『逆光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【逆光】
眩しくて、逆らえない。
逆らえたい。眩しくて、超えたいから。
逆光から見えるものも
綺麗だよ
舞華
逆光
黒い影が僕に手を振っていた。
魅力的に見えて惹き付けられた。
どこか美しくて、
どこか懐かしくて、
片想いしていた彼女みたいだった。
無意識のうちに足が進んでいて、
止まらなかった。
急に腕が引っ張られて後ろに尻もちを着いた。
目の前を勢いよく車が通って行った。
何が起こったのか分からなかった。
影を見ると少しして消えた。
悔しそうな顔をしていた気がした。
あなたの顔が逆光で霞む
名前も楽しかったことも辛かったことも
全部_全部覚えているけれど
声はどうだったっけ
匂いは甘かったっけ
未だに11桁の数字を忘れられないでいるのに
私の細胞が彼のことを思い出にしようとする
【逆光】
夕日を背に、君はつぶやいた。
「一つの恋が終わった」
逆光に照らされて、君の表情はよく見えなかった。
だから僕は君が、泣いていると思ったんだ。
あの日の夕日は眩しかった。
君の哀しみも、心の行方も、何もかもぼやけてしまうほど。
夕日を背に、僕はつぶやいた。
「一つの恋が終わった」
逆光に照らされて、僕の表情はよく見えないだろう。
だから君は僕が、笑っていたと思っててほしい。
今日の夕日は眩しかった。
僕の強がりも、心の行方も、何もかもぼやけてしまうほど。
黒、白、ひとつからふたつ、反転、融合、とけあうように、喉でバチバチする、混じりあわない写真、どろどろ、強度、をそなえて、息をしたら、電気が走った。愛想、と、鉄板。あの子の頬を叩いて、コツコツ音がしたから、つまんない子だね、って言った。黒と白。灰色とかなかったから廃れた。白、白、白、で、逆光。黒く深くまで影だった。
逆光
昨夜、ダラダラとお気に入りのダンスチーム?のコラボ動画を見ていた。
異種格闘技というか‥ヲタクを全面に出している方々と、ビジュアル系の方々がやんややんや(古い)と楽しげに活動なされている動画であった。
過去に何度か見ているにも関わらず、何度見てもいいものはいい。
とてもとても可愛いので、毎回ほっこりしてしまうのだなぁ。。
今の時代嫌だなーと思うこともあるけれど、こんな風にすごく楽しそうに騒いでいるのを見るとそんな気持ちもちょっと軽くなる。
ありがとうと思う。
交わることもなかったような人同士の見ている方もニコニコしてしまう光景はふわふわ頭の素敵な後ろ姿で終わった。
髪の毛の間から漏れる光が神々しくも思え、なんだか泣きそうになった。
目がくらむほどの光を見つめていた。
涙が止まらなくなるほどの光を目指していた。
そこにはきっと欲しいものがある。願っていたものがある。祈りの果てがそこにはあるはずなのだ。
どこまで進んでも届かないその光に何度でも手を伸ばす。
ふと、一瞬だけ視界に影が落ちた気がする。
その影が気になって見えない視線の先に目をこらす。
まだ見えない。視界に一瞬だけ何かが走った。
まだ見えない。また、やはり何かが光の中にいる。
みえない。みえない。
何度繰り返しただろうか。ふとそんなことを考えたあたりだった。
見えた。
光の中にいる何かが、誰かがこちらへ手を伸ばしている。
その手にこちらも手を伸ばして。
ああ、なんだ。
目指していた光は、自分の影だったのか。
うちの学校の七不思議。
いや、七つもないんだけれど。
不思議なこと、が起きた。
先月のこと。
先生が、突然、“クラス写真”を撮るといいだした。
高校2年の10月なのに。
とくに、何も無い、ごく普通の日だったのに。
委員長のハナから、さっきLINEで届いたのがその写真。
“わざわざ机と椅子を下げて撮ったな〜”、とか。
“めんどかったよね〜”、とか。
そんな話に、とりあえずなった。
で、そのあと。
すぐあとに。
“……ねぇ、これ”
たしかエリナが言い出したんだっけ。
写真の端っこ、窓側の方。
カーテンがちょっとゆらゆらしてたとこに。
誰か写ってる。
西日だったのもあって、光がかかりまくってたんだよ。
たしかに先生、古めのスマホで撮影したし、機械音痴だから、お世辞にもキレイな写真とはいえない。
ただ、
その端っこのところだけ、妙に、部分的に逆光が強かった。
ほんとに、“誰が写ってるか分からない”くらいに。
まぁ、一人一人、写ってる人を見てけば、消去法で分かるじゃん。
と思ってた、みんな。
ただ、その写真を撮った時って、ホームルームの最後だったから、何人かは帰ってたんだ。
だから、誰が残ってたか、誰が帰ってたかを把握出来ないと、それが誰かわかんないんだ。
だから、わかる範囲で特定を始めた。
ギリ下半身は逆行を逃れてたから、スカート下の脚の形はわかる。
この白い足は、誰のものだろうか。
んー……
んー……
ん?
待って、いやこれも不思議なんだけどさ。
そもそも、先生はなんで急に“写真撮る”なんて言い出したんだろ。
なんでもない日に。
思い出作り?
いや、まだ卒業まで1年あるし、気早くない?
けっこう先生って寂しがり屋?
可愛いかよ。
あ、1人でテンションあがっちゃってた。
ごめんごめん。
―――あれ。
わたし、誰と話してる、、、?
「先生、写真みんなに送っておきました」
「お、ありがとう。よく撮れてたかな?」
「いえ、下手だって言われてますよ。ブレすぎだって」
「いやー、手厳しいな、みんな。やっぱスマホって難しいな」
「あと、机動かすの大変だったーって」
「そうしないと、みんなの写真撮れないから仕方ないだろー」
「机って女子には重いんですよ、運ぶの大変だし。とくにヒカリの机は動かすの大変でしたよ?
みんなでそ~っと運んだんですからね。
花瓶はどかして運んだけれど」
「すまんすまん、きっとヒカリも、みんなが気遣ってくれたのに感謝してると思うぞ」
「……一緒に撮りたかったな。ヒカリと仲良かったから」
ずっと一緒にいたのに、君の顔が逆光でよく見えない
のでずんずん近づいて覗き込んでやるからな!
ただ怖かった
ちからを使うことしか
思いつかなかった
あとから来た彼は
事もなげに振る舞い
優しいと言われている
/ 逆光
目の眩むもの、なんだろう。
金? 名声? 賞賛? ……否ではないが、もっと単純な話があった。
「まぶし……」
身支度を済ませて外に出て、思う。日の向きがどうしても、エントランスを出る私の目に刺さるのだ。季節が変わるまでの辛抱といえど、毎朝目が痛むのには辟易しかけている。でもそれを些末にしてしまう程度に、立地はよかった。
歩きだす。目につくもの全てが、逆光で沈んでいる。朝とは明るいものでなかったか? という感覚を、この時期ばかりは忘れそうになるのだ。
とはいえ、こうでない季節に巡ればまた忘れ、同じようなことを繰り返す。「習慣」や「当たり前」はこのように脆いのだろうな、と考えるのも、また忘れるのかもしれない。
その日夕方写真を撮った、今は付き合っていないがとてもとても綺麗で華麗なまるで一輪の百合のような人だった、、、
夕方の海あなたにレンズを向けるその横顔が僕の視界に入ったから、「カシャッ」、、、「もう!何撮ってるの笑」彼女はそう微笑みながら撮った写真を見た
「わぁー、、、逆光がいい味出してるね!」僕は思った、写真に入っている主役は背景の逆光で脇役はシルエットになっている彼女だが、違うんだ僕の視界に写っているのは
「君が主役」で「逆光が脇役」なんだ、そう思ったでもそれよりも君の笑っている姿が僕のそんな思いを空へ飛ばしてしまったんだそしてその後君も
この広い広い空へ飛んで行ってしまったんだ。
逆光
コロン、とカラの紙コップが手から滑り落ちた。毛足の短いくすんで汚れた絨毯。所狭しと並んだ何列もの赤い劇場用椅子。
ねむけ眼のぼやけが引いてゆくのと同じように、照明がゆっくりと辺りに色を戻して。
馴染んでいた。
溶け込んでいたと言うほうがいい。そいつの輪郭はすべて、のっぺりとした暗がりから急に凹凸を帯びていった。
横にいると視界にチラつく。
前にいると頭が邪魔。
俺の居場所はそいつの後ろの列すべてになった。だから、斜め後ろの席。ワンコインで誰もが忘れたような古い映画を上映しているオンボロ映画館。繁盛しているわけもない。
ガラ空きのシアタアで「つまらない」そうのたまうのは、もう、地球が23.4度傾いているのと同じくらい当然。
「……なぁ、もう一本観てくのか?」
「まさか。今度のは明治期の売れない物書きのドキュメンタリイですよ」
さっさと出てゆく。
入れ替わりで入ってきた女の子の揺れる真っ白な髪を追っていると、あいつの声で意識が戻された。
チケット売り場の一角。
野菜売りが得意そうなおやじ。そのカウンタアの前であいつは頬杖をつき、ぼやいていた。
「こんにち、学割くらいどこにだってあるでしょうよ。ねぇ」
「うぉ、おお」
突然の同意の強要に、間抜けな応答。
おやじは俺を一瞥してから鉢巻ごと頭を掻いて唸った。呻吟のような低い声。
「たかが五百円だらぁ」
「されど五百円」
「そげな大事な五百円ならば、猶のこと値下げすーわけにはえかんな」
「私が見出す価値に便乗するなんて常套句、時蕎麦くらい通用しませんよ」
同時にふたりが俺に目配せをした。
なるほど、おやじが俺に試食品だとか言ってポップコーンを渡してきたのも学割はお前にも適応するんだぞとこいつが暗に言ったのも、これのためか。
今日に限って後払いとか言ってたのも。
ひとり得心。
俺は言を俟たない態度でこいつのとなりに並び立ち、充分に時間を使って、五百円玉を取り出す。カウンタアに置いて指先で差し出してやれば、満足そうにおやじはそれを、チンっとレジに収めた。
「まいどあり」
「それで?」
こいつの顔を覗き込む。
鬱陶しそうに身を引いたので、俺は紙コップをこつんと現わしてやった。中には運よくポップ種が残っている。
ギッと俺を睨んだこいつ。
「ああ、嫌だ嫌だ」とわざと大振りに口にして、二千札をカウンタアに叩きつけた。
きれいな捨て台詞を吐いて外へ出て行ったのを、俺はおやじとほくそ笑む。
たまに裏切っておかないと、割に合わないからな。
開けておいてくれてもいいものを、扉がバタンと閉じた。気の利かない奴。仕方がなく俺は実にすばらしい映画館の扉を押して出る。
薄暗い。
赤みの強い橙色が空を支配して、陽光がビル群を影に沈めている。そのせいでここら一体は影に埋もれ、ビルの間から射し込む強烈な光の束があいつを一層暗い黒に染めていた。
輪郭が陽光で囲まれて。
まさに暗闇と話している気分。
悪魔的、神秘的とも言えるのだろうか。
そんな空間にさも陰気くさく佇むあいつは、白々しいほどしおらしく「負けてしまいました」と。
「友人で賭け事をするからだ」
「おや今更」
カラカラと笑う影。
ふと足許に落ちた一枚を拾ってやった。くしゃくしゃになった診察券。
「もういいだろ」
「それは捨てました。くずかごにでもやって下さればいい」
「こんな個人情報を堂々と」
そう堂々と。
これのためだけに仮病を使い、堂々と詰襟をまとって俺の家路を邪魔する。
どうせなら昼間のうちに行けばいいものを。
「一緒に行ってやろうか」
「嫌ですよ、お前を侍らすなんて」
「侍らねえよ。となりでいいだろ、となりで。一日使って駄々こねてんじゃねえよ」
「余所事に」
「他人事だからな」
黙りこくった影は、ぬぅっと闇から色を集めて。
乱暴に診察券をひったくった。
詰襟のホックを外すと、ギッと強い眼光。反射させるまで湿ってるじゃないか。
口をへの字に曲げたまま、また陰に隠れようとするから、「こっちだろう」と連れ戻してやる。
今度は顔が表情が陽光に晒されて。
「あ゛ーーー、鬼ぃ~~~っ」と仰け反るお前には、俺はさぞかし菩薩に見えるだろう。
#逆光
医大で教授をつとめる父を持つ友人は、やっぱり医者になった。今は父と同じ大学病院に勤務している。
「お父さんいるし、七光的なものってあるの?」
って聞いたら
「ない。むしろおもねってると思われたくないのか、みんな必要以上に厳しい。
叱責時にいちいち親を引き合いに出されたり、娘だし期待してるって言われ続けたりするのも、もうんざり」って。
「光ってんのは私の背後だからね。光が闇を生み出すってほんとだよ、私自身はまっくら」
七光も、前からばかり照らしてくれるわけじゃない。
後ろでピカピカされてたら、そりゃかえって邪魔なときもあるよね…。
今は逆光状態の友人だけど、いつかきっと、背後の光なんて吹き飛ばすと思う。
夏の暑さは苦手
だけど夏の光は好き
匂いも好き
秋の匂いも、冬の匂いも好き
春はそんなに好きではない
それでも
強い風に舞い上がる桜の写真を撮る
ファインダー越し
精一杯のはなむけの言葉
「逆光」
逆光で君がシルエットになる
なんだか 僕はセンチメンタル
お願いいなくならないで
もっと 親密になりたい
もっと 君を知りたい
もっとが溢れてくるんだ
苦みを含んだ甘い果実を
享受する二人
想いは叶う
ぎゃっ…こ…う?
本読まないせいかわからないが、言葉の、意味が、わからない。。。
‹逆光›
私には、見えなかった。
彼女の顔も、姿も、心も、何もかも。
本当の彼女を、私は見つけ出せなかった。
眼球に突き刺さる眩しさだけが、私の記憶に残っていた。
あれほど眩しかった彼女を、もう誰も覚えていない。
私の心の中にさえ。
私の心だって、逆光のように、見えないのだ。
# 逆光
短歌 逆光ポートレート
木漏れ日を
バックライトに
立つ君の
甘い笑顔に
「好き」がふくらむ
お題「逆光」