『鋭い眼差し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鋭い眼差し
ワイシャツのボタンを上三個外してだらけた姿勢で、探偵は弛緩した目つきでこちらを見た。こいつ一応は有能な探偵で「Trouble is my Business」を標榜してるはずで、さらにはこの世の外までも仕事場にしてる心霊探偵だと聞いた。本当だろうか。私のこの問題を解決してくれるならいくら怠惰に見えても構わない。
「探偵さん? とりあえず私のまわりにある窓をのぞいて? それで問題があるとわからないなら契約はしないわ」
探偵は眉をひそめてあたりを見渡した。
「ひでえな。誰からの呪いか見当はつくのか?」
「つかないからあなたに相談してるのよ」
探偵はふっと笑って私を見つめた。私の魂胆を見透かすような。私も笑い返した。私は現時点では被害者なのだもの。私は今のところ何もしていない。ただ鷲司家の下女をひとり解雇しただけよ。あの下女は黒い鰓とつながっていたからうちに置いておくわけにはいかなかった。
この自称心霊探偵はどこまで知っているのかわからないけど私の盾にはなれるのかしら。それともそういうのは他に依頼すべきかしら。私もよくわからない。
「黒い鰓って聞いたことがある?」
微笑みを崩さぬ努力を続けたまま尋ねると、探偵は一瞬ぴくりとしたが、何食わぬ顔で、
「黒い鰓。それは厄介な案件だなあ。高くつくぜ」
と、へらへら笑った。軽すぎて腹が立つような剽軽な顔に、鋭い眼差しがとってつけたように張り付いていた。
チャレンジ86 (鋭い眼差し)
最近の物価高で、夕方のタイムセールが賑わっている。昼間と同じ品物を、割引で買うことができるからだ。わが家では、普段は買えない高級食パンを、お得に購入している。
割引のシールが貼られる時間は、お客たちの鋭い眼差しが飛び交う。スーパーの店員は心得た顔で、手際よくシールを貼っていく。お客は最初は不安そうだが、慣れてくると落ち着いたもので、
あら、今日は貼るのが早かったのね。
などと話をする。食パンや惣菜の売り場に、いつも同じ人が来ることに気づき、お互いに苦笑いする。鋭いまなざしは、会計の時には和らいでいる。おだやかな夕暮れである。
【鋭い眼差し】
俺は
大雨の中
あるヒトを
殺した。
__________________________
俺は
アイツに
殺された。
はじめてみたなぁ。
黒いフードから隠れた
弟くんの刺すような
鋭い眼差しは。
鋭い眼差し
このワードで思い浮かぶのは
パリオリンピックの射撃で有名になった無課金おじさん
ラフな格好でゆっくりとした動きだけど目は鋭かった
ああいう緩急のある渋い歳のとり方がしたい
鋭い眼差しを受けて思わず泣きそうになった
何をしたのだろう
何を考えたのだろう
何も言わなかった
何も言えなかった
何も言ってくれなかった
何か言って欲しかった
眼差しだけがやけに鋭利だった
〚鋭い眼差し〛
君は僕を、睨みつける。
僕は"なんかしてしまった?"と聞いたら
"なんもねぇ"と返される。
貴方はその鋭い眼差しで何処を見ている?未来?道の先?自分?他人?僕は鋭い眼差しで何を見ている?ううん、自分の見ている物って、案外、分かんないや。
何処を見てもいいと思う。ただ、知っておかなければならないのは、決して全てを見渡すことは出来ないこと。だから、世界中のみんなで世界を見渡す。現実、それでも全てを見ることは出来ない。じゃあ、1人だったらますます見渡せないに決まっている。だからさ、その絶対的な鋭い眼差しを持っていたとしても、1人で背負い込まないでほしい。
未来だって、自分のことも他人のことだって、全部を見られるなんて、ありえない。どんな目を使ったとしても。事実、僕は僕のことを一番分かっていなかった。
なんて鋭い眼差しなのだろう、足が動かなくなってしまった。どうしたら、この状況を回避出来るだろうか!
迂回して、回避しようかでも追いかけて来そうだし。あぁ〜どうしょう、この道を通るんじゃなかったなぁ〜!
怒られるどうしょう。
確信犯の様に鳴くにゃんこを抱きしめる!
【盛夏】
高く高く入道雲が立ち込めていた
うんざりするような暑さ
秋まではまだあるようだ
私は旧校舎に向かった
もちろん目的地は空き教室
だが、
栞さんは夕暮れにしか現れない
簡単に言えばこれはサボりだ
この姿を栞さんに見られれば
きっと強く叱られるだろう
それでも旧校舎に向かった
【3時間目】
私が旧校舎に行くのは
決まって3時間目だ
1時間目や2時間目をサボるのは気が引けるし
4時間目はランチ前なので先生もよく通る
だから決まって3時間目に
旧校舎に向かう
「、、、」
そこで何をするかと言うと
いつも栞さんのいる窓際で風に吹かれる
ただそれだけ
贅沢な時間の潰し方である『なにもしない』を
するのだ
会えないとわかっていても
そこに行けば栞さんがいる気がして
どうしても行ってしまう
「またサボっちゃったな、」
とはいえ少しは罪悪感もあるもので
その空き教室で3時間目にやるであろう勉強をする
全く意味の分からないものだ
だが
今日はそうしなかった
他に考えたいことがあったからだ
栞さんについて
私は栞さんについて何も知らないのだ
旧校舎の空き教室に現れて、校庭に出ることもあるが
学校の敷地からは出ない
オカルトマニアの友人によれば
そういう霊は大体そこで死んだ地縛霊か
そこに未練をもつ霊か、だそうだ
今日の夕方、聞いてみることにしよう
【夕暮れ】
いつものように空き教室へ向かった
とくに急いでいなかった
だがだんだんと歩くスピードが速まっていく
聞きたいことがあるから
私は空き教室の前まで来て
そこの窓から窓際を覗こうとした
「ッッ!」
覗く寸前にどこからか鋭い視線を感じ
反射で後ろに振り返る
そこには
「君かい?いつもいつもここに来る噂の子は」
「、、、?」
全く見覚えのない中年の男性がたっていた
つづく
(作者のひとりごとコーナー)
こんにちはっ微塵子です!
ミジンコと呼んでください
不登校中学生です
昨日からの続きであります
というのも、昨日は予定が山積み(?)で
夜に書けず、、、
昨日の分のテーマ、高く高くと
今日のテーマである鋭い視線で
書かせていただきました
前の投稿から続いた物語です
(つづくと書いて置きました)
これからもよろしくお願いします!
【鋭い眼差し】
私はいい人。
人助けが趣味だ。
私があてもなく歩いていると公園で寝ている男性を見つけた。
注意してやろう。
私「昼間から働きもしないでいいご身分ですね。人生舐めてます?」
男性「なんすか急に。カルトの人ですか?」
私はあきれてゲロを吐いた。
びちゃびちゃ。
男性「え?やば。すみません。仕事サボって休んでるだけですけど何か?」
なんてやつだ。
これが日本型雇用制度の闇か。
私は男に鋭い眼差しを向けた。
私「お前みたいな奴がいるせいで日本の経済は停滞してるんだ。分かってんのか!」
バキィボキァ。
男性「痛。やめてくださいよホントに」
私「土下座しろ」
男性「え?」
私「土下座ちろぉおおおおぉぉぉーーー」
私はたまたま持っていた日本刀を抜いて切りかかった。
悪く思うなよ。これも全て私の視界に入ったお前が悪い。
そうして一人の儚い命が消えた。
〜その後。警察署にて。
男性「アイツは一体何者だったんですか?」
ポリスマン「ただの無職だよ」
【鋭い眼差し】← change order →【あなたとわたし】
鋭い眼差し
僕はあの物静かなあの子が好きだ。
あの子は弓道部に入っていてたまに見に行ったりする。
そしていつも、僕の心を射抜く。
なぜなら、あの子の鋭い眼差しだ。いつもはタレ目なのに的を狙う時は鷹のように目に集中させる。
そんな君が大好きだ。
#鋭い眼差し
閃光が走る
体を貫き心が震えた
薄っぺらいわたしの戯言を
笑うでもなく責めるでもない
ただわたしを見つめる
その眼差しにどんな言葉より
なぜか傷みよりも
救われた気がした
「鋭い眼差し」とかけまして
「大病を患い死にかけた」と解きます。
その心は「視線/死線」です。
【鋭い眼差し】*128*
仕事やトレーニングに集中してる時かな
まわりを気にせず真剣に取り組んでいる姿は魅力的
シャツの袖をまくってたり、
ネクタイ取って緩い感じもステキ
建設現場で汗だくにタオル巻いてるのもイイ
あっ鋭い眼差しからソレた笑
鋭い眼差し
熱い眼差しにドキドキ
希望の眼差しにワクワク
優しい眼差しにキュンキュン
疑り深い眼差しにへきへき
恐怖の眼差しにブルブル
嫉妬の眼差しにさめざめ
羨望の眼差しにルンルン
憧れの眼差しにチカチカ
温かい眼差しにポカポカ
冷ややかな眼差しにズキズキ
差別の眼差しにガクガク
鋭い眼差しにバチバチ
お題
鋭い眼差し
直球の侮辱だった。
アシェリカは羞恥で顔が真っ赤になった。怒鳴りたくなったのをぐっと堪えて俯く。彼女の横にいた青年が庇うように前に進み出た。彼こそが、今をときめく騎士団団長シェーンハイト・グロウズである。
「失礼」彼は穏やかに口を挟んだ。「今、何と仰いましたか?」
その場にいた誰もが、空気が凍りついたことに気づいていた。その冷え冷えとした殺気の発信源が、シェーンハイトであることにも。気づいていないのは口を滑らせた本人のみ。
気持ちよく放言していたのは最近男爵の位に叙せられた成金貴族だ。話を遮られたため、不愉快そうに眉をしかめてシェーンハイトを睨みつけた。
「かつて栄勇を誇った近衛騎士団に、女の身でもぐり込むなど、どのような手段を使ったのか窺い知れるものだなと言ったのだ」
「それはつまり、彼女が我が騎士団にいるのは実力ではないと仰っているのですか」
「そうだ。このような男所帯に女がいるなど実に不道徳でけしからん。言うにおぞましい手段を使ったに違いない」
その言葉を聞いたシェーンハイトの表情が、能面のように無になった。
「今の言葉は訂正していただきたい」
彼の言葉は静かながらも圧がある。相手はふんと鼻を鳴らすと、皮肉気に口端を吊り上げた。
「口先では何とでも言える。現に、今、庇い立てする貴様こそ、何やらやましいことが——」
得意気に喋っていた彼は、シェーンハイトの鋭い眼光に怯んだのか、口を噤んだ。
「卿は何やら誤解をされているようですね。彼女がここにいるのは、ひとえにその実力に因るもの」シェーンハイトの声がどんどんと低くなっていく。「彼女をそのように侮辱することは、我が騎士団を、ひいては我が騎士団を有する王への侮辱となることがおわかりにならないのか?」
その剣幕に相手はたじろいだ。先ほどまでの威勢のよさが嘘のようにおろおろとし始める。アシェリカも驚いて顔をあげた。
彼はいつでもにこにこと穏やかに微笑んでいて、アシェリカは今まで彼が声を荒げる姿など見たことがなかった。若年でウェルス王国近衛騎士団の団長に就任した彼は、優美で文化人然とした佇まいから、優男だ軟弱者だ何だかんだと言われ続けていたが、何一つ反論することはなかった。
「彼女に潔く謝罪をするか、見苦しくもこの場から逃げ出すか、卿はどうされるおつもりか」
それなのに、どうしたのだろう今、彼は自分を庇うように前に出て、鋭い眼差しを相手に注いでいる。
こんな表情もできるのか。妙に感慨深い気持ちで、アシェリカはシェーンハイトの横顔を見つめていた。
鋭い眼差し
彼は、鋭い眼差しで、自分の「獲物」を
見つめる。
シャブ、フック、ストレート、アッパー。
休憩を挟み、延々と続ける。
「人生みたいなもんだ」と、彼は言う。
「問題は次々にやってきて、
次々にそれを片していくだけだ」と。
鋭い眼差し
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.10.16 藍
・鋭い眼差し
冷たい、それでいて貧弱そうな檻。ふとそちらを見てしまったばっかりに、鋭い眼差しが、僕を捉えた。
ぞくり、と背筋が寒くなる。よく手入れされた、ふわふわの毛並みと、丸みを帯びた愛らしいフォルムには、あまりにも不似合いな視線だった。
「わー、かわいいー!」
「この子はおとなしいのでおすすめですよー!」
店員に抱き上げられている子犬もまた、同じ鋭い目をしている。
選んでいるのは、僕らじゃなくて、きっと彼らのほうなんだろう。
急にドクドク脈打ち始めた心臓を抑えて、僕はもう一度、檻を覗き込む。
わんっ!
バカな小僧っ子だな。さあ、好きに連れて行け。
そう聞こえた気がしたのは、たぶん気のせいなのだろう。