『鋭い眼差し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
駅中のエレベーターに乗る時は出来るだけボタンがあるところにいるようにしている。
自分がさっさと降りたいのもあるが、荷物が多い人やベビーカーを押している人が居た時万が一扉が閉まったら......と余計な心配をしてしまうから。
ある時、いつものように入ってすぐボタンのところに立った。
下の階に着き「ドアが開きます」のアナウンスが鳴り、私も開くボタンを押していた。
その時最初に降りたおばあさんがとても鋭い眼差しでこちらを見ながら降りていった。
何かしたかな? と思いつつ皆が降りたのを確認して私も降りた。
視線を前にやると最初に降りたそのおばあさんがまだ立っていて私と目が合うと「さっきはありがとう、助かったわ!」と笑顔でお礼を言って去っていった。
鋭い眼差しは素敵なお礼のためだったのだと分かり、私はとても安堵した。
目は口ほどに物を言う、なんて言葉がある。『情をこめた目つきは、口で話す以上に強く相手の心を捉える』という意味らしい。
その通りだと思う。本当に。人間相手じゃなくともこれだけひしひしと伝わってくるのだから。
「あの〜……そんなに嫌がらなくても……」
「シャーッ!」
「はい、すいません。近寄らないです。」
友人が出張で家を空ける2日間。飼い猫の世話をして欲しいと頼まれ合鍵を渡されたのが昨日の昼。
メモ通りにご飯をあげて、トイレ掃除して、少し撫でてみても……なんて思ったのが約1時間前。
全力で逃げられ、そのうえ何故か扉の前に陣取られてしまい帰ることもできず軟禁状態。動物には片っ端から嫌われる質で、どうしてもって言われたから引き受けただけだったんだ。俺前世で余程のことでもしたのかなぁ……
寝てるから行けると思って急に触ったのは謝るから。触れなくていいから、せめて帰らせてくれ……。
警戒、と言うか怒りというか。それすら通り越して殺気に思えてくる視線を受けながら、一歩近付き怒られて……を繰り返して今に至るわけで。
「あ、そういえば……」
友人から教えられていたものの1つ。こいつが大好きなおやつの収納場所。テレビ横の棚、上から二番目……嗚呼、あった。
よくCMやってる液体タイプの猫用おやつ。これでも駄目だったらもう成すすべがない。頼むからこっちに来てくれ……
開けてそっと近づけるとゆっくり食べ始めた。
「……!!」
此処まで近づけたのは初めてかもしれない。猫、可愛いな……。
っと、感動してる場合じゃない。食べさせながら、ゆっくりと後退してキャットタワーのそばへ誘導する。あとは食べ終わったら扉に行かないで登ってくれることを願うしかない。
しばらく無言で見つめられる。安全かどうか見定められてるようなかんじ。なんとなく圧を感じて視線をそらす。なんで俺は猫に負けてるんだ……。
突然、興味を失ったかのようにキャットタワーへ登り眠り始めた。ようやく帰れる……
無駄に気疲れしたが、猫と同じ空間に長いこと居られたのは少し嬉しかった、かな。
「じゃ、また明日。」
ちらっと振り返りそう告げると、黄色の双眸が此方をじっと見つめていた。鋭い眼差しに見送られ、俺は友人宅をあとにした。
#16『鋭い眼差し』
先の車に向けて、「運転手に気づかれないようにもっと速くはしれ。」と言って低い体勢になり、獲物を捕るような鋭い眼差しを先に向けた―――
この時間は無駄だった。またやられた!!一体いつになったら、あの奴を捕まえられる。何年も何年も1人だけのために作戦を練って、実行してきた。もう、良いんじゃないか?なぜ僕はこんな事をしていたのだろう。もう、良いんだ。何故、この地に足を踏み入れたのは私しかしらない。後継者はあの子に頼むとしよう。あの頃とは違って、背も大きくなったし、実績も十分ある。そう、そうしよう。
「鋭い眼差し」
もしも街中でやさぐれたおじさんと肩などぶつかるとか、
小学生ストーカーが中学生になるまでべたべたと付き纏ってくるとか、
例えば昼間の生徒を嫌味の号令一つでクラスの全体にハブにさせるつもりの新人教師とか、まあそういうの生きてれば数限りないですが、
『コイツとは刺すか刺されるかだ!』
という気概を目に込めて睨みつけるよりも早く怒鳴りつければ、大体相手は悔しそうに俯いて泣きながら逃げます。
基本は常に『殺気』ですので、皆さん常に野生の感覚は断捨離せずにお持ちください。
泣いても誰も助けてくれません。
《刀の眼差し》
(刀剣乱舞/堀川国広)
普段は温厚な堀川国広も、戦となれば刀らしい顔つきになる。
その眼差しは鋭く、研ぎ澄まされた刃のような冷たい目。
鬼の副長・土方歳三の脇差もまた、鬼のような恐ろしい顔をする。
「…誰?」
おかしい、君が僕のことを忘れるなんて。
怪訝な目を向けると、君も目を細め、鋭い眼光を僕に返す。
「あの、私のコンタクトレンズ、一緒に…」
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ-鋭い眼光
【お題:鋭い眼差し 20241015】
「ねぇ、ほら、あの人また明日香のこと見てるよ⋯⋯」
「えー、気のせいじゃない?」
「絶対見てるって」
「そんなことないって。それよりほら、買い物の続きしよう」
「でも⋯⋯」
「今日中に服決めるんでしょ、初デートの」
「あ、うん」
「水族館に行くんだよね、いいなぁ。その後の予定は?」
「近くに見晴らしのいい公園があるからそこに行こうって」
「うわぁ、羨ましいなぁ。私も彼氏欲しい」
「明日香ならすぐできるって」
「うーん、そうだといいなぁ。あ、これ可愛い。忍に似合うんじゃない?」
「あ、ホントだ、可愛い」
「あー、こっちのデザインも可愛い。これとか良くない?」
「いいね、でもちょっと露出度高すぎじゃない?」
「これくらい普通よ、普通」
「そうかなぁ」
「試着してみれば?思ってるほどじゃないかもしれないよ」
「それもそっか。じゃあ、試着してみるね」
「うん」
忍に人生初彼氏ができたのが4日前。
社会人の彼とはバイト先で出逢ったらしく、来週末が初デートなんだって。
今日はそのデートに着ていく服を買うために、街まで来たんだけど⋯⋯。
「叔父さん」
「は、はいっ」
柱の影からこっそり?私たちを覗いていた人物に声をかける。
叔父と言っても、母よりも私との方が歳が近い叔父さんなのだけれど、この人が物凄く心配性なんだ。
「昼間の街中で危ないことなんてそうそうないから、もう、帰って」
「え、でも、どこから石が飛んでくるかわからないし、変な男たちが寄ってくるかもしれないだろう?」
「石は飛んでこないし、変な男も寄ってきません」
「そんなのわからないだろ?」
「⋯⋯⋯はぁ。ねぇ、叔父さん。私もう19歳なの」
「そうだな。大きくなったな」
「そう、大きくなったの。もう、成人扱いされる年齢なの」
「こーんな小さかったのになぁ」
そう言って、豆粒くらいの大きさを示す叔父さん。
うん、さすがにそれは小さ過ぎるよ。
「だから、もう、大丈夫なの」
「いや、それとこれとは話は別だ。俺は姉さんに明日香のことを頼まれてるし、義兄さんにも言われてる」
「パパから言われてるって、何を?」
「変な虫をつけるなって」
「⋯⋯⋯⋯はぁ」
この上なく娘Loveなパパとママは、パパの仕事の都合で今は海外にいる。
既に希望の大学への進学が決まっていた私は日本に残ったわけだけど、一人暮らしの許可は降りず、作家をしている叔父の家に預けられた。
まぁ、叔父さんの家は大学に近いしオシャレで広いから文句はないけれど、とっても過保護なのが問題で、大学へは車で送り迎え、バイトは禁止、サークル活動も禁止という軟禁生活を強いられている。
と、言うのも小さい頃に私が誘拐されそうになった時、そばにいた叔父さんが何も出来なかったのがトラウマになっているらしくて、あまり強く言えないと言うのもある。
「わかった。叔父さんの好きにしていいよ、もう。その変わりもう少し離れてて」
「えっ、⋯⋯⋯⋯はい⋯⋯」
キッと睨んだ私の顔を見て、しょぼんと肩を下ろして歩く大の大人。
身長180以上の、ちょっと筋肉質な30手前の男性が、とぼとぼと歩いて行く後ろ姿はなかなかに面白い。
切れ長の一重なので、遠目から見ると鋭い眼差しの猛獣のような印象を受けるのだけれど、その実中身はとても繊細な人なのだ。
叔父さんの本の評価でも繊細な心の表現が見事で〜とかよく書かれている。
叔父さんの事は嫌いじゃない、寧ろ好きだし、私の理想のタイプは叔父さんだ。
家事全般をそつなくこなし、毎日遅くまで仕事をしているのに、私のために朝食を用意してくれたりする。
一度、自分で出来るからと断ったら、気分転換に良いからやらせてくれと懇願されるという、訳の分からない事態になってはいるのだけれど。
「あれっ?明日香どこ?」
「あ、今行く!」
そのうち叔父さんに彼女でもできれば、私への過度な心配もなくなるだろうと思っている。
そうじゃないと、私、絶対彼氏作れない。
そんな青春は寂し過ぎるので、早く叔父さんに彼女が出来ますようにと毎日祈ってる。
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(´-ι_-`) 子煩悩叔父さんは独身貴族デス
鋭い眼差し
きみは
あたしを
鋭い眼差しで
見つめて
あたしも
言い返すけど
負けてしまう
きみの
本音を知ってるからね
なな🐶
2024年10月16日2333
多分私の勘違いで、被害妄想だけど、みんな私を鋭い眼差しで見ている、こんな私だから
時刻、午後四時過ぎ。夕と夜の間のスーパーマーケットの中、カップラーメンやスパゲティが売られているコーナーの一角から『鋭い眼差し』でお惣菜売り場の様子を覗っている怪しい人物が一人。
誰だ? 俺だ。
何をしているのかというと、お惣菜に割引シールが貼られるタイミングを見計らっているのだ。
(くっ……まだか……いつもなら、そろそろ割引シールが貼られてもおかしくない時間だが……)
と、不審者丸出しな感じでラーメンコーナーを行ったり来たりしながら、さりげなくスマホを見て時間を確認していると
ピンポンパンポーン
(きたきたきたきたあっ!!)
何が? 店内放送だ。それも俺が待ち望んでいた『現在、お惣菜売り場では全品2割引きで……』ってな感じのお得情報を報せてくれるヤツである。
それすなわち、俺の大好物である『鮭ハラス炙り焼き』がお値打ち価格で買えることを意味する。
何を買うでもなく、ボケっとラーメンコーナーをうろついていた俺のテンションが一気に爆上がりした。
(今日は疲れたし、鮭ハラスをつまみにして一杯やるか!)
そう決め、急ぎ足でお酒売り場に立ち寄ると、缶チューハイ2缶をカゴの中に入れ、そのまま来た道を引き返してウキウキ気分でお惣菜売り場に向かう。
向かおうとした……が……聞こえてきた店内放送を前に、俺は我が耳を疑った。
「いらっしゃいませ、いらっしゃいませ、いらっしゃいませ~! 現在、お惣菜売り場ではオセチの予約を承っております」
冷凍食品コーナーのあたりで、ぴたりと足を止め、フリーズしてしまう。
(そうか、もうオセチの季節が近づいてきてるのかあ)
ボケてしまって何もできなくなってしまったけど、オセチに入ってた婆ちゃんの作るゴマメは絶品だったなぁ、母さんの作るブリの照り焼きなんか最高で、一切れで日本酒一本はいけるなぁ…などと、思い出に浸る。
……じゃなくて、
(割引のお報せじゃないのかよ!!)
通路の端で立ち止まり、苦虫を噛み潰したような顔をしているであろう俺を見て、通り過ぎるお婆さんが怪訝そうな顔をする。
ごまかすように『鋭い眼差し』で、買う予定もない冷凍ギョーザを品定めしているフリをして取り繕う俺であった。
此岸かな残れる老いに曼珠沙華
霜枯菊癒えぬ腕に抱くかな
夏富士を無数の星と登るかな
立葵てっぺんの赤卒哭忌
豆筵干すや筑波嶺雲のなき
太閤の愛でし侘助二つ三つ
朝白し夕薄紅に酔芙蓉
ジャズ流る友の会葬飛下落花
〜鋭い眼差し〜
鷹の目 獲物を狙う目
野生の目は鋭いが
人間の獲物を狙う目は
どうにも好きになれない
同じ獲物を狙うでも
生きるか死ぬか
そんなものがかかわらなければ
目の鋭さは 違うのだろうか
たとえ、貴方に憎まれようとも、
私は貴方が好きよ。
だから、貴方に殺されることも、
決して苦ではないの。
私、とってもしあわせよ。
「鋭い眼差し」
ピントが合わず、ついつい睨みをきかせてしまう
狙うは愛用のメガネ
どこいった〜
いつも
あなたの背中を見つめて
走り続けてきた
悔し涙を流した夜も
ひたすら自分を追い込んだ
成果を今
前を見据える鋭い眼差しに
迷いはない
限界を超え自分を超えて
踊り出せ先頭へ
【鋭い眼差し】
そんな目で見ないでよ。永遠みたいでしょ。
どうせ朝になれば私のこと苗字で呼ぶくせにさ。
奴は目の前には鋭い眼差しで私を睨みつけていた。
こんなになるなら山なんて来なければよかった。
私は生粋のインドア派だった。仕事以外は基本家でゴロゴロか創作活動に勤しむが、同僚から山への誘いがあった。
当初はもちろん断っていたが、私の気になっている人である片桐さんも参加すると聞いて慣れないながらも参加に判を押した。
まぁ、私にも装備をしっかり整えずメンバーも聞かずで数え切れない程非はある。だからといって嫌いな上司の接待と山登りなんてただの苦行でしかない。私は一向に終わる気配がない山道をただただ適当にそれっぽい相槌をしながら1歩1歩足を前へ出していた。
苦行は順調だった。奴が現れるまでは…。
1時間程歩いた時、異変を感じた。
「酒井くん。なにか変じゃないか?」
上司はかなり鋭かった。その直後、熊が飛び出して来た。それは真っ先に私を狙うかと思ったが上司を真っ先に始末した。不思議と悲鳴は出なかったが、驚いてその場を動くことは出来なかった。
頭部を失った上司を転がして遊んだ後に私を睨みつけた。逃げようとして背を向けて走ってしまった。
かなり早く走ったと思うけどもインドアは限界に近い体で走り背中に鈍い感覚が走った。
「うん、死ぬな」
楽観的な感想を持って私は崖から落ちた。
山ってかなり厳しいよな。怖かった。次はクマに遭遇しないルートを選ぼうと思う。リセット出来ないゲームは怖かった…。
「よし、社員旅行があるからゲームはこれまで…。」
そのまま登山の道具を準備した。
最初は姿を見せなかったよね
居るの?
訪れた先のご主人と私が
親しく話していると
チラリ姿を見せて
また
何処かへ隠れたね
ちょっとずつ
こちらに向かってきては
“鋭い眼差し”で
じ〜っと私を見ていたね
訪れた先のご主人と私が
長く話していると
安心したかのように
足元にスリスリ
そこから
始めて出会った君と
一気に仲良くなり
レーザーポインターや
猫じゃらしで
いっぱい遊んだね
滞在2日目の朝
私が髪をとかしたブラシを
前足でドレッサーから
落とし遊んでいたね
いっぱい一緒に遊んで
私が帰った後
ベッドの隅に私のTシャツを
隠したね
知ってるよ
隠したのは君だと!
鋭い眼差し
「睨んでる?」とよく言われる。眼鏡をかけて目の印象を消そうとしたこともあるけど、厳しそうで近寄りがたいと言われた。前髪を伸ばして目を隠したら、暗くて怖いと言われた。もう俯いて生活するほかない。狐のような目をしているばっかりに。
でも人によっては丸くて大きな目もコンプレックスになり得るらしい。とても興味深い。彼らは私とは違う世界を見ている。
そう思いながら人を観察するときの私は、やっぱり皆の言う通り睨むような鋭い眼差しをしているんだと思う。
見極めろ
何が必要で何が不要か
見極めろ
今ある中で最高の道を
見極めろ
自分という人間の価値を
暖かな陽光の元
和を尊重し笑みを忘れず
人の優しさに囲まれて
日々の生に感謝を忘れるなかれ
温もりにただ浸かるのではなく
その幸福を失わないよう
笑みの下で目を光らせろ
災いは忘れた頃に忍び寄るものだから
「鋭い眼差し」