『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【鐘の音】
「運命の人は、出会った瞬間にわかるんだって。ビビビッときたり、頭の中で鐘が鳴ったり」
「は? そんなの、出会ったのが物心つく前だったらどうなんだよ。おれ、おまえに初めて会ったのがいつかすらも覚えてないんだけど」
何の気なしに春歌が話題にしたその内容に、何も考えず反射で返して夜雨は、最後の「ど」の音の形のまま、口をぽかんと開けて固まった。
春歌も春歌で、頬やら耳たぶやらを真っ赤に染めて、驚いた表情で固まっている。
夜雨はそっと口を閉じる。
どこか遠くで聞こえる鐘の音は絶対に気のせいだった。
思い出すのは幼い頃に聴いた教会の鐘の音。母はそこそこ熱心な信者で、日曜には必ず俺を連れて教会へと祈りに行っていた。今思えば神を信じているというより、地獄を這いずるような生活が少しでも良い方へ向かうことを信じていたのだろう。
悪いことはするな。神が見ている。罰を下される。欲を抱くな。常に慎め。良く働き励め。
数十年経った今でも、母の言葉とあの鐘の音が呪いのように俺を苛む。煙草に火を灯すとき、白く柔らかい女の肌に触れるとき、酒に溺れるとき、鉛のようにベッドへ沈みこんで身動きもしないとき。本来あるべき歳に迎えられなかった反抗期を今迎えている。わざわざ鐘の音が聞こえる場所に宿泊し、神聖な響きを聞きながら恋人を抱き潰したことすらあるくらいだ。
聖書は変色し、ロザリオは埃を被っている。初めて家へ来た彼女がそれを見ても言及しなかったのが救いだった。おかげで呪いは薄れ、近年ようやく母の声を忘れることができてきた。
神聖な時を告げる鐘。そのくせ俺の呪いを解いてはくれないのだから、神というのも考えものだ。
『鐘の音』
1回目
とても綺麗な青空
目の前には大事な人
ありがとう私を選んでくれて
2回目
今までありがとう
どんな時も見守ってくれて
1番の理解者
3回目
ありがとう、こんな私を認めてくれて
あなたは私にとって
かけがえのない支え
私はあなたに救われた
太陽のようなその笑顔に
信じて想ってくれたその心に
信じることができた初めての人
あなたの前じゃ素直じゃないけど
わたしの
世界にたった一つの宝物
Even death can't part them.
鐘の音
除夜の鐘
遠くで鳴る鐘
どこから聞こえてくるのか分からない鐘
でもなんかわくわくする
どこにあるか分からない寺
誰がついてるのか分からない音
誰が何を思ってついているのか…
何も分からなくてそれがわくわくする
〜鐘の音〜
夕焼け小焼けで日が暮れて
闇が後から追ってくる
伸びた影まで怖くなり
思わずその場を逃げ出した
山のお寺の鐘がなる
門限破ってごめんなさい
私を包む優しい声
1人でとても怖かったの
お手手繋いで皆帰ろう
カラスと一緒に帰りましょ
#63「鐘の音」
時計がもうすぐ年が明けるよと23:59を指す
どこか遠くから鐘の音が聞こえる
除夜の鐘だ
今年もすぐに1年が終わってしまった
僕はここでなにを得て、学んだのだろうか
僕たちは気付かないうちに他人への
態度を
接し方を
毎日ほんの少しずつ学んでいるんだ
そして少しずつ少しずつ
考えて
試行錯誤して
そして大人になっていくんだ
鐘の音
商店街でもらったくじ引きの券30枚。
300円で1枚貰える。
学校の帰り、一個100円のコロッケを一個でいいのに3つも買った。
いつもはそんな事をしないのに、家族にケーキを買ってあげた。
母親の買い物を手伝った。
そうやってコツコツ貯めた券30枚。
そして今日、ガラガラの前に立つ。
一等は金の玉で、家族で行く北海道旅行
二等は銀の玉で、最新のゲーム機
三等は銅の玉で、この商店街で一番美味い、中華屋の餃子1年間無料券。
狙うは銀の玉。そしてチャンスは3回。奥にはまだゲーム機が並んでいる。銀の玉はまだこのガラガラの中に、、、。
1回目、ガラガラを回す。
〝白”
ティッシュをもらう。まーまー最初は仕方ない。
2回目、ガラガラを回す。
〝白”
ティッシュをもらう。まだ一回ある!大丈夫!
3回目、ガラガラを回す。
〝白”
ティッシュをもらう。終わった、、、。ゲーム三昧の夏休みは夢と散った。
商店街を抜けて出ようとした時、大きな鐘の音。カラ〜ン!カラ〜ン!
「おめでとうございます!!!」あ〜誰か当てたんだな〜。
家に帰って母親にティッシュをあげて大笑いされる。
「ただいま〜」
父親が仕事から帰ってくる。
「幹太!商店街でさっきガラガラやったらいいものが当たったよ」
(嘘だろ〜あの鐘の音は親父かよ〜!やった〜夢叶った!ゲーム三昧の夏休み!!!)
「餃子1年間無料券!」
期待させるなよ!餃子かよ!
お前だけ喰ってろ!
-鐘の音色-
はるか青空に、花の香りの立ちこめる
たくさんのひとの祝福もきこえる
私の瞳は先を歩くあなたの笑顔に引き寄せられ
返す瞳が物語るのは未来への約束
そんな夢を見て薄闇に目覚めると
スマホが薄く光っていた
「考えていたこともあったけど、もう応えられない。ごめん」
わからないふりをしていた
窓を開けると通り雨にそぼる草の香り
遠くにバイクのテールランプ
まだ昇らない陽を捉えようと東を覗き見る
まだ見ぬ新しい1日がやってくる確信
「立ち止まってくれて、まっすぐ見つめてくれたから。ありがと」
自転車がカラカラと小気味よい音を立てて通り過ぎてゆく
雨は上がったらしい
夢の余韻をたどりながら、窓に背を向ける
部屋を照らすほのかな光の中、スマホは何も言わない
お湯を沸かそう
スマホのアラームが鳴るまで、あと少し
半鐘の音がする
じぶんの、中から
延焼している
君の隣
繋ぐ手に黒々
「鐘の音」
聞いた事あるのかな。
覚えにないな。
どうなんだろうか。
でも鐘の形は知ってる気がする。
行った気がする。
見た気がする。
夢かな?
現実かな?
妄想かな?
分かんない。
また分かんない。
知らない。
それは終わりを告げるサイン
残念だけど、もう間に合わないよ
おしまいなんだ
遠くで鳴っているはずなのに
こんなにも耳のすぐそばで響く慰撫と嘲笑のハウリング
あと少しだったのにね
君はここへは入れない 君を呼ぶためのものじゃない
頑張った子だけが通れる 光あふれる道だから
今までずっとそこで怠けていた君にはあげられない
神様は 努力しない子を救いはしないよ
大きく重厚な扉が閉じてもなお 鳴り止まないそれに
駆り立てられる焦り 後悔 諦め 諦め 諦め
私以外のすべてを歓迎する音
私は歓迎されていないと 思い知らされる音
頭から離れてくれない音
それは何かを祝う鐘の音
<それでも目を離せない>
題: 鐘の音
お題 鐘の音
祇園精舎の鐘の音
諸行無常の響きあり
ただそーゆーだけのひと
きっと言の葉に興味がない
己の学の低さを知らず
また過去の栄光を眺め
ついに来たるは恋の明けごろ
ひとえに風の前の塵に同じ
わたしの仕事場の部署は
基本3人です
わたし以外の二人は
全くタイプが違うからか
不意に些細な事で
ゴングが鳴り響きます
私はと言いますと
完全スルーを決め込みます
最早勝手にやっとくれと
片方が居ない時は
お互いの悪口を言うので
適当に相槌を打ちます
さて、私がいない時はどうなんでしょうかね
【8,お題:鐘の音】
9時59分...来るっ!
時計の秒針を眺めて10時に達する直前で、私は勢いよく布団を被った。
たっぷり1分ほど時間をとって、恐る恐る布団からはい出してため息を一つ。
はぁ...なぁぁぁんで我が家の時計は振り子式なんだぁ...
そう、実は私30分ごとになる振り子時計の鐘の音が苦手なのだ!!(ドヤサッッッ)
...ってまあそうドヤることでもないんだけどね。
共感してくれる人1人はいると思うんだよー、小さい時に1人でトイレに行けない理由 第一位だもんあれ
だって怖くない?怖いでしょあれ
特に夜っっっ!
おばあちゃん家とかに泊まり行ったときとかホントに怖くて、トイレ行けなくて漏らしちゃったことが...うぅ思い出しただけで恐怖だよぉ
しかも鐘の音ってホラーでよくあるじゃん!
え、ない?なんか夜に鐘の音がその時間じゃないのに一回多く鳴って、気付いたら変な世界に...みたいなやつ、えっ無いかな?
いやまあ、大定番って感じではないか。ちょっと言いすぎましたスミマセン
あと私ホントに怖かったのが、喉が渇いちゃって水を飲みに行ったのね?
その時に振り子時計の前を通んなきゃいけないんだけど...まあ、ささっと行けばいっかと思ったのね?
んで、水飲んでその帰りですよ。
廊下を歩くじゃないですか?振り子時計の前を通るじゃないですか?その通る瞬間ですね?
...ボーン...ボーン...ボーン...
ぎぃやああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(クソデカ大絶叫)
心臓がまろびでるかと...いや出たわ。心臓出たわ、うん。
マジ、ピンポイントで耳の横で鳴るのはヤバ過ぎた。それから夜に水飲みに行けなくなって
ペットボトルに水入れて手元に置いておくようにしてる。うん、もう振り子時計の前は通れん。
っっってちょっと待って!?もう10時27分っ!?
時が経つのは早いのう...じゃなくて!耳塞がないと!じゃあ私は耳を死守する用事があるから!またね!
籠の内側で鐘が鳴る。呼吸の伸縮の奥で、手のひらに鐘の音が伝わる。熟した果実のように染まっているであろうそれは、瞼の裏の暗闇にあの人の顔が浮かんだ瞬間、堰を切ったように早鐘を打つ。全身を震わせるほど有り余るエネルギーを湛えて、胸の鐘は大きく強く響く。
(あぁ、……やっぱり彼なんだ。)
細胞の叫びを代弁する鐘は、ぼやけた疑念を確信させ、頼りない否定を打ち砕く。
〜鐘の音〜
鐘の音がなった
心が高ぶった
今までの私ありがとう
その鐘は止まっていた時間が動き出したように
幸せの音を響かせた
きっとこれは始まりの音
あちらの寺はコーン、こちらの寺はカーン。
向こうの寺はキーン、そして、この寺はケーン。
いやあ、鐘の音というものは全て同じと思っていたが、こうして聴き比べてみると、以外や以外、皆、音色が違うものなのだな。
若様の元服の折、鎌倉に鐘の音を聞いてこい、と仰せになられた時は、主様もお歳を召してとうとう可笑しなことになられてしまわれた、とも思ったが、それもどうやら杞憂だったか。
恐らく、元服なさった若様と鎌倉へ赴き其処で鐘の音を聴きたい、との思いなのだろう。
ならば、爺様の代からの家臣の矜持に懸けて、鎌倉一の鐘の音を探してみせようぞ。
三百程あるという鎌倉の寺一つ一つを廻り、その寺の鐘の音を聴いて、仕えている屋敷に戻る頃には半月が経っていた。
建長寺の鐘の音が、鎌倉一の鐘の音で御座います。
脇息に付いていた肘を滑らせた初老の主人は、頭を抱えて重い溜め息を一つ吐いて、ピシャリと吐き捨てた。
そのカネのネではない。
テーマ「鐘の音」
寒い。
どこに行くんだろう。まだ夜だよ。
23時26分。
お母さんが玄関のガラガラ扉を閉める音で、目を覚ました。外出するようだ。私の家庭は母子家庭である。お母さんが外に出たために家にひとりなってしまった。私はこのチャンスを逃すまいと、そそくさとテレビのリモコンを持つ。
『テレビの主導権はお母さんが持っている』
これは、私とお母さんとの暗黙のルールだ。私とお母さんの間には、暗黙のルールがたくさんある。説明するとキリがないくらい。こんなルールがいつ作られたのかなんて分からない。多分、私が産まれて、自我を確立する頃には、このルールは出来ていたのかも?そう。お母さんが家にいない今、私の観たい番組を思い切り観ることができる。ということなのだ。テレビを独り占めすることは、私の密かな夢のひとつだ。それが今、叶おうとしている。わくわくがとまらない。
この興奮を抑えるように、深呼吸をしてテレビをつけた。はーっと息をするとその吐息が白くなるのが分かった。よし、自分の観たい番組を悔いなく観よう。そう、決意し。自分の観たい番組を逃さないように、慎重にチャンネルを変えていく。
あれ?なんでだろう?自分の観たい番組がない、そうだ、もう12時になるころか。。。
この時間帯は、中々、私がおもしろいと思うような番組は放送されていないみたいだ。しかし、テレビは観たい。あるチャンネルで手を止めた。お寺?のような場所に人が集まっている??よく分からない。とりあえずこの変な中継を観ることにした。画面に映し出されている真っ暗な外は、しんしんと雪が降り積もっていた。
24時00分。
画面の右上に表示されている時刻が0:00になった途端、お坊さんのような人が何かを唱え。一本の太い木の棒を担いでいる数人の大男が大きな鐘を突く。ゴーンという重低音が脳を揺らした。
そして、変な中継のアナウンサーが喋りだす。
「明けましておめでとうございます。2006年になりました。皆さま良いお年をお迎えください。」
あ!あれお母さんだ!中継に写りこんでる!なるほど、これを見に行ったのか。なんで、これを見に行くのか私には理解が難しかった。面白さを微塵も感じられない。
アナウンサーの後ろにお母さんが、映り込んでいる。お母さんの彼氏がお母さんの身体を覆うように後ろから抱き、胸の前で互いの指を絡めていた。
そういえば。最後にお母さんが、私の手を触れてくれたのはいつなんだろう。忘れてしまった。考えると、悲しくなってきて、涙が頬をつたう。
私は自分の手を広げてみた。自分の手が異常な程、震えていることに今気づいた。寒さで震えてるのか、悲しさで震えてるのか。本当のことなんて私には分からない。もう、眠たくなってきた、自然と視界がぼやけていき意識がどこかへ飛ばされそうだ。テレビを消さないとお母さんにテレビを観ていた事がバレてしまう。そんなことを考えながら、目を閉じた。
「昨夜未明、13歳の娘を凍死させたとして、殺人の容疑で、30代の████容疑者が逮捕されました。警察は日頃から家庭内で暴行が行われていたとみて捜査を進めています。」
毎朝5時ぴったりに鳴る、鐘の音。
あと何回聞いたら私は死ねるのだろう。
窓から鐘を見つめる。
その周りには祈りを捧げる信者たち。
不思議と空気は綺麗だった。
ひたすらに幸せを願う姿勢は、欲深い貴族のように汚いのに。
一分、二分…時間だけが過ぎていくのにその場所だけは静止画のよう。
私はその作者になりたい。
夕日が落ちてきた空。
鳴るはずのない鐘が私の中に響いた。
除夜の鐘が
鳴る。
子供の頃は
冬休み
大晦日
お正月
他に楽しみが
いっぱいで
儀式のようなもの
でしかなかった。
今は
今年も
1年
よく頑張ったなぁ。
って思うのは
大人になった
ってことなのかな。
#鐘の音