『通り雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
通り雨
向こうの空は晴れてるのに、ここは雨が降っている。
雲は止まらずに動いている。
ここもいずれ晴れるだろう。
通り雨が迂回してくれたら濡れずにすんだのに。
雨の日の静けさが好きだ。世界に自分一人しかいない気がして心が少し軽くなる。でも、濡れるのは昔から嫌いだった。靴を乾かすのはめんどくさいし、どこ歩いてきたのって怒られるし。バスに揺られながら窓の外を見る。やっぱり車が多い。
無意識にため息が出た。
雨の日は好きだ。静かで、おだやかで。
落ち着くはずなのにどうしても消えたくなる。
このまま雨の静けさと共に消え去ってしまいたい。
叶うことなら、この水滴のひとつになりたい。
もう、学校なんて行きたくない。
家にだって帰りたくない。
強い酸性雨だったら私を溶かしてくれるんだろうか。
通り雨、私も連れてって。
なんちゃって...
通り雨
通り雨なんかは放課後友達と遊ぶ約束してる日とか彼氏んち行く予定ある日とかばっかにくる気がする。もっと空気よめよーって思いながら。でも意外とちょっとしたらすぐ止むからよかったーって思いながら遊びに行って。
前片想いしてた人と帰ってた時通り雨が丁度きてうわ最悪って思って傘開いたとき一緒に入った方が楽じゃない?って向こうの折り畳み傘で相合傘してん。めっちゃ幸せで嬉しかった。近くにいた私たちの共通の男友達にうわやってんなーって動画撮ってストーリーにあげられて。正直めっちゃ嬉しかった。向こうは嫌がるかなって思ったけど全然そんなことなくまあなーって可愛いし俺好きやからって。もーなんでそんなこと言うの好きじゃないのに。loveじゃなくてlikeだったんだね。ずっとloveだと思ってたよ。告白して振られてやっと気づいた。あー戻りたいような戻りたくないような。
通り雨
さっき迄晴れていたのに…空を見上げると、向こうには青空が広がっている…取敢えず逃げ込んだ大きな木の下に、君も走って来た。何時ももの静かな君が、珍しく息を上げている…何となく声を掛けると、少し驚き乍らも、小さく頷いてくれて…普段余り言葉を交わさないから、変に意識してしまう…幾つか言葉を交わして居ると、そのうち雨も止んで、さよならした…
なんだか、空がどんよりと重たい気がして。
急いで軒下に駆け寄ると、瞬間、ザアッと雨が降り始めた。
(ああ、駆け込んでよかった……)
腹のほうで抱えていたリュックサックを抱きしめる。
ここには大切な資料が入ってるし、傘も持ってなかったから、すぐ近くに軒があったのはほんとうにラッキーだ。もしかしたら今週の運をすべて使ってしまったのかもしれない。まあそれでも悔いはないけれど……。
一頻りくすくすと笑って、ふう、と息を吐く。
もう雨は止んでいた。
そういえば、通り雨ってなんであんなにも勢いがいいのだろうか。
ぼんやりとそんなことを考えて、ふと考える。
さて、この雨が止んだらどこに行こうか。
家に帰ろうと思っていたけど、それよりもやりたいことが出来たから。
私は今日、晴れた空の青色以外にも、焼く前のうすっぺらいピザ生地みたいな雲や、それらが落とす、透明な涙があることを知ってしまった。
そうしたら、もう屋内でおとなしくしていられない。
私は、自分で言うのもなんだけど、知的好奇心は強い方なのだ。
「よぅし、今日は探検だ~!」
ひとり拳を空に突き上げた。
空はすでに朱く染まりつつある。
▶通り雨 #18
それは不意にやって来てはすぐに消えてしまう。
モノクロの風景にぽつりぽつりとリズムを刻み、わずかな時間だけ現れては満足気にまたどこかに旅立ってしまう。
今はどこを旅してるのかな♪
題:通り雨
通り雨のように過ぎ去っていくあなた。
私のことを見たかと思ったら私の親友の事を見てたのね。
貴方とすれ違い、
私は気づいてないフリをする。
貴方の視線はいつも私の隣へのものだから。
▼ 通り雨
朝から、雲を運ぶ風だと感じていた。
空ばかり見ているのも何だと気にしないように机に向き合っていると、窓ガラスに当たる音。
(これは、一気に来るな)
何気無しに窓側に立てば、見知ったバイクが既に大粒にやられている。
直ぐに部屋へ引き返し、インターホンが鳴ったと同時に開錠。
バスタオルを手に玄関先へ急いだ。
「子供じゃねぇんだから、気遣い過ぎだ」
さすがに髪を拭くのは自身に任せ、暖かい珈琲を入れながら自然と溢れる笑みに彼はバツが悪そうにする。
そうして、ここに来る言い訳もぶつぶつと追加してほんのりと耳を赤くした。
「たまたま、今日天気予報見るの忘れたんだ」
「はい」
「こっちに用事もあった」
「はい」
「…最近、ゆっくり会えなかったし」
最後には語尾がとても小さくなってしまったのにも敢えて反応をせず、目の前にカップを置く。
「通り雨ですから、直ぐに止みますよ」
ほんの少しの意地悪を含ませたのが分かったのか、眉間の皺が増えた彼がこちらに手を伸ばすのが見えたけれど、それも想定内。
「今夜泊まる」
「はい」
悔しげな顔もまた愛しくて顔が綻んでしまう私は性格が悪いだろう。
子供のように、もっと激しく降ればいいと思うのも欲が出てしまうから。
雷すら、今は愛しい。
通り雨
天気雨
コロコロ変わる天気
心の天気も
対応が難儀です
折り畳み傘を持っていたときは自分を少しだけ好きになれる
「通り雨」
宇多田ヒカルさんの「真夏の通り雨」
突然死した母を思い出します。
大切な誰かをなくした人は聞いてほしいです。
『通り雨』
はっとする冷たさに
憂鬱は攫われた
愁いしとしと流れ落ち
燈ゆらゆら灯る
率爾な雨音の報せに
閑静に苛まれた心が
ふと我に返る
喧騒まがいの序奏は
穢れを洗い流していく
毎朝、ホームへの階段を降りきる瞬間…
電車に乗り込む
名前の知らない可愛いアノ子
4人掛けベンチの左端から
扉越しにお見送り。
今朝は足早に駆け降りる
気まぐれな雨で遅れた約180秒…
モノクロの景色に小さな溜め息ひとつ。
いつもの左端には
茶色ショートブーツの誰からしい…
今日はベンチの右の端
雨音が消えて一瞬視線が奪われる。
ありがとう…
不意に小さく呟いた。
- shower -
『通り雨』
あ…雨だ
今日は晴れの予報だった、はずなのにな
…。
沢山勉強したから、絶対番号あるはず!
えっ…な、い。
あぁ、そっか
落ちたんだ
水が、雨が
降ってきたな
「通り雨」
雨はすぐに止んでも
頬にしたたる水は
すぐには止まなかった
自分だけは違うと思いたかった。
自分はあの子をいじめたりしなかったし、憎い花を踏み潰したりしなかったし、死んだあの子の死体を食べたりしなかった。神が導いてくださるというドレスも着なかったし、教会にだって行かなかった。
それでも特別にはなれなかった。結局のところ自分もただ血液が入った袋に過ぎなくて、食事と呼吸をしなければ生きることがてきないのだ。
自分は村を燃やしました。体が別れたあの子を天に送りたかった。自分も今は憎きドレスを纏って飛び降りるんです。涙ながらにも縋るしか無かった。
通り雨
ためらいの間に
つっかえたものを
水にさらした
朝
路面は静かに濡れ
僕はただ染められてゆく
#通り雨
傘忘れた時の絶望感は
すんごいやばい。
通り雨
「なんで降るかなぁ」
ついてない、と肩を落とす若い女性は、突然降り出した雨から逃げるように店の軒下へと急いだ。
同じようにどこかの店に入る人や足早にかける人たちを見ながら、女性は空を見上げていた。
降る雨はそこまで強くないし、雲だってどんよりとした灰色のものではない。
もしかして、通り雨では、と思ったところで、店のドアが開く。
「おや、雨ですか? 降られてしまいましたね」
出てきたのは、女性の好みドストライクの顔立ちの男性だった。思わず凝視してしまえば、男性は少し照れくさそうに微笑んで、ドアを大きく開けた。
「よければ、寄っていきませんか?」
その誘いと己の欲望に忠実に従って、ドアをくぐる。
ああ、雨よ。通りすぎてくれるなよ。
義理の母は
昔気質の威勢のいい女性ですが
超ド級の我儘で
しばしば困った言動が有ります
毎日食事を届け
ゴミなどを片付け
時には通院に付き添ったり
カチンときたり
虚しい気持ちになったり
様々なことがありましたが
気付けばもう5年続いています
最早数々の失言等は
わたしのネタとなりつつあります
長編が書けそうです
なるべく刺さったトゲは
通り雨の如く
サッと洗い流して
また今日も暴言を浴びに行ってきます