毎朝5時ぴったりに鳴る、鐘の音。あと何回聞いたら私は死ねるのだろう。窓から鐘を見つめる。その周りには祈りを捧げる信者たち。不思議と空気は綺麗だった。ひたすらに幸せを願う姿勢は、欲深い貴族のように汚いのに。一分、二分…時間だけが過ぎていくのにその場所だけは静止画のよう。私はその作者になりたい。夕日が落ちてきた空。鳴るはずのない鐘が私の中に響いた。
8/5/2023, 5:00:49 PM