『通り雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雨がシトシトと降り青々とした木々にその雫を落としていく。
きっとお日様が雲から顔を出した時美しい宝石の木が現れるのだろう
通り雨
通り雨って、強い雨が降るけど、
長くは降らないよね。
この前、嫌なことあったけど、
嫌なことのあとは良いことがあるもの。
人生に似てるかな。
これからも雨が降っても必ず晴れると思って
生きていく。
~通り雨~ 恋した瞬間
あなたを待ち続ける喫茶店。ふと窓の外を見ると雨が降っている。さっきまで降っていなかったのに・・・・。数分後、嘘みたいに晴れた。
あなたとの出会いを思い出した。
あの日、あなたは見ず知らずの私と、雨宿りをしたね。覚えてる?
それがあなたに恋した瞬間だよ?
あなたの横顔がとても素敵だったから。
通り雨
一瞬、過去を思い出し
涙が溢れて…
何事もなかったように
日常に戻る…
でも…
心の奥底に眠ってる雨は
気づかないうちに深く
なっていく…
いつもは隠れてるけど…
ある拍子に姿を表す
通り雨
また…
いつやってくるのか
わからない…
臆病に笑ってる…
こわい…
涙する…
下駄箱を出ようとして気づいた。
「え...」
ポツポツと雨が降っていた。音がしないぐらい少しなのだけれど、駅まで30分程度はあるから、この中傘をささずに行くのは些か躊躇われる。
今朝、いつも見るニュース番組の気象予報士は晴れだと自信満々に言っていたからそれを信じて傘を持ってこなかったのに。
「わっ!?」
一瞬視界が真っ黒になって何事かと一歩下がると、目の前に開いた傘を差し出されていた。私が持っているのよりなんだか大きく見える黒い傘。
「ん」
「え?いいよ、君が濡れちゃうよ」
「俺は男ですから濡れても良いんです。先輩どうぞ」「悪いよ」
「いいですから」
「でも────」
言い終わる前に傘は私の足元に置かれ、彼は薄い鞄を傘がわりに走って行ってしまった。置かれた傘を手に取るとやはり大きい。足元に置いていってしまうなんて。
「カンタかよ...」
某アニメの毬栗坊やを思い出してふふっと笑みが漏れる。さて、彼の行為を無駄にしないように、帰ろうと一歩踏み出して気づく。
「雨、止んでる...」
彼、服大丈夫かな、濡れてないかな。雨、止んで良かったな。
そう思いながら少し熱った顔を撫でた。傘返さなくちゃ。
今まで見ているだけだった彼に話しかける理由ができたことに胸を躍らせた。
#通り雨
自室で作業をしていると、
景色が白むほどのゲリラ豪雨がやってきた。
街全体を水が覆っていく。
大きな音を立てて、人々をずぶ濡れにして。
まるで、寂しがるいたずらっ子のように。
いじわるなことを言われても、
まったく手を緩めない。
加減がわからず、
誰かに迷惑をかけてしまっても、
雨は変わらず雨のまま。
少し、いや、とても羨ましい。
どうしてそこまで、
誰かに対して何かをしようと思えるのか。
どうしてそこまで、
雨として自身を貫き通せるのか。
話ができるなら聞いてみたい。
屋内の声も掻き消えるほど、
激しい激しい通り雨。
誰にも聞こえないなら、
私も何か口ずさんでみようか。
お題 通り雨
暖かい季節に沿わない
冷たい私達の別れ
季節の変わり目に逆らい今日を生きてる
時が流れていつかは見知らぬ二人になる
水たまりに映る私の顔
涙で溢れて歪んでいる
きっと通り雨のせい
降ってきちゃったね
君の事だから準備は…
え?傘忘れたの?珍しいね
私?え〜と…
じゃん!持って来ました!
と言うわけで、さぁ、はいったはいった
行くよ?しゅっぱーつ!
うぅ…照れ隠しでついおどけてしまった
ただでさえ子供っぽいって言われるのに
でも、今日くらい良いよね?
せっかく傘一つ分、距離が埋まったんだから
彼のうっかりに乾杯!通り雨に幸あれ!
『通り雨』
通り雨、雨宿り、夏の日の
光景
通り雨のような出来事が、
大雨になってしまった
私の人生
大雨になってから気づいた
あれ以来、ずっと大雨に
うたれている気がする
通り雨をやり過ごす、自分で
あったらよかったのにね
「天気予報が嘘をついた」
好きな曲のワンフレーズを口ずさむ。
突然泣き出した空の機嫌を伺いながら、なんてぴったりな歌詞だろうかと思わず笑って。
洗濯機を回しているのに、というこちらの不満も聞こえないふり。何がそんなに悲しいのだろうか。
「雨は好き。頭が痛くなるのは嫌だけれど」
少し重くなった頭を机に預け、目を閉じる。
雨音が響く静かな部屋に鼻歌がにじむ。
急に暇になってしまった……こんな時はミルクティーでも飲むに限る。ケトルのスイッチを入れた。
「……あれ?」
ケトルがご機嫌な歌を奏で出したところで、雨音が止んでいることに気付く。
カーテンをめくってみると、気分やな空はいつの間にか泣きやんでいて、うとうとと夜の瞼を下ろそうとしていた。
「もう少し、早ければなぁ」
西日に目を細め苦笑する。
まぁ、でも、たまには何もしない日もいいかもしれない、と自分に言い聞かせて。
のびをひとつすると、ミルクティーを入れるために台所へと向かったのだった。
#通り雨
今日はね…
通り雨が来るわょ…
だからね
はい 折りたたみ傘
にっこり笑って母が言う
嘘だぁ〜
こんなに晴れてるのに…
でも…ありがと
持ってくょ
帰り際…
あれれ…ほんとに雨
晴れた空から
キラキラ光りながらこぼれてる
虹が二重に輝いて…
母の笑顔が見えたような気がした
ほらね…って
雨の日は、晴れの日と違う独特の体験がある気がする。
道を歩いていたときにポツリと来る瞬間。家の中から雨が屋根を叩く音を聞いている時。雨が通ったあと、買い物でも行こうかと足を踏み出した時のにおい。
なんとなくみんなが共通で持っている、雨の日の1ページ。
私は、雨のにおいが好きだ。「ペトリコール」という名前があるらしいけど、私としてはその言葉を知ってもなお、「雨のにおい」と呼びたくなる。
この文章を書くことも、雨の日の体験の共有だ。
次の雨の日に、私はこの文章を思い出す。
部屋でゆっくり過ごしている時の通り雨に風情がある。
過ぎ去ったあとは例えば夕方頃に止んだなら、清々しいほどの空がこちらを見るだろう。気持ちいい程の空を目にした自分はもうこれ以上ないほど良い気分でサイクリングするだろうな
#通り雨
誰かの一生の中で
私と過ごす時間は
通り雨程度のものかな
せめて雷も鳴らして
派手にやらかして
そのあと一緒に
虹を見られたらいいな
朝と天気違うじゃん。傘持ってないのに。
そう思いながら窓の外を眺める。
強まる雨音に、静かな憂鬱を感じて
自分が落ち着いているのか苛ついているのかわからない。この気分をどう形容しようか私には適切な語彙が思い浮かばない。
しばらく窓の外を見ていたら一本の光の筋。
あ、あそこから晴れていくのかな。
窓を叩く雨音はだんだんと勢いを弱め、
ゆっくりと光の筋が太くなる。
雨が止む頃にはスッキリとした秋空が見えた。
通り雨
君と出会った時も好きになった時も雨の日だった
そして別れも雨の日なんだろうな
通り雨。
小学生の頃、近所にすごく広い公園があった。ジャングルジムがあったとこ。
多分直線で100メートル走れるくらい。端の方にはちゃんとブランコまであったし、学校が終わったあとはみんなそこで遊ぶ感じ。
一度だけだけど、すごくおかしな空だね。って誰かの言った夕方があった。明るいのに薄暗い。一枚変な色のフィルターがかかったみたいな色だった。ミルクティーみたいな、でも5時近いから薄いピンクも入っていて、とにかく変な色。
「だめっ! こっち来て!!!」
気付いたらザッと雨が降ってきていて、みんなが逃げ惑う。その時にまた誰かがそう言って、声を頼りにその子のそばへ集まった。
「なにこれ!」
「すごーい!」
振り返ると公園は真ん中で真っ二つに割れていた。雨の降る世界と、私達のいるそうじゃない世界。
今でこそそれがどんな気象状況で起きるのかとか分かるけどその時は本当に不思議で、ギリギリまで近づいて手を突っ込んで。なんて、みんなでしてみたり。
変な色のフィルターの掛かった雨で真っ二つの世界。あれほど変な色の空を見たのはこの時だけだったな、と今振り返っても思うくらい。
たまには君と雨宿り
通り雨だよ
そう笑う君の頬に雨粒ひとつ
涙のように流れていく
『離れたくない』
そう呟いた君は静かに
僕の手を握る
いつしか雨はあがり
美しい虹がかかる
僕と君は手を繋いだまま
不確かでも必ずたどり着けると信じる
幸せを求めてゆっくりと歩きだす
#通り雨
幾度となく通り雨に撫でられる
晴れていたから
傘なんて当分いらなかった
渋々取り出した傘は
穴が空き 雨垂れを弾くことも忘れていた
陽のおかげで
暫し不要だった傘
頬を拭いながら
太陽の暖かさに想いを馳せる
傘の穴から陽が漏れるまで
これで凌ぐのだ
つまり"好き"ってこと
簡単なふた文字
心にしとしとと雨が降る。
溢れ出しそうな悲しみを和らげる為には心に花を飾るしかないのかしら。