大空に向かって私は今日も叫ぶ。
『…………』
…つもりでいたけど、結局言葉が出なかった。
言いたいことがないからなのか。
はたまた、言いたいことが多すぎるからか。
いずれにせよ、私は今日も叫んでる。
誰にも気付かれないようにこっそり、息を潜めて暮らしてる。
だから絶対に
『あんただけは許さない』
心と心を合わせたら、きっと溶けて消える。
混ざることなく、ただ油と水みたいに分離して。
そんなことを考える私って、何のために生きてるんだろう。
早く死にたいけど、怖くて死ねない。
そんな自分が情けなくて今日もまた一人ベッドに眠る。
「行かないで」って、可愛い子が言ったらそれだけであなたは立ち止まるんだろうな。
私が言っても聞こえてないふりをするのに。
私が醜いからいけないのかな。
醜いからヒロインを気取ることもできないのかな。
そもそもなんで私、「行かないで」なんて言わないといけないんだろう。
あなたが私を安心させてくれていたら、こんな悩まずに済んだのに。
行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで。
あと何回そう言えば、あなたは私を見てくれる?
もう声も出ないのに、私は今日も叫んでるよ。
態度以外も冷たくなってしまったあなたに向かって。
やわらかな光を見ると、そんなに眩しくもないのに目を細めてしまう。
それはきっと、思い出という名のフィルターをかけてしまっているから。
キラキラして眩しくて、もう一生やって来ない、忘れてしまったらすぐに消える儚いもの。
やわらかな光なんて今でも見られるのに、あの時見たものとは全くの別物なの。
それがなんだか悲しくて、やっぱり私は目を閉じた。
奇跡をもう一度くれるなら、どうか私を過去へ飛ばしてください。
今の私を知っている人が一人もいない、そんな世界へ。
雨が降ったら普通に傘をさして。
虹が出たらはしゃいで写真を撮って。
家に帰ったら今日の出来事を両親に笑顔で話して。
夜はただ明日が楽しみだという気持ちで寝た。
そんな日々をもう一度。
どうか、お願いですから。