教会の鐘の音が、うるさいくらいに鳴り響く。私を追い立てるように、街のどこへ逃げても鳴り止まない鐘が恐ろしかった。罪から逃れるように、走って、走って、走っても、行き着くところは行き止まりで、恐怖で叫びだしそうだった。けれど、どこか冷静に、いっそ罪を受け入れ罰を受けたら楽になれるのだろうか、とも考えていた。いつの間にか鐘の音は止み、自分の荒い息遣いだけが聞こえていた。
8/5/2024, 3:44:49 PM