってくれて商品として出してくれることになりました!
夜央:おめでとう、中谷。
夜央:色んな人に食べて貰えるといいね
中谷:はい!先輩のおかげです!ありがとうございます!
夜央:オレは何もしてないよ。全部中谷の実力
中谷:いえいえ。今度食べに来てくださいね!
夜央:うん、絶対行く。
中谷:ありがとうございます!
咲人「ヨルー、出たぞぉーい。」
夜央「ん?うん。」
咲人「中谷から?」
夜央「うん、お店に出してもらえるんだって。」
咲人「おお、まじか!ぜってぇ食いに行く。」
夜央「うん、今その約束を取り付けた。」
咲人「中谷やっぱすげぇな。」
夜央「ほんとな。全部中谷の実力だからな。」
咲人「ヨルも負けてらんないじゃん。」
夜央「いやまじそれな。オレもがんばろ。」
咲人「とりあえず風呂入りな。」
夜央「あ、うん。」
だてside
咲人「おはよーございまーす。」
だて「おはよう、眠そうだね。」
咲人「そーなんすよ、聞いてくれます?」
だて「どしたの?」
咲人「昨日俺、ちゃんと早く寝たつもりなんですけど、昨日やった講義の内容がずっと頭から離れなくて。」
だて「うん。」
咲人「気づいたら、その内容が夢にまで出てきたんですよ!」
だて「あらら。」
咲人「それでぐるぐるぐるぐる考えてたら寝た気がしなくて。」
だて「大変だね。大丈夫?」
咲人「全然大丈夫なんですけど、ヨルに笑われました。」
だて「あはは(笑)」
咲人「ヨルはそういうとこちゃんと区別してるみたいで。」
だて「あー、確かに。夜央ってそういうとこ冷めてるよね。」
咲人「はい。まぁ、そんなこと言ったら怒られるんですけどね(笑)」
夜央「オレがなに?」
咲人「よっ、る。おはよ!」
夜央「おはよ、何?」
だて「おはよう、咲人の寝不足の話。」
夜央「おはよ、なんだそんな事か。」
咲人「なんだって。」
夜央「昨日の講義でしょ?」
咲人「え、まぁ。」
夜央「咲人、ああいうの引きずりそうだもんね。」
咲人「やめなさい。」
夜央「ほんとじゃん。」
咲人「俺の心が傷ついちゃう。」
夜央「きも。」
咲人「ヨル?」
夜央「いひひ(笑)ごめん。」
咲人「ヨルは大丈夫なの?」
夜央「うん、全然。オレむしろ残んないタイプだから。」
咲人「そーゆとこが冷めてんだよね。」
夜央「一言余計なんだよな。」
咲人「ヨルもな。」
こじ「はざまーす!」
咲人「おはようございます、康二くん。」
だて「おはよう。」
夜央「おはようございます。」
こじ「おはよう!今日来るんやっけ?」
咲人「はい!もうすぐ来るんじゃないですかね、ヨル。」
夜央「いや知らないわ。オレに聞くな。」
咲人「まぁ、そっか。」
夜央「あ、オレ外掃除してきます。」
こじ「確かにな、葉っぱいっぱいあったもんな。」
夜央「はい。咲人、前お願い。」
咲人「おーけー、おーけー。」
頑なに前のドアからは出ないんだ(笑)
こじ「だてさん、何で夜央くんお店側のドアから出んのん?」
来ると思った(笑)
だて「俺も詳しくはわかんないけど、線引きとかなんとか言ってた気がする。」
こじ「線引き?なんの?」
だて「ん?夜央に聞いてみなよ。」
こじ「答えてくれるかな。」
だて「わかんない(笑)」
咲人「宮舘くーん、中谷来ましたー。」
だて「あ、はーい。」
ちょうどいい時間だ。
咲人「いいよ、中谷。入って入って。」
「あ、はい。失礼します。」
咲人「面接かよ(笑)」
「面接ですよね?」
咲人「うん、ごめん。(笑)」
だて「いらっしゃい。」
「あ、どうも。中谷です。」
だて「こっちおいで。」
夜央気付いてないのかな
咲人「ヨルー、中谷来たよー。」
夜央「え?あ、わかった。」
咲人「何してたの。」
夜央「もうすっかり秋だなーって。」
咲人「もう秋終わるくね?」
夜央「まだ終わんねぇよ。これからが本番だわ。」
咲人「ごめんて。」
夜央「咲人もやっと長袖着たし。」
咲人「さすがにな、半袖で寒さ感じたわ。」
夜央「今まで感じなかったのがすげぇよ。」
咲人「ありがと。」
夜央「褒めてない。」
呑気か。(笑)
咲人「ヨルも中入ろ。中谷待ってるよ。」
夜央「うん。」
咲人「ハックシュン!」
夜央「風邪?」
咲人「んーん、ただのくしゃみ。」
夜央「急性上気道炎?」
咲人「それ風邪じゃね?」
夜央「バレた?(笑)」
「「てか知ってんだな。」」
夜央「え?」
咲人「今バカにした?」
夜央「いや咲人こそ。」
咲人「俺はした。」
夜央「オレもした。」
咲人「なんだよそれ。(笑)」
こじ「君ら、いつまで喋ってんねん。(笑)」
咲人「あ、ごめんなさい!」
夜央「すみません(笑)」
咲人「宮舘くん、ごめんなさい。」
夜央「中谷もごめん。」
だて「いいよ。(笑)つもる話でもあったの?」
夜央「どうでもいい会話です。」
咲人「何聞くんすか?」
だて「今履歴書見せてもらってる。」
夜央「うわ、びっしり。そんな真面目に書いたんだ。」
咲人「真面目だわー。」
だて「うん、一通りはわかった。とりあえず、自己紹介お願いしてもいいかな?」
「はい!」
咲人「緊張しなくていいよ、この人すげー優しいから。」
「はい、えっと、中谷怜伊です。先輩たちと同じ大学の一個下の製菓科です。」
だて「うん。夜央たちといつ仲良くなったの?」
怜伊「えっと、先生から聞いたことはあったんです。先輩のこと。でもそれが誰かは分からなくて、諦めてたんですけど。」
夜央「え、オレ噂されてんの?」
咲人「どんまい。」
だて「続けて。」
怜伊「たまたま入ったここのケーキがすごい美味しくて、つい聞いちゃって。それで同じ大学だって知って先生が言ってたのはこの人なんだって納得して。」
咲人「それでヨルに教えてもらおうと思ったんだ。」
怜伊「はい。姉がパティシエでお店出してるんですけど、いいの作れたらお店に出すよって言ってくれて。」
夜央「うわ、それめっちゃ嬉しいじゃん。」
怜伊「はい(笑)それで先輩からいろいろ教わりたくて。」
夜央「オレ別に製菓科じゃないよ?」
怜伊「でも、ほんっとに美味しかったんです!」
咲人「わかる。めっちゃわかる。」
怜伊「わかります?」
咲人「うん。俺もヨルの新作とか楽しみだもん。」
夜央「あ、そりゃどーも。」
咲人「照れてる?」
夜央「うるせ。」
だて「夜央に教えてもらうのは全然良いんだけど、バイトはやったことある?」
怜伊「いえ、全然。」
だて「うん、どれくらい入れる?」
怜伊「えっと、これ講義の日程表です。講義がない時は基本的に入れます。」
咲人「え?これ俺らより大変じゃね?」
怜伊「そんなことないですよ、思ったより時間も取れてますし。」
夜央「やっぱ実習多いな。」
怜伊「はい。専門ですからね。」
咲人「ヨルも行きたかった?」
夜央「いや、楽しそうだなーとは思うよ。でもオレには時間かかりすぎかも。」
咲人「まぁな、そうかも。」
だて「休みは休まなくて大丈夫なの?」
怜伊「はい、全然大丈夫です。」
夜央「あ、ここ混む時じゃん。」
咲人「ほんとだ。ここ中谷入ってくれたらすげー助かるわ。」
怜伊「ほんとですか?全然、入りますよ。」
だて「んー、家近いの?」
怜伊「はい、徒歩で行けます。」
咲人「それはいいね。」
怜伊「はい。」
だて「うん、大丈夫そうかな。」
怜伊「本当ですか!」
だて「うん、今日からよろしくね。」
怜伊「はい!」
夜央「中谷ー、SNSやってる?」
怜伊「やってないです。」
咲人「今どきの若い子はやんないんじゃない?」
夜央「今どきの若い子ほどやるんだよ。てか、オレらも今どきの若い子だよ。」
咲人「まーな。」
夜央「SNSを禁止してんの。」
怜伊「禁止ですか?」
夜央「うん。一切禁止。宣伝もやってないし、料理とかケーキとか載せることもない。お客さんにも断りいれてる。」
怜伊「はい。」
夜央「友達とか先生とかに言ってもいいけど、あんまり広めないで。」
怜伊「はい。」
咲人「時々ね、ガラの悪いお客さんとか来るけど、そん時は俺かヨル呼んで。」
怜伊「はい。」
咲人「あ、宮舘くん。俺ら説明しときます。」
だて「うん、お願い。」
咲人「はい。」
こじ「だて、終わったん?」
だて「うん、特に条件とかもないしね。」
こじ「あっさり決まるんやね。」
だて「後で挨拶しよっか。」
こじ「せやね。」
咲人side
夜央「ケーキの予約とかの時はオレがいたらオレ呼んで。咲人でもいいよ。」
怜伊「はい。」
夜央「後は場所とか値段とか覚えたらもう完璧だよ。」
怜伊「ありがとうございます。お客さんってやっぱり女性の方が多いんですか?」
咲人「そうでもないよ。普通の喫茶店と一緒だし、朝は仕事行く前のお客さんだったり、昼はまぁ均等に?」
夜央「どこもそんな変わんないだろ。」
怜伊「そうなんですかね。」
夜央「終わったあと、中谷に時間があれば聞きたいこと聞いてきな。」
怜伊「はい!ありがとうございます!」
咲人「宮舘くん、終わりました!」
だて「はーい。康二、こっち。」
こじ「おん。」
だて「俺、宮舘涼太。一応、ここの店長。よろしくね。」
怜伊「はい!よろしくお願いします!」
こじ「向井康二、よろしゅうな!」
怜伊「はい!中谷怜伊です、よろしくお願いします!」
こじ「いくつ?」
怜伊「18です。」
こじ「ほな、夜央くんと咲人くんの1個下?」
怜伊「はい。」
こじ「へぇ〜。若いな。」
咲人「康二くんおじさんみたいですよ。」
こじ「君らからしたら俺はおっさんやろ。」
だて「じゃあ俺はなんなの?」
こじ「おじいちゃん?(笑)」
夜央「涼太くんもそんな対して変わらないでしょ(笑)」
こじ「俺とほぼ10違うんやで。」
だて「それでいったら2人も俺とほぼ10違うよ。」
咲人「あ、そっか。」
だて「今、思ったより歳いってるって思った?」
咲人「思ってないです(笑)」
夜央「もう1人バイトの高校生がいるよ。何歳だっけ?」
咲人「17。」
夜央「よく覚えてんね。」
咲人「うん、なんかね。」
こじ「一個下?」
夜央「2個じゃないですか?」
こじ「2個?」
咲人「そうだね、中谷今年19でしょ。」
怜伊「はい。」
咲人「じゃあ2個です。」
こじ「ほな、咲人くんたちの3個下か。」
咲人「そうですね。」
ふか「すみませーん!」
咲人「はい!」
こじ「あれ?」
だて「早いね。」
ふか「モーニングやってるって昨日聞いたから。」
咲人「やってますよ。」
ふか「如月くん、おはよう。」
夜央「おはようございます。」
ふか「あ、昨日いなかった子だ。」
怜伊「あ、はい。」
こじ「たった今決まったバイトの子やで。」
ふか「よかったね。」
怜伊「ありがとうございます。」
ふか「名前なんて言うの?」
咲人「ナンパですか?」
ふか「違うよ。(笑)」
怜伊「中谷 怜伊です。よろしくお願いします。」
ふか「いくつ?」
咲人「やっぱナンパだ。」
ふか「だから違うって。(笑)」
怜伊「18です。今年19になります。」
ふか「あれ?如月くんたちって?」
夜央「オレたち今年20歳です。」
ふか「え、そうなんだ!大人になるんだねぇ。」
こじ「年寄りみたいやで。」
ふか「3人からしたら俺は年寄りみたいなものでしょ。」
夜央「そんなことないですよ(笑)」
咲人「みんなおなじこと言いますね(笑)」
だて「だってもうすぐ三十路だからね。」
夜央「20と30ってそんなに違うの?」
だて「重みが違う。」
夜央「重み?何の?」
だて「気分。」
夜央「精神的なこと?」
だて「うん。」
こじ「真面目に聞くことやないで(笑)」
ふか「その時になってみないとわかんないよね。」
咲人「10と20はだいぶ違うけど、30ってそんなに変化あんのかな。」
夜央「わかんない。」
咲人「まあいいか。何にされます?」
ふか「何があるの?」
咲人「トースト、サンドイッチ、おにぎりです。」
ふか「じゃあサンドイッチで。」
咲人「お飲み物は?」
ふか「選べるの?」
咲人「えっとですね、コーヒー、紅茶、ミルクはそのままなんですけど、他は50円上がります。」
ふか「そうなんだ。じゃあコーヒーで。」
咲人「かしこまりました。」
ふか「てか、カウンターいいね。」
夜央「ですよね。」
ふか「ここの作りってなんか変わってる?」
夜央「そうですか?」
ふか「カウンターからは中の様子見れるんだね。」
夜央「そうですね。そういう風に作ったんだと思います。」
ふか「このお店って元々如月くんのお父さんがやってたんだよね?」
夜央「はい。」
ふか「いつ変わったの?」
夜央「オレが小さい時から手伝ったりはしてたんですけど、オレと咲人がちゃんと働くようになったのと涼太くんに変わったのは一緒なんで。」
ふか「舘さんはもうその時にはいたの?」
夜央「はい。涼太くんはバイトとしてここで働いてて。」
ふか「俺なんかここ懐かしい気がするんだよね。」
夜央「そうなんですか?」
ふか「うん、昔来た気がする。覚えてないけど。」
夜央「思い出したらまた言ってください。」
ふか「うん、そうするよ。」
こじ「お待たせしましたー、コーヒーです。」
咲人「サンドイッチもお待たせしましたー。」
ふか「ありがとうー!」
咲人「ごゆっくりどーぞー!」
ふか「如月くん。」
夜央「はい。」
ふか「今時間ある?」
夜央「ん?」
ふか「俺、もっと君のこと知りたいんだよね。」
夜央「え?なんでですか?」
ふか「んー、なんとなく?」
咲人「どーぞ、今だけヨルお貸しします。」
ふか「いいの?」
咲人「どーぞどーぞ。最近のヨルはいろいろ詰めすぎなんでね。息抜き付き合ってやってください。」
夜央「でも仕事。」
咲人「俺らがいるじゃん。中谷だっているし、今日土曜だよ?」
夜央「だからなんだよ(笑)」
咲人「俺らは平日みたいにバタバタしないだろって。」
夜央「そうだね。じゃあ中谷に仕事教えてあげてね。」
咲人「おうよ、俺の超巧みな仕事っぷりを見せたるわ!」
夜央「なんだよそれ(笑)」
咲人「てことで、ヨルはお貸しします。後でちゃんと返してくださいね?」
ふか「了解した。」
いつか、二人で
海を見ながら
風吹く中で
誰にも届かない鐘の音を
一緒に
誰にも内緒で
連日の日本勢メダル獲得が喜ばしい一方で、悔しさの涙を見ると心を揺さぶられる。この一瞬とも言える闘いのために、どれだけの時間、どれだけの努力をしてきたのだろう。これで終わってしまったのだと思うと、こちらまで泣きそうになる。
アテネ五輪のテーマソングだったあの曲が頭の中に流れる。間奏部分で聴こえる鐘の音。そうだ。これは間奏、一区切り。選手達の競技や人生はこれからも続いていくんだ。
これまで闘い抜いた選手をたたえ、心の中で栄光の鐘を鳴らしたいと思う。
祇園精舎の鐘の声…。
私から数えて六代前の当主は、平家物語を好んで読んでいらしたと、
ひいおじいさまが教えてくれた。
私も中学生の時、習ったので少しだけ覚えている。
諸行無常、か。
私の家は、元華族で富裕層。
決して高いとは言えない家格だが、家筋は良く、権威が在る。
代々皇家とは主従関係であり、天皇に仕える家の中では最も古い。
正直、私には荷が重すぎるし、身の丈に合っていない。
しかし、私は独りでは無いことを知っている。
私には、当主補佐に副当主も居る。
先代も、先々代も、四代前まで生きている。
『荷が重ければ、皆で背負えば良い。』
ひいおじいさまが、私に教えてくれた。
私が当主を継いだ日、
鐘の音が鳴り響く最中、
微笑みながら、そう仰せになった。
だから、私は思い出す。
鐘の音が聞こえると、
平家物語の冒頭と、ひいおじいさまの言葉を思い出す。
その度に唱え、自分に言い聞かせる。
そうすると、不思議と気持ちが軽くなった。
《鐘の音》
鐘の音響く欧州の朝霧、ひき続きてもれ聞こゆるは、パイプオルガンのプレリュードと聖歌隊のハーモニー
… … …
このアプリ使いはじめて一番最初のお題がこれだったっけ。
お題が一周して丸一年たちました。
もっと読みたいと応援してくださった皆さま、ありがとうございますm(_ _)m
そして、これからもよろしくお願いします。
PS. 翌日の原爆の日に合わせるためにこのお題《鐘の音》を8月5日の夜に表示しているのでしょうか……もしそうならば、この平和のためのささやかな意思表示に敬意を表します。
遠く、重く耳に残る音。
生き物、眠りし暗闇に。
人も、動物も、植物も。
皆が静まる夜の歌。
この夜をすべるは、妖か。
人ならざるもの集まりて。
さぁ、今宵は百鬼夜行。
始まり合図は鐘の音。
__鐘の音__
【鐘の音】
ゴーン
ゴーン
耳が痛くなりそうな程
冷たい静寂に支配された聖堂の奥。
厳かに、その鐘の音は鳴り響いた。
まるでそれを待っていたかのように現れ、
次々と踊るように舞う無数の影。
鐘の音が消え、再び訪れる静寂。
月明かりすらもない幽暗の中、
音も言葉もない影たちの舞踏は続く。
次の鐘の音が響くまで。
海水めっちゃ痛い
次行く時は
浜辺で貝殻探しする
『鐘の音』
私が“鐘の音”と言われて思い浮かぶのは、
年明けの除夜の鐘。
私はまだ家族としか鐘を鳴らしに行ったことがない。
毎年お寺に寒い中、コートを来て、みんなで寒いねって言いながら行列に並ぶ。
「ゴーーーーン」
響き渡る鐘の音がまた新しい1年の始まりを知らせる。
思わず息をのんだ
想像していた何十倍もでかい
その装飾は誰の目にも美しく、力強く
幾千の人々により幾千万の時を経て、手厚く重厚に奉られ、敬われているのが一目で伝わった
怯んだ気持ちを悟られない様に独り言に混ぜ聞こえる様に呟く
ああ、意外とこんな感じか、
しかしデカいなこれ、全体が収まる様に撮れるかな
平然を装ったけど、膝が震えている
これはマジで絶対にヤバいヤツだ、
見ているみんなも察している
これは絶対に触っちゃダメなヤツだろ、て
だけどもう後には引き返せない
これだ、これを叩いたら絶対にバズる
千年の鐘の話を聞いた時、私は高揚した
千年に一度だけ叩く事が許される伝説の鐘
文献だと次に叩けるのは511年後らしい
前倒しで叩いてみた、ってタイトルで実況動画出したら絶対にバズるやろ
これで私もヒーローになれる、て
神々を装飾した巨大な黄金の鐘
槌を構える
警告が鳴る
千年に一度なら私は何人目だろう
警告が鳴る
世界に繋がっている、私がヒーローだ
警告が鳴る
思いっきり振りかぶって
警告が鳴る
警告が鳴る
『鐘の音』
作品No.127【2024/08/05 テーマ:鐘の音】
店先で鳴る呼び鈴の音。私と姉は立ち上がって、裏口の戸を開ける。
「おばあちゃあん!」
そう呼ぶと、祖父の愛人——祖母の皮肉混じりの称号だ——である黒イヌのルーが吠える。そして、洗濯をしていた祖母が走ってくる。
「お客さん!」
「はいはい」
祖母が店に戻るのを見届ける前に、私達はドアを閉める。
これが、小学生の頃、夏休みの私達姉妹の日常だった。
今はもう、祖父はいないし、ルーもいない。祖母がやっていたお店は、大元の会社の倒産をきっかけに閉店した。祖母は元気だが、最近体調がよくないことも多い。
もうあの呼び鈴の音が鳴ることはないだろうが、あの夏の日々は、今よりずっと輝いていた思い出のひとつだ。
鐘の音
鐘の音といえば、近所のお寺の梵鐘くらい…朝夕に聞いて育ったけれど…今どきは、騒音とかで、聞くことも無い…
時計を持たない子供の頃は、家路への誘いだった…夕陽が彩る西の空を見上げ乍ら、烏を数えたり、一番星を探したりしていた…
友達と、バイバイする寂しさや、家々から流れてくる夕飯の匂い、自分より大きな影法師…そんな何気ない日常と、あの胸に沁みる鐘の音…
【鐘の音】
私は腕に力を籠めて振り下ろす
握った槌から激しい衝撃が腕に走った
骨に響くような嫌な感触に全身が襲われる
それでも槌を打つこと手を止められない
槌と鐘はぶつかり合い、その音は遥か彼方まで響いた
私は此処にいる
此処にいるんだ
鐘の音は私が此処にいる証
この音が途切れる時、それは私の命が尽きる時
いや、たとえこの身が滅ぼうとも鳴らし続ける
誰にも気づかれなくていい
鐘の音が在ることが私の証明
私は、此処にいる!