『遠くの空へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
わたしの手から離れていく
鋭い先で大気を切り裂き
紙でできた白い鳥は
とおく とおく とおくへと
遠い空へと飛んでいく
白い鳥は雨に溶け
柔らかな空の綿となる
青に浮かぶ眩い白は
ふわふわ ふわふわ ふわふわと
呑気な様子で風に乗る
空はゆっくり流れてく
わたしが行けぬところまで
山こえ 海こえ 街をこえ
巡り巡って戻るのだ
丘の上 空の下
風に靡く長い髪
高く 強く どこまでも響くように叫んだ
私はここにいる
遠くの空へ
(才蔵さん、まだかな……)
私は一人、才蔵さんの屋敷で帰りを待っていた。
縁側に腰掛け、ひっそりと浮かぶ月を見上げて溜息を吐く。
(こんな風に待っていたら、鬱陶しがられるかもしれない……)
それは嫌だ。
けれど、何も知らない今の状況はもどかしい。
(私、どうしたいんだろう……)
自分の心がわからず胸に手をあてる。
(ん?懐に何か入って…)
取り出したそれは、昼間慶次さんから貰った美しい石だった。
(あ……結局返しそびれてたんだっけ)
月明かりにかざすように石を持ち上げてみる。少し動かすだけで、それは様々な色に変化した。
(不思議な石……まるであの人みたい)
遠くの…もっと遠くの空へ飛べたなら、先輩の元に会いに行けるのかな。
先輩は県内の学校だけど、遠いところに行ってしまった。私の力ではそこへ行くことさえできやしない。何故って?それは…簡単なことさ。「学生」だから。そんなに大人なわけでもないし、親がいないとどこへだって行けないんだ。もちろん、先輩の元へも。
鳥にでもなって空を自由に飛べたなら、私は何も考えずに先輩の元へ向かうだろう。鳥なら姿もバレずに済む。スズメくらいの可愛さがあったら、まっすぐ先輩に懐くつもりだ。先輩に可愛がってもらっていつでも先輩のそばにいる。欲を言えば飼われたいかもしれない。
でも、やっぱり先輩がいない部活には…いつになっても慣れないかな。
どこか遠くで、幸せに暮らしていて欲しい。
そう思ったからこそあえて遠ざけたその手を、時折ふと思い出す。
たとえば剣を握る時に。文字を綴る時に。今頃どうしているだろうかと思いを馳せる。
もう二度と触れなくてもよいと、そう思ったはずの温もりを思い出す度に、そんな自分に苦笑をこぼす。
「どうか」
そうして人知れずに囁く。どうかどうか幸せに。どうかどうか再会することのないように。祈りを込めて囁いて、瞳をすがめて。
それが浅はかな願いであると知りながら、今日もまた空を見上げてから、彼女は戦火へと足を向けた。
遠くの空へ
遠くのものを
遠くに感じる
遠くのものを
近くに感じる
近くのものを
遠くに感じる
近くのものを
近くに感じる
時間の尺度は
変わらないが
遠近法で惑う
あの空の行方
こんなふうに
君の気持ちも
近くに感じて
惑えたのなら
良かったのに
遠くの空へと
消えていくの
自○あり。
《生まれ変われるなら何になりたい?》
《うーん…鳥かな。》
《なんで?》
《______》
「…夕日が綺麗だな。」
僕は今、屋上にいる。
(…空も綺麗。
あーあ。鳥の様に空を自由に飛べたらいいのに。)
そしたら、なんにもどこにも囚われないのに。社会という檻の中から出られるのに。
手を伸ばすと、なぜかいける様な気がしてきた。
「…前に生まれ変われるなら何になりたい?とか話したっけ。」
あの時も僕は「鳥」と言った気がするけど…理由はなんて言ったんだろ?あの時はまだ虐められて無かったしなぁ…。やっぱり「自由になりたい」とかだったのかな。
「にしてもな…ま、思い出すだろ。いつか…」
さてこんな茶番は置いといて。
「飛んでみるかー…」
フェンスに手をかけ、足をかけ、上へ上へと上っていく。
「よいしょっと…うわっこわ……」
下を見ると、コンクリートが見える。下からなのか声も聞こえる。
「…飛べば怖くない。飛んでしまえば。」
大丈夫…大丈夫…と自分を落ち着かせ、深呼吸する。
さん
にぃ
いち
「ゼロっ」
思いっきりジャンプする。何処からか悲鳴がちらほら聞こえた。
(これで………大丈夫。)
やっぱり飛べなかったなぁ……。
#遠くの空へ
天国へ逝く
虐めにあっていた男の子が「空へ飛ぶ」お話。
《生まれ変われるなら何になりたい?》
《うーん…鳥かな》
《なんで?》
《遠くの空まで飛びたいから》
「遠くの空へ」
優しい春の日差しの中で、空を見上げる。
何も無いのに、全てを失なってしまったかのような気持ちになる。
どうしてだろう。
春は儚い。
そして、少しだけ冷たく感じる。
今、この瞬間、
私と同じように空を見上げている人は居るのだろうか。
温め鳥、というらしい。
後から知ったけれど。
猛禽類が小鳥を捕まえて、その温もりをカイロがわりに寒い夜を明かすこと。その小鳥のこと。
翌朝小鳥を離した猛禽類は、温め鳥となった小鳥が飛び立った方角へは一日狩りへは行かないなんて、いかにも寓話っぽい言い伝えまである。
どんな強者も恩義は忘れないとか、なんかそんな教訓なんだろう。
そもそも許可なく弱者を都合良く使うなってツッコミはきっと求められてない。
さて、この言葉を知った自分は、なんと小鳥側らしい。
温めたつもりもなければ逃げたつもりもないけれど。
ただまあ、猶予の一日はとっくに過ぎてて猛禽類側がスタートダッシュをかけたっていう噂を耳にしてしまったからには、こちらも全力で応えなくては。
逃げちゃらぁ。
逃げる理由は無い。でももうそこはフィーリングで。
追われれば逃げる。これ必然。
その視線が、爪が、翼が絶対に届かない場所へ。
それで、恩義とやらで我慢した一日を、必ず後悔させる。
そもそも手放したことを、胃の奥から後悔させる。
お互い背中も見えない、足音も聞こえない、二度とその体温を知ることもない、それくらい
#遠くの空へ
淡く光る灯火のように
わたしの夜を照らす
何万光年先の星の命を見送るように
そっと しずかに
遠くの空へ
って、
君はいつも言ってるよね
遠くの空に何があるのか
君はなんにも知らないくせに
僕は知ってるし
君に遠くの空を教えたのも僕だ
教え方が悪かったかな?
さぁ、どうやって説得しよう
どうやら本気で行く気らしいし
……君は知らなくていいのに
あの綺麗な空の先には
本当に、何も無いことを
『遠くの空へ』
神様よ
願い届けて
あの人へ
無事に生きてと
遠くの空へ
【遠くの空へ】
この胸のわだかまりをむしり取って
叩いて、潰して、折って、飛ばす
遠くの空へ
でも結局着地点は此処なんだろうな。
遠くの空へ
遠くの空へ流れていく雲みたいになれたら
楽なんだろうけど
消えたとき誰にも気づかれないのは
やっぱりちょっと寂しいかも
#遠くの空で
遠くの空を今見上げている。
あぁ、星が空満天にある。
遠くの空の向こう側には何があるのだろうか。
世界は不思議でいっぱいだ。
海外に旅をするとき、
飛行機の窓から地平線に沈む夕陽を見ながら、
いつもこう思った。
あの夕陽の先には、まだ「今日」が残っている。
私が通り過ぎた時間が、これから訪れる。
どうか、皆の残りの「今日」が幸せでありますようにと。
遠くの空へ、祈るのだ。
#遠くの空へ
遠くの空へ
遠くの空へ、凧をあげる。
今ではあまり見られない風景です。
落語の演目、「初天神」。
父親と小さな男の子が、ふたりで天神様にお参りに出かけるお話です。
サゲ(終わり)のところは、凧あげの場面。噺家さんによってはタコあげも違ってきます。わたしが好きなのは、亡くなった小三治のサゲ。
遠くの空へ、高く高くあげる凧。
高座から、あがって行く凧が見えてきます。
また逝けなかった。
寝てる間に遠くの空へ行けたら良いのにな。
また明日
また明日
また明日
また明日
また明日
また明日
また明日
ずっと逝けない。
待ってても待ってても遠くの空へ行きたい。
自殺するより病気で死んだ方がマシだな。
明日には誰も行ったことのない綺麗な遠くの空へ逝きたいな。
#6「遠くの空へ」
ゆるキャン△にハマったこともあり、年末年始に僕は富士山を見に1人冬キャンプをしていた
この1人で過ごす時間は嫌なことを忘れさせてくれる
何かある訳では無いのだが、家族に干渉されない時間が欲しかったのだ
折角なので初日の出を見ようと、かなり早い時間に起床をしたが、冬のせいで寒くて外で待機なんているのが厳しいと感じるほどに冷え込んでいた
寒さに耐えること10分くらいたっただろうか。東の空が明るくなり始めた
この寒さもあるせいか初日の出は魅力的に見える
この遠くの空が僕達の未来を映し出しているかのような、綺麗な空が広がっていた
お困りのものは遠くの空へ
投げ棄てて来て差し上げましょう
弊社最大のモットーは
お客様の未練タラタラを
綺麗サッパリと滅却することにあります
どうぞご遠慮などなさらずに
さぁさあ何でもお申し付け下さいませ
ただしご注意下さい
遠くの空へ投げ棄てた筈のものが
地球をぐるりと回って
後頭部からごちんと飛んでくる場合がございます
その際はこれも運命と思って
どうぞご享受下さい
かしこかしこ
遠くの空へ。
遠くの空へ。
黄砂よ
飛んでくるな。
遠くの空へ。
農薬
飛んでくるな。
遠くの空へ。
2人の
唄声を
届けて。