『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
一つ響いて 足を止め
二つ響いて 肩落とし
三つ響いて 頬濡し
四つ響いて 天仰ぎ
五つ響いて 涙枯れ
六つ響いて 先見つめ
七つ響いて 歩き出す
―「鐘の音」―
そういうものだと思ってるから
浄化される心地がする。
一定の時刻になれば鳴るから
帰らなきゃという気持ちになる。
誰か来たとわかるから
玄関先まで行かなきゃならない。
恋が実なら
鳴らさないわけにはいかない。
音はもはや宗教みたい。
聴いて当たり前。
それに意味が伴って当たり前。
それを信じて当たり前。
人の意見じゃない
無機質からの洗脳。
–鐘の音–
鐘は 高台からみえる山々を気にしてる
時間に縛られている人々よりも
沈む夕日に祈りを捧げる
声と音
鐘の音
私の内なる平和へ
落ち着かせる為に
静かに鐘が鳴る
どんな感情を
もたらすのか
うまく表現
出来ないけど
幸せに永遠に
抱き締めていたい
そう思える
怖さを見通して
喜びに手を広げる
そんな素直に
笑えることが
自然に出来る
そんな普通を
願いながら
はやる気持ちを
押さえ込んでいる
心の深淵へと
落ち着かせるように
そっと響く鐘の音
鳴り終わるまでは
瞼は開けない
鐘の音
除夜の鐘。都会の街に聞こえてくる鐘の音。
年末年始、街から人々がいなくなったあの頃。そのせいか、鐘の音も響いていたように思います。
ひっそりした都会。今ではもう、暮れも騒々しい街になりました。
夕焼け空に鐘の音か鳴り響く。
烏が飛び立つ。
空が黒く染まる。
私が消える。
跡形もなく。
鐘の音が始まりの合図です、さあお逃げなさい。
私と貴方で鬼ごっこですよ。
鐘が鳴るまで遠くにお逃げなさい。
朝が来るまで逃げ切れたら貴方の勝ちです。
朝が来るまで逃げ切れなかったら私の勝ちです。
森を駆ける。転ばないように、息が苦しくても走り続ける。
ああ鐘が鳴ってしまった。
もっと遠くに、見つからない場所へ。
捕まれば殺される。
どんなに逃げても無駄ですよ。
貴方の匂いを辿ればすぐに見つけられる。
貴方が抗う姿は美しい。
さあ見つけましたよ。
捕まえた。
#鐘の音
サーフィン
ノスタルジックな振動が
終わりの波を届ける
波が消え凪となった時
僕は
過去から未来へ拡がる波紋を想像し
今ある孤独を愛する
※鐘の音
鐘の音
淀んで渦を巻く複雑な想いが
鐘の音の波紋で正されていく
一定の間隔で広がるそれは
心地よくワタシに染み渡る
鐘の音
鞄に忍ばせた銀色の輪っか。
それがきちんと納められているかを確認して、深く息を吸い込んだ。俺は今日、一世一代の大勝負に挑む。
一目惚れしてから交際に至るまで二年、付き合って三年。色んなことがこれまであったが、概ね円満に過ごせてきた筈だ。このまま穏やかな生活を続けるのも悪くないが、そろそろ次の段階へと進むべきだと考えたのだ。
勝算は大いにある、はず。
何度もシュミレーションを繰り返した。めちゃくちゃいい雰囲気を作って、タイミングを見計らって指輪を差し出す。決め台詞はもう決めてある。それをビシっとかっこよく、スマートに告げたら彼女は笑って受け取る。そうしたら愛しさを込めて抱きしめるのだ。我ながら完璧なプラン。惚れ惚れしてしまうような光景に、上がった口角を慌てて引き締めた。
危ない危ない、彼女にはクールなかっこいい彼氏だと思われていたいのだ。
「おまたせ〜」
待ち合わせの五分前。いつもよりおめかしした姿の彼女がちょこちょこと駆け寄る。淡い赤色のワンピースがひらめく。最高に可愛い。彼女お気に入りのしっぽのアクセサリーは今日は鞄につけられ、彼女の歩みに合わせてゆらゆら揺れていた。いつもと違うなかにいつも通りのそれをみつめてから、改めて彼女に向き合った。
事前に計画したデートプランは無事完遂。あとは折を見て指輪を渡すだけだ。不自然にならないように、会話の流れが向くのを虎視眈々と待つ。
不意に会話がとまり、彼女と目が合った。
今だ。俺は何度も脳内で練習した言葉を、彼女の目を見てしかと口に出すと共に指輪の入った箱を掲げた。
...全てを言い切っても彼女は目を見開き、幾度か瞬きをするばかりで互いに無言の空間がしばし続く。どもってしまったかもしれない、断られたらどうしよう、嫌な想像がぐるぐる巡ったが、それでも意地で目線は彼女から外さなかった。
引き伸ばされたように感じた沈黙の中で見つめ合うと、彼女はふっと花開くように破顔した。と、同時に肯定する言葉。
勝ったな。
瞬間、脳内に鳴り響くファンファーレ。
ウェディングドレス姿の彼女を抱き上げ、バージンロードを駆け抜ける光景が頭をよぎった。そして思い付く限りのこれ以上ないほどの幸福な二人のこれからの光景がひと通り脳内を駆け巡っていく。
万感の想いが胸に詰まって、いても立ってもいられなくなった。今ならなんだって出来る気がする。彼女を世界で一番幸せにして、どんな困難も二人なら何とかなりそうな甘い予感に思考がゆだりそうだった。
「しゅき...」
俺、幸せになります!!
ーーーーーーーー
推しカプよ、幸せであれ。
~鈴の音~
そういえば、この神社には恋の鈴があるらしい。
付き合っているものが本当に愛し合っていたらそこに現れるという。
でも私達にはまだ出てきていない。
他の人にはすぐ出てきたって言っていた
そのうち来るだろうと思っていたけど、最近彼の様子がおかしい。
帰りも遅い割に付き合った当時と違ってとても冷たい。
もしかしてとは思うけどさ
浮気?
ダカラ見えないの?
「また明日、鐘が鳴ったら逢いにくるね。」
それが最後になることになるなんて、思いもしなかった。
地球沸騰時代に突入したとどっかの国の大統領に言わせしめた2023年今夏。灼熱の中、蝉の阿鼻叫喚が耳をつんざく。
「あーーーーーうるさいっ」
彼らを叱咤して黙った試しがないが。
のどかな田舎の夏だなんてメディアが作り上げた勝手な偶像。暇、暇、暇。
田舎はなんにもない。人もいない。人がいないから何も起こらない。青春もときめきも全部が都会のものだ。物理的に確率が都会と比較して4分の1以下である(自分調べ)
しかし蝉の方がまだ立派かもしれない。積極的に、本能的に、かつ効率的に生命活動をしているのだから。
「ぬるいな」ネックリングを雑に外し冷凍庫にぶち込んだ。
次に大容量のステンレスマグに氷をぶちこみ、麦茶を大量投入。今どき珍しい昭和感のある台所で一息つきながら、イヤホンで懐メロを聴いた。
僕には行動を起こす気力が1ミリも起こらない。4年前のあの出来事以来―――
【鐘の音】
「運命の人は、出会った瞬間にわかるんだって。ビビビッときたり、頭の中で鐘が鳴ったり」
「は? そんなの、出会ったのが物心つく前だったらどうなんだよ。おれ、おまえに初めて会ったのがいつかすらも覚えてないんだけど」
何の気なしに春歌が話題にしたその内容に、何も考えず反射で返して夜雨は、最後の「ど」の音の形のまま、口をぽかんと開けて固まった。
春歌も春歌で、頬やら耳たぶやらを真っ赤に染めて、驚いた表情で固まっている。
夜雨はそっと口を閉じる。
どこか遠くで聞こえる鐘の音は絶対に気のせいだった。
思い出すのは幼い頃に聴いた教会の鐘の音。母はそこそこ熱心な信者で、日曜には必ず俺を連れて教会へと祈りに行っていた。今思えば神を信じているというより、地獄を這いずるような生活が少しでも良い方へ向かうことを信じていたのだろう。
悪いことはするな。神が見ている。罰を下される。欲を抱くな。常に慎め。良く働き励め。
数十年経った今でも、母の言葉とあの鐘の音が呪いのように俺を苛む。煙草に火を灯すとき、白く柔らかい女の肌に触れるとき、酒に溺れるとき、鉛のようにベッドへ沈みこんで身動きもしないとき。本来あるべき歳に迎えられなかった反抗期を今迎えている。わざわざ鐘の音が聞こえる場所に宿泊し、神聖な響きを聞きながら恋人を抱き潰したことすらあるくらいだ。
聖書は変色し、ロザリオは埃を被っている。初めて家へ来た彼女がそれを見ても言及しなかったのが救いだった。おかげで呪いは薄れ、近年ようやく母の声を忘れることができてきた。
神聖な時を告げる鐘。そのくせ俺の呪いを解いてはくれないのだから、神というのも考えものだ。
『鐘の音』
1回目
とても綺麗な青空
目の前には大事な人
ありがとう私を選んでくれて
2回目
今までありがとう
どんな時も見守ってくれて
1番の理解者
3回目
ありがとう、こんな私を認めてくれて
あなたは私にとって
かけがえのない支え
私はあなたに救われた
太陽のようなその笑顔に
信じて想ってくれたその心に
信じることができた初めての人
あなたの前じゃ素直じゃないけど
わたしの
世界にたった一つの宝物
Even death can't part them.
鐘の音
除夜の鐘
遠くで鳴る鐘
どこから聞こえてくるのか分からない鐘
でもなんかわくわくする
どこにあるか分からない寺
誰がついてるのか分からない音
誰が何を思ってついているのか…
何も分からなくてそれがわくわくする
〜鐘の音〜
夕焼け小焼けで日が暮れて
闇が後から追ってくる
伸びた影まで怖くなり
思わずその場を逃げ出した
山のお寺の鐘がなる
門限破ってごめんなさい
私を包む優しい声
1人でとても怖かったの
お手手繋いで皆帰ろう
カラスと一緒に帰りましょ
#63「鐘の音」
時計がもうすぐ年が明けるよと23:59を指す
どこか遠くから鐘の音が聞こえる
除夜の鐘だ
今年もすぐに1年が終わってしまった
僕はここでなにを得て、学んだのだろうか
僕たちは気付かないうちに他人への
態度を
接し方を
毎日ほんの少しずつ学んでいるんだ
そして少しずつ少しずつ
考えて
試行錯誤して
そして大人になっていくんだ
鐘の音
商店街でもらったくじ引きの券30枚。
300円で1枚貰える。
学校の帰り、一個100円のコロッケを一個でいいのに3つも買った。
いつもはそんな事をしないのに、家族にケーキを買ってあげた。
母親の買い物を手伝った。
そうやってコツコツ貯めた券30枚。
そして今日、ガラガラの前に立つ。
一等は金の玉で、家族で行く北海道旅行
二等は銀の玉で、最新のゲーム機
三等は銅の玉で、この商店街で一番美味い、中華屋の餃子1年間無料券。
狙うは銀の玉。そしてチャンスは3回。奥にはまだゲーム機が並んでいる。銀の玉はまだこのガラガラの中に、、、。
1回目、ガラガラを回す。
〝白”
ティッシュをもらう。まーまー最初は仕方ない。
2回目、ガラガラを回す。
〝白”
ティッシュをもらう。まだ一回ある!大丈夫!
3回目、ガラガラを回す。
〝白”
ティッシュをもらう。終わった、、、。ゲーム三昧の夏休みは夢と散った。
商店街を抜けて出ようとした時、大きな鐘の音。カラ〜ン!カラ〜ン!
「おめでとうございます!!!」あ〜誰か当てたんだな〜。
家に帰って母親にティッシュをあげて大笑いされる。
「ただいま〜」
父親が仕事から帰ってくる。
「幹太!商店街でさっきガラガラやったらいいものが当たったよ」
(嘘だろ〜あの鐘の音は親父かよ〜!やった〜夢叶った!ゲーム三昧の夏休み!!!)
「餃子1年間無料券!」
期待させるなよ!餃子かよ!
お前だけ喰ってろ!
-鐘の音色-
はるか青空に、花の香りの立ちこめる
たくさんのひとの祝福もきこえる
私の瞳は先を歩くあなたの笑顔に引き寄せられ
返す瞳が物語るのは未来への約束
そんな夢を見て薄闇に目覚めると
スマホが薄く光っていた
「考えていたこともあったけど、もう応えられない。ごめん」
わからないふりをしていた
窓を開けると通り雨にそぼる草の香り
遠くにバイクのテールランプ
まだ昇らない陽を捉えようと東を覗き見る
まだ見ぬ新しい1日がやってくる確信
「立ち止まってくれて、まっすぐ見つめてくれたから。ありがと」
自転車がカラカラと小気味よい音を立てて通り過ぎてゆく
雨は上がったらしい
夢の余韻をたどりながら、窓に背を向ける
部屋を照らすほのかな光の中、スマホは何も言わない
お湯を沸かそう
スマホのアラームが鳴るまで、あと少し