ハナムグリ

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8/30/2024, 4:27:18 PM

ckoneの香りを嗅ぐと、世紀末の東京に時が戻る。
あの頃の退廃的な時代の空気や、諦めるしかない現実を、強がりながらも受け入れている高校生達の表情がまざまざと思い浮かぶ。

それなりに頑張るしかなかったんだよね。それで十分だよ。

大丈夫、1999年に世界は終わらないし、すぐ景気がいい時代も来るよ。好きな事を好きって言える時代もすぐそこだよ。

自分の為に生きていいんだよ。

あの頃、若者だった皆さんへ

8/19/2024, 3:02:22 PM

馬鹿みたいに晴れた日に限って、何もかもに苛立ちを覚えて、心の中で悪態をつきまくる。
表情に気遣う気もさらさら起きず、恐らく凶悪な顔をしていたはずだ。

普段、善良なこの私が、こうも攻撃的な気分になる事に自分でも驚き、同時に人間とは怖いもんだな。と思う。
こういう時に他人とトラブルが起きて、全てのタイミングが悪いと事件になったりするんだろう。

心の空模様は大荒れでした。

8/15/2024, 3:17:05 PM

夜の海は死の匂いがする。

だけど、静かな、密やかな、生の息遣いも聞こえてくる。

昼間の明るい時間には、眩しすぎてよく見えないけれど、夜になれば本当の姿を現す。

終わりと始まりが入り混じり、夜の海には波音が優しく響いている。

8/12/2024, 2:21:47 PM

君の奏でる音楽は、せっかちな性格に似合わない優しい音がする。
でもよく考えてみると、機械や楽器を丁寧に扱う、その几帳面さが表れているようにも思う。

君の子供の奏でる音楽は、誠実な音がするね。不完全でも、決まりを守ろうと、正しい音楽が流れるようにと、頑張っているのがよくわかる。
いつか、その子の思う正しい音楽が奏でられたその先に、多彩な音色が聞こえてくるのだろう。

楽しみだね。

8/6/2024, 1:35:44 PM

ギラギラと照りつける太陽に焼かれながら、不甲斐ない我が身を呪っていた。

そうかと言って、状況を改善する気も起きず、もうこのままずっと微睡んでいるのもいいような気もしてきていた。


ああ、何もかもが億劫で、このまま終わりを迎えてもいい。


怠惰な考えに身を任せようとした時、一人の人間が我を持ち上げて、小さな透明な箱に閉じ込めた。

もはや脚の一本も動かすことができず、弱った体であったが、小さな透明な箱の中は涼しく、気が付いた時には美味い蜜を無我夢中で食していた。

訳が分からぬままやってきたが、ここはなかなか快適で、あの夏から一年、我は人間共と暮らしている。
さしたる不満はないが、一つ言うならば、我は黒糖味より果物味のあれの方が好みである。

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